新宿駅からほど近い築年数15年のタワーマンションの中層階を東京の別宅として、長野県の本宅と使い分けていらっしゃるHさまお手伝いをさせて頂きました。
こちらが元のお宅の様子です。約70平米という広さの割には立派なセパレート型のキッチンがあることで、リビングダイニング空間が細長い廊下のような空間となっていました。
こちらがリフォーム後の様子です。東京での仕事用の書斎として使っていた部屋を移動し、キッチンをリビングに面するI字型壁面キッチンとすることで、大きなLD空間を確保することができました。
以前は玄関から曲がりながら長く続いていた廊下も短くなり、書斎の斜め壁からリビング側の自然光が廊下まで差し込むようになりました。
元のお宅も、深紅の色が印象的な輸入生地のブラインドやアンティーク家具をお持ちで、インテリアにはご興味があったHさまですが、部屋の使い勝手やプロポーションのことから、どうしてもうまく使えないと悩んでいらっしゃっとのことです。
H様のご親族のお宅の東京のお宅をフルリノベーションでお手伝いしたことがあったので、最初のお打合せ時からとてもスムーズにお話しをすることができました。
気に入っていらっしゃる窓のブランドは活かすこととなっていたので、その赤とほぼ似通った赤いカラーガラスをアクセントカラーとして他の素材を考えてゆきました。
東京に滞在していらっしゃる際は、それほどハードなお料理をすることは無いとのことでしたので、壁面キッチンも使わないときはなるべくキッチンとしての存在感を消して、飾り棚のように見えるデザインを検討致しました。
ご親族のお宅をお手伝いした際と同じく、弊社担当は副所長の竹田さん、工事会社もリフォームキューで担当も同じ森井さんのペアで工事着工となりました。
斜め壁ができたがったイメージが湧かないとのことでしたので、解体時の床にビニールテープで壁と同じ位置に印をつけて確認して頂きました。
一応仕上げ材は着工前に一通り決まっておりましたが、もう一度最後にご確認なさりたいとのご希望でしたので、解体現場に素材を並べてご確認頂きました。
赤いカラーガラスのほかに、イタリアのマラッティ社の大理石調大判タイルもつかい、後は白ベージュを基調として木目が入るシンプルな素材構成となっています。
次に東京に来て頂いた際には、床下地が張られ、斜め壁も出来上がっていました。廊下から斜め壁を介してLDKへと空間が広がってゆく様は、とても喜んで頂きました。
一部石膏ボードが張られていますが、このタイミングでスイッチとコンセントの位置を確認して頂きました。リフォームキューの現場監督の高木さんも立ち会って、一つずつメモしてくれています。
ここから急ピッチで工事が進み、造作家具が入ってきて組立てが始まりました。因みに造作家具はキッチンも含めてアルノさんです。
扉と引き出しが付いて、タイルが張られるとほぼ完成です。
キッチンらしくないキッチンということで、冷蔵庫は壁面に埋め込むようにして、電子レンジや炊飯器等の家電調理器機はほぼ全てを収納の中にしまえるようにしています。
弊社竹田さんとリフォームキューの森井さんとで細かいディテールの取り合いも進めてくれています。
そうこうしている内に養生が取れて、クリーニングも終わり、Hさまに再び来て頂いての施主&設計検査となりました。
生活感のないキッチンはきれいでいながら、簡単な料理をするときにも使い勝手が良さそうだと喜んで頂きました。
検査の段階ではありましたが、お預かりしていたペンダント照明も吊るし、取り外して保管していたブラインドも取り付けたので、ほぼ完成の状態でお見せすることができました。
斜め壁の内側の書斎スペースの造作家具もキッチリ収まっています。吊戸棚下のスペースはコピー機かファイル棚を置く場所としています。Hさまからも、これだけ収納があれば、お仕事の書類を整理できてうまく使えそうだとの感想を頂きました。
カウンターが広くなり、メディスンキャビネット(鏡付きの吊戸棚)とリネン収納で、収納量もアップした洗面所です。
以前の段差のあるカウンターや、給気口のためのPSを無くしたことで、随分スッキリしました。
1週間で是正項目や未成工事を完了して、お引渡しです。東京にいらっしゃるタイミングで、すべてを行いたいとのご希望で、お引越しと同日でのお引渡しと取り扱い説明となりました。
新しくご購入くださったテレビが届き、下部の収納にAV機器を入れて、それらの接続や使い方を大手家電販売店の担当者と確認している最中です。TVボードにもアクセントカラーの赤を入れています。
寝室に詰め込んでいたソファとラウンジチェアも出てきて、ご両親との思い出でのステンドグラスも飾られて、ようやくHさまのご自宅らしくなってきました。
キッチンにはまな板や給湯ジャーが仮置きされていますが、収納場所はきちんと確保できているので、安心です。
洗面所の取り扱い説明(主にミーレの洗濯乾燥機)も終わり…、
整理はまだですが、書斎にもコピー機やファイル棚、テーブルと椅子が運ばれ、いよいよ今日から使える状態になってきました。
ご両親から譲り受けたアートも沢山あるので、どこに何を飾ったらよいかのアドバイスをさせて頂き、現場監督としてここまで頑張ってくれたリフォームキューの高木さんがボードアンカーを打ってくれました。
アートが飾られたことで、よりシックで落ち着いた廊下空間です。
取り扱い説明とお引越し、お引渡しの手続きとアートの位置決めなどが重なり、きれいな竣工写真を撮影するタイミングがありませんでしたが、お打合せの始まりから約10ヵ月掛かって、コロナ禍もありながら、無事お引渡しをすることができました。Hさまマンションリフォームの完成、おめでとうございます!