Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ハイブランド家具の搬入設置

渋谷M邸

リフォーム工事が終わったタイミングで、タワーマンションリフォームの渋谷M邸に、ハイブランドの家具が続々と搬入されてきました。

リビングで最初に入ってきたのはラグです。ソファと同じ、イタリアのミノッティ社の大型ラグです。ソファを置いた後にラグを敷くことはできない(というか、大変なので)のでソファと別ブランドでラグをオーダーする際には、その搬入設置の前後の確認は重要になります。

ビスコース(自然素材の合成繊維で、絹のような光沢感があります。色落ちせず、日焼けもしにくく、吸湿性があり、伸縮性、強度もありますが、水や汚れには弱いのが弱点です)でツートーンの肌触りの良い上質なラグです。

ラグの位置が決まったところで、ソファのセッティングが始まります。

廊下からLDの入り口から見て、リビング奥にあるダイニング用のチェアも搬入されたので、あっという間にLDが家具でいっぱいになりました。

ミノッティの担当の小山さんと二人の職人さんは手慣れており、1時間ほどでここまでソファセットが組み上がりました。今回採用したのは、グランヴィルというシリーズのソファですが、ラグに合わせて、レザーとファブリックのツートーンとしています。センターテーブル代わりのオットマンやサイドテーブルにもなるミニチェアもミノッティで揃えています。

次にLDに運び込まれてきたのは、アルフレックスでお願いした円形テーブルのコラムです。天板を天然大理石で選んでいるので、三人がかりでの搬入です。ソファ後ろに置かれているダイニングチェアはミノッティのアストンです。


天板も重たいのですが、コラムはベースになる部分も相当重たく、ベースと天板のセッティングが一苦労です。

職人さんたちが逆向きになりながら、固定と清掃をしてくれています。

ダイニングテーブルが組み上がったタイミングで、窓際にシルエットシェード(ハンターダグラス)が設置されました。

奥の主寝室では、僕らが到着する前にベッドが入っておりましたが、そこにマナトレーディングでお願いしたクッションとカーテンが入ってきました。

お客さまが選んでくださったカーテンとタッセルは、あっという間に吊りこまれました。

大型家具搬入の合間に、玄関の造作ベンチや、

お子さまたちの部屋の造作家具が取り付けられてゆきます。造作家具には、コンセントやスイッチなども組み込まれているので、電気屋さんも一緒の作業になります。

こちらはお引渡し直前のタイミングで、何とか吊りこまれたシャム柿の突板を使った特製の建具が吊り込まれました。

怒涛の搬入設置がほぼ終わった所で、キッチンのコーナーのボッチ28シリーズのペンダント照明の取付けを行いました。

お客さまのMさまにも見て頂きながら、慎重にペンダント照明の高さを決めて頂きました。
まだ、ダイニング上のペンダント照明の吊り込みが残っていますが、大物家具の搬入設置がほぼ無事に終わり、担当の岸本さんもホッとしたようです。

リフォームアイデアコンテストの審査員

ニュース

日本全国に支部があるリフォーム事業者グループ「JACK(ジャック)」が主催する『全国リフォームアイデアコンテスト2021』にて、審査委員をさせて頂くことになりました。

審査委員リーダー(?)のインハウス建築計画の中西ヒロツグさんからのお声掛けで、実は昨年のコンテストから審査員にならないかとのお話しがあったのですが、2020年はコロナのことでコンテスト自体が中止になってしまいました。

今年は、審査もプレゼンテーションも表彰会もオンラインになりますが、JACKグループ代表理事の蜘手さんの熱い想いで、再開されることになりました。


審査をご一緒させて頂くのは、一緒に本を出版したり、幾つかのプロジェクトでも共同設計をしたことがある中西ヒロツグさんと、不思議なご縁で知り合いとなった、今を時めくインテリアコーディネーター界の若手スター、シック・インテリアの荒井詩万さんです。

ちょうど本日、JACKグループの蜘手さんや事務局の方々、そして中西さんと荒井さんが揃って、Zoomでオンラインミーティングを行いました。オンラインだからこそできることにトライしてみようとのことで、皆で大いに盛り上がりました。

こちらのコンテストは、JACKグループに所属していない方でも参加可能で、広く門戸が開かれたコンテストです。エントリーシートに記入は必要ですが参加料は無料で、応募方法もPDFのシートをオンラインでアップロードすればよいと気軽に応募できるシステムとなっています。提出期限の6月10日ギリギリになっても出すことができそうですね。
その代わりと言っては何ですが、賞金や商品はなく、JACKグループが出版している本への掲載となりますが、このコンテストをキッカケにリフォーム設計者としての名前が上がったり、売り上げアップしているリフォーム会社もあるとのこと、是非幅広い方々からの応募をお待ちしております!

大理石エンペラドールのカウンター材

渋谷区Q邸

高級オーダーキッチンが組立て中の渋谷区Q邸の現場に、ブラウン色の大理石、エンペラドールダークをピール加工したカウンター材が搬入されました。

昨年末に施工をお願いしているの現場監督の岡田さんと片岡社長、そして弊社担当スタッフで副所長の竹田さんと4人で岐阜の大垣市の石材屋ツアーをした際に決定したスラブを、日本辰華がカウンター形状に加工してくれたものです。

こちらが現場に搬入されて、荷解きされたばかりの状態で、これを用心深く裏返して、見やすいように養生材をはいでくれたものが、最初の写真です。

仕上がった面からは判りにくいですが、このように裏返した状態だと、柄が繋がるように同材を45度でエッジをカットしたものを継ぎ目が分からないように接合していることが判るでしょうか…。フラットな磨きの状態であれば、それほど難しくない加工ですが、アンティーク石材のように見えるピール加工(固めのブラシで表面磨いて柔らかい部部分を削る加工です)し、その上から撥水処理をした材を折り曲げて継ぐのは大変な作業だったと思われます…。

オーダーキッチンのリネアタラーラでは、大理石カウンター材が届く前までに、ここまで下のキャビネットを組み上げてくれています。写真右奥に見えているキャビネットだけは…、

実はキッチンキャビネットではなく、造作家具の現代製作所にお願いしたものでした。扉と側面に同じフローリング材を張って、コーナー加工を45度のトメにして、扉の厚みが見えないような特殊加工をして貰っています。

キャビネット上に、L字に組んだ大理石カウンターを載せた様子がこちらです。青いテープの部分が継ぎ目となります。

キッチン内側から見るとこのようになっています。手前の調理カウンターは、大理石調のフィアンドレの大判タイルで、88ミリ立ち上がっているエンペラドールの二段カウンターの横面に家具用コンセントを仕込んで貰っています。

大理石カウンターを真横から見た様子です。手前のキッチンから、右奥の壁の方まで大理石カウンターが伸びています。左手前にガスレンジのカウンター前の壁にもフィアンドレの大理石調タイルが張られていますね。

これはダイニング側から通路の正面からキッチンを見返したアングルです。左手手前の箱の中にも大理石柄が入っていますが…、

コンクリートの構造柱型の前に設置するワイングラスを入れるガラス扉付き収納の背面をコンロ正面の仕上げと揃えているのです。

床に転がっているこの不思議な井桁のような材料は…、

カウンター側にハイスツールで座った時のための足置きです。見えにくいですが、脚立に座った僕、各務が足を置いているのが、据え付けられた足置きです。

リネアタラーラのショールームにあるものと、ほぼ同じ寸法体系で作って貰ったものですが、荷重が掛かっても歪まないような取付けの工夫がされていることが、このスケッチ図面で分かります。

ほぼキッチンが組み上がった段階で、お客さまのQさまが現場に立ち寄って下さいました。この2段カウンターの石材の決定には、相当な時間と労力を掛けて下さったので、この出来上がりの雄姿はとても喜んで下さいました。ただ当初Qさまご夫妻が図面から想像していたよりも、キッチンカウンターが大きく長かったようで、果たしてこの大きなキッチンを使いこなせるかが不安になってきたとのことでした…。

元々Qさまご夫妻には、主寝室の奥にある洗面所のお化粧コーナー前の鏡面に取り付けるブラケット照明の高さと位置を見て頂きたかったので、半分仕上がってきた洗面室に立ち寄って頂きました。

こちらが現場に届いていた、お化粧コーナー用のキッチラーのブラケット照明です。シャワーコーナーの黒いサッシと色味が微妙に違っていたので、青の現場副監督の池田さんが、後日スプレーで塗装してくれることになりました。

シャワーブース内の壁タイルが張られた様子も見て頂きました。

後日凹んだシャンプーボトル置き用ニッチ内部にもきれいにタイルが張りまわれていました。

同じタイルを選んだ浴室も段々と仕上がってきました。因みに、朱色のピンのように見えるのは、タイルの目地幅を揃えるためのスペーサーです。

こちらはリビングの様子です。キッチン組み始めは大混雑でしたが、ようやく片付いてきて…、

先日張っていた加工大理石のサルバトーリのTVボード壁も見えてきました。

エクセルジョイントでひび割れを補修した折り上げ天井もしっかりと細部まで確認できましたが、キッチンが片付いてきたと思ったら…、

今度は合番の造作家具や、壁のフローリング張りのための材料がまた目白押しになってきました。現場監督の岡田さんたちが、日程調整しながら作業スペースを確保しつつ、搬入される大量の箱や材を整理してくれていますが、現場監督さんの実力は先を読む力だと感心するばかりです!