Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

インテリアカラー&素材決め@湘南T邸

湘南T邸

リゾートマンションリフォームの湘南T邸のお客さまは、長らく欧州に暮らしていたことがあり、今回のリフォームでもインテリアのカラーにコダワリたいとのお話しが当初からありました。

湘南T邸のインテリアカラー決め

ここまでは奥さまがお好きで、今回のインテリア全般でのテーマカラーとなってきたグリーンを中心にお話しをしてきましたが、全体で160平米と広く、寝室や書斎、ちょっと和テイストの洗面浴室等の空間の内容も決まってきたので、グリーン以外の色についてもお話しをすることになりました。

湘南T邸のインテリアカラー決め

各部屋の特徴を考えながら、どの部屋にどの色を配するかを考えてゆきます。

湘南T邸のインテリアカラー決め

ご主人さまは以前欧州で暮らしたお部屋が黄色い壁とちょっとアンティーク掛かった木を使いたいとのご希望でした。

湘南T邸のインテリアカラー決め

ご主人さまが主体として使う書斎は、リビングと同じグリーンをテーマカラーにしますが、オークの木目の本棚をアクセントになさりたいとのことでした。

湘南T邸のインテリアカラー決め

廊下にはグレーと持って来て、子ども部屋にはブルーをとの話になってきました。

湘南T邸のインテリアカラー決め

折り上げ天井には天然木を張りたいとのことで、施工をお願いしているコナラハウスさんに米ツガ材と杉板(節ありと節無し)に白ふき取り塗装をしたサンプルを送って貰いTさまご夫妻に見て頂きました。

湘南T邸のインテリアカラー決め

ベースとなる杉板の赤身と白太が混じること、またそれぞれの白のふき取り度合いも幾パターンか作って貰ったうえで…、

湘南T邸のインテリアカラー決め

無節の杉板の白ふき取りをダイニング天井に、米ツガのクリア塗装をリビングの天井に張ることが決まりました。

湘南T邸のインテリアカラー決め

壁はクロス仕上げが基本ですが、リビングの一部はケーシング枠と合わせたパネル壁を作る予定で、そちらは塗装仕上げとなるので、その色味サンプル作成のための色も日塗工の色サンプルから決めさせ頂きました。

湘南T邸のインテリアカラー決め

その他、キッチンのアクセントタイルや…、

湘南T邸のインテリアカラー決め

洗面脱衣室のカウンター材の素材なども色味サンプルと見比べながら一気に決定とさせて頂きました。

湘南T邸のインテリアカラー決め

次回は現地でスイッチ&コンセントの位置確認を現場で行うことになっているので、予習の為にこちらで用意した電気図を事前にお渡しして、読み方もご説明しておきました。

見積りのための施工会社現調@渋谷R邸

渋谷R邸

見積りのための図面が揃った渋谷R邸プロジェクトですが、3社での相見積りと決まり、それぞれの会社に現地調査(現調)に来てもらいました。

渋谷R邸リノベーション_見積り現調

3社の内訳は、このマンションに強く実績が多く弊社でも幾つかの施工実績のあるM社、お客さまのお知り合いの施工会社のZ社、そして以前西麻布N邸でお世話になったP社の3社でした。

渋谷R邸_最新リフォーム平面図


こちらがカガミ建築計画側で用意した図面のうち、平面詳細図です。

渋谷R邸_給排気換気エアコン設備プロット図

設備図面に付いては、既存空調換気図を色分けしたものに移設先や配管ルートを書き込んだものや、

渋谷R邸_給排水設備プロット図

給排水衛生設備図も、やはり既存図を色分けし、新しい配管ルートを書き込んだ簡易図面で見積りをして貰います。

渋谷R邸_サウナレイアウト案

サウナについては、3つの案をお客さまにご提示中ですが、見積りとしてはC案で見て貰います。

渋谷R邸_サウナスケッチ

サウナはシステムとして組んでもらうと結構な金額になってしまうので、サウナの機械と材料をアヴァント社から施主支給で仕入れて、大工工事として組んでもらう形での見積りをお願いしています。鏡面ステンレスと強化ガラスの枠と扉のみは隣接するオーダーユニットバス屋さんに組んでもらう算段となっています。

渋谷R邸_スマートロック提案

その他、細かいお客さまのコダワリのスマホを使ったスマートロックなどは、過去の事例写真やディテールを参考資料として添える形で説明しております。

渋谷R邸リノベーション_見積り現調

各社とも設備屋さん、電気屋さん、解体屋さんを連れて現調に来て、気になる部分を開口して内部を調べてくれました。

渋谷R邸現地調査

こちらが窓際の石のカウンター下がどうなっているかを確認するために、電気屋さんにお願いしてコンセントプレートを外して、内部を除き込ませて貰った様子です。

渋谷R邸リノベーション_見積り現調

弱電(インターフォンや電話・LAN配線、テレビやステレオなどの配線)もマンション独自のルールがあって分かりにくいので、インターフォンを取り外してシステムを見て貰いました。

渋谷R邸リノベーション_見積り現調

前のオーナーがエアコンなどを中心に一度リフォームをしているお宅なので、エアコンや天井裏の全熱交換器などは移設して再利用する計画としています。

渋谷R邸現地調査

PS(パイプスペース)内部をのぞき込んで、排水管の横引きのレベルを見たりしながら、

各社の条件を揃えて、同じ土俵で金額を比較できるようにして見積りの結果を待ちました。以前はマンションリフォームであれば3週間程度で見積りが上がっていましたが、今は各施工会社や下請け会社も見な働き方改革で1か月ほどの期間で見積りが上がって参りました。

渋谷R邸_合い見積もり比較表

各社の見積りを同じ項目で揃えて横に並べ、大きな抜けや重なりが無いかをチェックし、3社のうち1社にはお断りの連絡をまずは入れさせて頂きました。残った2社ではお客さまご紹介のZ社が一番安価で下が、見積りの内訳の構成や見積り落ち部分も多く、施工実績も乏しかったので、最終的にはお客さまのRさまとご相談して、P社がZ社と金額をほぼほぼ揃える見積りでP社を単独の候補として選び、最終的な金額調整をさせて頂くことに決まりました。

P社はプレステージプランニング社で、担当者は松永さんにお願いすることが正式に決まりました!

リゾートマンションの内装解体@湘南T邸

湘南T邸

リゾートマンションリフォームの湘南T邸の内装解体工事が始まりました。

リゾートマンションリフォーム湘南T邸解体現場

最初は、ガスや水道の元栓を閉めてから、電気器具の取り外し、その後は造作家具の取り外しと進んでいきます。キッチンでは、まず最初に吊戸棚とレンジフードが撤去されました。

リゾートマンションリフォーム湘南T邸解体現場

2~30分ほどで、キッチン全体がきれいに撤去され…、

リゾートマンションリフォーム湘南T邸解体現場

その2~30分後には天井の石膏ボードが剥がされていました。

リゾートマンションリフォーム湘南T邸解体現場

造作家具が無い部屋では、カーペットを剥がしたら建具と枠を取り外し、一気に天井と壁のボードを剥がしていきます。建築工事のように、専門の職人さんが、カーペットを張ったり、石膏ボードを張ったり、建具を吊り込んだりするのではなく、解体工事では一人の人が設備機器の取り外し以外は、ほぼなんでもできるので、スピードが超速いのです。

リゾートマンションリフォーム湘南T邸解体現場

主寝室では、床を剥がしたことで、玄関横のメーターボックスから室内に引き込まれている給水と給湯管とガス管のルートが判りました。

リゾートマンションリフォーム湘南T邸解体現場

キッチンでは、吊戸棚を撤去した跡から天井裏の梁型の表面が斫られていることが分かりました。
(ここまでの写真は、施工をお願いしているコナラハウスが提供してくれた写真です)

リゾートマンションリフォーム湘南T邸解体現場

こちらは解体工事が始まって4日後のキッチンの様子です。天井裏の給気&排気ダクト、床下に隠れていた給排水と給湯とガス管だけとクロスの下紙だけを残して、ほぼ内装解体が終わりました。

リゾートマンションリフォーム湘南T邸解体現場

かつてはトイレとPS(パイプスペース)だったカ所も配管以外はきれいに解体されており(パイプスペースがマンションの登記記録上で専有部になっていることを確認の上解体しています)、排水管のルートと勾配を確認して、各水回りのレイアウトが問題なく設置できることを設備屋さんと打合せすることができます。

リゾートマンションリフォーム湘南T邸解体現場

すっかりきれいさっぱりした空間で、コナラハウスの小形社長、大工であり現場監督も兼ねてくれる福田さん、そしてオーダーユニットバスをお願いしているアステックの担当者と解体後の現場打ち合わせを致しました。

リゾートマンションリフォーム湘南T邸解体現場

解体が終わってから色々な設備や建材を発注して貰うのですが、その中で一番大物で重要なのが、今回はオーダーユニットバスとなります。床下の給排水配管のルートと勾配、天井裏の換気ダクトのルート、さらには床スラブからユニットバスの床レベルが何ミリ上がるのかを計算したうえで、天井の高さを設定し、そこまでが判った段階でようやくオーダーユニットバスを発注することができるのです。

リゾートマンションリフォーム湘南T邸解体現場

浴室の打ち合わせをしている傍らで現場監督の福田さんは墨出しをしていきたいとのことで、弊社担当スタッフで副所長の前田君を引っ張り出して、墨出しの重要ポイントを聞き出してくれています。

リゾートマンションリフォーム湘南T邸解体現場


こちらが福田さんが用意してくれていた墨出しの7つ道具です。右端の銀色の物は墨出しのスタート地点を固定する墨糸ホルダー、その横が墨つぼです。昔の大工さんから使われている古典的な道具で、糸に墨を付けて、ピンと張ったものを指で弾いて、基準線を記す道具です。墨の交点や重要な文字を書き込むための油性マーカー、真ん中の大きめな機器は、レーザー墨出器(基準器)です。床に置いてレベル(水平)を出して、基準のポイントに合わせると、
水平線と垂直線がレーザーで照射できる機器で、これがあることで、ミリ単位の正確な施工ができるのです。
ペットボトルの水は、一応墨壺の墨を伸ばすためのもので、後はレーザー測量器に差し金、メジャー(巻き尺)です。

リゾートマンションリフォーム湘南T邸解体現場

このタイミングで、お客さまのTさまご夫妻が現場に来てくださったので、解体されて初めて分かったこと、気が付いたことなどを説明させて頂きました。まずは天井の水染みの後です。このお部屋の直上階は半分が陸屋根となっており、少しずれた位置にある上階のお部屋のルーフバルコニーとなっています。そのルーフバルコニーエリアからの漏水の跡が見つかったことを説明させて頂きました。白華(ハッカ)と呼ばれる白い水跡がコンクリートの表面に見えています。白華は コンクリート・モルタル・セメントなどに含まれている水酸化カルシウムが水に溶け出し、空気中の二酸化炭素と化学反応を起こして、白い粉として現れる現象であり、水が漏っていることを示すものです。
ただ、ずっと漏っていた水であれば、室内にもっと大きな水染みの跡があったハズですし、解体時には濡れていた形跡はなかったので、もしかしたらマンションで(屋上防水を含んだ)大規模修繕をする前の水漏れの跡かも知れないので、まずはこのことをTさまから管理事務所に相談してもらうようお願いしました(その後、やはり水漏れは以前のもので、大規模修繕で防水をやり直したことでその後は水漏れが発生していないことを確認することができました)。

リゾートマンションリフォーム湘南T邸解体現場

また、こちらは以前より図面で読み解いて分かっていたことではありますが、天井裏が上階のルーフバルコニーなのに、天井スラブの断熱がされていないことを説明致しました。黄色く見える外壁側の壁や柱型まではうっすらと断熱材が吹かれていますが、一番大きく夏の日射熱を受ける天井が断熱されていないことは、今後長く住むうえで大きな問題なので、きちんと発泡性の断熱材を吹く話を致しました。

リゾートマンションリフォーム湘南T邸解体現場

給水と給湯、さらには排水管のことで、今の状態ではガス給湯器を使っての床暖房が難しいこと、また、排水管の勾配から、浴室の床が他の床レベルから10センチほど上がることをご説明致しました。

リゾートマンションリフォーム湘南T邸解体現場

ダイニングスペースの天井はこのダクトが通っているので、折り上げ天井の範囲が限られてしまうことも説明致しました。

リゾートマンションリフォーム湘南T邸解体現場

なるべく天井高さを上げて欲しいとの当初からのご依頼でしたが、設備配管や梁型等で天井高さが制限されてしまうカ所があることを納得して頂きました。先ほどの写真にあったキッチンの吊戸棚を撤去した際に見つかったコンクリートの斫り跡も、よく観察したところ、鉄筋がカットされていたり、露出していたりする箇所が無かったので、長期的なリスクもご説明致しましたが、今回は特別な処置(鉄筋が露出していた場合は、さび止め塗料を塗った上で、無収縮モルタルで補修します)をせず、そのままで計画を進めることとなりました。

リゾートマンションリフォーム湘南T邸解体現場

とにかく、ガランドウの空間になって、広さを実感できること、そして風が気持ちよく室内を通り抜ける気持ち良い空間になっています。断熱補強や間取り、設備計画やインテリアでその良さを活かしながら、快適な生活ができる空間を作るべく、ここからさらに頑張ってゆくことをNさまご夫妻にお約束させて頂きました。