Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

解体後の墨出し、造作クローゼットとオーダーキッチンの寸法確認

六本木N邸

先回のブログで紹介した解体時の設備チェックで色々と問題が発覚(?)した六本木N邸ですが、良かったこともありました。

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全ての部屋の床仕上げは剥がしてやり直すのですが、既存フローリングの下に下地ベニヤ板が張ってあったことで、その下にある床暖房は半分以上を再利用することができることになりました。当初見積りでは、床暖房も全面やり直しで見ていたので、半分残るだけでもそれだけ費用をセーブできます。

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床構成の断面写真を見ると判るのですが、現時点で一番上に張ってあるのがフローリング張り用の下地ベニヤ板12ミリです。その下に白く見えている層がガス式床暖房(東京ガスのTES)の12ミリで、その下のボソボソした断面が置床のベース板となっているパーティクルボード(パーチとも言います)の20ミリです。ちょうど解体してある部分が部屋の間仕切り壁だった箇所なので、際根太が入っていますが、床構成は上記の3層+仕上げフローリングとなっていました。

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といっても、下地ベニヤをキズ付けずにきれいに残すのは結構難しい作業です。ビスで張られていたフローリング剥がしてもノリで接着されていた部分が残ってしまうので、それをスクレーパーや電気カンナで丁寧に剥離させてゆきます。

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きれいに既存のフローリングを剥がし終わったリビングダイニングの大空間です。

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構造のRC造丸柱は周りを下地付きの壁でフカしてあったので、こちらも周りのボード&下地を撤去して、よりスリムに見せる予定です。

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床暖房は全て再利用したかったのですが、間仕切り壁の位置と床暖房パネルの一部が重なってしまうことが墨出しで判ったので、手前一列分の床暖房はやりなすことになりました。

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写真でシルバー色に見える箇所が床暖房パネルです。簡単に剥がせるものではないので、ガス屋さん(写真中央右の緑色の服の人)に立ち会って貰って、管内の圧力をチェックしながら水漏れがないかを隠しつつ接合部を外してもらいます。

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こちらの器具は手動式水圧テストポンプと呼ばれる機器だそうです。水を使って、ガスの圧力をチェックする道具なことまでは判りましたが、ガス屋さんも忙しそうだったので残念ながら詳しく聞くことができませんでした…。

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解体時に変更せざるを得ない個所が幾つか見つかった部分については、スケジュールのこともあったのでまずは電話とメールで了承して頂きました。ただ、費用的な変更も発生するので、お施主さまに現地に来てもらい、具体的な場所を見て貰いながらご説明もさせて頂きました。
それにしても床と天井を剥がした空間は、天井高さが非常に高いことに気付かされますね。

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以前の浴室があった個所の配管状況をご説明しているところです。リフォームキューの現場担当の坂本君にも立ち会って貰いました。

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現地の墨出しの確認が終わったところで、大型ウォークイン・クローゼットの造作をお願いしているタイム&スタイル造作収納部門の担当の木村さんに現地に来てもらいました。お施主さまとの直接契約なので、リフォーム工事をお願いしているリフォームキューさんの下に入る訳ではないのですが、取り付け工程が被ってくるので、僕らのご紹介という形で打ち合わせをさせて貰いました。

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同じく、施主支給工事のキッチンですが、こちらもオーダーキッチン・SSKの担当の臼田さんに墨出し位置の確認と設備の取り出し位置を現場に記してもらいました。

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床下地と天井裏のダクト類は残っていますが、それ以外はほぼ解体されたセミ・スケルトン状態の現場です。これからどのように変わってゆくか、僕らもとても楽しみにしております。

青山I邸リノベーションプロジェクト

青山I邸

青山の高級マンションをご購入なさったIさまからリノベーションのご相談頂きました。Iさまとは、Iさまのお嬢さまを通じての長い知り合いで、20年近くのお付き合いになります。今回のプロジェクトは特別な事情があるとのことでした…。
実はこちらのマンションは建物全体が1棟リノベーション物件で、ご購入なさったお部屋には、当初から大手リフォーム会社での設計・工事が条件として付いているという状態でした。したがって今回はリフォームアドバザーとして手伝いすることになりそうです。

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マンション内に実際にリノベーションしたモデルルームがあり、そちらで初回の打ち合わせをさせて頂きました。こちらのマンションは、リフォーム&リノベーションの業界では大きな話題になったプロジェクトで、このような形でモデルルームを拝見することになるとは想像をしておりませんでした。

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こちらがご購入なさったお部屋です。160平米超の広さで、三方窓の角部屋です。まだリノベーション前の状態ですが、これでも十分にきれいで、このままでも住めそうなお部屋でした。抜群のロケーションで、部屋の広さも十分にあるのですが、梁が縦横に走っており、梁下の天井高さが低いことが最も大きな問題のようです。

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こちらは2回目の打ち合わせを品川区の高層マンションにあるお施主さまのご自宅での打ち合わせ中の様子です。風水も気になさっていらっしゃるのでリノベーション案と風水のチャートを両目で睨みながらプランを決めてゆくことになります。

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長らく欧州に暮らしていらっしゃった影響か、大きな家具や絵画を沢山お持ちです。この写真のチークの家具は、新しいお宅の壁際には梁寸法の関係で設置できなさそうです。

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他の家具やアートもそれぞれが魅力的で、お施主さまの特別な思い入れや独特の雰囲気があるので、それらをどのようにレイアウトしてゆくのか、お施主さまのご意見を伺いながら大手リフォーム会社と共同でまずはプラン固めをしてゆくことになります。

 

虎ノ門ヒルズレジデンスの取材撮影

虎ノ門ヒルズM邸

昨年後半にリフォーム工事が完成していた虎ノ門ヒルズレジデンスのリフォームプロジェクトM邸をリクルート社の雑誌「都心に住む」が取材撮影に来てくれました。

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以前から虎ノ門ヒルズのプロジェクトに取り組んでいることと雑誌編集部に伝えていたところ、タイミングが合えば是非取材撮影させて欲しいとお願いされておりました。いつもお世話になっている編集部の江原さんたちにお宅の概要をご説明している様子です。

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今回のライターさんの安倉さんは初めてご一緒しましたが、訪問前から質問リストをご提出してくださったり、とても熱心な方で、図面のご説明も丁寧に聞いて下さいました。

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撮影のカメラマンの一井(いちい)さんは、六本木ヒルズレジデンスT邸の取材撮影時にもお世話になった方です。

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女性陣が撮影アングルを確認している間に、男性陣がそのアングルに映る部分のリフォーム内容を説明する形で取材・撮影が進んでゆきました。

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お施主さまのMさまはご不在でしたが、事前の取材質問へのご協力のお陰もあって、2時間ほどで無事に取材撮影が終わりました。取材後の記念撮影で、右から編集部の新人社員さんの馬場さん、ライターの安倉さん、これまで幾度もお世話になった編集の江原さん、私各務にカメラマンの一井さんです。皆さまどうもありがとうございました。そして何より、すべてにご協力くださったMさまご夫妻、どうもありがとうございました!
なお、掲載特集は「プレミアム住戸について」だそうで、2月に発売予定だそうです。