Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

サイザル麻床材のモックアップ模型

代々木上原I邸

代々木上原I邸の工事現場でLGS(軽量鉄骨)の下地がほぼ立ち上がったとのことで、担当スタッフの神崎さんと二人で確認に行って参りましたが、施工会社の現場監督の石坂さんからの素敵なプレゼント(笑)にメイントピックは奪われてしまいました。

床サイザル麻仕上げの見切り方

下階の床と階段の床材として採用することが決まっているサイザル麻のディテールの納まりが判るモックアップ模型です!

床サイザル麻仕上げの見切り方打合せ

今回はオーダーの長尺でサイザル麻を床に使うこととなっておりますが…、

床サイザル麻仕上げの見切り方

サイザル麻は目の方向があり、どの目に沿ってカットするかで切断面のきれいさが変わってくるので、他の素材との見切りとなる真鍮目地材との絡みや、壁ととの取り合いをどのようにするとスッキリ納めることができるかを、この模型を見ながら打ち合わせをさせて貰いました。
石坂さんもこういった模型があると僕らが喜んでくれることを良く分かってくれているので、とても嬉しいです!

LGS下地工事@高級マンションリノベーション

さて、本業に戻って(笑)LGSの確認です。今回は外壁側の壁は断熱材を施工するので、GL壁は全て撤去して、LGS下地を立てて貰っています。

LGS下地工事@高級マンションリノベーション

上階の主寝室のLGS下地です。

LGS下地工事@高級マンションリノベーション

因みに、床スラブは精度が悪かったので、全面ではありませんが、不陸(フリク)が酷かった場所は左官モルタルで補修して貰っています。

床スラブ補修工事@高級マンションリノベーション

床が白っぽくなっている個所が補修下箇所です。弊社設計では、引き戸&引き込み戸を多用しますが、引き戸がある場所の不陸は特にシビアに手直してして貰っています。

LGS下地工事@高級マンションリノベーション

所々に変則的なLGSの組み方をお願いしているので、それらを中心にチェックさせて貰いました。

メゾネットのRC階段実測

階段部分は、色々と凝ったデザインを考えているので、LGSとは別に打ち合わせをさせて貰いました。

高級マンションリノベーション計画現地打合せ

設計側で起こした階段部分の図面と、施工側で実測した図面を比べ合わせて、階段のデザインを考えてゆきます。

メゾネット階段の手すりと階段下収納扉の納まりスケッチ

左側のスケッチは辛うじて階段と手すりと分かると思いますが…、

メゾネット階段の手すりと階段下収納扉の納まりスケッチ

これだけ見てもなんのスケッチか、全く分からないと思いますが、このスケッチである程度手摺りのディテールが決まったのです!

断熱・床下地・スイッチ&コンセント位置確認

湘南T邸

リゾートマンションリフォームの湘南T邸の工事は順調に進んでいます。上層階はテラス状に少しずつずれながら積まれているマンションなので、天井スラブ上が上階の部屋のテラスとなっているので、壁だけでなく天井裏もしっかりと断熱補強をしています。

湘南T邸_断熱工事

壁天井共にピンク色の発泡性ウレタンでカバーされた空間です。窓も南面の景観の良い窓2つ以外は全てインナーサッシを取り付けて断熱補強する計画となっています。

湘南T邸_天井スラブ断熱

電気配線などは一部残すフルスケルトンではないので、配管毎断熱材を吹きつけて貰っています。一部天窓のような窓が開いていますが、それほど明るくもないので、天窓はふさぐ設定としています。

湘南T邸_断熱工事

この日は床下地を組むので、床屋(トコヤではなくユカヤです)さんが入っていました。現場監督兼大工の福田さんと床屋の社長以外は皆、東南アジア系の職人さん達で、ベトナム語とタイ語が入り乱れていました。

湘南T邸_置床工事

遮音置床は、シンプルなシステムですが、熟練の大工さんがゆっくり組むより、複数の人数でチームワークを組んで設置してゆくのに適しているので、東南アジアの職人さんチームがリズム良く組んでゆく様は見事でした。

湘南T邸_置床工事

脚付きの置床を並べ、その上にパーティクルボード(通称パーチ合板)を並べ、置床のねじ部分でレベルを確保してゆきます。パーチが組み上がった上にベニヤ板を留めて行きます。

湘南T邸_床下地工事

広い面積のエリアはあまり考えずに床下地を作ってゆくことができますが、部屋割りが細かくなってくると取り合いが面倒になってきます。

湘南T邸_床壁天井下地工事

まだ壁下地のLGS(軽量鉄骨)が組まれていない個所もありますが、壁際には際根太(キワネダ)を先行して組んでゆく必要があります。

湘南T邸_床下地工事

床暖房のペアチューブの取り出し位置や、床付けコンセント等の位置もあるので、社長さんが現場監督の福田さん細かく指示を出しながらの作業となっています。

湘南T邸_壁断熱

因みに、元々はこのマンションでは床暖房は入っておらず、入れるとしても電気式と考えておりましたが、施工のコナラハウスさんと地元のガス屋さんと綿密に打ち合わせをしたところ、メーターボックス内に入っている既存のガス給湯器を交換することはできませんでしたが、ガス管の容量的にもう一台ガス給湯器をベランダ側に入れることができることが分かり、更に既存のスリーブ(コンクリート壁に最初から空いている孔)を使ってガス管と給水管とリビングダイイング部分の床暖房用のペアチューブを通すことができることが分かり、追加の予算は掛かってしまいましたが、給湯器を増設することができました!

湘南T邸_下地工事

弊社副所長で設計担当の前田君と福田さんはユニットバスと排水管の接続位置や造作家具との取り合いの打ち合わせを進めてくれています。

湘南T邸_スイッチコンセント位置確認

この日は、お客さまのTさまも現場に来てくださって、コンセントや照明スイッチ位置の現地確認をする日でしたので、コナラハウスの小形社長も来てくださいました。

湘南T邸_スイッチコンセント位置確認

各部屋を回ってコンセントと照明スイッチの位置をご説明するだけでなく…、

湘南T邸_スイッチコンセント位置確認

天井の断熱や天井高さの話などもご説明させて頂きました。

湘南T邸_仕上げ材確認

また、まだ未決事項として残っていた造作家具で作るキッチンのアイランドカウンターや寝室内の収納扉の色などについてもご相談させて頂きました。

湘南T邸_キッチン仕上げ確認

アイランドカウンターの框付きデザインの塗装扉と人工大理石コーリアンのカウンター材の色味の相性も見ながら、色を確定させて頂きました。

湘南T邸_天井スラブ断熱

コンセントの追加や、スイッチ位置の変更、天井下地を組み直して天井高さを変更する箇所が生じたので、お客さまが帰られた後にそれらの変更事項を小形さんと福田さんと打ち合わせをしてから、東京に戻りました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

リフォーム

新宿駅からほど近い築年数15年のタワーマンションの中層階を東京の別宅として、長野県の本宅と使い分けていらっしゃるHさまお手伝いをさせて頂きました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

こちらが元のお宅の様子です。約70平米という広さの割には立派なセパレート型のキッチンがあることで、リビングダイニング空間が細長い廊下のような空間となっていました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

こちらがリフォーム後の様子です。東京での仕事用の書斎として使っていた部屋を移動し、キッチンをリビングに面するI字型壁面キッチンとすることで、大きなLD空間を確保することができました。

新宿H邸平面図ビフォーアフター

以前は玄関から曲がりながら長く続いていた廊下も短くなり、書斎の斜め壁からリビング側の自然光が廊下まで差し込むようになりました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

元のお宅も、深紅の色が印象的な輸入生地のブラインドやアンティーク家具をお持ちで、インテリアにはご興味があったHさまですが、部屋の使い勝手やプロポーションのことから、どうしてもうまく使えないと悩んでいらっしゃっとのことです。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

H様のご親族のお宅の東京のお宅をフルリノベーションでお手伝いしたことがあったので、最初のお打合せ時からとてもスムーズにお話しをすることができました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

気に入っていらっしゃる窓のブランドは活かすこととなっていたので、その赤とほぼ似通った赤いカラーガラスをアクセントカラーとして他の素材を考えてゆきました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

東京に滞在していらっしゃる際は、それほどハードなお料理をすることは無いとのことでしたので、壁面キッチンも使わないときはなるべくキッチンとしての存在感を消して、飾り棚のように見えるデザインを検討致しました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

ご親族のお宅をお手伝いした際と同じく、弊社担当は副所長の竹田さん、工事会社もリフォームキューで担当も同じ森井さんのペアで工事着工となりました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

斜め壁ができたがったイメージが湧かないとのことでしたので、解体時の床にビニールテープで壁と同じ位置に印をつけて確認して頂きました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

一応仕上げ材は着工前に一通り決まっておりましたが、もう一度最後にご確認なさりたいとのご希望でしたので、解体現場に素材を並べてご確認頂きました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

赤いカラーガラスのほかに、イタリアのマラッティ社の大理石調大判タイルもつかい、後は白ベージュを基調として木目が入るシンプルな素材構成となっています。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

次に東京に来て頂いた際には、床下地が張られ、斜め壁も出来上がっていました。廊下から斜め壁を介してLDKへと空間が広がってゆく様は、とても喜んで頂きました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

一部石膏ボードが張られていますが、このタイミングでスイッチとコンセントの位置を確認して頂きました。リフォームキューの現場監督の高木さんも立ち会って、一つずつメモしてくれています。

タワーマンションリフォーム新宿H邸


ここから急ピッチで工事が進み、造作家具が入ってきて組立てが始まりました。因みに造作家具はキッチンも含めてアルノさんです。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

扉と引き出しが付いて、タイルが張られるとほぼ完成です。
キッチンらしくないキッチンということで、冷蔵庫は壁面に埋め込むようにして、電子レンジや炊飯器等の家電調理器機はほぼ全てを収納の中にしまえるようにしています。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

弊社竹田さんとリフォームキューの森井さんとで細かいディテールの取り合いも進めてくれています。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

そうこうしている内に養生が取れて、クリーニングも終わり、Hさまに再び来て頂いての施主&設計検査となりました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

生活感のないキッチンはきれいでいながら、簡単な料理をするときにも使い勝手が良さそうだと喜んで頂きました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

検査の段階ではありましたが、お預かりしていたペンダント照明も吊るし、取り外して保管していたブラインドも取り付けたので、ほぼ完成の状態でお見せすることができました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

斜め壁の内側の書斎スペースの造作家具もキッチリ収まっています。吊戸棚下のスペースはコピー機かファイル棚を置く場所としています。Hさまからも、これだけ収納があれば、お仕事の書類を整理できてうまく使えそうだとの感想を頂きました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

カウンターが広くなり、メディスンキャビネット(鏡付きの吊戸棚)とリネン収納で、収納量もアップした洗面所です。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

以前の段差のあるカウンターや、給気口のためのPSを無くしたことで、随分スッキリしました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

1週間で是正項目や未成工事を完了して、お引渡しです。東京にいらっしゃるタイミングで、すべてを行いたいとのご希望で、お引越しと同日でのお引渡しと取り扱い説明となりました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

新しくご購入くださったテレビが届き、下部の収納にAV機器を入れて、それらの接続や使い方を大手家電販売店の担当者と確認している最中です。TVボードにもアクセントカラーの赤を入れています。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

寝室に詰め込んでいたソファとラウンジチェアも出てきて、ご両親との思い出でのステンドグラスも飾られて、ようやくHさまのご自宅らしくなってきました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

キッチンにはまな板や給湯ジャーが仮置きされていますが、収納場所はきちんと確保できているので、安心です。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

洗面所の取り扱い説明(主にミーレの洗濯乾燥機)も終わり…、

タワーマンションリフォーム新宿H邸

整理はまだですが、書斎にもコピー機やファイル棚、テーブルと椅子が運ばれ、いよいよ今日から使える状態になってきました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

ご両親から譲り受けたアートも沢山あるので、どこに何を飾ったらよいかのアドバイスをさせて頂き、現場監督としてここまで頑張ってくれたリフォームキューの高木さんがボードアンカーを打ってくれました。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

アートが飾られたことで、よりシックで落ち着いた廊下空間です。

タワーマンションリフォーム新宿H邸

取り扱い説明とお引越し、お引渡しの手続きとアートの位置決めなどが重なり、きれいな竣工写真を撮影するタイミングがありませんでしたが、お打合せの始まりから約10ヵ月掛かって、コロナ禍もありながら、無事お引渡しをすることができました。Hさまマンションリフォームの完成、おめでとうございます!