Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

新規プロジェクト・目黒区O邸が始まります

目黒区O邸

目黒区の築30年のヴィンテージマンションの180平米をご購入なさったお客さまのLDK+玄関を中心としたリフォームプロジェクトがスタートしました。

目黒区O邸_現地調査

初回の打ち合わせは、弊社事務所で行い約1時間半ほど掛けて、どのような住まい方をご希望なさっているのか、スケジュールやリフォーム費用や家具購入などの予算感などをお話しさせて頂き、現地調査費用20万円が掛かることをご了承の上、ご購入なさったお部屋に伺ってまいりました。以前、同じマンションでスケルトンリフォームのお手伝いをしたことがあるマンションでしたが、実に10年ぶりの訪問でした。

目黒区O邸_現地調査

11年前にリフォームをお手伝いしたお宅も大きなお部屋でしたが、こちらもリビングダイニングキッチンだけで約65平米もある大きなお部屋です。因みに、この写真でリビング中央に一本足で立っている黒いもの360度カメラのシータです。

目黒区O邸_360度カメラのシータの画像

シータで撮影した写真はこのようになりますが、アプリで見ると…、

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このような画像に変換出来て、文字通り360度回転しながら見ることができるのです。特に初回の現地調査時(家具などが無い状態)で撮影しておくと、後でコンセント位置や天井の設備関係のレイアウトなどを確認することができる便利で、スピーディーなカメラです。

目黒区O邸_現地調査

弊社副所長の前田君と神崎さんが調査をしている横で、

目黒区O邸_現地プレゼンテーション

家具の無いリビングの床に座って2回目のリフォームの打ち合わせをさせて頂きました。

目黒区O邸_現地調査

用意していたものはこちらです。弊社の事例の中で、好みのプロジェクトを事前に伺っていたので、それらの写真をプリントし、各々で使われていた建材のサンプルも持っていきました。

目黒区O邸_初期リフォーム案

初回(先回)にお話しをした内容を事前に貰っていた平面図に赤ペンで落とし込んで簡単なリフォーム案も用意しておきました。

目黒区O邸_初期スケッチ

不動産情報に残っていた写真をベースに、スケッチパースも作ってみました。

目黒区O邸_現地プレゼンテーション

リフォーム案とスケッチパースをご説明している様子です。担当を想定している神崎さんは打ち合わせを聞きな、現地調査にも立ち会って、テンテコマイのようでした…。

目黒区O邸_現地調査

奥さまが重要だと考えているキッチンについては、排気ルートやPS(パイプスペース)の位置を確認しておきました(パイプスペースがマンションの登記記録上で専有部になっていることを確認しています)。一度リフォームしたことがあるマンションなので、ある程度PSの中身や、天井裏のエアコンの状態を予想できるのは安心感があります。

目黒区O邸_現地調査

とはいえ、脚立も持参して、天井裏を一通りチェック致しました。

目黒区O邸_天井裏調査


エアコンのシステムは共用部から送られてくる温水と冷水を冷媒にして、機械内部のコイル状の熱交換器で暖気と冷気に変えて、それを送付機で室内に送るシステムのファンコイルユニットでした。以前のプロジェクトでは、冷暖房システムを全交換しましたが、今回は使えるものはなるべく使うスタイルで進めるので、メンテナンスが必要になるかも知れません。

目黒区O邸_天井裏調査

電気配線は天井裏を縦横無尽に走り回っていて、あまり整理されていないようでした…。

目黒区O邸_現地調査

ご主人さまが気になっているのは、この玄関からリビングダイニング、そしてキッチンへの空間の繋がりとグレード感のあるインテリアなので、この玄関ホールは大きく手を入れることになりそうです。

目黒区O邸_現地調査

家族用のトイレと洗面は、浴室横にある洗濯機を移設して、再レイアウトすることになりそうです。この現調時のレポートをメールをお送りしたところ、Oさまご夫妻から、正式にリフォームプロジェクトとしてお願いしたいとのご返事を頂き、事務所内でも神崎さんを担当として、進めることになりました。Oさま、これからのお付き合い、どうぞ宜しくお願い致します!

スチールサッシと同じデザインモチーフの姿見

渋谷区Q邸

渋谷区Q邸では、フレンチな要素とシノワズリーな要素を混ぜ合わせたスチール扉をデザインしています。

このスチール扉のデザインをQさまご夫妻がとても気に入って下さっているので、玄関の姿見やトイレ・洗面の鏡にもこのデザインモチーフを取り入れています。


玄関の姿見です。天井を折り上げて高くしているので、全く同じデザインだと間が抜けてしまうので、横桟を1本追加しています。まっさらでなんの装飾もない姿見とは違って、個性のあるデザインの姿見はアートを掛けたのと同じような効果があると感じました!

扉は焼き付けのスチール角パイプを組み合わせて、さらにガラスを留めるための押縁(おしぶち)などが入っていますが、こちらはスチールではなく、木製で似たような形状で作っています。

一枚の大きな鏡を取り付けて、その周囲と指定した箇所に、このように塗装した木製枠を張り付けて仕上げているのです。ただ、スチールと似たような重量感を演出するために、角の曲がり具合や塗装の塗り具合もスチールに合わせて作って貰っています。

プロがよくよく見えると木製だと判ってしまうのですが、普通の方には扉と同じ造りに見えるレベルに仕上がってきています。

来客用トイレの鏡もプロポーションは変えていますが、同じデザインモチーフを使っています。

このタイミングでQさまご夫妻が現場に立ち寄って下さいました。

テレビとバイオエタノール暖炉はまだ設置されていませんが、リビングダイニングのフォーカルポイントのこの壁の仕上がりにはとても満足して下さっています。

玄関ホールは先ほどの姿見を見て、奥さまが歓声を上げてくだいました!ご主人さまは反対側のこちらの属策家具が隙間なくピタリと納まっていることに感心してくださいました。

寝室奥の水回りもここまで出来上がってから来るのは初めてとのことで、嬉しそうに見て回ってくださいました。

シャワーブースでは、シャワーフックの取付け高さを現場で試しながら決めてくださいました。

現場監督補佐の池田さんがセルフ塗装してくれたブラケットライトの具合も確認して頂きました。

その後にブラケット照明が取り付けられたのがこちらです。ドレッサー機能がある鏡なので、四周だけをスチールサッシと同じサイズの木枠で囲んだだけとしていますが、背面のシャワーブースの黒い枠も写り込み、姿見と似たような印象に仕上がってきているのではないでしょうか。

お二人で浴室のテレビフックの位置も決めてくださいました。

キッチンの奥では、大工の矢野さんがスイッチパネルの周囲の枠取りを造作してくれていました。

廊下突き当りのエアコン本体の扉の化粧もとてもきれいに仕上がっていました。鍵穴があること、ヒンジがちょこっと見えていることだけは隠せませんでしたが、ほぼ存在感を消すことができました。

神出鬼没の大工の矢野さんは、次に見たタイミングではベランダのウッドデッキ張り工事に入っていました。現場監督補佐の補佐の川野君が作った図面を元に、矢野さんが優しくかつ厳しく指導しながら人工木のウッドデッキを張ってくれています。

避難上必要な避難はしぼ部分のみはウッドでっきを張っておりません。

ウッドデッキにはアップライト(ダウンライトの反対で、下から上を照らす照明器具)を入れました。

屋外用で防水のアップライトは既製品でもあるのですが、大掛かりで取付け深さが大きく、口径も大きいものばかりでしたが、リクシル社で見付けたこちらの製品・グランドライトは、サイズも小型で費用もリーズナブルで、かつ明るさセンサーや消灯時間タイマー付きのトランスユニットを取り付けることができるので、こちらを採用させて頂きました。小型サイズのアップライトが、ちょうど人工木のウッドデッキ1枚の中に入るので、きれいに納めて貰うことができました。

玄関ホールでは、床石の大理石張りが行われ、

床の養生も完全に剥がされ、全体が竣工検査に向けて、一気に終盤に入ってきました。

オーダーキッチンの完成@千代田区M邸

千代田区M邸

千代田区M邸のリネアタラーラにお願いしていたオーダーキッチンがいよいよ完成し、養生が外れ、施工のの現場監督の樋口さんと石坂さん、片岡社長、そして弊社設計の担当の前田君と岸本さんの6人で設計検査を行いました。

建築と一体化したステンレスフレームや、建具枠やスイッチ類と一体化した収納棚、アントリーニの高級大理石を使ったアイランドカウンター等、組立てに大変な労力の掛かるキッチンでした。

こちらは数日前に大判タイルを張ってくれている様子です。

イタリア・マラッツィ社の大判タイルをカットしたものを現場に持って来て張るのですが、カウンターの立上りとフラットになる仕上がりや、コンセントとの取り合い、L字型に曲げたスチールの棚板ベースとの取り合いが厳しいデザインとなっています…。

更には、吊戸棚収納の間接照明のための電線の通しや、上下ほとんど逃げの無い寸法で、慣れた職人さんたちも緊張しながらの作業でした。

通常タイルはタイル屋さんで、石は石屋さんが張るのですが、このところ良く使うようになった大判タイルはタイル屋さんの技術では難しいようで、今回も大理石でお世話になっているキダ・マーブルの職人さんたちに頑張って貰いました。

ここまで張り上がって、ようやく職人さんたちの笑顔が見えました!

そしてこれがほぼ完成したキッチンです。先ほどの折り曲げたスチール棚のベースに木の板を差し込んで、大判タイルに穴が開いていたカ所には吊戸棚が付き、ガスコンロ上にはレンジフードが設置されて、スキのないビシッとしたキッチンになりました。

アントリーニ社の大理石オイスターホワイトも特注色の灰色の染色された突板仕上げの造作家具ととても良くマッチしています。

キッチンに向かって左側の収納も、建具枠やスイッチ類と一体になった作りですが、出来上がってみるととても普通に見えるのです。

ただ、細かく見るとさすがリネアターラという繊細なディテールです。取っ手は無垢のオーク材で、扉はアルミフレームに突板を張ったものとなっているのです…。

このタイミングに合わせて、他の家具類もしあがってきました。こちらはまだ養生された状態ですが、大沼さんにお願いしている洗面カウンターです。

養生が取れた洗面カウンターの背面では、フリッパー扉付き洗濯機収納を含んだ背面収納もほぼ組み上がりました。

アイランドカウンターと同じ(というか、一枚のスラブからの残り)大理石を使った来客用トイレの手洗いカウンターもきれいに取り付けられています。

デザインや素材としてはそれほど凝った作りではありませんが、ダイニングの壁面カウンター収納も組み上がって全容が見えてきました。

建築工事も急ピッチで仕上がってきています。玄関の姿見の鏡も既存の扉枠と合わせて作ったステンレス枠の中にピタリとはまり込んでいます。

ウォークインや来客用トイレの建具も吊り込まれ、玄関から廊下部分はほぼ完成状態です。

青の三人衆(笑)はフロアヒンジの調整をしてくれています。

廊下側から玄関ホール側を向かって見返した様子です。先日出来上がった左官仕上げのコンクリート打ち放し風の壁とスチールサッシの組み合わせはきれいで、お客さまが喜んで下さるのが想像できます!

こちらは来客用トイレの建具に初めて使ってみたコンシールド・ドア・クローザーです。八掛枠は細い仕上げなので、ドアチェックやラプコン等が上手くつけられない中で、扉がバタンと閉まらないようにソフトにクローズしてくれるコンシールドヒンジを青の樋口さんが見つけてくれたものです。中央のボタンをひねることで強弱のコントロールもできるとのことでした。

コンシールド・ドア・クローザー

このようなこれまで見たことがない新製品でしたので、うまく使えなかった場合は普通のコンシールドヒンジに交換できることを確認の上、実験的に施工と設計側の費用負担で取り付けてみました。普通に使ってみる分には良かったのですが、Mさまの奥さまから扉を開こうとするときに重たく感じるとのご意見を頂いたので、結局取り外して、普通のコンシールドヒンジに交換することになりました…。