Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

上階からの水漏れ対応の顛末-3

成城Z邸

成城Z邸の上階からの水漏れの補修対応顛末のその3です。水漏れがあった空間の天井と壁の解体が終わり、水漏れ箇所の特定ができたので、復旧工事とグレードアップ工事が始まりました。

上階からの水漏れ補修の経緯_成城Z邸

復旧工事最中の様子は割愛し、ほぼ工事が完了したところからご紹介いたしました。工事期間中の仮住まいの期間が決まっていたこと、また、工事期間中にリビングダイニングに荷物を仮置きしていましたが、グレードアップ工事と完成後7年経っての補修工事でリビングダイニングにもなるべく早くに取り掛かりたかったので、取り敢えず復旧工事が終わった時点で、検査に先行して荷物を戻す作業をして頂きました。右手で作業しているのは、ティファニーのステンドグラス製のペンダント照明を、アートに特化した専門会社に取り付け直して貰っている様子です。

上階からの水漏れ補修の経緯_成城Z邸

以前は上部は全てオープン棚でしたが、隠したい書類等があること、引き出しを増やしたかったこと、プリンターを買い直したことなどから作り直した造作収納です。以前はスピーカーを棚の中に置いていましたが、収納量を増やすためもあって、既存スピーカーを壁付けに変更しています。ステレオ関係の配線は漏水でやられてしまったので、オーラスに依頼して配線は全てやり直して貰っています。

上階からの水漏れ補修の経緯_成城Z邸

もとはライトグレーだったこちらの壁をライトブルーに色を変えて塗装しています。明るくなって、気分転換ができたとZさまも喜んで下さいました。

以前は左側2枚が透明ガラスだった飾り収納ですが、真ん中は内部の棚も変え、透明ガラスをカラーガラスに変えて、書類等を隠す収納に上手く変えることができました。

上階からの水漏れ補修の経緯_成城Z邸

寝室はテレビ棚の色を塗り替えて、飾り棚も木製突板仕上げに変更しています。床はフローリングは傷みが無かったので既存のものですが、敷き込みのカーペットは汚れてしまったので張り替えています。

寝室のベッドのヘッドボードは白い枠を廻して、小さなダウンライトを付け加えました。壁の色も変わり、白い枠のフレーム効果で以前よりスッキリした印象がありますね。

クローゼットは天井の石膏ボードが張り替わり、ダウンライトの灯数も増えました。中央のアイランド上に垂らしていたペンダント照明は廃番になってしまっていたので、新しくヴィジュアル・コンフォートから選んで取り寄せたペンダント照明を取り付けます。

ペンダント照明と言っても、ちょっと複雑な仕組みで、かつ上部の鎖部分の調整で高さを変えることもできる製品なので、僕らが立ち会える日でかつ、アーテリアーズの輸入元であるベイカー@東京の梶田社長にも立ち会ってもらえるこの日に取付けとなりました。

ちょっとした知恵の輪ですね(笑)。

2時間ほどの時間を掛けて、無事取り付けが終わりました。

以前のペンダント照明とはガラリと雰囲気が変わりましたが、ダウンライトを増やし、棚下の間接照明も付け加えたことで、気分転換だけでなく、実務的にも明るく使いやすくなったと喜んで頂きました。

上階からの水漏れ補修の経緯_成城Z邸

こちらは洗面所のメディスン・キャビネットの鏡扉に取り付けたLED照明です。大きく作り替えることなく、扉の交換と内部棚の加工だけで正面から柔らかく照らす照明を付け加えることができました。

ユーティリティーの棚です。以前は機能重視で全て白い棚でしたが、木製のオープン棚と飾り棚にプチリフォームしたことで空間が優しくなったとの感想を頂きました。

こちらは玄関ホールです。左側のビフォーでは玄関扉が灰色でいかにもな鉄扉で裏口のように見えていたのが、右の写真ではメインの玄関扉っぽくなりました。

上階からの水漏れ補修の経緯_成城Z邸

恐らく地震の揺れが原因で、ヒビが入っていたリビングの塗装壁の塗り直しも終わりました。ミノッティのTVボードを一度取り外しての再塗装だったので、元の位置に戻して貰っています。

上階からの水漏れ補修の経緯_成城Z邸

天井の歪みの補修と塗装のリタッチも終わり、家具を元の位置に戻すと共にクリーニングをして貰っています。

上階からの水漏れ補修の経緯_成城Z邸

ダイニングの床下をチェックするために点検口を開けた部分の床フローリングも、どこが補修した跡なのか全くわからないほどきれいに補修されていました。
あとはミノッティで買い替えたソファが届けば、水漏れの補修工事と、それをキッカケとしたグレードアップ工事が終わることになります。とにかく今回は、不慮の水漏れ事故が起こったことをマイナスと考えず、ご自身の生活のプラスに変換しようというZさまの強いお気持ちに引っ張って貰いながらの刺激てな工事となりました!

ポリフォーム・ザ・ハウス・パーティーのサプライズゲスト!

ミラノサローネ2023

4月後半にミラノサローネツアーを組んでくれた家具ブランドのアクタスが、サローネの報告会と扱っているポリフォームのプロモーションを兼ねた「Poliform the HOUSE PARTY」を開いてくれました。そこでサプライズゲストとして、イタリアハイブランド家具のポリフォームについて建築家の視点で話をして欲しいとのご依頼を頂きました!

ポリフォーム・ナイト@アクタス

アクタスの家具バイヤーとして有名な野口礼さんが前半に今年のサローネの傾向と特徴を豊富なボキャブラリーで説明してくれました。コロナ期間を除いて毎年サローネに行っているとのこと、家具マニア視点でのお話しはとても勉強になりした。

ポリフォーム・ナイト@アクタス

30分ほどの流れるような解説の後、サプライズゲストとして登壇して、「サローネ初体験の建築家が感じたポリフォーム」というタイトルでお話しをさせて頂きました。

ポリフォーム・ナイト@アクタス

まずはサローネについては、初心者にはトレンドが何だか分からないことや、どこのブランドも似た傾向があること、回っているととにかく疲れること等から話をスタートして…、

ポリフォーム・ナイト@アクタス

そこからポリフォームの良い点、ファミリー企業の強み、彼らの野心、そしてアクタスとの関係などについて、包み隠さず感じたことをお話しさせて頂きました。
因みにミラノサローネで見てきたポリフォームの展示、新作の屋外家具、ラボなどについてのカガミの私見は、以下のブログをご参照下さい。
ポリフォーム・サローネ展示 
ポリフォーム屋外家具・市内展示
ポリフォーム・ラボ-1_キッチン
ポリフォーム・ラボ-2_クローゼット&置き家具

ポリフォーム・ナイト@アクタス

コロナ禍もあり、人までお話しをするのは本当に久しぶりで、おまけに徹夜で作った(ウソです)パワーポイント資料がうまく動かず、バタバタとしてしまいましたが、一旦話し出すと止まらない性格上、時間オーバー気味に話をしてしまいました。

ポリフォーム・ナイト@アクタス

会場は新宿のアクタスショールームの2階で、普段は家具であふれているショールームを整理して、このように多数のベンチを置いてのイベントでしたが、アクタスが予想していたより大分多い、150人以上のお客さまが来てくださったとのことです。

ポリフォーム・ナイト@アクタス

ミラノの北にあるインヴェリーゴという町のポリフォーム・ラボで見た、新作のブレラソファもショールームに到着しており、ポリフォーム色一色のイベントとなっていました。変に尖らず、良質なデザインでハイクオリティーの作りの家具の神髄を見ることができる家具ブランドであることを、実際に座ってみることで体感できるようになっています。

ポリフォーム・ナイト@アクタス

当日は、僕がサプライスゲストで話をすることを知らなかった、事務所OBのハクの後藤さんとパートナーの関さん、もちろん僕が話すことを知っていた事務所スタッフの前田君と岸本さん、そしてザ・ライブラリーの共同主催者のTAGKENの田口さんとの記念写真です。

ポリフォーム・ナイト@アクタス

やはり事務所OBのスギタデザインの杉田君と、以前早稲田大学芸術学校で教えた大曲君も、全く僕が喋ることを知らないで驚いくれたようです。

ポリフォーム・ナイト@アクタス

スタッフの竹田さんは在宅勤務中で、夕方からの時間は保育園在園中の息子さんのOちゃんを連れて聞きに来てくれました。サローネ期間中もミラノでご一緒したアクタススタッフの神山さんがダイニングテーブルについて説明している最中も、Oちゃんは堂々とイベントで出されたフィンガーフードを食べていました!

ポリフォーム・ナイト@アクタス

イベント終了後は、ミラノサローネツアーにご一緒した、不動産、ゼネコン、大手設計事務所、アトリエ建築家、そしてアテンドしてくれたアクタスの大岩さんと阿部さんと神山さんと一緒に打ち上げに行って夜中まで盛り上がりました!
まずは、ツアーに連れて行ったくれたアクタスに少しだけご恩返しをすることができました…。

恵比寿A邸の初めての現地打合せ&調査

ザ・ライブラリー

ザ・ライブラリープロジェクトのティーザー紹介記事です。
先月計画がスタートした築浅未入居の高層マンションリノベ恵比寿A邸の計画が進んでいます。

Aさまの不動産仲介の担当者と売主側との調整ができたとのこと、Aさまと一緒に打合せ&調査のためにお部屋に入らせて頂きました。実はAさまも初めてお部屋に入ったとのこと、その眺望の良さにとても喜んでいらっしゃいました。この写真で正面窓に向かって左側の壁を撤去して、手前のキッチンをあちらに動かしてと、リフォームの考え方ご説明させて貰いましたが、中々リフォーム後の姿を想像することが難しいとのことでした。

そこで、このアングルで見た室内の景色が…、

このようになると、スタッフの前田が作ったほぼ同じアングルのCGをお見せしました。それでも中々分からないとのことでしたので、

そこで最後の手段、田口がAさまにお渡ししたのがiPadで、立ち位置と最初の風景を合わせた所で、実物の空間と画面上のリフォーム後の空間を回転しながら見比べて頂きました。「本当にこのようになるのですか?」と半分疑心案議ではいらっしゃいましたが、どの空間がどのようになる予定なのかご理解頂けたようです!
その後お客さまに他のアングルのCGと仕上げ材のサンプルを見て頂きながらお打合せ進めました。お客さまが先に帰られた後に残らせて頂き、寸法の実測やディテールの調査、防災センターの図面確認などを進めさせて頂きました。ここから先の記事はザ・ライブラリーブログをご覧ください。