Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

仕上げ素材選び@赤坂N邸

赤坂N邸

高層マンションリフォームの赤坂N邸の仕上げ材選びが進んでいます。

金属風左官材のモダナ(日本化成)のサンプル3枚に、床材候補の大理石調タイルのエポック・アイボリー(ダイナワン)、フローリングは東京工営のオーク材三色を見比べて、仕上げ材の最終色決めです。

金属左官のモダナは、第一候補に挙がっているタイルの色味からすると、真ん中のサンプルが良さそうだとのことになりました。

フローリングは、タイルとの色味を見ると、大きな白系に塗装したオーク材が良さそうに感じておりましたが、フローリングを張る範囲は、寝室になるので、もっとコントラストを強くするのも良さそうだとの話になりました。

Nさまのオフィスの打ち合わせ室を借りてのお打合せでしたが、しばらくサンプルを置いておいて、色々な時間帯の光環境で見てみたいとのことで、そのまま置いてゆくことになりました。
因みに、右端床に置かれているのは、候補から外れたタイルです。

お客さまとの打ち合わせ後は、現場からも、Nさまもオフィスからも歩いて5分ほどの場所にある、共同設計者の石川利治さんの事務所3*D空間創考舎に移動して、施工をお願いしているタキズミの加藤さんと特注スチールサッシの納まりについて打ち合わせをさせて貰いました。

スチールサッシの天井との取り合いや、フィックス部分と開口部の見えが同じになるように、ディテールを詰めてゆきました。

天井裏に隠れる配管ルートの記録方法について

渋谷区Q邸

ヴィンテージマンションリノベーションの渋谷区Q邸では、天井裏のエアコン、配管&ダクト類をほぼすべてやり直す計画となっております。

この写真のように、立体的に複雑に絡む配管となっております。

お客さまからは、将来に何らかの設備関係の問題が起こった時の為に、配管ルートが分かる資料を作って欲しいとご依頼されておりました。そろそろ天井裏の設備設置が終わり、ボードを張る段階が近づいていたので、図面化するにしても、早々に準備しなくてはと焦っていたところ…、

施工会社・の現場監督補助の池田さんが現場監督の岡田さんの指示のもと、同じスケールで天井裏写真を撮影して、このように繋ぎ合わせた資料を作ってくれました!
お客さまもこの資料があれば、後で確認することが容易なので、プリントした資料とデータをくださいとのことで、喜んで頂けました。

この複雑な状況を、どのように分かりやすい資料に纏めようかと悩んでいたので、とても助かりました。

解体工事が終わってから、この一か月半ほどは、ずっと天井裏の設備工事が進んでいたので、空間としては、ほとんど何も進んでいないように見える状況が続いておりました。

いや、天井裏だけでなく、床のコンクリート躯体にも、このような墨(スミ 墨汁で床等に記した位置基準となる線)が印されていました。因みに、こちらは設計図に記載されたダウンライトの位置を床に記したもので、この位置と天井の設備配管や下地が重ならないように準備をしてくれたものです。

こちらも天井に設ける、照明ボックスの位置を墨出ししたものです。

本日の現場では、もう一つの作業が静かに進められていました。建具枠の現場塗装です。

既存の建具と建具枠は3つのセットを再塗装して利用する計画で進めております。建具3枚と、2本の建具枠が取り外しが可能だったので、より塗装の精度を上げるために、工場に持ち帰って再塗装して貰っておりますが、こちらの枠だけは、躯体壁に半分埋め込まれており、取り外しができなかったので、現場で塗装職人さんに吹いて貰いました。
塗装といっても、刷毛で塗るのではなく、エアブラシという道具を使って、細かく霧状にした塗料を具合を見ながら吹き付けてゆく時間のかかる作業となります。

最初に養生テープで囲ったカ所にサンプルを作って貰い、その方向で良いことを確認したうえで、全体を塗装して貰いました。右にある四角いサンプルがお客さまに承認をして頂いたもので、左側の縦長の物が今回拭いて仕上げて貰った枠です。職人さんのエアブラシの腕で、ほぼ色味が再現されております!

左官漆喰壁のコーナーサンプル

千代田区M邸

千代田区M邸は室内の壁と天井のほぼすべてを漆喰の左官で仕上げる予定です。巾木や出隅コーナーをどう納めるかの、僕ら設計と施工の青の考え方をお客さまに確認して頂くために、サンプルを作って貰いました。

二つのサンプルは、コーナーの曲がり度合い(R(アール))の度合いを比較するもので、5Rと10Rを作って貰いました。

副所長で担当スタッフの前田君が、施工の青と左官の原田左官にサンプル作成を依頼した内容がこちらです。

右側のサンプルが曲がり度合いが大きい10Rのサンプルで、左側がカーブが小さい5Rのサンプルです。今お住いのお宅も漆喰仕上げで統一しているMさまご夫妻は、ちょうどご自宅と同じイメージの5Rが良いとすぐに判断してくださいました。

漆喰のような左官材は、床材と壁の取り合いとなる、巾木でどのように納めるかが重要となってくるので、金物で作った巾木を床から10ミリ(1センチ)浮かべて取付け、そこに漆喰を寄せ付けて貰うサンプルとなっています。

壁の出隅コーナーのカーブに合わせて、カーブしたアルミの巾木見切り材を特別に作って貰いました。こちらを裏から見ると…、


このようになっています。既製品のアルミのアングル材を逆向きに止め付けて、コーナーを丸くカットして貰ったものを巾木として使っています。ただ、この作り方だと、コーナーの下部に掃除機等がぶつかると、コーナーが割けてしまう可能性もあるので、もう少し改善する余地がありそうです。

この日は、出隅のR確認だけでなく、リビングダイニングの窓際に設置する造作家具の納まりもお客さまに確認して頂きました。


こちらがその部分を前田君が描いてくれたスケッチです。二つの窓の下にひと繋がりのカウンター家具を考えていますが、向かって右側にはテレビを設置するので少し低く、左側は高くなるので、その納まりとデザインをチェックして頂きました。

他にも、以前他のプロジェクトで作った木製の塗装パネルの表情が奥さまのイメージに近そうだったので、そちらも見て頂きました。