Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ザ・ライブラリーの新規プロジェクト_中央区S邸

ザ・ライブラリー

TAGKENとの共同リノベーションブランドのザ・ライブラリーの新規プロジェクトのご紹介です。中央区の湾岸エリアの高層マンションのメゾネット住宅リノベの中央区S邸です。

現在お住いのお宅もご自身のデザインでフルリノベしたというSさまご夫妻は、今回のプロジェクトでもインテリアや家具には強いお気持ちがあり、最初のお打合せ時からリフォームプランや家具リストまでご用意して下さっていました!

ここまで考えていらっしゃるのであれば、僕らデザイナーは不要なのではと思っていましたが、以前のリノベーションとは違って、もっと完成度を上げたいとのことで、特にザ・ライブラリーのCGでデザインを検討できることには期待しているとのことで、お手伝いすることになりました。

現地調査からリフォームプランを纏めて、VRCGでデザインチェックをできるところまで作業をする提案料の44万円(消費税込み)をお支払い頂けるとのことで、Sさまご夫妻と一緒に大きな吹き抜けのある中央区のマンションの現調に伺って参りました。
ここから先の詳細は、ザ・ライブラリーブログをご覧ください。

アクセントカラーの色決め_六本木Y邸

六本木Y邸

美術館、或いはギャラリーのような空間を目指している六本木Y邸リフォームでは、何カ所かの扉にヴィビッドなアクセントカラーを取り入れようとのお話しになっておりました。

アクセントカラーの色決め_六本木Y邸リフォーム

こちらが事前に選んでおいたアクセントカラー候補がこちらです。建具に張る硬質塩ビシートメーカーはダイノックシート(住友3M)、ベルビアン(シーアイ化成)、リアテック(サンゲツ)、パロア(リンテック)などがありますが、各社から鮮やかな色味のシートサンプルを取り寄せておきました。

アクセントカラーの色決め_六本木Y邸リフォーム

初めてお客さまのYさまにお目に掛った際に見せて下さったイメージ写真を一枚に纏めたものがこちらです。これまでに選んだ家具の張地の色味や、キッチンの仕上げ材などもこれらのイメージシートを見ながら一緒に選んできたものです。

アクセントカラーの色決め_六本木Y邸リフォーム

今回の打ち合わせで選んだ色味はこちらの三色となります。バクスターのソファが緑色で、ミノッティのスツールが黄色とグレー色を選んでおり、更にお手持ちのアートもカラフルなものがあるので、それらを微妙に被らせながらお好きな色を選んで頂いたのが、こちらのグリーンとブルーと黒となります。黒に関しては、シートではなく、アイカのキッチンパネルで金属光沢のある黒となりました。
今回のようなヴィビッドな色を決める段階になると、中々思い切った色味を使えなくなるのが人情なのですが(笑)、建具のシートは張替え(実際には重ね張りになります)も可能なので、まずは思い切って選びましょうとお伝えしたところ、とても楽しく色選びをご一緒することができました!

アクセントカラーの色決め_六本木Y邸リフォーム

色とは直接関連はありませんが、この日の打ち合わせで、各窓のカーテンやレース、ブラインドの生地もご一緒に選ばせて頂きました。

アクセントカラーの色決め_六本木Y邸リフォーム

以前に選んでいたグレーのカーペットなどと合わせて、寝室は光沢感のあるグレーのカーテン、LDの窓は3D調光スクリーンのFUGA(WIS)を電動でと決まりました。

六本木Y邸 アクセントカラーの色決め

もう一つ決めたのは、奥さまの書斎コーナーのプリンター棚の高さです。テーブルの上部に引き出し式の棚を作ってプリンターを置くことになっていましたが、どのくらいの高さに設定すれば座ってのテーブルの使い勝手と立ってのプリンターの使い勝手が良くなりそうかを実験させて頂きました。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

代々木上原I邸

代々木上原I邸の主寝室のヘッドボードは、Iさまが気に入って下さったファブリックを緞子(どんす)張りにした造作で作ることになっています。因みに緞子張りとは、張り下地にクッション材を張って起伏を作り、その表面に織物を張る工法のことです。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

こちらが完成時の様子ですが、最初のパネルサンプル作りからご紹介いたします。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

Iさまが気に入って下さったトミタのファブリックの大判サンプルを有償で取り寄せて、I邸の造作家具工事をお願いしている現代製作所の藤田さんに、3通りのクッション下地を入れて貰ったサンプルを作って貰いました。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

このように並べてみると、どんすパネルの厚みの違いが良く分かりますね。お客さまのIさまにサンプルをお見せしたところ、ヘッドボードのうち、ちょうど頭が来る部分のパネルは厚みのあるものが望ましいが、その他の部分はもう少しフラットな仕上げで構わないとのことでしたので、2種類の厚みのパネルを使ってデザインを進めることになりました。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

緞子張りパネルは端部がデリケートなので、基本的には木製の枠で囲むデザインで検討していますが、木製枠との取り合いもサンプルで確認させて貰いました。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの展開図

こちらはI邸の設計担当の神崎さんが既存の窓割と合わせてパネル割のデザインを考えてくれた展開図です。まだ、この時点では、木製枠のサイズや細かいディテールは決まっていませんでした。ただ、向かって左側の窓は縦滑り出し窓で、開閉するためには手前に設置するインナーサッシを全開にしないと開けないので、インナーサッシを一本引きで作ることになっており、その手前のパネルはメンテナンスの際には取り外せるようにしてあります。右側の窓は元々が引き違いなのですが、窓としては右側の窓だけが見えるデザインとしています。こちらのパネルも取り外し可能となっています。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

元のデザイン展開図から、リノベーション工事を請け負って貰っている青の石坂さんと片岡社長、現代の藤田さんと3度ほど打ち合わせを重ねてから作って貰った製作図がこちらです。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

実際に造作家具で作ったフレームが壁に取付けら始めた様子がこちらです。展開図の時にはなかった、壁の厚みを利用した棚が取り付けられました。壁の厚みが無駄なように見えますが、この後で断熱のためのインナーサッシが取り付けられることと、そのインナーサッシも含めてメンテナンス可能にするために、寸法に余裕を持たせています。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

左端部分の既存アルミサッシ窓の開閉との取り合いが分かる写真です。横滑り出し窓は窓枠より随分内側に窓の端部が飛び出てくるので、この窓のインナーサッシは特別仕様で一本引きにして貰っています。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

同じ窓の上部を見たアングルの写真です。アルミサッシがぶつからないように、上部枠も彫り込んで貰っています。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

壁の厚みを利用したベッドサイドの掘り込みの棚です。下部にはコンセントも付けて、携帯の充電ができるようにしています。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

中々に複雑な形で、造作家具の職人さんだけでは収まらない部分があったのか、施工会社の現場監督の石坂さんが手伝っていますね。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

右側の端部の納まりです。窓を取り囲むようにきれいに木製のフレームが回っています。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

木製フレームが組み上がった頃を見計らって、現場にインナーサッシ枠が入ってきました。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

斜めから見ると、木製枠の裏側にスカスカに隙間が空いているのが分かりますね。そこに一本引きや引き違いのインナーサッシを納めて貰います。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

インナーサッシはアルミ枠と障子(ガラス窓)に分かれており、アルミ枠は比較的スムーズに取り付けができましたが…、

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

真ん中の方立が邪魔で、障子の取付けは手慣れた職人さん達でも難しいようで、色々な角度から差し込もうと努力をしてくれました。こんなに苦労するのだったら、方立も後付けにすればよかったと後悔致しました…。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

インナーサッシの取付けが終わったところで、ようやく緞子(ドンス)張りパネルの取付けです。もうすでに2枚の緞子パネルが取り付けられていますね。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

今回のパネルの取り付け方は2通りあります。こちらの写真のように背面にベニヤ板のパネルがあるケースでは…、

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

オス型とメス型があるボタンのようなものを押し付けて固定する方法です。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

この写真がわかりやすいと思いますが、

緞子(どんす)張りのヘッドボードの金物

日本が誇る金物メーカーのスガツネのパネルマウンティングシステムのVLシリーズを使っています。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

もう一つは、背面にメンテナンスのためにベニヤ板がなく四周フレームだけの箇所で使っている金物は、こちら…、

緞子(どんす)張りのヘッドボードの金物

やはりスガツネのボタンフィックスシリーズの金物を使っています。垂直面にワンタッチでパネルを取り付けることができる便利な金物です。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

竪枠に対してはこのようにオス型を取り付けておきます。当初はパネルは両面テープと接着剤で取り付けた方がしっかり取り付けることができると考えていましたが、使っているうちに緞子張りのファブリックが緩んだり、汚れてしまったときに張り替えることができるように、製作をお願いした現代製作所の藤田さんのアドバイスで変更した経緯があります。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

ほぼ出来上がった様子ですが、ちょうどベッドが来る正面上の緞子パネル2枚だけがふっくらとしているのが判るでしょうか?パネル同士のラインがきれいに出るように調整し、最後に二つの窓にブラインドを取り付けて完成です。

2枚上の写真で藤田さんたちが最後に留めているパネルはこのように簡単に取り外すことができるようになっており、パネル背面のインナーサッシに何か不具合があった時にはメンテナンスできるように工夫しています。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

夜に照明をつけた写真を良く見ると、中央上段の2枚の緞子張りのみが、ふくらみが大きいのが分かりますね。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

緞子張りに使ったファブリックと同種で色違いのファブリックで作ったシェードを窓に吊って完成です。

緞子(どんす)張りのヘッドボードの作り方

ベッドとリネンも入ったアフターと、リフォーム前のスケルトン状態でのビフォーをほぼ同じアングルで比較したビフォーアフターの写真です。
以下のページに、これまでカガミ建築計画でデザインしてきたオーダーメイドのヘッドボードの事例をご紹介しています。