Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

広尾ガーデンヒルズリフォームのプレゼンテーション

リフォーム

先日、簡単な現地調査をさせて頂いた、広尾ガーデンヒルズH邸のプレゼンテーションに伺って参りました。通常は設計だけのご提案ですが、今回は変則的ですがリフォーム会社と一緒にチームを組んで、設計施工体制での提案を行ってみました。

とはいえ、デザインで手抜きをすることはできませんので、早い段階でデザイン案を作成して、一気に見積り用の図面一式を書き上げています。

プレゼン前には、Hさまとは二度しかお目に掛かっていなかったので、見積り内容はある程度想定で行っています。どのレベルの仕上げ材で見積っているかも重要なので、持てる限りのサンプルをお持ちして、見て頂きながらのご説明になりました。

廊下全面の収納が、そのままリビングへと続いてゆくデザインとなっています。リビングにはガラス入りの天井まで届く引き戸が入り、それを介して廊下とキッチンもデザイン的に繋がるように考えています。

物置だった個所をコックピット型のコンパクト書斎に転換する、ちょっと遊び心のある提案もオプションとして作ってみました。こちらはプレゼン最中の打ち合わせで、残念ながら実施はされないこととなりましたが、いつかは実現してみたいアイデアです。三社での相見積となっているので、1週間ほどで依頼する先を決定するとのことでした。

後日談:提案性は一番すぐれているとの評価を頂きましたが、スケジュールと費用的なことで、今回は他の業者に依頼したいとのご連絡を頂きました…。残念でした。

田園調布F邸 見積り査定&調整

田園調布F邸

リフォーム計画進行中の田園調布F邸の見積りが、今回特命で工事を依頼している参創ハウテックから上がって参りました。当初の計画から、追加の項目も増えたことで、想定予算から1割ほどアップしていました。内容を査定し、見積り落ちや重複を確認したうえで、面積や単価におかしいところがないかをチェック致し、お施主様のFさまご夫妻にご説明に伺って参りました。

写真は、共同設計者のイン・ハウス建築計画の中西さんが、電卓片手にお施主様に見積り内容をご説明しているところです。

見積り査定シート

見積書はページ数があり、細かい見積り項目ごとに、単価と面積や数が書き込まれており、専門家でも理解するのにそれなりの時間が掛かるので、本日の打合せ用に内容を整理したシートを作っています。このシートで打合せを行い、目標金額を改めてご相談したうえで、増減の調整を行う項目を定め、微調整してゆくことになりました。 細かいお話にまでお付き合いくださったFさまご夫妻、どうもありがとうございました。

キッチン取付け&枠詳細

高輪I邸

普段はオーダーキッチンを使うことも多いのですが、メーカー品のユニットキッチンの良さも理解しているツモリなので、今回は全体の予算計画とお施主様の調理の考え方、隠れたキッチンであることを勘案してクリナップのキッチンを採用致しました。

クリナップキッチン

二日間掛けて二の字型のキッチンを取り付けて貰った、完成後養生された状態の写真です。全てをメーカーの推奨仕様にしてしまうと、「いかにも既製品です」といった風情になってしまうので、壁の巾をほぼキッチンサイズとピッタリ合わせ、寸法調整のフィラーをなくして貰ったり、キッチンパネルのジョイント部分の金物が安っぽいので、それを省略して、シールと塗装でカバーして貰う工夫を致しました。
細かい注文に対応してくださった、クリナップの北條主任、どうもありがとうございました。

こちらは玄関横の来客用トイレの床です。床スラブを貫通している排水管の位置(グリーンが見える個所です)をずらさず、その代わり床をフラットで納めることにしたので、向かって右側の壁の下部をフカして、便器と紙巻器の位置関係を調整しています。正面の壁のフケは、左側にくる洗面からの排水を、便器排水を合流させるための工夫を凝らしています。

こちらは、廊下(左側)と寝室(右側)の間仕切り壁の詳細です。廊下は床がコルクリノリウムで壁が塗装、寝室は床がカーペットで壁が壁紙(ノイエローブ)と違っているので、それらの取り合いを考えて、床には見切り材としてフローリング材を挟み、寝室側の幅木はフェルト+カーペットの仕上厚さ分だけ浮かして貰っています。

ウォークイン・クローゼットへの明り取りの欄間(ランマ)窓です。アクセントカラー壁とフラットに仕上げた枠の間の隙間に、タペストリー加工のガラスを差し込む仕上げになっています。

リビングと寝室とウォークインクローゼットの三つの部屋の交差部分の天井です。障子が左側の壁へと引き込まれ、直行するレールにWICの扉が吊り込まれます。天井に開いた細長い箱には、ロールブラインドが収まり、ピッタリとフタで隠される予定です。工務店の片岡さんに頭を絞って貰った、一番難しかった納まりです。
細かい枠納まりはほぼ完了し、いよいよ来週からはクライマックスの家具と建具の取付けへと移ります。