Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ハイエンド家具・ラグジュアリー設備のセレクション

南麻布K邸

リノベーション設計進行中の南麻布K邸では、インテリア全体のコーディネートもお手伝いしています。欧州(特にイタリア)からの高級輸入家具は、国内在庫がないものは納品まで約半年掛かるので、工事着工前に選べるものは選んで発注する必要があります。

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大物としては、まずはソファーです。クライアントのTさまは香港のお宅でもミノッティのソファーを愛用なさっているので、日本のご自宅でもソファーはミノッティに決まりました。リビングのレイアウトとベランダ越しの借景から考えて、大きなL字型の「WHITE(ホワイト)」(ソファーのシリーズ名で色ではありません…)をお願いすることになりました。

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ベージュ・白・グレーで肌触りが良いファブリックを選んでいる様子です。

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最終的には白・ベージュを基調としたファブリックと革のツートーンで、サイドテーブルにはラッカー仕上げと革仕上げを混ぜることになりました。

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ダイニングテーブルは、フレックスフォルムとマクサルトとポリフォルムで悩みましたが、アクタスが扱っているポリフォームに決まりました。写真のタイプのテーブルで、長さが2800ミリの最も大きいサイズの物です。アクタスの担当者に現地に来てもらって、搬入が可能かを確認してもらってからの発注になります。

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ダイニング机の天板は、写真のウォールナットではなく白い大理石カレカッタで、脚部はウォールナット仕上げです。

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ダイニングチェアはモルテーニです。ショールームで打ち合わせで使った、このoutoline(アウトライン)という椅子が座りやすく、軽く、そしてスタイリッシュだと気に入って頂けました。こちらは6脚のオーダーです。

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ここまで選んできた家具が比較的コンサーバティブなデザインのものだったので、少しアクセントとなるような家具も欲しいとのご依頼があったので、B&Bイタリアが扱っているラウンジチェアのHUSKをご推薦いたしました。

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パトリス・ウルキオラ氏デザインのユニークな形状の椅子ですが、座り心地が良いこと、デザイン的にもアクセントになりそうなこと、ファブリックのクッションの色を変えることができるとのことで、エキストラのクッションも加えて採用することとなりました。

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今回選んでいるのは、ハイエンド家具だけでなく、ラグジュアリー設備(空調などのような基本設備と違って、なくても暮らせるがあると生活がより便利になり、贅沢感を感じる設備)も幾つか導入します。リビングのテレビ・オーディオシステムはB&O(バング・アンド・オルフセン)のホームオートメーション・システムを採用することになりました。
音質や画像の質にこだわる人の設備のように思われがちですが、沢山のリモコンを使いこなせない方や、リビングにいる時間をリラックスして過ごしたい方にも適したシステムです。

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雑誌で見てご興味があると仰っていたバイオエタノールを使った簡易暖炉・エコスマートファイアーのショールームも見学に行きました。

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特別な換気や給気システムなしで導入できるとの説明を伺って、デザイン的にうまく処理できるのであれば、是非採用したいとのご依頼を承りました。テレビを中心にリビングを組むのと違い、暖炉を中心にセットした場合は、空間により落ち着きが生まれると思っています。
これからの設計工程、工事スケジュールを見ながら、どの時期にどこに搬入してもらうかを調整して、それぞれの発注を掛けて行くことになります。

高層マンションリノベーションプロジェクトお台場K邸

お台場K邸

年始のプロジェクト紹介でも掲載いたしましたが、昨年からお台場の高層マンションリノベーションプロジェクトK邸の設計が始まっております。現在はお施主さまご一家が外国に滞在中で、今年の夏にご家族が日本に戻る際に居住するために、ご購入なさった中古マンションを全面的にリノベーションする計画です。

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窓からお台場の景色が一望できる高層マンションです(写真はパノラマ合成です)。天井が高く(CH=2700(ちなみにCHは建築用語でシーリング・ハイトつまり、天井高さのことです))開放的な空間です。

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内部の廊下も天井が高く、立派な建具がついている高級マンションです。

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3社に声掛けしてのコンペだとのことで、(別途ご提案料を頂いたうえで)このようなプレゼンテーションシートを頑張って作りました。

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これまでのリノベーションの実績を整理して作っている概算表をベースに、大まかにどのくらいの費用が掛かりそうかについての資料もお見せいたしました。結果としては、これまでの実績と、このプレゼンテーションで設計のご依頼を頂くことになりました!

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お子さま2人を連れて日本に戻ってこれる回数が限られているので、奥さまがご帰国した折りには一番重要なキッチンのプランを固めるために、キッチンショールームを幾つかご一緒に巡らせて頂きました。こちらは代官山のクッチーナのショールームです。

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ご主人さま奥さま共にインテリアにご興味があるので、キッチンと洗面については主に奥さまが、書斎についてはご主人さまが来日なさった際に打ち合わせることになりました。因みに、その他のリビングダイニングや玄関などについてはお二人の意見をスカイプで伺ってご提案することになっています。

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とはいえ、スカイプでは仕上げ材の素材感が伝わりませんので、事前にお送りしてたインテリアのイメージ写真でお好きだと言ってくださったものに近い素材もお持ちして、ご興味があるものについては持って帰って頂いております。

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最後は高層階の窓からの景色です。高層マンションは建物の管理組合&管理会社がリノベーションに対して厳しく、また、警報関係やスプリンクラーなどの設備の絡みが多いので大変なのです。外国居住中とのお施主さまとのコミュニケーションも大変そうですが、何とか頑張ってKさまご夫妻に満足して頂けるようなリノベーションに仕上げてゆきたいと思っております。

解体&水回り設備チェックの立会@六本木N邸

六本木N邸

新築マンションリフォーム(厳密には、マンションが経ってからすでに2年ほど経っていますが、どなたも一度も暮らしたことがないので、新築と書かせてもらっています…)の六本木N邸の解体工事が始まりました。

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残念ながら正面にあった、一度も使われていないキッチンも解体されてしまいました…。他にも、お施主さまも僕らも使っていないのに廃棄するのは勿体ないと思われる設備機器や照明器具などが沢山ありました。

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そこで、確実に再利用できるものだけでなく、どこかに使えそうなものは、しばらく工事をしない予定の主寝室に保管しておくことになりました。まだ、こちらに詰まれていている物は、解体が進んでいるキッチンの食洗機やシンク、水栓類程度ですが、トイレの便器や照明器具、水回りの金物類などがドンドン増えてゆく予定です。まだ使っていない内装を壊してのリノベーションのご決断をしてくださったお施主さまのNさまたちも、なるべく沢山のものを再利用できることは喜んでくださっています。

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浴室は残念ながら使い勝手やサイズ、場所などの理由で解体されてしまいました。この床に置かれているオレンジと青の迷路状のものは、かつての浴室の壁に埋められていたシャワーなどの水栓類の配管です。シャワーや水栓を再利用するので、併せて壁裏のシステム自体も取り外してもらい、再利用することになっています。

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因みに、こちらは解体されてしまったシステム浴室の床排水パンです。今回、浴室ユニットやシャワーユニット工事をお願いしている東京バススタイルの真柄さんと和久田さんたちも、他社のシステムを詳しく見る機会が少ないので、興味深げに研究していました。

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こちらが、かつて浴室があった場所です。床下には、近くにあるトイレや洗濯機等の排水管が流れ込んでおり、寸法や排水ルートを考えると、ここまで考えてきた浴室のレイアウトでは、床をフラットに仕上げることができないことが判りました…。スケルトンリノベーションですので、何とか床仕上げをフラットにしたいと真柄さんや和久田さんと頭を絞って、浴室位置は変えずに浴槽と洗い場の位置を交換すれば、排水ルートがうまく廻せて、床もフラットにできそうだとの解決策を見つけることができました!ただ、浴室の扉の位置と、洗面の造作家具のラインを合わせて設計していたので、そちらの方まで変更の影響が出ることが判ったので、複雑な調整が必要になりそうです。
大きな費用やスケジュールの変更は避けられそうですが、使い勝手上の違いがありますので、当然ながらお施主さまの了解も得る必要があります…。

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奥さま用の洗面所の奥に設ける予定のシャワーブース個所の設備位置、下地の測定をしてもらっている様子です。こちらでも天井裏の梁が当初の想定より低かったので、天井の高さの調整かあるいは浴室暖房乾燥機の再利用をしないかの判断をしなければならないことになりました…。築浅の方が、解体時の問題が少ないことが多いのですが、今回は色々と問題が発生中です。

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もう一つの問題が天井高さです。こちらは天井裏のダクト配管やエアコンの状況です。蛇がのた打ち回っているかのような様子ですが、このうち、スプリンクラーのメイン配管は動かしたくないものです。当初想定していた折り上げ天井の寸法が確保できない個所が幾つか出てきてしまいました。建物の災害時の避難経路などの問題から、室内空間の体積を守らなくてはならないので、折り上げ天井が少なくなった部分分の体積を、どこかほかの個所で確保しなくてはなりません。

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こちらは解体が遅めに進んでいるリビングです。ここはそれほど大きな問題はなさそうです。

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床には、廃材が整理されて置かれています。基本はボード類、LGS下地類、木製下地材、その他の雑ゴミという分類で整理され、後日纏めて産業廃棄物として処理されてゆきます。

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解体後の墨出し時に決定しなくてはならない寸法や、それに関連したデザイン要素があるので、工事をお願いしているリフォームキューの営業・設計担当の岩波さん&現場監督の富田さんとうちのスタッフの竹田さんで下打ち合わせをしている様子です。

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リビングの展開図ですが、細かい取り合いや寸法については、まだこれから詰めてゆく必要がありそうです。まだまだ問題が山積みですが、これまでに幾度も大きな問題を解決しながらリフォーム&リノベーション工事を進めてきた経験者たちと一緒なので、今回の解体時打ち合わせで問題が見つかったと同時に、ある程度解決するための処方も見えてきております。