Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

遮音マットの床下地@白金台Y邸

白金台Y邸

白金台Y邸はマンションの管理規約で軽量床衝撃音のレベルをLL=45(現在LL表記は改正されて、正しくはΔLL(Ⅰ)(デルタ・エルエル・ワン))と規定されているので、フローリングを使う場合は、当該性能を持つ遮音フローリング(フローリング自身に遮音性能を持つクッション材が張り付けられたもの)を使うか、規定をクリアする遮音材を敷いた上に通常のフローリングを張るかのどちらかを選ぶことになります。

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遮音下地も、置床(二重床)にするか、遮音マットを敷くかの2通りしかありませんが、今回は掃出し窓の床からの高さや天井高さを確保することを優先したので、床遮音マットを使うことになりました。

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遮音マット自体は11ミリと薄いものですが、このままではフローリングを張れないので、その上に12ミリのコンパネ(コンクリートパネル用合板)を張ってゆきます。

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遮音マットの継ぎ目とコンパネの継ぎ目が重ならないように、ずらしながら張ってゆくのです。ダイニング部分には、コンパネ上に張るフローリング材も山積みされていました。

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ダイニング側からフローリング材越しにリビングとキッチンを見返した様子です。以前はバラバラだったリビングとダイニングとキッチンがダイニングを介して繋がる完成イメージが見えてきました。

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現場監督さんにお願いして梱包を解いて、フローリング材を確認させてもらいました。今回採用するのはIOCのオークフローリングです。

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同じダイニングの天井と袖壁にはオーク材の羽目板を張る予定ですが、こちらは違うメーカーの製品なので、こちらも開梱して色味を確認させてもらいました。羽目板はニッシンイクスのリアルパネルです。
写真では違う部屋の違う光環境で撮影したので違って見えますが、色味や木目もよくマッチしそうなので安心いたしました。

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ダイニングとキッチンの間仕切りは、壁際に大きな引き戸2枚を入れる設計となっています。金具で吊った吊り戸になるので、天井の羽目板の下地にはスリットが入れてありました。

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他にも、かつての給湯室をユーティリティーへとリフォームする部屋では、東京ガスの職人さんたちがダクトの接続をしてくれていました。

 

 

 

リノベーション・ジャーナルのインテリア特集号に掲載されました

六本木M邸

以前幾つかのマンションリノベーションプロジェクトを取材撮影して頂いた雑誌「リノベーション・ジャーナル Vol.5」が発売されております。ブログでのご報告が遅くなりましたが、先月初頭から店頭に並んでいたようです…。

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日本で唯一のリノベーション専門誌であるこの雑誌に大きく取り上げて頂いたのはとても名誉なことです。特集のテーマは「インテリアをデコる100の法則」で、高級インテリアを扱ったLUXURYの32ページ(!)は全て僕らが設計したプロジェクトの紹介となっております。
最初に取り上げられたのは、品川区Y邸です。突板の使い方などが説明されています。

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2つ目の登場事例は、先日「第31回住まいのリフォームコンクール」で優秀賞を頂いた世田谷区N邸です。こちらでは塗装仕上げの注意点などが説明されています。

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次は神戸M邸で、プロフェッショナルにリビング・キッチンを動線に取り込む設計手法の解説です。

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お馴染み(?)の白金台S邸は、自然素材を使いながらありがちな北欧テイストを避けて高級感を演出する方法について書いてくれています。

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モールディングやケーシングをふんだんに使った六本木M邸でも、詳細写真を使っての説明となっています。白っぽくて、僕の腕ではうまく撮れていなかったディテールもプロの写真家の手できれいに撮影されています。

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南平台N邸は、雑誌初登場です。こちらだけは、取材撮影の日程が足りず、こちらで撮影した写真を使っています。

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ここまでの事例紹介的なページに加え、ここからはさらに色使いとゾーニング、空間の個性化、装飾部材の使い方、天井と照明の関係、大きな壁面の演出の仕方、フローリングとラグの相性、アルミサッシの存在感の消し方、高級建具のデザイン、AV収納の見せ方などを細かく説明してくれています。ほとんど、僕らが考えてきたデザイン手法を丸裸にされて解剖されてしまったようで、恥ずかしいばかりなのです。

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しかし、ここまでで終わりではなく、巻末には「リノベマスター仕事術」というタイトルで、経験豊富な縦主をうならせる高級リフォームの作法について、図面を使いながら詳しく解説してくれているのです。

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当初、特集の意図を編集長の大菅さんに伺った際に、こんな大規模なインテリアの特集がうまく纏まるのか、正直不安ばかりでした。ただ、最終的に出来上がったものは、文章を読んでも図面を見ても、写真を眺めてもなるほどと思えることばかりの、素晴らしいマンションインテリアの特集号に仕上がっていました!

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このような派手で、内容も良く判らず、僕の名前も誤植されていますが(残念…)、実に面白く(プロであれば)必ず役に立つ雑誌となっておりますので、どうぞ書店で手にとってご覧ください。

 

 

 

 

第31回住まいのリフォームコンクール授賞式

世田谷区N邸

先日優秀賞受賞のご報告をした、「第31回住まいのリフォームコンクール」の受賞式に伺って参りました。

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受賞作品である世田谷区N邸のお施主さまご夫妻と3歳のAちゃんも授賞式に駆けつけてくださいました。全体のプロデュースと施工をしてくれたNENGOからは担当だった中村専務がご多忙とのことで、新人現場監督の七條さんが代理で来てくださいました。

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先日もお見せいたしましたが、こちらが世田谷区N邸の応募用紙でした。

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多数の受賞者の方が登壇していましたが、お施主さまのご家族がいらして下っていたのは我らがチームだけでした。Aちゃんが登壇して表彰状を受け取ったシーンでは、会場全体が微笑みで満ちた素敵な空間となりました!

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こちらはオマケのようなものですが、マンションリフォームマネジャーの資格を持っている人間は、奨励賞も貰えるとのことで、元スタッフでN邸を担当してくれた渡辺さんと一緒に、再登壇して賞状を受け取らせて頂きました。

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我らがチームの記念写真です。右からNENGOの七條さん、Nさまのご家族と各務、元スタッフの渡辺さんです。
思い出に残る素晴らしい授賞式になりました。ご多忙の中駆けつけてくださったN家の皆さま、改めておめでとうございます。そしてありがとうございました!