先日の工事で床の大理石張りがほぼ終わった港区R邸ですが、今度は壁や天井への大理石張りが始まりました。
廊下からリビングへ入る左右の飾り棚と、テレビ置き場を囲むように大理石製の枠材を張回す予定で、そこには癖のないミストグレーを張るデザインとしています。
天井に石材を張るのは、ちょっと変則的ではありますが、大理石のサイズを小さくして、下地となるベニヤ板をしっかりと組み、接着剤だけでなく金物とビスでも固定しています。この写真、左上の方に、L字型のアングル金物とビスが見えています。
廊下からリビングダイニングに入る扉上部分は、扉の金物やダウンライトは入ってくるので、正確な位置を実測したうえで、工場加工で穴をあけて貰った石を張っております。右上に黄色い線が見えていますが、これは真っすぐなライン状に仕上げるための糸です。
フレームは折れ曲がりながら、壁から天井、そして壁へと枠状に曲がってゆきます。スラブ材の石の厚みでは、迫力が足りないので、このようにL状に石を組んで、事前に工場で接着してもらっていたものを取り付けています。特にコーナー部分は、トメ加工といって45度に切った石を張り合わせて貰っています。
天井に張る石部分にちょうどダウンライト用の孔が空いているので、そこにクランプを差し込んで固定しながらの作業となっていました。
このトメ加工は、現場側は嫌がる特に面倒な組み方なのですが、そうすることで、立体感がうまく表現できるので、少々の無理をお願いしてやって貰っています。
ミストグレーの三方枠がほぼきれいに張り終わった状態です。
ミストグレーの三方枠が終わったところで、一番の山場のテレビ周囲のポルトロ張りです。イタリアのリグーリア州ラ・スペッツィア近郊で採掘される超高級な大理石が、このポルトロです。
テレビ取り付けサイズを考慮しての開口を避けて、ブックマッチにして柄が繋がるようにして、張って貰っております。この張り方については、以前のブログで説明した通りです。また、小口に柄が繋がっているのも大理石の見せ場ですので、壁端部はきれいに磨いてもらっています。
もう一つの大物の壁大理石張りがこちらの玄関ホールのアラベスカートでした。まだできておりませんが、黒いカラーガラス張りのトンネル状の廊下と対比させるために、白い部分がきれいなアラベスカートを選び、柄が繋がった状態で壁に張って貰っています。
まだ、張り始めるのには時間が掛かりそうですが、玄関ホールの反対側の壁に張るサルバトーリの加工大理石も現場に入ってきました。梱包を解いたところ、欠けなどがあったのでお願いしているインテリアズにも連絡してもらっています。
床の大理石張りのところでも説明しましたが、石屋のキダバーブルの職人さんに壁のタイル張りも張って貰っています。浴室壁や洗面所の床でも使っているイタリア・アリオステア社のアラベスカート柄タイルをキッチン壁に張って貰いました。
目立つ大理石張りだけではなく、その他の工事も静かに(?)進行中です。リビングの折り上げ天井の高天井部分に小割の黒カラーガラスを貼りますが、両面テープと接着剤での貼り付け作業が進んでいました。