ちょうど3年ほど前にお引渡しをした関西M邸のお客さまから、主寝室横のウォークインクローゼットを改造したいとのご連絡を頂きました。
今年の4月にハイブランド家具のポリフォームのクローゼットシステムショールームを北イタリアで見学した際のブログ記事を見て、(広さはここまでないが)このようなイメージのクローゼットに改造することができないかとのご相談でした。
こちらが当初弊社側で設計アドバイスをした際のウォークインクローゼットの図面(紫色の部分)です。壁芯計算で約5.2畳の広さの空間です。寝室の奥にあって、基本的にはご夫妻以外は入ってこない空間とのことで、3面に固定のハンガーパイプと枕棚を設けて、部屋の中央に引き出し付きのアイランド収納を設けただけのシンプルな作りでした。
ハンガーバーの下にはスペースを作り、お手持ちだったタンスや既製品の衣装ケースを入れて引き出し的に使って貰っておりましたが、細かい棚が無いことで効率的な収納はできないこと、衣装ケースの開き具合の悪さがストレスになっていること、そして何よりデザイン的に工夫がされていないことで納戸的な使い方となってしまっていることで悩んでいらっしゃる時に、ちょうどポリフォームのブログ記事を見てご連絡くださったとのことでした。
早速日程を決めて、関西M邸に伺って今のウォークインクローゼットの使い方を調査させて頂きました。
どこに誰の何が収納されており、その量が今後増える可能性があるのか、断捨離で減らすことが出来そうなのか、引き出し内部や枕棚上の収納なども含めて、弊社担当スタッフの竹田さんと、ポリフォームを扱っているアクタス関西の村山さん、櫻井さん、そして施工担当の原さんも現調(現地調査)に同行して貰いました。
WIC内には主寝室用の掃除機や、ごみ箱、ズボンプレッサー等の備品が置かれていたり、エアコンや天井付の自火報や照明器具も移動しなければいけないので、そういった詳細についても現調時に確認させて頂きました。
関西M邸での現地打合せが終わった後は、Mさまご夫妻とアクタス一行と僕ら全員で京都のアクタスショールーム上階にあるポリフォームのクローゼット見学に伺いました。
実はこの現地の調査を兼ねた打合せの前に、一度Mさまご夫妻とはオンラインでお打合せをしておりました。その打合せ時のために作っていたWICのラフプランがこちらです。上はL字のクローゼットを2つ合わせた案で、下は変形コの字に特注でアイランド(一辺が壁についているので正確にはペニンシュラ(半島))型のカウンターを設ける案でした。
オンライン打ち合わせで、上の案をベースに進めて欲しいとのご依頼を受けておりました。
アクタス関西の村山さんたちが、事前に送っておいた案から素案となる図面を起こしておいてくれたので、それを見ながらのより具体的なお打合せをすることができました。
背の高いご主人が届くハンガーパイプの高さのチェックや…、
引き出しの深さの確認や…、
棚板の仕上げ(左はガラス、右はレザー張り)などまで確認して頂きました。
側板や背板や棚板の突板やメラミン、レザーなどの仕上げ材が豊富にあるのがポリフォームの特徴なのですが、どれを組み合わせてもポリフォームらしくなるのが、またもう一つの特徴なのです。ダークでシックな洋服をお持ちのご主人さまはスペーサートオーク(ドイツ中部のシュペサルト地方で採れるオーク材のことで、最上級オークという意味)とアルデシア(スレートのような農灰色)をベースとしたものとし、白系のシンプルな洋服をお持ちの奥さまはエルム(ニレ材)にアルデシアを組み合わせた明るいクローゼットにしてはどうかとのご提案をさせて頂きました。
一通りの内容確認と色味の提案もできたので、それらを盛り込んだ提案書と見積りをアクタス側に作って貰うこととなりました。
因みに関西には、大阪にもアクタスの大きなショールームがあるのですが、そちらのウォークインクローゼットシステムの展示品は、2階のものは白っぽくて華やかさが無いのと…、
1階の展示品は小さすぎて打合せには不十分だと、事前の見学で判断していたので、京都のショールームでお打合せをすることとさせて頂きました。ただ、京都ショールーム(SR)でも大阪SRでも、イタリアのポリフォームラボで見学した最新のクローゼットシステムの展示が無いので、ポリフォームの魅力の半分程度しか伝わらないのが残念です…。