Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

レザー張り特注建具の吊り込み@南麻布K邸

南麻布K邸

仕上げ工事が継続している南麻布K邸の現場ですが、建築工事の最後の大物のレザー張りの特注建具の吊り込みが行われました。

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まずは完成時の特注建具の様子ですが、フロアヒンジを使った扉で、横の造作家具との高さを揃えたりといった細かい調整もあるので、簡単にここまでできる訳ではありませんでした。

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まずはフロアヒンジの調整から始まります。

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何度も仮吊り込みをして、ヒンジを調整してゆきます。この状態でも、まだ建具の下はフロアヒンジに載っていません。

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建具は鉄のフラットバーで四周フレームを組んで、ガラスや鉄焼き付け塗装の特注取っ手などを組み込んだ重量のある扉なので、吊り込みの度に他の作業をしている職人さんたちを呼んで3人掛りで吊り込んでゆきました。

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他の建具の吊り込みも同じタイミングで行われました。こちらは廊下から主寝室への扉ですが、オランダの金物メーカーFORMANI(フォルマーニ)のレバーハンドルで、ピエット・ブーン氏がデザインしたONEというシリーズを使っています。ただ、日本での採用実績がほとんどない金物なので、こちらも調整に手間取っておりました。

南麻布T邸_洗面

メインの洗面室から主寝室裏のシャワーコーナーに繋がるエリアも、造作家具に鏡やカラーガラスなどが取りついて、徐々に完成形が見えてきました。

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後は、細かい作業の積み重ねです。こちらはキッチンの天板に取り付け中の家具用コンセントです。通常であれば家具用コンセントにはプラスチック製のカバーがついてしまうのですが、陶板のきれいなカウンター上でしたので、特注でステンレスプレートを作って貰い、それがカウンタートップとフラットに取り付けられるようにアムスタイルが調整してくれています。

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そうこうしているうちに一足先にダイニングには家具が到着し始めました。イタリアはポリフォーム社の大理石テーブルが置かれ、天井にはやはりイタリア製のバロビエール&トーゾのシャンデリアが吊るされました。因みに薄くて軽やかに見えるダイニングテーブルの大理石天板ですが、天板だけで200キロ相当で大人6人掛りで階段で荷揚げして貰ったものです。
これから4日ほど掛けて、ソファーやチェア、書斎テーブルやベッドなどを順番に入れてゆく予定です。

シンダーコンクリートの斫り&解体工事@白金台P邸

白金台P邸

バルコニーから緑しか見えない白金台P邸プロジェクトですが、設計内容が詰まってリフォーム会社との見積り調整もできたので、いよいよ工事着工となりました。

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管理組合へのリフォーム申請、近隣にお住いの方々へのご挨拶を経て、解体工事が始まりました。既存の建具や造作の家具は塗装し直して再利用するのですが、キッチンや設備関係は大幅に手を入れることになっています。

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写真でスッポリと穴が開いているように見える箇所は、壁型のエアコンが設置されていた場所です。今回のリフォームでは梁型をフカして(膨らませて)天井カセット式エアコンに変えるので、この場所には飾り棚を作ることでできます。

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キッチンキャビネットが撤去されて、ガランドウになったキッチンエリアです。ただ、このエリアの解体はこれだけでは済みません…。

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床下に隠れている排水管などの配管類をできる限り交換するために、シンダーコンクリート(軽量コンクリート)を斫る(ハツる)作業があるのです。同じマンションをかつて同じチーム(カガミ建築計画+リフォームキュー)で工事したことがあるので、大よその構造や設備が判っているので、こういった段取りはスムーズに進んでいます。その時も現場監督をしてくれた富田さんが職人さんと一緒にハツリ工事を手伝ってくれていました。

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嵩上げされていたシンダーコンクリートを全て撤去したところ、このような配管類が出てきました。室内型給湯器があるので、ガス管と給水・給湯管があり、そこに勾配を取りながら排水管が流れている、このすべてがコンクリートの中に埋設されていたのです…。
勿論撤去できない部分は出てしまいますが、築古マンションなので見える範囲の配管類は全て交換する予定となっています。

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同じキッチンの床でもキャビネットが置かれたいた部分の下にはシンダーコンクリートがなく、床下にベニヤ板を開けるとこのように配管が整然と並んでいる個所もありました。

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ハツリ工事は浴室でも行われました。一度リフォームされてきれいになっていた浴室ですが、お施主さまの好みとは違っていたので、水回りもほぼ全面やり直すことになっています。

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浴槽を撤去すると、このようにコンクリートブロックが積まれていました。

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そのコンクリートブロックを撤去して、シート防水されていた部分も撤去すると、このようになります。新しく設置する浴室エリアについては、シンダーコンクリートまで撤去して、その他は配管が交換できる部分だけ斫り工事を行いました。

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リフォーム前は二つ浴室がありましたが、一つは洗濯機をなどを置くユーティリティーとして使う予定なので、こちらについても浴槽を撤去して、シンダーコンを斫って貰っています。

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設備の配管ルートに沿って斫っている途中の様子ですが、何か古い遺跡の発掘作業のような景色ですね…。
ただ、実際は騒音が発生する時間帯をなるべく少なくするために、3か所で同時にハツリ工事を行っていたので、室内で道路工事をしているような大騒音で、打ち合わせもできず、ホコリで写真も上手く撮れないような状況でした。

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まだ少しホコッた錠多雨ですが、概ね解体工事が終わった現場の様子です。

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現場の廃材搬出が終わった所で、墨出し作業に入りました。今回は大きく間取りを変更する箇所は少ないので、墨出し寸法のチェックもとてもスムーズに進みました。

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この間にも、お施主さまのPさまとはインテリアデザインを詰める作業をしています。原宿のアドヴァンで水回りに使うタイルや大理石を見比べている様子です。
因みに机の上に載せてある黒いパネル状のものは…

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こちらです。既存で使われていた家具の扉をリフォームキューに持ち帰って貰って、こちらが指定した色とツヤにサンプル塗装して貰ったものです。4種類の色ツヤを作ってもらいましたが、Pさまとの打合せで右手前の一番黒い色で進めることに決まりました。

 

 

セラとジャクソン・グローエとTフォルム 水回りショールーム巡りツアー

原宿K邸

原宿のマンションのオーナー邸リノベーションプロジェクトのKさまと一緒に、水回り製品関連のショールーム巡りをしました。

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まず最初に伺ったのは、乃木坂にあるセラ・トレーディングのショールームです。セラは欧州のデザイン性が高い水栓金物やシンク、浴槽や水回り金物を輸入展示しているTOTOの小会社です。

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広々とした快適なショールームで、僕らの担当をしてくださっている池田さんに説明して貰いながら、一通りを見学して回りました。

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水栓やシンク類は、僕らもセラの製品を採用するケースが多いので、特に水栓の使い勝手やシンクのサイズを確認して頂きました。

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次に伺ったのは高級浴槽のジャクソンの青山ショールームです。アクリル製で半身浴などの使い勝手だけでなく、取っ手や付属品までデザイン性にこだわった高級浴槽を、このように実際に浸かった気分で体験することができます。

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ジャクソンのショールーム上階がドイツ製水栓メーカーのグローエのショールームになっています。実は、ちょうど1年前ほどにリクシル社(旧イナックス等の建材メーカーが統合した会社)がジャクソンやグローエといったハイエンド水回り製品メーカーを買収しているので、ジャクソンとグローエは兄弟会社のようになっているのです。

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グローエで定評が高いシャワーヘッドはこのようなコーナーで水圧や、水の流出方法を体験することができるようになっています。イメージとは違うようですが、実は日本製の水栓+シャワーの方が、ドイツ製の水栓+シャワーよりも水圧が弱くなってしまうので、そこのことをお施主さまに実感して貰うためにも良いコーナーです。

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最後に伺ったが、こちら南麻布にあるTフォルムのショールームです。大洋金物という独立系の輸入会社が運営するスタイリッシュな水栓金物ショールームです。

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リクシルやTOTOのようなマスを相手とした巨大メーカーとは違うので、クセはありつつも特徴のある水回り部品が沢山あるので、それらを説明させて頂きました。因みに背面に立てかけてあるのはドイツのホーロー製浴槽のカルデバイの製品です。
僕らが良く使っている水回り製品のショールームを、今日は一日でツアーすることができました。各メーカーのイメージが掴めたと思いますので、これから比較しながら浴槽、シャワー、水栓、シンク等を一つずつ決めてゆくことになります。