Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

「ピザ・デー」お客さまからの陣中見舞い

渋谷区Q邸

渋谷区Q邸の現場では、コロナ禍の中も頑張ってくれている職人さんや現場監督さんたちへの陣中見舞いとのことで、お客さまがデリバリーのピザ大型サイズ4枚とポテトなどのおつまみをランチタイムに手配して下さいました!

この日は、事前にお客さまから陣中見舞いのランチを手配したいので、職人さん+現場監督+設計スタッフの人数を確認の上、普段はお弁当を持って来ている職人さんにも弁当無しで来るように通達して貰っていました。

自粛期間中ではありませんでしたが、各職人さんたちが密にならないように、現場内に散らばって食べて貰いました。こちらは電気のムラデンの井上さん達…、

こちらは鈴木大理石の職人さん達…、

そしてちょっと密になっているのは現代製作所の吉岡さん達でした。

こちらの現場監督の岡田さんと池田さん、そして我がカガミ建築計画の竹田さんと各務は窓全面開放の書斎で美味しくピザランチを頂きました(撮影用にマスクを外しましたが、実際にはマスクをしながらのランチでした)。因みに、この日は造作家具の設置、大理石張り、タイル張りと塗装工事と4種の施工職人が入り、施工会社の青とカガミ建築計画合わせて、総勢15名でのピザランチとなりました。Qさま、熱々で美味しいピザ、どうもご馳走さまでした!

ライティングビューローを組み込んだ造作AVボード家具

渋谷M邸

タワーマンションリフォームの渋谷M邸では、リビングでちょっとしたパソコン作業ができて、お客さまが来た時には隠せるようなライティングビューローを組み込みたいというお話しが当初からありました。

こちらの写真の左奥に、木製のライティングビューローが組み込まれているのが分かりますでしょうか?

実はこのライティングビューローは、昨冬にMさまと一緒に家具選びで見学に行ったモルテーニのショールームに展示されていたものと同じものを、造作家具に組み込んだのです。中古家具を扱っているヴィンテージショップなどには色々なタイプのライティングビューロー型の家具があるのですが、どれも華奢で、ノートに鉛筆でサラサラと書き物をする程度であれば良いのですが、現代のラップトップ型コンピューターを置いてキーボードとマウスで作業するには強度が足りないのです。

モルテーニ社(イタリア)の505シリーズのこのライティングビューローは、モルテーニが金物メーカーと独自に開発した特殊な金物で、フラップダウンする机部分も、スライドアップする扉部分の金物も、目立たないデザインながらしっかりとした強度を持った優れものなのです。

こちらがテーブル部分をフラップダウンした様子で…、

こちらが、テーブルも扉も閉めた状態です。このようになっていると、この後ろにミニ書斎コーナーが隠れていることが全く分かりませんね。

ライティングビューローは奥行き寸法が400mmとそれなりの大きさとなるので、テレビボードの横にそこだけ出っ張っていると唐突に感じられるので、まずは直上に同じ寸法で、スライドアップする扉がぶつからない飾り棚を取り付けました。また、テレビボード背面部分には、フィアンドレの黒い大理石調タイルを張り、その下には、斜めにカットされた形状のカウンターを設置します。
飾り棚の左面はカーテンボックスと、そして右側は折り上げ天井のアゴ部分とピタリと合っていることで、出っ張りが不自然に見えないように工夫しています。

こちらの図面が、弊社担当の岸本さんがお客さまへの説明用に作ってくれた展開図で、

こちらは、それをベースにリフォームキューの森井さんが作ってくれた製作図です。

家具取付け職人の根津さんが作業している手前に、灰色に塗装された斜めの大きな板がカウンター材です。直線部分の下には、DVDとゲーム類を納めることができる収納を設けています。

箱の取付けが終わったら、カウンター材の裏側に補強材を入れて…、

ちょうど学校が休みだったという学生の息子さんに手伝ってもらいながら、斜めカウンター材を載せてゆきます。

鏡面塗装をされたカウンター材は上からビス留めすることはできないので、仰向けに寝っ転がって、箱の下側からビス留めしてゆきます。左側の立下り部分ともピタリと合って、重厚ながら、滑らかに見えるデザインとなっています。

ライティングビューローを組み込んだAVボード家具が完成したところで、SONYの4K有機ELテレビのブラビア77インチが運び込まれ…、

リフォームキューの現場監督の滝川さんたちが壁掛け金物に取り付けてくれました。大理石調タイル壁の裏を伝って、テレビとDVDプレーヤーを繋ぐ配線も渡して貰っています。

完成して、他の家具搬入設置も終わった段階でのライティングビューロー組み込みのAVボードです。ライティングビューローの下には、テレビ用のウーハーのスピーカーもすっぽりと収まっています。

ライティングビューローを閉じると、その存在感もほとんどなくなってしまいます。斜めのカウンターで、出っ張り感を感じさせない中で、DVD収納やウーハースピーカーを設置するスペースを確保したのが、デザイン上の工夫点でした。

ライティングビューローをあけると、自動に間接照明が点灯され、奥のブロンズ色のミラーも見えてくるので、華やかな印象になりますね。図面やスケッチで、幾度もお客さまにご説明していましたが、完成してようやくお客さまも僕らのデザイン意図が分かったと喜んで下さっています!
因みに、こちらと同じモルテーニのライティングビューローは、麹町K邸でも採用しております。その時の様子はこちらのブログに書いております。

照明実験&実検@千代田区M邸

千代田区M邸

ヴィンテージマンションリノベーションの千代田区M邸の現場で、照明について実験と実検を行いました。

実験は、2種類のダウンライトをルートロンの調光器でスムーズに調光することができるかについてです。

天井に2種類のダウンライトが仮吊りされています。手前に吊るしてあるのが、グレアレス(眩しくない)・ユニバーサル(向きを変えることができる)タイプのダウンライトで、奥に吊るしているのが一般的なダウンライトです。

左が全般的なダウンライトで、右がグレアレスタイプです。グレアレスは真下に立たないと眩しく感じないことが、この比較写真で判るでしょうか?カガミ建築計画では、右のグレアレスをA照明、左の全般ダウンライトをB照明と称名付けて、キッチンや水回り等で絶対的な明るさが必要なシーンではB照明を中心にレイアウトし、リビングや玄関、飾り棚周りや寝室の壁際といった、暗めの空間にスポットライトのようにドラマチックな光で演出したいときにはA照明を採用しています。

通常は、A照明とB照明は違うグループ分けをして、それぞれを別々のシーンとして設定して調光してきましたが、調光装置の一種であるルートロン(写真で箱の中に入っている黒いミニ操作盤)の価格がそれなりに高いのと、シーン数にも制限があるので、今回は実験的にA照明とB照明を同じグループに入れてスムーズな調光が可能かを現地で実験させて貰いました。

電気屋のムラデンが調整してくれたセットを使って、青の片岡社長、現場の樋口さんと石坂さんに立ち合って貰っての実験で、無事問題なく調光できることが確認できました。

こちらは、その後に行った実検の為の準備段階です。

M邸のダイニングは、お手持ちの一枚板のテーブルを少し斜めにレイアウトして、奥さまが最近手に入れることができた、富山のガラス作家、Peter Ivy(ピーター・アイビー)氏の照明を2灯吊ることになりました。

今回は、天井が本漆喰仕上げとなっており、一旦照明用のシーリングを設置すると後で動かすためには、梁で囲まれた天井面一面を漆喰塗直しとなってしまうのです。そのため、上記の図面に従った位置に仮の裸電球を吊るし、お手持ちのテーブルに見立てたベニヤ板の仮設テーブルを設けて、照明とテーブル、そして全体の空間内での照明位置をお客さまに確認して貰うことになりました。

ご主人さまが現場に来て下さり、テーブルの周りを一回りして、OKを出してくださいました。

今回は位置さえ決まれば、ペンダント照明の高さは後で調整ができるのですが、一応関係者が揃っていたので、高さについても石坂さんの調整して貰いながら確認して頂きました。

この見上げの写真では、良く分からないでしょうが、この2つの裸電球を吊るした位置に、引っ掛けシーリングを設置することが本決定となりました。
このような難しい判断をお客さまにお願いするのは、中々難しいものがあることは重々分かっているのですが、かといって、すべてが出来上がってから照明位置を調整することは工期的に無理ですし、こちらが仮決めした位置で、後からお客さまに移動して欲しいとお願いされてしまった場合の天井左官塗りの作業費用を、こちらで負担することも難しいので、お客さまにご負担になってはしまいますが、現地での実検をお願いしたい次第です。