Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

大規模修繕工事に伴ってのベランダウッドデッキ撤去工事

白金台S邸

約8年前にマンションリノベーションのお手伝いをした白金台S邸のお客さまから、この度マンションが大規模修繕工事をすることになり、管理組合からベランダのウッドデッキと植栽を一時撤去して欲しいとの依頼があったとの相談を承りました。

マンションには大規模修繕工事はつきもので、ベランダには防水工事のやり直しなどがあることは、当初から考えていましたので、大きく張ってあるウッドデッキも実は4枚か5枚ずつに分割されており、大人二人で軽く運べる重さにしてあったり、下地となっている大引きも簡単に取り外せるようなシステムとしていました。

こちらが計画時に作っていたバルコニーの図面です。ウッドデッキ材は材の比重が分かっているので、使っているウッドデッキのサイズと枚数、下で支えている根太のサイズまでの重量を計算していました。

取り外す前はこのような状況になっていました。中央部分は、避難経路として下階への避難ハッチがあるので、よけてウッドデッキを張っていました。

そのウッドデッキの横には、園芸会社と相談して設置してら貰った植栽がこのように伸びていました。この写真の正面左手にはルーバー上の木製衝立(ついたて)がありましたが、これも既存の手すりにクランプで取り付けるシステムで考えていたので、取り外しが容易にできるようになっていました。

リノベーション工事をお願いした青の片岡さんと樋口さんに見積りをお願いした上で、金額的にも問題ないとのSさまご夫妻の了承を得て、ウッドデッキと植栽の取り外し工事を行いました。

プランターに入っていた植栽をまず撤去して、それから順次ウッドデッキと大引きを外してゆきました。

室内もこのように家具をずらして、搬出用の通路を作り、ブルーシートでしっかり養生しながらの作業となりました。

大きく育っていたシンボルツリーについては、最後にお願いした植栽屋さんに大きく刈り込んでもらい、枝を縛って運び出してもらいました。

こちらが植栽屋さんのトラックに積まれた植栽類です。大規模修繕工事が4か月以上続く予定なので、一度植栽屋さんの敷地に植え込んでもらい、水をやりながら世話をしてもらう費用、そして工事完了後に再設置してもらう費用まで考えてもらいました。ウッドデッキについては、これを機に傷んでいた箇所は部材を交換して、保護塗料の再塗布までお願いしています。

こちらがすべての撤去が終わったベランダの様子です。水拭きまでしてくれたので、本当にきれいさっぱりになりました。マンションは、戸建て住宅とは違い、居住者で作る管理組合の考えで大規模修繕などが行われるので、専有使用権のある共有部であるベランダなどの作りこみは、補修やメンテナンスに備えて、後日容易に取り外せるような工夫が必要なことを再認識致しました。

 

 

 

スケルトン解体状況の確認@西麻布N邸

西麻布N邸

解体工事がほぼ終わってスケルトン状態(コンクリートの床壁天井がほぼ表しになった状態)の現場をお客さまと一緒に確認致しました。

230平米の大型マンションで、従来は4寝室あった間取りを2寝室にして、その分リビングダイニングを広くするリノベーション計画なので、とにかく広いLD空間が取れそうです。

解体工事の際の騒音の問題で、間取りを変更することになった浴室周囲の状況を、お客さまのNさまご夫妻に説明させて頂きました。

比較的築浅のマンションではありましたが、床下の給水給湯管は古いタイプのものだったので、全面的に交換することになっています。

こちらはマンションでは珍しい暖炉のリノベーションの説明です。以前は露出されていた暖炉の煙突部分は、大理石で囲う予定なので、さらなる断熱が必要になることや、形を変えることで、断熱レンガの積み増しなどが生じることをご説明させて頂きました。

実は、お客さまとのお打合せの前に、このマンションの暖炉を作った施工会社を見つけて、担当者に現場に来てもらって、こちらのデザインを実現するためには、どのような措置が必要になるのかを事前に研究しておりました。

解体状況を見て頂いた後には、施工会社に用意しておいてもらった現場の打ち合わせ机で、仕上げ材の最終確認をさせて頂きました。

やはり現地にて、日中に本物の光の中で素材を見たほうが実感がわきますね。階段のササラ(横板で全体の荷重を支える部材)の色味も、幾つかのサンプルを現場で見ることで、少し鈍い金色で塗装することに決まりました。

 

解体が終わった現場に置かれている打ち合わせテーブルの大きさで、この空間の大きさが想像できるでしょうか。これまでお手伝いしてきたリフォーム&リノベーションでも最も大きなリビングダイニングになると思われるこの西麻布N邸、これからどのように変化してゆくかどうぞ楽しみにご覧下さい。

 

 

オムニデコール(イタリア)の特殊ガラス扉@世田谷Y邸

世田谷区Y邸

先日、壁を全面的に貼り直した世田谷Y邸では、もう一つの工事が残っておりました。主寝室のクローゼットの扉の吊り込み工事でした。当初から、ガラスの扉を使いたいとのお客さまのご要望で、日本のガラス屋や特殊ガラスを扱っている店舗のものも見て回りましたが、なかなかピタッと来るものが見つかっておりませんでした。

素材探しで困ったときにお世話になってきたアークテック社の増田社長に相談してみたところ、イタリア製のエッチングガラスのオムニデコール社のものはどうだろうかとの推薦がありました。

こちらはアークテック社の目黒ショールームに並んでいるオムニデコールのエッチングガラスのサンプル群です。これらの中からお客さまがご要望していたイメージに近いサンプルをお借りして持って伺ったところ、とても気に入ったものがあったとのことで発注しておりましたが、船便で3か月ほど掛かるとのことでした。すでに世田谷区Y邸は工事も終わり、お引渡し済みでしたが、施工をお願いしていた青の斉藤さんにお宅に伺って貰って、ガラス扉の吊り込み作業をしてもらいました。

こちらが、最終的に吊り込みまでされたオムニデコールの特殊エッチングガラスの扉です。左右の袖壁は造作家具工事で作ってもらった鏡面塗装のパネルで、向かって左側の壁は、扉の吊り込みの具合を後日調整できるようにヒンジとストッパーで納めており、建具のように開くことができる仕組みとしています。

ベッドメーキングまできれいにしてくださった主寝室全体の様子です。少し濃いめのグリーンの壁の奥に、ほのかにウォークイン・クローゼットに並べた洋服を眺められるのことがとても気に入っているとお客さまからもお褒めの言葉を頂きました。