Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ビニールクロス張りの七つ道具@代官山N邸

代官山N邸

代官山の高層マンションリフォームN邸の現場にビニールクロス張りの職人さんたちが入ってきました。

代官山N邸のビニールクロス張り

普通のお部屋のリフォームのビニールクロス張りは、とにかくスピーディーに仕上がってゆくことに驚かされますが、僕らがデザインのお手伝いをするお宅は、クロスの張り分けなどが多く、中々大変なようです。

ビニールクロス張りの七つ道具

クロス張りの職人さんに、どのような道具を使っているか簡単に話を聞きました。
最も良く使うのがカッターと巻き尺で、カッターはどんどん刃を追ってゆくので、大量の替え刃も持ってきているそうです。あとは、入り組んだコーナーなどをカットするハサミに、クロスを張り伸ばすハケとローラー、はみ出たノリを拭き取るスポンジ、コーナーを押し込む金属製のヘラ、更には入隅コーナーにクロスを張る前に売っておくコーキング材や、下地を調整するサンドペーパーがクロス屋さんの七つ道具となります。

代官山N邸のビニールクロス張り

糊付け機で裏面にノリをつけた置いたクロスの束をピラピラを広げながら、正確にかつスピーディーにクロスを張ってゆきます。

代官山N邸のビニールクロス張り

まず最初に天井を張って、その後は壁を張って、梁型や細かい部分へとクロスを張り進めてゆきます。

代官山N邸のビニールクロス張り

上を見上げながらの作業が多く、高さによっては架台を使っての作業になるので、肉体的にも相当ハードなようです。

代官山N邸のビニールクロス張り

こちらは子ども部屋壁で、クロスを張る前のボード下地にパテをかった様子です。塗装に比べるとパテの作業はそれなりに簡易化されていますが、クロスのエンボス(凹凸の表情)の度合いによって、薄手の場合はパテ作業がより細かくなるそうです。

代官山N邸現場

その裏面に当たる壁です。正面に見える壁は、リフォーム前にクロスが張ってあった壁で、既存クロスを剥いだ後の裏紙が残っています。きれいな状態で裏紙が残っている場合は、その上から張り増しをすることができるので、実はクロス貼り換え作業は、クロス剥がしの職人さんの腕が重要なのだそうです。

代官山N邸のビニールクロス張り

今回は、クロスをパネル状に張るために、目地を縦に取ったり…、

代官山N邸のビニールクロス張り

玄関横の壁には、クロスパネルが卍状になるようにパネル割をしたりと、結構面倒な張り方になっています。

代官山N邸のビニールクロス張り

こちらはトイレですが、水撥ねようのキッチンパネルとクロスパネルをフラットに仕上げる為に、面倒な下地を組んでもらっています。

代官山N邸のビニールクロス張り

玄関ホールの廊下は、天井を二色のクロスをハット目地を入れて張り分けたり、壁の一部をタイル張りにして、小口を金物で抑えて、そこまでクロス張りにしたりと、本当に面倒な作業ばかりです…。

代官山N邸のビニールクロス張り

前の週には、タイル職人さんが入ってくれたとのことで、窓周りには大理石調タイルがきれいに張られていました。

窓周りをタイル張りにした代官山N邸現場

二本の柱型の間をフレーム状に囲って、その奥の面をタイルで仕上げて貰っています。フレームの上面はキッチンパネルを突き付けで張って貰っています。写真の木のつっかえ棒は、接着剤と両面テープで張ったキッチンパネルが剥がれないようにバリをかっている様子です。

窓周りをタイル張りにした代官山N邸現場

柱型との取り合いは、造り付けの収納や、カラーガラス、ミラー張り、上部の間接照明まで伸びる抑え金物等の細かい細工が詰まっており、仕上げが楽しみです(職人の皆さま、お疲れさまです…)。

代官山N邸のビニールクロス張り

廊下の一角は、照明スイッチやインターフォン、設備スイッチ等の配線がなされており、あとは造作家具の到着と据え付けを待つばかりとなっていました。

大理石調大判セラミックタイルのキッチンカウンター

外苑前C邸

ドイツ製高級オーダーキッチンのジーマティック社のキッチンキャビネットが組み立てられた外苑前C邸ですが、少し時間差をおいて大理石調の大判セラミックタイルのカウンターが設置されました。

キッチン大理石柄大判タイル天板設置

一旦、引き出しなどが引き出されてしまっているので、完成した雰囲気になっていませんが、イタリアのフィアンドレ社のサピエンストーン(厚み12ミリ)がカウンター甲板として設置され、壁には同じシリーズのマキシマルミ(厚み6ミリが)張られています。

キッチン大判大理石柄タイル

実は、一旦カウンター甲板がこちらの指定した柄と違うパターンで設置されてしまったのですが、設置をお願いしていた、イタリア輸入建材の商社アークテック社が間違いに気が付いて、急ぎでカウンターを作り直してくれました。
今回選んだ柄が、白地に灰色の線がクッキリと入るスタトゥアーリオという柄なのですが、ちょうどガスコンロのところにその柄が入ってしまい、これでは見せ場にならないので、ずらした位置に柄が来るように再調整して貰いました。

大理石柄大判タイルカンター設置

カウンター甲板は張られた直後には、傷がつかないように養生シートでカバーされてしまいます。

キッチン大判大理石柄タイル設置

今回は背面カウンターの壁部分にもあまりのフィアンドレタイルを張って貰っています。本物の大理石だと、このサイズでも大仕事になってしまいますが、厚み6ミリのタイルだと、男性2名で軽々と張り付けることが可能なのです。当日は、アークテック社の増田社長が直々に来てくれました。

キッチン大判大理石柄タイル設置

ぴったりサイズで作られた枠の中に張られると、本物の大理石にしか見えないグレード感の高い仕上がりとなります。ちなみにコンセントやスイッチの穴あけは、事前に工場で開けて貰っていますが、現場でカットすることも可能な優れモノです。

大理石柄大判タイルカンター設置

また、ガスコンロや食洗器が入っておりませんが、一通り組み立てられたキッチンの様子です。

キッチン完成@外苑前C邸リフォーム

ダイニング側からみると、このようになっています。二枚のパネル状の壁の間、カウンター上には引き戸が仕込まれており、また、右手の壁との間にも引き込み扉が入っており、完全に閉じることができる仕組みとなっております。

洗面造作家具設置@高級マンションリフォーム

同じ柄の大理石調大判セラミックタイルの甲板が洗面カウンターにも設置されました。

成城Z邸が「家庭画報」に掲載!

成城Z邸

今年の5月号に引き続き、現在発売中の雑誌「家庭画報」10月号に僕らがマンションリフォームのお手伝いをした成城Z邸が掲載されております。

家庭画報2019年10月号_成城Z邸

「愛するものと暮らす至福の時間-アートを飾る家」というタイトルで、表紙も含めて5ページに渡って紹介して貰っております。

家庭画報2019年10月号_成城Z邸

毎回華やかな家庭画報の表紙です。今回は大きな特集ではないので、残念ながら表紙にはタイトルは示されておりませんが…。

家庭画報2019年10月号_成城Z邸

成城Z邸は、お客さまがご両親から譲り受けた調度品やアートを沢山お持ちで、それらのレイアウトや飾り方を考えながらデザインしたお宅でした。記事もその内容に沿って「リビングは代々の愛着の品が映える私設美術館」、「アートを飾るために選んだ住まい」というタイトルがちりばめられています。

家庭画報2019年10月号_成城Z邸

Zさまもとても気に入って下さっている廊下の屏風や、ご両親からのステンドグラスのことも大きく取り上げて貰っております。

家庭画報取材のロケハン@成城X邸

今回のことについては、まず夏前に編集部の和泉さんから、企画書と共に取材撮影させて貰えるお宅がないかと問い合わせがあり、僕らから成城Z邸をご紹介させて頂きました。アートや調度品の使い方などの話を和泉さんが気に入って下さり、すぐにZさまに取材撮影の可否をお尋ねするとともに、ロケハン(事前取材)と実際の取材撮影の日程調整をはじめました。
この写真は、ロケハンで編集部の和泉さん、カメラマンの斉藤さん、ライターの冨部さん、そして弊社担当スタッフの竹田さんと一緒に伺った際の様子です。

家庭画報取材のロケハン@成城X邸

ロケハンでは、僕らがお伝えした成城Z邸のコンセプトに従って、編集部の和泉さんがお客さまのZさまにお話しを伺っていきます。

家庭画報取材のロケハン@成城X邸

最初にお話しをして、弊社ホームページの写真でも編集部側が気に入ってくれていた廊下の屏風は、やはり記事に取り入れたいとのことでした。

家庭画報取材のロケハン@成城X邸

まだ、この段階ではどこの写真をメインにして、どこをどう切り取ってゆくかが決まっていない段階ですので、家中全てのお部屋をZさまのご了承のもとご説明してゆきました。

そして、いよいよ取材撮影当日です。

家庭画報取材撮影@成城X邸

まずは和泉さんが考えてくれたレイアウト案とカメラマンの斉藤さんが先回のロケハンの時撮影した試し写真と合わせて、どの部屋のどのコーナーをどう切り取って、当日どのような流れで撮影してゆくかを、Zさまに説明して頂きました。

家庭画報取材撮影@成城X邸

部外秘の資料(笑)ですが、こちらのその資料です。とても分かりやすい資料で、Zさまも喜んでくださいました。

写真には撮影して貰いたくないものや、写真の構成上邪魔になりそうなものついては、記録写真を撮って後で戻せるようにしたうえで、撮影するアングルに映る部分をきれいにしてゆきます。

家庭画報取材撮影@成城X邸

カメラマンの斉藤さんは、今年5月に発売になった家庭画報・豪邸リノベーション特集での港区R邸の記事でもお世話になった方で、独特の雰囲気があります!

家庭画報取材撮影@成城X邸

昔フィルムカメラと違って、現在はデジタルカメラなので、撮影した直後からコンピューターの画面で写真を確認することができます。

難しいのが、人物が映り込む写真とのことで、奥さまが椅子に座った様子を撮影した写真では、奥さまの視線や表情を変えて頂きながら、実に50枚近くの写真を撮っていました!

家庭画報取材撮影@成城X邸

タイトルになった玄関照明の写真では、僕らも初めてみる特殊な撮影をしました。リビングからの自然光が入らないからと、奥の暗い空間に鏡を持ったカメラマンの斉藤さんが立って…、

家庭画報取材撮影@成城X邸

斉藤さんに向けて、リビング外のバルコニーから鏡で光を送り込んでいる、各務の様子です。昔、テレビアニメで見た「宇宙戦艦ヤマト」の反射衛星砲のようでした(笑)!

家庭画報取材撮影@成城X邸

こちらは小細工なしで、廊下の屏風の展示を各務が撮影してみたものですが、ほとんどなにを撮影しているか分からないような写真になってしまいました…。

家庭画報取材撮影@成城X邸

当初想定していた時間通りに撮影が終わっての、皆での記念撮影です。前列左から各務、Zさま、後列左から、家庭画報編集部の柵山さん、弊社担当スタッフの竹田さん、ライターの冨部さん、編集部の和泉さん、そしてカメラマンの斉藤さんです。
ここから、本当に短い期間で、上記のような素晴らしい記事に仕上げて下さった家庭画報チームに感謝するとともに、難しいタイミングの中、取材撮影にご協力くださったZさまには最大限の感謝を捧げます!