Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

工事契約&設計契約締結@麹町K邸

麹町K邸

仕上げ材や設備の打ち合わせを詰めていた隣接二住戸同時リフォームの麹町K邸の工事契約と設計契約を同じ日に締結いたしました。

工事契約はお客さまと現代製作所の間で、そして設計契約はお客さまと僕らカガミ建築計画との間で結ばせて頂きました。現代製作所からは、社長の上林さんと造作家具の設計担当をしてくれている藤田さんが同席してくれました。

契約後は、お客さまがご購入なさったお掃除ロボの水拭きタイプのブラーバをご購入なさったとのことで、その実物と動きを見ながらどこを基地にすべきかを奥さまと一緒に検討させて頂きました。
ブラーバには水が必要になることや、キッチン回りを特に重点的に葺いてもらいたいとのことだったので、キッチン内部に基地を作ることになりました。

また、お掃除ロボの進化型で、ルンバが集めたゴミ約30杯分を自動で集めてくれる基地(クリーンベース(自動ゴミ収集機))と一体化した、ルンバi7シリーズもご購入なさったとのことで、その使い方を確認しながら、やはりこちらの設置場所を検討させて頂きました。

リフォーム工事とは別契約にすることになっていた、キッチン工事についても、早急に纏めて契約をして頂く必要があったので、リフォーム工事契約の2日後に八雲のリブコンテンツさんにお客さまご夫妻と一緒に伺ってきました。

奥さまとはこれまでに3度ほどショールームに伺っておりましたが、ご主人さまは初めてでしたので、一通りショールーム内を見て頂きました。

まだ決まっていなかった、引き出しの取っ手金物や、

未決定だったキッチンの仕上げ材をこの日にほぼ決定することができました。

お打合せの最後に、纏めとしてキッチンだけでなく、リビングダイニングの空間で使うことが決まった内装素材やご購入が決まっている家具類の色味を全て集めて、最終確認をして頂きました。

塗装パネル壁の作り方@品川N邸

品川N邸

日本の住宅(戸建てでもマンションでも)では、壁の仕上げといえばビニールクロスが一般的です。それが塗装だったり、クロスの模様やパターンにコダワリがあることはありますが、フラットな仕上げになることがほとんどです。
今回リフォームのお手伝いをしている品川N邸では、もう少し立体感のある塗装仕上げのパネル壁を作ろうとしています。

ウォール・パネリング

こちらはアメリカの設計資料集成(設計や工事のプロが見る参考書)に当たるArchitectural Graphic Standard(アーキテクチュラル・グラフィック・スタンダード)のウッド・パネリングのページです。
元々はきれいな木目の板が大きなサイズで取ることが難しかったので、規則的なサイズの木パネルにリズムをつけて装飾化してきたものがパネル壁の始まりのようです。僕、各務がニューヨーク時代に修行していたCicognani Kalla Architects でも、大きな壁は立体的にパネル仕上げとして塗装で仕上げることが多くありました。

パネル壁

収納や建具などのサイズに合わせてパネル壁下地を作り、

塗装仕上げのパネル壁

最後は塗装でこのように仕上げてゆきます。

塗装用パネル壁の下地

こちらがその下地のディテールです。石膏ボードの上に木製の帯状の装飾部材留めて、全体が均一に仕上がるようにパテ処理をします。こちらでは左側が建具で、右上の凹んだ部分が収納扉になっています。それほどの大きな凹凸ではないのですが、仕上がって光が当たると立体感のあるきれいな壁に仕上がるのです。

パネル壁造作手順

品川N邸では、玄関ホールの正面壁とダイニング横の壁にパネル壁を作ります。そのプロセスですが、まずは塗装してもアクが出てこないシナベニヤ板を壁に張ってゆきます。その際、ベニヤ板の継ぎ目がパネルの帯材で隠れる位置に来るように調整しておくことが重要です。

パネル壁造作手順

事前に墨出ししていた位置に、栂(ツガ)の無垢材を帯状に加工したものを接着剤と隠し釘で固定してゆきます。

パネル壁造作手順

レーザー等を使って直線状かつ直角に仕上がっていることを確認してゆきます。

パネル壁造作手順

下地が組み上がった玄関ホール壁です。

パネル壁造作手順

間近で見ると、このようになっています。小さな穴が隠し釘の穴です。

パネル壁造作手順

少しデザインを変えたダイニングの壁パネルの下地も組み上がっています。

パネル壁造作手順

次は塗装屋さんの出番となります。継ぎ目や隠し釘の穴をパテ埋めし…、

パネル壁造作手順

木材のアクを防ぐシーラーを塗ったうえで、

パネル壁造作手順

全体をローラーで塗り上げてゆきます。

パネル壁造作手順

一通り塗り上がった後は、周りを養生したうえでスプレーで塗装して、 ダイニング壁の完成です。

パネル壁造作手順

そして、こちらが玄関ホールのパネル壁の仕上がりです。
品川N邸では、他の壁はクロスだったり、石張りだったりとバラエティーに富んだ仕上げとなる予定ですが、これらの塗装パネル壁が空間の中でどのように見えてくるか、設計した僕らも今からとても楽しみにしています!

施主検査立ち合い@松濤D邸

松濤D邸

ようやくリフォーム工事が完成した松濤D邸のお客さま検査(施主検査)にデザインアドバイザーとして立ち会って参りました。

工事途中の段階でも幾度か見学に来てくださっていたDさまには、それほどの驚きはなかったようですが、それでもとにかく質感のある気持ちよい空間に生まれ変わったこと、喜んでくださいました。

施主検査への立ち合いなのですが、実際には弊社の担当の前田君と僕、各務が1時間半ほど前の時間に現地に入って、気になる個所にフセンをつけて、それをどのように補修してゆくかをリフォームキューの森井さんと高橋さんに相談しておいた上で、チェック項目をDさまに確認して頂くという流れになっています。

こちらの玄関ホール空間もとにかくカッコよくなったと喜んで頂けました。良く写真を見て頂くと、所々に青や赤のフセンが張られています。

ダイニングからキッチンの入り口部分では、ビニールクロスの巻き込みが上手くできていない箇所があったので、そちらを説明させて頂きました。

ダイニングのこのワインセラーコーナーは、特に仕上がり感を気に入って頂けたようです。

こちらは、照明器具のうち壁際に設けているダウンライトがユニバーサルタイプといって、光の向きを変えられるタイプなので、実際に各務がその調整をしている様子を確認して頂きました。

完成した洗面所の収納なども確認して頂きました。

洗面カウンターの仕上がりとしてはこのようになりました。

床段差がなくなり、廊下からフラットに入れるようになったトイレは、使い勝手もさることながら、既存の手洗いボウルや水栓、更には間接照明器具なども裁量したデザインも気に入って頂けたようです。

シャワー室の前の脱衣コーナーに作ったミニ手洗いカウンターです。

Dさまが事前に購入して現地に配送して下さっていた既製品のメディスンキャビネットを取り付ける高さを確認して頂きました。

こちらは来客用トイレに飾る鏡と、お手持ちのアートをどのように飾るかを確認して頂いた様子です。

変形の出窓に沿って作って貰った机とカウンターが一体になったものも、きれいに納まっており、無駄なスペースが上手く使えそうだと喜んで頂けました。

その上部にはお手持ちの棚を取り付けたいとのことで、これも持ってきてくださった棚を実地で壁に当てて…、

この高さに取り付けることを決めて頂きました。

スケジュール的にDさまが現場に来て頂けるタイミングで、急ぎで検査を行ったので、清掃作業が入っていたり、まだ未完成な部分が残っていましたが、特に玄関ホールからリビングダイニングという動線上の空間は本当に良くなったと喜んで頂けました!

最後に、恒例の(?)お客さまとの記念撮影をさせて頂きました。ここまで頑張ってくれたリフォームキューの森井さんと高橋さん、そして弊社担当だった副所長の前田君、どうもお疲れさまでした。そして、リノベーション済みマンションのリフォームというとてもユニークな機会を作って下さったDさま、どうもありがとうございます。
大変お待たせいたしましたが、リフォーム工事の完成、おめでとうございます!