Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

アムスタイルのオーダーキッチンと東京バススタイルのオーダー浴室

赤坂S邸

最近のマンションリノベーションプロジェクトで、最も多くお願いしているキッチンと浴室の組み合わせが、アムスタイルのオーダーキッチンと東京バススタイルのオーダーメイド浴室です。現在計画進行中の赤坂S邸でも、他社のショールームを多数見学に周りましたが、最終的にお施主さまが選んでくださったのがこちらの組み合わせでした。

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はじめはお施主さまが一人で、予約もせずにフラりとショールームを訪問して、それでアムスタイルの洗練されたデザインを気に入ってくださいました。その後は、他社も含めて相見積もりでキッチンを進めていましたが、最終的には価格よりもデザインとのことで、アムスタイルで進めることになりました。

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といっても、細かいことまでご自分でチェックしてくださるSさまですので、僕らと一緒の打合せでも5回ほど、お一人でも同じ回数くらいは代官山のショールームに伺って、担当の宮本さんとの打合せを重ねてゆきました。

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現在進行中の原宿K邸や、まだキッチンメーカー未定ながら相見積もりで進んでいる他のプロジェクトなども重なって、週に2~3度ほどこちらのショールームに通わせてもらっています。

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赤坂S邸でほぼ決まってきた仕上げ材のイメージです。人造大理石のカウンター天板に、2種類の塗装と色とウォールナット突板を合わせた扉デザイン、そこに建築工事で取り付けるカラーガラスを組み合わせるデザインとなりました。

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同時に東京バススタイルでの打合せも進んできました。Sさまは、僕らのブログを愛読してくださっていたので、僕らにデザインの相談をする前に、ブログで知ったこちらの東京バススタイルに相談に来てくださっていたそうです。

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ショールームに展示されているジャクソンの高級浴槽には実際に入っていただき、サイズ感や素材の肌触りも確認して頂きました。

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浴槽内部の床材・壁材についても、ショールームにある多数のタイルを選んで、それらの組み合わせを幾度もチェックさせて貰いました。

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浴室内部だけでなく、隣接する洗面脱衣室の床と壁仕上げとも関連するので、同じシリーズで磨き仕上げとグリップ仕上げ(水でぬれた足でも滑らない仕上げ)があるタイルや、似た質感のタイルを探して、それらのマッチングを確かめてゆきます。折角良いタイルが見つかっても、日本の大理石調タイル事情はほぼイタリアやスペイン、トルコなどからの輸入に頼っているので、在庫状況によっては使えないものもあり、喜んだり悲しんだりの連続の中で、ようやく最終的なタイルにたどり着くことができました。

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ショールームを回りながら、設備や仕上げ材を決める打合せとは別に、ご自宅にお邪魔しての打合せもさせて頂きました。

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ご自宅では、リフォーム工事をお願いすることになったリフォームキューの岩波さんと、うちのスタッフ・前田君と三人で伺って、六本木に持ってゆく予定の置き家具や備品類を実測させて頂きました。

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打合せは戸越にあるリフォームキューの事務所でも行いました。今回は、僕らは設計監理契約ではなく、お施主さま側に立ってのデザインアドバイス契約でプロジェクトを進めています。このケースでは、リフォーム会社のリフォームキューが設計施工一環で請け負っての工事となります。

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キッチンや浴室で決まってきた素材と、建築工事のフローリングや大理石、カラーガラスやモザイク大理石などを合わせて、採取的な仕上げ材を決定してゆきました。

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リフォーム会社との工事契約を結んだあとですが、僕らの事務所での打合せ時に僕らとのデザインアドバイス契約も結ばせていただきました。通常は、設計に取り掛かった時点か、ある程度リノベーション計画の目途が立ったところで、設計あるいはアドバイス契約を結ばせて頂くのでしょうが、僕らはお施主さまとの関係次第で、早めに契約を結すばせて頂いた上でハイ・スピードでデザインを進めることや、最終的な工事金額出るまで契約をお待ちしたりと、それぞれのプロジェクトの事情に合わせてフレキシブルに対応することを心掛けています。

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左側は玄関ホール、右側は来客用トイレのイメージスケッチです。デザインアドバイス契約では、図面はこのような空間イメージスケッチやディテールのスケッチだけで、CADで描く図面はリフォーム会社に起こしてもらい、それらを赤チェックしてゆくスタイルで進みます。もうすぐ見積りもフィックスできそうなので、その後に工事着工することができそうです。

 

木軸大工工事@白金台P邸

白金台P邸

解体工事が無事完了し、墨出しも終わった白金台P邸リノベーションの現場では、木造軸組み工事が始まっています。比較的築浅のマンションでは、LGS(軽量鉄骨)を使って壁を作られていることが多いのですが、今回の白金台P邸のような築30年を超えるヴィンテージマンションでは、天井はLGSながら壁は木軸という混成工法で作られているケースが多くあります。

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リフォーム工事に於いては、基本的には元からの作り方を参考にして、似たような材料を使って新規壁や天井をつくってゆくのが王道ですが、LGSと木軸だと材料も二種類、職人さんもLGS屋さんと大工さんと手数が増えてしまうので、今回は壁に倣って木軸で天井も組んでゆくことになりました。

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写真正面の柱形の左側に、壁がえぐられているように見える箇所は、以前壁付けエアコンが設置されていました。新しく梁型を拡張するように伸びてきている下がり天井内に天井カセット式エアコンを仕込むことにしています。

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こちらは以前のエアコンの冷媒管(白い管)とドレイン管(灰色の管)を、新たに作った下がり天井へと繋ぎこんでいる様子です。梁型の手前に板が伸びてきているのは、間接照明を仕込むためのアゴ製作の下地です。

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アゴの下地となるランバーをしたから支えるサポート在を大工の工藤さんが丁寧に作ってくれている様子です。

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大工工事では、窓際をすっきりさせるための内枠の造作も始まっていました。従来は窓開口部の外側にスライド式の網戸がありましたが、折角の窓からの景色を阻害する要素になっていたので、新たに内枠を作って、その凹部にプリーツ網戸を組み込むようにしています。

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廊下からリビングダイニングに入る扉のための枠も取り付けられていました。

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奥の寝室から水回り(正面左側)とウォークインクローゼット(正面右側)を見返した様子です。かつては廊下だった部分を水回りに取り込んだり、変形だった二つの寝室の形を整える作業をして貰っています。

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キッチン内では、キッチンカウンターを取り付ける位置が変わったので、そのための袖壁の設置や、吊戸棚を固定するための下地作業も始まっていました。

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ほぼ同時進行で、設備の配管工事も進んでいます。こちらの写真は浴室内ですが水色の給水管とオレンジ色の給湯管が外から入ってきています。

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設備配管は元々躯体壁に開いていた小さな隙間やスリーブから最短距離を目指して配管されています。騒音問題で、シンダーコンクリートが斫り切れなかった箇所でも、このように狭い空間を活かして配管を設置して貰っています。

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こちらは書斎部分の天井裏の換気関連のダクトです。室内強制排気型のガス給湯器があるので、奥の二本のダクトがそのための給気と排気を担ってくれるのです。

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設備機器関係では、ハーフユニットバスが現場に搬入されていました。

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照明器具が決まっていなかった、廊下のブラケット照明(壁付け照明)器具も、良いものが見つかったので、高さ関係をチェックするために、壁に赤いテープで形状を貼ってバランスを確認してみました。

 

施主支給品の組み立て設置@南麻布K邸

南麻布K邸

一通りのリノベーション工事が終わった南麻布K邸の現場では、幾つかの施主支給品の組み立て工事が始まりました。施主支給工事だったり、家具類の搬入といったものは、リノベーション工事が終わって引渡しが済んでから取り掛かるケースが多いのですが(今回はキッチンや浴室は施主支給工事でしたが、段取り上行程に組み込んでいましたが…)、最近はすべてを組み込んで、家具や調度品類までセットしてからお引渡しをすることが多くなってきました。

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こちらの工事は、TVとAVシステムをお願いしているB&O(バング&オルフセン)の工事です。テレビとオーディオシステム、さらには照明器具や電動ブラインドの開け閉めを手持ちのスマートフォンで操作できるようにする、200平米越えの高級マンションならではの設備工事です。

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テレビは薄型が常識になっていますが、ブルーレイやオーディオのアンプ類を収納するには40センチ以上の奥行が必要で、そのデザイン的処理に苦労することが多くあります。今回は、この写真のように薄型テレビを可動扉で隠せるようにし、その下にはエタノール暖炉を組み込んだ大理石製のカウンターを設けています。ブルーレイやアンプは、先ほどの写真のキッチンカウンターの下部に収納して、この2か所を配線で繋ぐシステムとしているのです。

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天井埋め込みスピーカーや、ソファーの後ろに設置するウファー(重量音用スピーカー)などからの配線、さらにカーテンや照明器具などからの信号線をホストコンピューターであるクレストロンに接続している様子です。マニュアルがあるようでない世界で、常に機器類が進歩してゆくので、それらの最新情報を理解しながらネットワークを組んでゆくのは、まさにプロならでは仕事ぶりです。

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似たような光景で、脚立に立っている電気の職人さんがケーブルを引き出していますが、こちらはセキュリティー関係の配線です。こちらも施主支給の工事となっていますが、実線配線まで工務店の青が担当してくれています。

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一番奥の主寝室では、イタリア製高級ベッドのフルーのベッドフレームを、直輸入でお願いした中津家具さんが組んでくれています。マットレスの性能だけを比較すれば、アメリカのベッドメーカーのシーリーやシモンズが優秀ですが、ベッドフレームやヘッドボードのデザインまでを含めて考えると、フルーの製品がバラエティーが豊富で優れているのではないでしょうか。

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レザーを編み込んだヘッドボードとベッドフレームが組み上がった様子です。緩いアーチ状の木製の骨でマットレスを支える構造となっていますが、中央部分の骨の張り具合を調整することで、マットレスの沈み込み度合をコントロールすることができる仕組みになっています。

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こちらがベッドが完成した様子です。布団やベッドカバー、枕カバーも全てフロー社のリネン類で揃えています。ベッドサイドの机は特注でお願いしており、製作中ですが、ちょうど廊下の正面にあたる壁には、イタリアのデ・マヨ社のガラス・ペンダント照明を吊るしています。

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子供部屋のベッドも特注の輸入品です。ドイツ製の子ども用二段ベッドをエンジェルシェアにお願いして入れてもらいました。

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組み上がりつつある二段ベッドの手前にある長い板は、滑り台の部材です。

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こちらが最終的に組み上がった滑り台付き二段ベッドです。滑り台の奥には二段目に上るための梯子があり、ベッド手前にはボルダリング・ボードと、落下した時のためのマットレスがセットされました。二段ベッドの上段には、飛び降りれないように幌が付いています。子供にとっては、遊具であり秘密基地にもなり、絶対楽しんでくれるハズです!