港区R邸の現場に大量の大理石が搬入され、大作業の床大理石張りが始まっていました。
床面積の約7割のエリアに大理石かタイルを張る予定で、現場には5人の石職人さんが入って、あちこちで同時多発的に石張り工事が行われていました。
キダマーブルの職人さんたちで、よく現場で話をしている人たちなので、今回の張り方のことや、使っている接着剤のことなどを質問させて貰いました。
床に大理石を張る場合は、接着剤を点付けする方法と、今回のようにベッタリと接着剤を塗る方法があるのですが、今回こちらの方法を採用した理由を聞いてみました。床下地にベニヤ板が見えていますが、その下には床暖房があり、その暖房の熱効率を上げるためには、このようなエポキシ樹脂系接着剤圧着工法が適しているとのことでした。確かに、点付け工法だと、床下地と大理石の間に空気層ができてしまい、そこで熱の伝わりが悪くなりそうなので、納得致しました。
床に使っている石材はブレッチャオニチアータという、中国福建省のアモイ近郊の石材マーケットから仕入れた大理石ですが、ベースとなる灰色の色味が薄いものと濃いめのものが二種類あったので、使うエリアを分けると共に、サイズも変えて張って貰っています。
リビングダイニングエリアは、色味が薄めのものでサイズは約50センチ角を使って貰っています。このサイズだと一人の職人さんで持ち運びができるので、一日で20枚程度のスピードで張れるとのことでした。
ただ、こちらのキッチンの床でお願いしたした60センチ×120センチサイズになってくると、二人掛かりで作業することになり、一日で数枚しか張れないとのことでした。
また、今回はこのように黒(山西黒)と白(ビアンコカラーラ)のボーダーを四周に回すデザインとしているので、張る際の逃げがないので、とにかく難しい現場だとのことを指摘されました。
ただ、この2色のボーダーが入ることで、デザイン的にグッと締まって見えることは、お客さまにもご納得頂けそうです。
こちらの石には丸い穴が空いておりますが、これは床下に埋め込むアッパーライト(埋込式上向き照明)ようの孔です。これも事前に石割と平面図を重ね合わせて、工場にて機械で正確な位置に空けて貰ったものです。
奥さまの書斎とお嬢さまの寝室の床の大理石調タイルの施工も,大理石と同じ石屋の職人さんで進んでいました。本来はタイルについてはタイル屋さんの方が腕も確かですし、スピードも速いのですが、今回は石工事の量があまりに多いので、石屋さんにタイルを張って貰うことにしたそうです。
こちらでは、職人さんの手と熟練の勘頼りの石とは違い、写真のようなプラスチック製の道具を使って、フラットさを確認しながら素早い勢いで作業が進んでいました。
他の部屋では違う工事が進んでいました。息子さんのお部屋のフローリング張りや、
主寝室のリストーネジョルダーノの変形フローリング張りも始まっていました。
特殊な形の材を特殊な工法で張ってゆくのですが、一般のフローリングでは常識の実(サネ)がありません。普通はオス実とメス実を合わせてゆくのですが…、
こちらで、この薄い金属板を実代わりにフローリング板のスリットに挟んで微調整しながら張ってゆくそうです。
端から張るのではなく、この写真のように中心から広げてゆくようにして張ってゆくのだそうです。
こちらが張り上がった様子です。細かいコーナーまでピッタリと合った張り方はまさに職人技でした!
夜には、Rさまご夫妻が石張りの始まった現場を見に来てくださいました。
お嬢さまの寝室の天井が仕上がってきた様子は、イメージにも近く、とてもきれいだと奥さまが喜んで下さいました。