Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

玄関床タイル張りと浴槽塗装@白金台E邸

白金台E邸

白金台E邸の玄関床に大理石調タイルが張り始められました。

当初は天然の大理石で検討しておりましたが、既製の大理石タイルやスラブから切り出すスタイルでサンプルを取り寄せて比較した結果、色味や柄のクセ、更には遮音材との厚みの兼ね合いから、大理石調のタイルに変更しています。

大判60センチ角のマーベルプロ・グレー(ダイナワン)のタイルを選定しています。

このタイルは玄関ホールに隣接している来客用トイレの床まで張り伸ばされています。

タイル同士の目地部分に赤と白、そして黒のプラスチックが挟まれていますが、これらは床に張るタイル同士の段差をなくし、目地幅を均一にする特殊な工法の道具です。これまでは更に職人の腕と感覚に任せられていた張り方を、効率的にかつ正確に張るために開発されたアド・クリップ工法です。

端部の壁との取り合いの部分は慎重に型を使って切り抜いたタイルを最後に張る段取りとなっていました。

浴室の既存タイルの上から張った薄型タイルも終わっていました。

浴室塗装

上張りタイルが終わったところで、既存浴槽の塗装職人さんが入ってきました。

まだ、下地のシーラー段階ですが、既存浴槽の上に塗装が落ちないような下地を作っています。この下地シーラーをサンドペーパーで滑らかになるまで削ってから、最後の塗装で仕上げる段取りです。

現場には複数の工程の職人さんが入っているので、リビングは職人さんたちの場所の取り合いになっていました。

腰壁とモールディングのある壁も塗装が仕上がっていました。天井に張った塗装調クロスと色味を合わせているので、どちらか塗装でどちらがクロスか、パッと見では見分けられないほどです。

キッチン横の建具枠、クロス張りの壁下地、インターフォン等を収めたスイッチボックスも仕上がってきています。

奥のプライベートゾーンでは、壁紙屋さんのクロス張りが続いていました。

クロス張りがすでに終わった廊下部分では、シューズインクローゼットと納戸の建具の吊り込みが行われていました。扉には四角い穴が空いていますが、これは僕らがデザインした特注取手を取り付けるための欠き込みです。

そしてこの翌週には、お客さまの奥さまに現地確認をして頂きました。

リビングのもう一面の壁はアンティコスタッコの特殊塗装で仕上げますが、その下塗りが終わっていました。

来客用トイレには輸入物のペンダント照明を吊るす予定ですが、その原寸大切り抜き模型を作って、どのくらい高さに吊るすのが良いかを見て頂きました。

青のテープで手洗いカウンターの高さを印して奥さまに見て頂きましたが、これまでの外国人仕様に慣れていらっしゃるので、当初こちらで設定していた高さでは低すぎるのではとご意見で5センチ分全体を揚げることになりました。

カーテンの発注期限も近づいて来たので、いつもカーテンをお願いしているバウハウスの鈴木社長に現地に来てもらい、奥さまと一緒に最終確認をさせて頂きました。
いよいよ来週からはオーダーキッチンや造作家具の組み立てが始まります。

施工会社を変更してのリフォーム計画再スタート

元麻布ヒルズA邸

しばらくブログの更新が途絶えていた高層マンションの元麻布ヒルズのリフォームプロジェクトですが、この期間色々なことがありましたが、施工会社を変えて計画が進むことになりました。

建物の管理会社から紹介され、ほぼ特命(相見積もりではなく、工事業者を早い段階で絞ってリフォーム計画を進めてゆくスタイル)でここまで進んできたM社でしたが、工事契約直前の最終的な金額調整段階で条件のすり合わせができず契約が流れてしまいました。当初はスケジュール優先で特命で進めてきましたが、スケジュールの枠を取り外すことで、他社の話も聞きたいとのことで、Aさまが探してくださったN社に見積り図面を渡して見積りを取ったところ、ご希望の金額内での工事が可能とのことが分かり、M社に断りを入れて、改めてN社と打ち合わせをして計画を進めることになりました。

元麻布A邸_素材最終確認_現地打ち合わせ

M社の見積り用スケッチ図や打ち合わせメモを元に見積をしていたので、現地にて新しく施工会社として決まったN社の担当者とデザイナーさんと確認のための打ち合わせを行いました。

主寝室の最終仕上げ材確認@元麻布A邸

しばらく金額やスケジュールの打ち合わせばかりで、デザインのことから遠さがっていたので、一部屋ずつ回りながらここまで決まっていた仕上げ材を見ながら、これで問題ないかを確認してゆきました。

主寝室のテレビ位置確認

主寝室では、壁掛けテレビの収まりを検討致しました。

建具のオレフィンシート色味確認@元麻布A邸

当初のM社では既存建具と枠にダイノックシートを張る予定でしたが、新しく決まったN社では、オレフィンシート巻きで枠と建具を作ったほうが安くできるとのことで、オレフィンのサンプルを見ながら建具の色を決めている様子です。

元麻布A邸_仕上げ最終確認

玄関ホールの色味は当初想定していたものとほぼ同じ素材で進めることになりました。ただ、石張りの壁の目地については、N社のデザイナーさんからアドバイスがあり、眠り目地(目地なし)ではなく、少し色味の違う目地材を入れてより石の質感を出す方向でデザインを再調整してはとのことで、もう少し検討することになりました。

大理石とタイルと目地の関係写真_カガミ建築計画

こちらはこれまでにカガミ建築計画でお手伝いしてきた大理石やタイル張りの壁の実例写真です。目地を取ったり、眠りにしたり、色違いの目地を入れたりしてきた色々な事例をお見せしながら、どの事例の写真がお客さまのイメージに近いかを確認して頂きました。

元麻布A邸_仕上げ最終確認

リビングダイニングについても当初と同じイメージですが、細かいディテールの検討が始まっています。

リビングの折り上げ天井_立ち上がり部仕上げ確認

折り上げ天井の立ち上がり部分を金属ルーバーで仕上げるか、木製ルーバーを使うかなど、具体的な作り方の打ち合わせに入ってゆきます。幾つかの選択肢に対して、それぞれの見積りを作って比較検討しながら最終判断をしてゆくことになっています。

元麻布A邸_玄関回り仕上げ最終確認

玄関のタタキの仕上げも、既存の大理石を磨くか、全て撤去して作り直すか等の選択肢がありましたが、タイルを上張りすることで、解体範囲を最小限にして、横に繋がっているSIC部分まで一体にできそうなことが判り、金額的にも明らかにそれが安価で出来ることが判ったので、そちらの方針で進めることが決まりました。

元麻布A邸_仕上げ最終確認

洗面脱衣と浴室はベージュトーンをベースに、洗面カンターや扉などをアクセントにすることで、またイメージ写真をこちらで集めて、お客さまに確認して頂いた上で、決めてゆくことになりました。

施工会社の再選定や金額の交渉で、随分時間が掛かってしまいました。ここまで粘り強く頑張ってくれたM社には感謝ですが、最後の締めのところですれ違いが起きてしまったことは残念でした…。
改めて施工会社が変ってもデザインアドバイスのスタイルでお手伝いしてゆくことも決まり、気持ちも新たに再スタートすることになりました!

 

大工造作後の塗装&クロス張り工事@白金台E邸

白金台E邸

白金台E邸の工事は、そろそろ大工工事が終わるとのことで、やり残しなどがないかを担当スタッフの岩井さんと竹田さんと各務の三人で現場に行って参りました。

施工をお願いしているスタイル・イズ・スティル・リビングの齊藤社長と現場監督の中川さんと一室ずつ回ってチェックをして行きました。

リビングはボードまできれいに張られており、ダイニング部分のカーテンボックスのサイズの修正をお願い致しました。

ダイニング側の壁にはモールディングと腰壁が取り付けられ、テレビ収納の下地も作られていました。

白金台E邸自体が歴史あるヴィンテージマンションですが、歴史感を感じさせるようなクラシカルな中に、モダンが同居するイメージでデザインを進めたので、凹凸感があまりないフラットな装飾を壁に付け加えています。

チェストも置かれてしまうので、その隙間から少し装飾が見えてくるイメージとなります。

玄関ホールとの間仕切り扉のサイドパネルにはガラスも入ってきました。

オーダーキッチンのモービリティーポにお願いしているキッチン部分に関連して、一枚だけサイドパネルを先行して取り付けて貰っています。写真のベニヤ板部分がそれですが、この部分の壁をなるべく薄く仕上げると共に、建築工事の壁からつなぎ目なしで見せたいので、特殊な作りをお願いしています。

プライベート部分の家族用浴室にはステンレスサッシが取り付けられています。まだ白いビニールのカバーが掛かっていますが…。

書斎と奥さまのウォークイン・クローゼット部分です。まだ造作家具が取り付いていないので、スカスカの状態で、奥のIKEAの引き出しが良く見えています。

IKEAのクローゼットを組み込んだことはありましたが、今回は部品としての引き出しと金物のコンプレメントシリーズを施工会社に購入してもらい、ピッタリサイズで造作家具のように作って貰っています。

初めての経験なので、細かい収まりやディテールを齊藤さんたちに説明してもらいました。

正面がガラス張りで、簡易ながら引き出し金物もついて、1本5000円は破格ですね…。

大工工事の最終確認の翌週からは塗装屋さんとクロス屋さんが入ってきました。

モールディングと装飾腰壁の入った壁が塗装されています。

天井は施工スピードをアップするために、塗装調のクロス張りとしています。広いお宅なので、塗装中は奥のプライベートルームのクロスを張って貰らい、塗装が乾いたところでリビングダイニングにクロスが入る工程を組んで貰っています。

さすがにビニールクロスは早いですね!塗装の1/3のハイスピードで仕上がってゆきます。

ダイニングとキッチンの間には4連の間仕切り扉が入るのですが、その吊り戸のレール部分もきれいに仕上げていってくれています。

その間に塗装屋さんや細かく建具枠などの塗装を進めてくれています。こちらは来客用トイレの入り口の隠し枠です。タイルの色に合わせて塗って貰っています。

廊下からキッチンへの勝手口の引き戸枠はパネル張りするビニールクロスに合わせてちょっと濃いめのシックな色の塗装仕上げになっています。

先ほどステンレス枠が取り付いた家族用浴室では、内側に重ね張り施工可能な3.5ミリ厚の薄型タイルが張られ始めていました。