Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

リフォームデザインと仕上げ材の決定プロセス@白金台Y邸

白金台Y邸

ヴィンテージマンションのリノベーションプロジェクト、白金台Y邸の計画がゆっくりですが、進んでおります。

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プランのアイデアがある程度まとまってきたので、簡略ですが図面化しています。図面の番号が振ってあるのは、その個所毎に見積りをお願いして、CP(コストパーフォーマンス)を見ながら、メニュー的にどこをどのようにリノベーションするかを見やすくするための工夫です。

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①にあたる玄関部分のリノベ提案のスケッチです。築29年のマンションのビンテージ感を玄関で演出したいと考えて、このようなデザインを考えてみました。靴の脱ぎ履きの利便性向上のためのベンチや手すり、窓がなく暗い玄関を明るくするためのガラス扉なども工夫も加えています。

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リビング側には、既存で縦型の空調機を天井カセット型に置き換えて、その場所をAV機器収納兼本棚として利用する案を考えました。リビングからくびれて天井が低くなったダイニング部分には、天井を羽目板張りにして間接照明を入れて、正面の柱型に合わせて家具を設置する提案をいたしました。

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それぞれの提案を現地でYさまたちにご説明している様子です。玄関やダイニングの提案はとても気に入って頂けたようです。そのまま見積りを作ってもらうために、リフォームキューの森井さんに立ち会ってもらっています。

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その素材イメージもYさまに見て頂きました。オークのフローリング張りを基本に、少し色の濃いウォールナットかチーク材を混ぜて、クロスも落ち着いた色調のものを考えております。概ね、デザイン提案に対してのOKを頂けましたので、この流れで見積りを作ってもらうこととなりました。

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先回の打ち合わせから10日後に見積りが揃った時点での打ち合わせの様子です。今回は、お施主さまが懇意になさっている不動産屋さんにも立ち会ってもらって、デザインやCPについての意見を伺わせていただきました。リフォームキューの岩波さんと森井さんにも説明に立ち会ってもらっています。

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キッチンについては、オーダーで作るか、既製品のシステムユニットで作るかの2通りを考えました。システムはパナソニックでご提案したところ、隠れた個所にあるキッチンなので、費用をそこまでかけなくてもよいこと、さらに実用的に問題がなければ、こちらの方が良いとのご判断になりました。ほかの部分についても、CPを中心に打ち合わせを進めて、どのリフォームを採用して、どれを不採用にするかを時間を掛けて検討して頂くことができました。

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2回目の打ち合わせから、メールにて見積りをやり取りして、最終的な工事内容と金額をまとめることができましたので、ちょうど1週間後に工事契約を現地にて結ぶ運びとなりました。

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最終的に決まった仕上げ材を並べて、どこに何を使うかをご説明させて頂きました。早速準備に取り掛かって、翌週から解体工事が始まることになります。Yさま、リフォームキューの岩波さんと森井さん、どうぞ宜しくお願いいたします。

 

フレックスフォルムでダイニングテーブル選び@六本木N邸

六本木N邸

一通りの家具をミノッティ中心で仮に選んだ六本木N邸ですが、奥さまから全体があまりに男性的なイメージになってしまったので、もう少し女性的で優しく、ソフトに感じるような家具を混ぜて貰えないかとのリクエストがありました。

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イタリアの高級輸入家具で、ミノッティと並ぶクオリティーとデザインの良さを誇る、フレックスフォルムのショールームを訪問いたしました。イタリアのデザイン界の巨匠、アントニオ・チッテリオがデザイン&総合監修をつとめる家具ブランドです。僕らからすると、ミノッティが男性的で暗いイメージなのに対し、フレックスフォルムは女性的で明るいイメージだと思っています。

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家具選びを手伝ってもらっているメイズの小島さんと一緒に、2階のソファを見学させて貰っている様子です。デザイン性の違いや、素材や色味の傾向が違いながらも、六本木N邸のインテリアにはマッチしてくれそうなことがよく理解できました。

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奥さまが最も気に入ってくださり、僕らも密かに採用したいと思っていたのが、このダイニングテーブルのFLYです。W2600、L1200、H740の大型サイズのダイニングです。

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展示されているテーブルは、天板が超高級大理石で、日本ではほとんど手に入らないカラカッタオロで、脚部はクローム仕上げですが、このサンプルのように大理石の磨き具合や脚の金属の色も選べるようになっています。色々と組み合わせを考えてみましたが、脚部をクロームのブラック仕上げにしますが、カウンタートップはサンプルと同じく、磨きのカラカッタオロとすることになりそうです。左上に並んでいるのはフレックスフォルムのレザー張り椅子のカラーサンプルです。

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こちらは場所を変えて、やはりフレックスフォルムからほど近い、インテリアズのショールームに移動いたしました。並べているのは、こちらで採用してはどうかと思っている、リミテッドエディションのレザーのラグサンプルです。

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途中から参加してくださったご主人も交えながら、家具のレイアウト案とここまで選んできた家具のチョイスを確認して頂きました。ラグについては残念ながら僕らがお勧めしたものは不採用となり、ビスコース素材ラグを探すことなりました。

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これまでなかなか良いものが見つからず困っていたダイニングチェアについては、インテリアズが扱っているピエロ・リッソーニがデザインしたガルダという椅子を気に入って頂けました。ダイニングテーブルの高さとの相性が良く、何より軽くて、スタイリッシュな椅子なので、僕らもいつか採用したいと思っていたものです。

 

 

 

 

枠廻り・幅木収まり・壁端部ディテール@虎ノ門ヒルズ

虎ノ門ヒルズM邸

工事が始まった虎ノ門ヒルズレジデンスM邸の解体から造作工事の流れを紹介いたします。

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こちらが解体時の様子です。今回のような超高級マンションでのリフォーム工事の場合は、解体屋さんを入れず、造作大工さんに解体をお願いするケースがほとんどです。解体屋さんは壊すことが本業なので、スピードは速いのですが、どうしても雑になりがちで、下地を痛めてしまったり、騒音で近隣に迷惑を掛けてしまうケースが多いので、費用も高く、時間も掛かりますが大工さんにお願いすることになりがちです。

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大工造作の段階になって、お馴染みのリフォームキューの面々(石原さん、岩波さん、大工の町永さん)が揃っています。

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既存のウォールナット壁の手前に箱が組まれていますが、ここにテレビを埋め込む壁/造作家具を作る予定です。左側に空いている開口から、壁の裏側にある靴箱へ線を通して、靴箱の中にAV機器類を入れることを考えています。薄型テレビの厚みだけが、壁とフラットになるようにデザインしています。

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このテレビを埋め込む壁はそれなりの厚みが出てしまうので、壁の端部はシャープに見せるために、斜めにカットして、鏡面のステンレス板を張る予定となっています。斜めにカットされた壁端部の様子です。

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テレビの裏側、つまり玄関ホール側にはカラーガラスを張ることになっています。鏡面ステンレス板とカラーガラスの取り合いを検証している最中です。

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玄関ホールには、新しく引き戸を釣り込むので、その下地を作ってもらっています。一本引き扉なので、その厚みをうまく処理するために、壁の一部をフカして貰っています。

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キッチン本体はそのまま再利用しますが、対面カウンターに目隠しがないので、小壁を立ち上げることになっています。高さを検討したうえで、木製下地とボードで小壁を立てて貰った様子です。

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リビングの窓際には、壁のボードを一枚剥がして、鏡をフラットになるように張ってもらう計画です。写真でベニヤ下地が見えている個所が鏡張りの範囲です。

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鏡の上部には、僕らが愛用している超細型ピクチャーレールを仕込んでもらいました。

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鏡張りの下部は既存の幅木を活かして、ボード面にはプラスチックコーナー材を入れて、クロスを巻き込めるようにしてもらっています。工事担当の石原さんと大工の町永さんの丁寧な仕事ぶりは安心してみていることができます。

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こちらは既存幅木の断面が見えていた個所です。MDFに塗装した小型の幅木にプラスチックの見切り材を立てて、石膏ボードを差し込んだ詳細となっていました。

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以前は建具が吊られていたLDKからプライベート部分への廊下は、デザイン変更で建具を撤去することになったので、枠材も取り外して、ボードや天井との見切り材を入れ直してもらっています。

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プライベート部分の突き当りは、メイズの柚澤さんのアイデアで、フレームを廻したピクチャー壁(?)を設けるので、その下地を作ってもらっています。どのように仕上がるか今から楽しみです。天井にダウンライトを入れる面がなかったので、仕方なく点検口にウォールウォッシャー・タイプの照明を埋め込みました。

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リビングの折り上げ天井には、アゴの部分にモールディングを付けて、フラット面にはレーリングを付ける計画でしたが、脚立を立ててモールディングやレーリング材を置いてみた結果、モールディングはやり過ぎ感が強いので中止し、四角くレーリング材だけを廻すこととしました。