Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

水廻り関連のショールーム巡り

田園調布F邸

田園調布F邸の打ち合わせで、幾つかの水廻り関連のショールームを、F夫妻と共同設計者の中西ヒロツグさんと一緒に周って参りました。

サンワカンパニーショールーム

輸入建材のサンワカンパニーでは、キッチン中心に、彼らが得意とする洗面ボールやタイルなどを見てきました。

同じ青山で、すぐ近くのTOYOキッチンではお目当てのBAYとCOREシリーズのキッチンだけでなく、彼らのユニークな発想で作られた、バラエティーに富んだキッチンの詳細を伺ってきました。

ピザのランチ後のリクシルの水まわり館(旧INAX)ではユニットバスと便器です。この頃になると、ランチの後の満腹状態と疲れで、疲れがピークに達していました。

最後のTOTOではハーフユニットバスと洗面カウンターを中心に見てきました。最後は本当にヘトヘトになりましたが、ランチも含めて、長時間ご一緒して、(雑談も含めて)色々なお話をさせて頂いたことで、共通認識が築けたのではないでしょうか。
Fさまご夫妻、暑い中のショールーム巡りにお付き合いくださり、どうもありがとうございました。

リノベーション研修@ニューヨーク-3

見学記

ニューヨークでは、以前働いたCicoganani Kalla Architects事務所をはじめ、幾つかの超高級リノベーションを手掛ける設計事務所を訪問してき参りました。

以前は53丁目のMOMAのすぐ近くにありましたが、46丁目に移転していました。昔の懐かしいオフィスは残念ながらなくなり、今は写真のようなとてもきれいな事務所に変わっていました。

こちらは打合せ室です。左手の壁には、マンハッタンのアパートメント・リノベーションプロジェクトのプレゼンパースが飾ってありました。ガラス扉の向こうに見える螺旋階段を上ると、かつてのボスのピエトロ・チッコニャーニの机があります。

こちらは同じプロジェクトの展開図です。すべての部屋の内部をパネル割やモールディング、建具デザインまで含めて、インテリア・デコレーターと共同でこのレベルまで設計していました。昔は、鉛筆で手書きでしたが、今ではほとんどコンピューター化されてしまったそうです。

右がかつてのボスのピエトロ、左がかつての同僚で、今は事務所重役になっているニコラス・スタノス君です。

こちらは、かつてCKAで後輩だったアニークが独立して作った設計事務所、Anik Pearson Architectsです。左の女性がアニークです。

ニューヨークの設計事務所は、3年前のリーマンショックで皆相当のダメージを受けたようで、幾つかの中止になってしまったプロジェクトの模型が中央の机の上に並べられていました。

昔は色々と教えてあげていた後輩が、立派な事務所を構えているのは、不思議な感じがしました。
CKAでは、5億から20億円(!)くらいまでの大型住宅プロジェクト(新築とリノベーション)を複数設計していました。アニークの事務所では、当初8億円位の予算でスタートしたプロジェクトが、不景気のせいで段々とスケールダウンしてしまい、2億円位まで下がってしまったと嘆いていました。他にも事務所訪問をしていますが、それはまだ後日こちらのブログで紹介いたします。

リノベーション研修@ニューヨーク-2

見学記

昨晩、ニューヨークでの10日間の旅より戻りました。先回紹介した事例以降も、幾つかの超高級リノ ベーション事例を見学してきたので、それらを紹介いたします。

一つ目はミッドタウンにあるマンションのペントハウスです。三層に渡る、延べ面積300平米のマンションを、ご夫婦の仕事でもあり、趣味でもある現代アートを飾れるようにリノベーションしています。

リビングの一角には、現代作家のSol LeWitt(ソル・ルィット)氏に現場で描いてもらったアートがありました。

廊下は、名だたる現代アートの巨匠たちのペインティングやオリジナルスケッチが隙間なく並べられた、アートギャラリーになっていました。

二つ目はダウン タウンのタウンハウスの内部をほぼ全面改修した豪邸です。コレクションのアフリカンアートで満ちており、ちょっとした美術館以上の迫力がありました。

こちらは、吹き抜け上部で、鉄製螺旋階段を上った上にあるご夫妻の書斎スペースです。

リビングの奥にあるキッチンもアフリカンアートで飾られています。見せるキッチンと、右奥にある下準備する隠れたキッチンで構成されていました。

上階には、こじんまりとしたファミリー用リビングもあります。それぞれの部屋の仕上げも、その空間のサイズや採光、使い勝手に合わせて、雰囲気が替えてありました。

建物の奥には、アーティストの奥さま用の吹き抜けのある大きなアトリエがありました。約1000平米のタウンハウスを、5年掛けて思った通りにリノベーションしたそうです。

3つ目もやはりタウンハウスのリノベーション事例です。こちらは、半壊状態の住宅を建築家が購入して、住みながら増築して、ほぼ完成状態に持って行ったお宅です。

奥に行くに従って、細まってゆきますが、歴史的建造物に増築する際には、元の住宅のサイズを空間的に記録するために、袖壁を作って元の空間の規模が判るようにしておく必要があるそうです。

通り側のリビング直上の部屋は、幸いそれほど傷んでいなかったそうで、古い床材や建具を活かして、ヴィンテージ感のあるファミリーリビングに改装してありました。

寝室の水廻りは、スレートの床材にガラス間仕切りのシャワーブースと、モダンな仕様へと変わっていました。
今回、これ以外にも数件のお宅を拝見させてもらいましたが、そのたびに感心したのが、建物のオーナーが住宅に対して持っている愛着の深さでした。皆さん、すべての部屋を案内してくれましたが、その空間の使用目的だけでなく、なぜそのような仕上げになって、どのような家具を使い、飾っているアートも、いつどのようなタイミングで手に入れたか等、由緒から解き明かしてくださいました。昔からの富裕層の方も、比較的新しくお金持ちになった方も、皆変わらず、自分の住環境に対して誇りを持っていることは、素晴らしいことだと強く感じました。