Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

乃木坂U邸_リフォーム案のバリエーション

乃木坂U邸

先回、青焼きのマンション竣工時の図面のことから書き始めた乃木坂U邸ですが、初回のお打合せ時にこちらでザッと考えたリフォーム案をお見せして、とても気に入って頂けたところから、具体的に費用が発生してしまう竣工時図面調査へと進んだ経緯があります。

乃木坂U邸_リフォームプラン案

お客さまの熱心さやご提供された既存図の状態、こちらの時間的な余裕等で、ケースバイケースではありますが、初回のお打合せ前までに、ザッとしたリフォーム案を作っておくことがあります。今回はお手伝いしたことが無いマンションではありましたが、同じシリーズのマンションは良く知っており、メール添付で送って頂いた既存図が分かりやすい状態の物でしたので、お客さまのご要望も伺っていない中ではありますが、勝手な妄想リフォーム案を作ってみました。

乃木坂U邸_リフォームプラン案

それがこちらです。玄関からリビングダイニングを通らずにプライベートゾーンの個室や浴室に行けるのが当初の間取りですが、そのことで廊下の面積が大きくなって、リビングダイニングが小さくなってしまっていたので、玄関から直接大きなリビングダイニングに入って、そこからプライベートエリアに進む動線にし、またクローズドだったキッチンをセミオープンにすることで、LDKの空間サイズが体感ベースではありますが、50%ほど広く感じるであろうプランを練ってみました。

乃木坂U邸_インテリアイメージ

初回お打ち合わせでお目に掛ったUさまご夫妻は、以前より弊社のホームページやブログを見て下さっており、いつか機会があればお願いしたいと考えて下さっていたとのことでした。弊社の事例では、広尾N邸や、代々木上原I邸がお好みで、これらの写真のようなクラシカルなパネリング壁にヘリンボーンの床フローリングで、品の良いお住いになさりたいとのお話しでした。
こちらがご提案したリフォーム案に、この壁はパネル仕様にして、こちら壁にはコンソールとアートを飾ってとお話しをしていったところ、とても盛り上がって、是非弊社をパートナーにしてリフォームを進めたいとのことが決まった次第です。

乃木坂U邸_リフォームプラン案

調査した竣工時図面で、床下スラブの段差位置や、水回りの排水管経路などが相当な精度で分かったので、担当することになった弊社副所長の竹田さんがすぐに既存図をCAD化して、こちらで作ったリフォーム案をベースにリフォーム案を4つに増やして、2回目のお打合せ時にご提示させて頂きました。こちらのリフォームA案は、コストパーフォーマンスも考えて既存浴室を残した形で、初回打合せに伺ったご要望をなるべく取り込んだ案です。

乃木坂U邸_リフォームプラン案

洗面所は広くして、できればダブルシンクのカウンターが欲しいとのご要望でしたので、ダブルシンクは実現できませんでしたが、浴室をダウンサイズして洗面を広げた案がこちらのB案です。

乃木坂U邸_リフォームプラン案

以前お手伝いした世田谷N邸で実現した、廊下に洗面所を持って来て、浴室の横は脱衣と洗濯機置き場にするという大胆な提案がこちらのC案です。Uさまは、拙著「世界にひとつだけのプレミアム・リノベーション」を読み込んでくださっていたので、「このプランは見たことがあります!」と喜んで下さいました。

乃木坂U邸_リフォームプラン案

最後のD案は、浴室位置は変えず、元々が広かった主寝室のウォークインクローゼット側にダブルシンクの洗面を持ってゆくという、もっと大胆なプランでした。ただ、大手術の割には、そこまで実用性がなく、お客さまはとても喜んで下さいましたが、予算のことやデメリットをお伝えしたところ、ここまでやる必要はなさそうだとご理解下さいました。

キッチンについては、フルオープンからセミオープンまで色々な種類を書き込んでみています。Uさまご夫妻は、A案かB案か、思い切ったC案かと悩まれてたいので、次回以降の打合せ時、それぞれの良い点をミックスしたE案にチャレンジしてみますから、今決めないで良いですよとお伝えしましたが、お二人でご相談の上、C案で進めたいとのご判断を頂きました!

リゾートマンション湘南T邸_竣工お引渡し

湘南T邸

リゾートマンションリフォームの湘南T邸がようやく完成し、お引渡しとなりました。

湘南T邸_お引渡し&取り扱い説明

まずは恒例(?)の記念写真です。中央にTさまご夫妻、左側が弊社担当で副所長の前田君、右側に施工をお願いした大人気工務店コナラハウスの小形社長と各務です。

湘南T邸_竣工お引渡し

1週間ほどさかのぼりますが、こちらが施主検査時の様子です。所々に赤や青の付箋が張られていますが、弊社カガミ建築計画とお客さまでクロスが剥がれている個所や、傷がついていたカ所を記して、お引き渡しまでの1週間で補修してもらうようコナラさんにお願いしておきました。

湘南T邸_竣工お引渡し

1週間の是正期間の間に、コナラさんが本当に頑張って下さり、とてもきれいに仕上がってのお引渡しとなりました。

湘南T邸_お引渡し&取り扱い説明

お引渡し当日は、お引渡しの儀式(笑)と各種設備等の取扱い説明があり、トリセツ(取り扱い説明のこと)はガス会社、浴室会社、コナラさんのメンテナンスの話など、色々な人が出入りするので、お引渡しに先立ってトリセツをさせて頂きました。

湘南T邸_お引渡し&取り扱い説明

キッチンでは、先日決めていた吊戸棚下の間接照明の取り付け位置の最終確認と、吊戸棚の耐震ラッチの説明を小形さんにして貰いました。

湘南T邸_お引渡し&取り扱い説明

浴室は、アステック社の和ぶろのオーダーユニットバスなので、弊社担当者の久保田さんに説明して貰いました。

湘南T邸_お引渡し&取り扱い説明

ミーレのビルトイン洗濯乾燥機は小形さんと前田君が、事前にマニュアルを読み込んで説明してくれました。

湘南T邸_お引渡し&取り扱い説明

書斎の床暖房と、

湘南T邸_お引渡し&取り扱い説明

寝室の床暖房は全てガス式床暖房で、こちらについては地元のガス会社の方からの説明です。

湘南T邸_竣工お引渡し

一通りの取説とお引渡しの儀式が終わった後は、お客さまにお願いして竣工写真を撮影させて頂きました。先回のブログで書いた、違うプロジェクトのお客さまからのプレゼントとなったトチの無垢板テーブルのあるダイニングは本当に誂えたかのようにぴったりの色味、寸法です。

湘南T邸_竣工お引渡し

キッチン側からみると、アクリル板の脚が透明で、大きな無垢板が浮かんでいるかのように見えます。窓の先には湘南の海が広がり、とても気持ちが良いダイニング空間に仕上がりました。

湘南T邸_竣工お引渡し

リビングには、奥さまのテーマからの薄いグリーンがアクセントになった雰囲気のある空間です。ガラス奥はご主人さまの書斎で…、

湘南T邸_竣工お引渡し

大容量の本棚が設置されています。この本棚は、当初は予算削減の対象でメラミンで作る予定でしたが、ご主人さまの鶴の一声で突板に変わったシロモノですが、ご夫妻とも突板に戻して本当に良かったと喜んで下さいました。

湘南T邸_竣工お引渡し

お風呂もマンションで引いている天然温泉をユニットバスに取り入れています。木製の吐水口は浴槽の縁の桧がとても良い香りの浴室です。

湘南T邸_竣工お引渡し

浴室には小窓が設けられており、洗面室越しに外が見える工夫をしています。

湘南T邸_竣工お引渡し

洗面脱衣もとても大きな空間です。全長4メートルのロングカウンターにダブルシンクと洗濯乾燥機コーナーが詰まっています。

湘南T邸_竣工お引渡し

洗濯機上には物干し用のバーも吊っています。奥の窓際に見えるのが…、

湘南T邸_竣工お引渡し_浴室横のリラックスコーナー

一段上がったリラックスコーナーです。耐水性のあるビニール編み込み素材のボロンを畳風に敷き込み、周囲壁は無塗装の桧で仕上げて貰いました。温泉浴の後に、ここに横たわって吹き抜ける壁を愉しむ特別なコーナーです。下部には大容量の引き出し式ストック収納を設けています。キャスター式の引き出しなので、震災用予備のペットボトルなどを入れておきたいとのお話しでした。

湘南T邸_竣工お引渡し

玄関にはニッチにベンチを設け靴の脱ぎ履きがしやすいように工夫しています。ベンチ奥には、今後飼う予定のワンちゃんグッズを入れる棚を設けています。

湘南T邸_竣工お引渡し

玄関見返りの正面壁には大理石調タイルを張り、お二人が選んだ洋風なペンダント照明がシックな雰囲気を醸し出しています。

湘南T邸_竣工お引渡し

こちらは廊下側から玄関を見た夜景です。奥の扉先は大容量の納戸収納です。廊下側の壁にはケーシングと腰壁を廻して洋風なクラシカルな雰囲気に仕上げています。

湘南T邸_竣工お引渡し

南北の部屋を繋ぐ長い廊下も、コナラハウスさんと一緒に色々とデザイン検討をした苦労の作です。向かって右側は白い塗装の腰壁にグレー色のクロス張りとし、左側はシンプルな白クロス仕上げとしています。

湘南T邸_竣工お引渡し

トイレにはコナラハウスデザイン満載の造作手洗い家具が入っています。足元のデザインをこのようにするだけで、雰囲気が本当にガラッと変わるのは驚きでした!

湘南T邸_竣工お引渡し

最後の一枚は、奥さまが大好きな亀をモチーフに特別に作家さんに作って貰ったステンド硝子入りの建具です。廊下からリビングに入る個所の引き込み扉に入れたものですが、暗い廊下の先にステンドグラスからのきれいな色の光が躍る様子はとても素敵でした。
改めて、Tさま素敵なリゾートマンションリフォームの完成お引渡し、おめでとうございます!

ビニールクロス用下地作り@渋谷R邸

渋谷R邸

高層マンションリノベーションの渋谷R邸は、ビニールクロス仕上げのためのパテ作業が進んでいます。

ビニールクロス仕上げのパテ下地

こちらのプロジェクトでは、リビングダイニングは高層マンションらしく窓面が多く、壁面はキッチンとテレビボードとなるので、クロス仕上げは主に天井となります。

ビニールクロス仕上げのパテ下地

天井はキッチンエリアが天井裏を通るダクトのことで、一番下がっており、そこからリビングダイニングの平場天井、そしてリビングの折り上げ天井と三段で上がっていきます。ダイニング部分には黒いスリットは見えますが、この内部に照明器具用の配線ダクトが入る予定です。
右側の壁は…、

キッチン取付け用下地

正面から見るとこのようになっています。ボードとベニヤ板が縞模様のように張られていますが、壁面キッチンの固定用にベニヤ板が指定された個所に張られているのです。天井から突き出ている2本の青い筒は同時給排気用のダクトとなっています。

ビニールクロス仕上げのパテ下地

廊下からキッチンへの入り口廻りです。玄関ホール正面には開き扉が、キッチンには勝手口代わりの引き込み戸が入り、その間にインターフォンやスイッチ類を纏めたパネルが入ります。

建具枠周り

フロアヒンジを埋め込んだホールからリビングへの入り口は、TVボードの家具とも絡んでくる、面倒な(笑)設計となっています。

建具横のFIXガラス固定用チャンネル

扉の横には40センチほどのFIXのガラスが入るので、ガラス固定用にアルミのCチャンネル天井と壁端部に埋め込んで貰っています。

特注巾木と見切り

壁端部のチャンネルは巾木とフラットに収まっています。巾木は壁面より少し凹んだ仕様となっており、見切りとしてアルミアングルを逆さ使いで仕込んで貰っています。

玄関廊下の下地

リビング側から玄関ホールを見返した様子です。正面突き当り壁にはサルバトーリの加工石材が張られ、向かって左側には扉も含めてカラーガラス張りとなり、シャープでカッコよい空間に仕上がる予定です。

特注巾木の納まり

玄関框ラインと、壁のカラーガラスに目地を合わせるために、細かい納まりをチェックしていきます。

現場打合せ

弊社設計担当の前田君と施工をお願いしているプレステージプランニングの設計担当の松永さんのペアです。

現場納まり打合せ

松永さんは、会社内ではリノベーション部門のトップで、取締役でもあるので、本来はこのような現場設計をしていてはいけないポジションなのですが、今回に限っては現場側での細かい設計を見て貰っています。

壁パネル材見切り

これはドライルーム(洗濯物専用の物干し場)の壁見切り材の松永スケッチですが、細かいことまで良く気が付いて、間違いなく発注してくれるので、本当に頼りになるのです。

ビニールクロス仕上げのパテ下地

ビニールクロスの下地パテ作業は、一番奥の主寝室でも続いています。ここまでくると、ちょっとした現代アートのようですね(笑)!

ビニールクロス仕上げのパテ下地

主寝室のベッドのヘッド側の壁は、クロスパネル張りで仕上げるので、ケイカル板を目透かしで張って貰っています。

ルンバ用基地

リビングコーナーのこちらは、ルンバのための基地作りです。TVボードの奥行きでは、タワー付きのルンバが収まらないので、柱型の横だけ凹ませて、特注の基地を作っています。

ビニールクロス仕上げ

180平米と大きなお宅なので、クロス屋さんも流れ作業で、パテ作業が終わったところからクロス張りも始まっています。来週には山場のキッチン取り付けが始まる予定です。