Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ライムストーンの暖炉・マントルピース組み立て

広尾N邸

外国在住のお施主さまが、現地でで選んで購入して、船便で送ってくださったライムストーン製の暖炉が広尾の現場に届きました。

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正確には、煙突もありませんし、背部も石膏ボードなので、火を燃やすことができないので、マントルピースの組み立てです。因みにマントルピースは、暖炉の上部・側面を囲むかたちで壁面に設けられるフレーム上の飾り枠のことです。

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全部合わせると、数百キロの非常に重たいものですが、10個くらいのピースに分けられてきたものを、マニュアルに従って組み上げてゆきます。伊藤さんと服部さんに手伝いの大工さん2名、そしてお施主さまのNさまも手伝いに来てくださいました。

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組み立て中を上から覗き込んだ様子です。さすがに無垢で作るとなると、重量がとてつもなくなるので、このように中空で作ってあります。

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一番重たい部材の天板を慎重に乗せている様子です。

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組みあがったところで、接着剤で固定する前に、慎重にレベル(水平性)とカネ(垂直性)を確認しながら、微調整してゆきます。

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レベルとカネが取れたところで、内部に潜り込んで固定してゆきます。

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写真のような三角形の石のピースに、二液性の接着剤を付けて固定してゆきます。まだ、内部には梱包材の発砲スチロールのごみが付着していますね…。

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一通り組み上がって、鎮座している暖炉のマントルピースの威容です。

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アップで見ると、ライムストーン同士を接着している線が見えますが、やはりプラスチックで作られたマントルピースとは重さも格式もワンランクもツーランクも違います。

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無事リビングの壁に組み上がったマントルピースに、お施主さまがやはり外国で購入して送ってくださった電気式のストーブを嵌め込んでみた様子です。両脇に本棚を控えて、プロポーション・デザインともに大満足の出来となりました。汗だくになって組み上げてくれた職人さんとNさま、どうもお疲れさまでした!

 

 

白金台のビンテージマンションリノベーション計画Y邸

白金台Y邸

白金台で築29年の中古マンションのリノベーションのお手伝いをすることになりました。面積は175平米(53坪)の大型ヴィンテージマンションです。

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手前がリビングで、奥に人が立っているのがダイニングという変形リビングダイニングのお宅です。リビングは面積的にも広くて、整形ですが、ダイニングは梁型が目立ち天井も低く、このままではちょっと寂しいイメージでした。

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キッチンは一度手を入れているようですが、それでもビンテージ感ある変形キッチンでした。外国人向けで高さが高く、面積の割にはレイアウトが使いづらそうなので、新しいレイアウト案をご提案することになりました。

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こちらもビンテージ感がを感じる浴室です。在来工法なので、全面的にやり直しをすると大がかりな工事になることをご説明したところ、まずは古さを感じさせないように手直しして欲しいとのお話になりました。浴室乾燥機がついていいないので、天井の高さを少し落として、浴室乾燥暖房機を設置することになりそうです。

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大きな主寝室は、ちょうど窓前に樹木があって、気持ち良い部屋でした。クロゼットが不足しているので、壁際に一直線にクローゼットを設けることになりそうです「。

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キッチンの床の点検口から覗き込んだ床下の配管状況です。キッチン回りの床はスラブが下がっており、こちらのように水回りの給排水管が更新できるようになっていました。木製の束立てと鋼製の束が混じっており、幾度かリフォームをされた経歴が判ります。

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今回はスケルトンでのリノベーションではなく、消費税込で2000万円の予算で、どこまで手直しできるかというスタイルでの計画となっているので、間取りの変更をなるべく抑えて、目立って古い設備の更新やデザインのリニューアルを中心に広い面積を有効活用しながらどうバランスを取ってゆくかが難しい判断になりそうです。

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実は、以前違うお部屋でしたが、リフォームのご相談でこちらのマンションを拝見したことがありました。マンション内装の雰囲気はわかっておりましたので、事前に送っていただいていた平面図をベースにして、どこをどのように手直ししたら良さそうかを勝手に考えていたものをお見せしたところ、概ね気に入って頂けたようでした。

キッチンと造作家具の設置@広尾Nプロジェクト

広尾N邸

面積が大きいマンションのリフォームだと、幾つかの職種が同時進行で行われることが多々あります。

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こちらの広尾Nプロジェクトでは、既存間取りが玄関ホールから左右にパブリックとプライベートの二つのゾーニングに分かれるので、造作家具の設置とオーダーキッチンの設置、さらには塗装の下地作りが同時に進んでいます。左手開口奥にはキッチンが設置され始めており、手前のリビングでは、造作家具の箱が詰まれていましした。

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代官山のオーダーキッチン屋のクッチーナにお願いしたL字型キッチンのベースが設置されています。古いヴィンテージ物件ですので、壁のカネ(垂直)が取れていないことで、どこを基準にするかなど、制作寸法も苦労しましたが、まずはきれいに取りついておりました。

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ガスレンジの横のPS壁には、薄型のタイルを張りました。出窓前の立ち上がり部分は塗装にするか、同じタイルを張るかを迷っておりましたが、タイルがきれいだったのと、あまりがあるとのことで、タイル張りにすることにいたしました。

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今回は同じクッチーナに洗面カウンターを2本お願いしています。こちらはキッチンからユーティリティー兼パントリーを経て、寝室へと繋がる動線上に設けた洗面のカウンター家具です。奥さまの化粧カウンターと一体になったデザインとなっています。

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そうこうしているうちに、先ほど積まれていた箱がリビングの壁際に立ち上がっていました。左右に立つ本棚の中央には、やはり香港から輸入したライムストーン製の大きなマントルピースが設置される予定となっています。

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プライベート空間へと続く廊下にも、本棚とクローゼット収納が嵌め込まれていました。

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因みに、こちらが同じ廊下を玄関ホール側から見た様子です。この玄関ホールの天井高さを上げるために、給水管の配管ルートを変えるなど、色々と工事側には面倒をお掛けしましたが、それだけの効果が十分にあったようです。

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主寝室で打ち合わせをしている、監督の伊藤さんと大工の服部さん、うちのスタッフの竹田さんのy法酢です。打ち合わせている最中から、職人さんたちが造作家具の扉を、どんどんはめてゆきます。因みに、この部屋は、下地塗が完成していました。

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同じ主寝室の造作収納家具です。天井が高いので、上部の吊戸棚は身長186センチの各務でも届きませんが、ノビノビとしたデザインは開放感があって素敵です。

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一番奥の洋室では、塗装屋さんがパテ作業をしている最中でした。キッチンや造作家具が取りつく部屋は先にパテを仕上げておいて、組み立て中は奥の部屋をパテ作業するという流れで、作業がストップする無駄な時間を作らないで行く様子はマンションリフォームのプロ根性を見せて貰った気がいたします。