Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

黒檀をメインにした仕上げ材の最終決定と解体着工@渋谷区S邸

渋谷区タワーマンションS邸

マンションリフォームのアドバイザーとしてお手伝いしている渋谷区のタワーマンションS邸のでは、幾度も仕上げ材の最終確認を重ねながら、ようやく解体工事に着手することができました。

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パノラマ状に景色が広がる高層マンションのコーナー住戸ならではのダイナミックな空間を早々と体験することができました。

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ただ、ここまでに本当にしつこいほどの仕上げ材確認と、材種変更になった場合の見積り変動を計算しながら、本当に密度の濃い打ち合わせプロセスを経てきました…。

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僕らだけの打合せであれば、通常4~5か月ほど掛かる仕上げ材とデザインの打ち合せですが、ここまでの色々な経緯があったこともあって、大手N社と2か月で決定する作業をお手伝いする約束でしたので、毎週(時には週に2回)の打合せが続きました。

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その分、ご自宅やショールームでの仕上げ材確認だけでなく、この写真のように現地にサンプル材を持ち寄っての現場確認や、朝や昼の光でのサンプルの艶確認、仕上げ材が一つ変わった場合に全体のバランスがどう変化するか等のきめ細かい打ち合わせをすることができました。

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最後までカギになったのが、この写真の手前に見えている黒檀の突板の種類とその仕上げ艶についてでした。黒檀の突板はとても高価ですが、好きな方たちには大人気の突板で、日本全国の突板屋さんを探してもらっても、中々良い木目や色柄のものが見つからないのが現状です。特に今回は大型建具2本とその枠、キッチンの造作家具と飾り棚と多くの家具と扉に同じ柄の黒檀(エボニー)を使いたいので、その素材探しとサンプル作り、価格調整に時間が掛かってしまいました。

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解体着工直前ギリギリになって、何とか打ち合わせに届いた二種類の黒檀の塗装見本です。中央と右が黄味掛かった黒檀の7部ツヤと鏡面塗装のサンプルで、左が赤味が強いサンプルの鏡面サンプルです。

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材料の質感やメンテナンス(お子様が二人いらっしゃるので、汚れることを気になさっていました)の比較から決まっていたフローリング材を大きな面積で張ったものを確認なさりたいとADワールドのショールームを訪問した際に、上記の黒檀のサンプルが届きました。

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実際には、インテリアのプロではないお客さまは、サンプルを見れば見るほど、何をベースにして仕上げ材を決めてゆけば良いのかに迷われてしまいがちなので、N社との打合せ後に僕らだけが残って、フランクな意見交換をしたりしながら、最後に仕上げ材を最終決定することができました。工事金額のメドも立ったので、解体前に(実際には半年ほど前に景色を確認するために、部分的にボードが剥がされていましたが…)お施主さまのSさまご夫妻とN社のみなさんと記念撮影をいたしました。

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解体工事着工して約1週間でこのようなスケルトン状態になりました。

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もとキッチンがあった個所の天井裏のダクト状況です。同時給排システム(排気した量と同じだけの新鮮な空気が給気されるシステム)のレンジフードの位置を、大きく移設することになるので、ダクトの重なりをどこに持ってきて、どのルートでダクトを通すかを検討してゆく必要がありそうです。

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床スラブが一段下がっている位置に集まってきている給水と給湯の配管です。

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同じマンションの違う階に現在居住中のお施主さまご夫妻に立ち会って頂き、玄関回りの取り合いを確認している様子です。

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床に張られた青色のテープが、リフォーム後に立つ壁の位置で、それらと設備の絡みを見ながら細かい施工方法を確認してゆきました。

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脚立に登って、床スラブを見下ろした様子です。まだリフォーム後の家具レイアウトをどうするか迷っている状態なので、ここから壁下地が立ち上がってくるまでの間にレイアウトを仮決定して、ダウンライト照明や床付コンセントの位置を決定してゆく必要があります。
一応、僕らのアドバイス業務としては工事着工時までの仕上げ材とプラン作成助言でしたので、もう業務は終了したことになるのですが、やはりここまでお手伝いしてくると、現場も見たいですし、仕上げがどうなるかまで見届けたい気持ちの方が強いので、このブログに工事状況を掲載させて頂く代わりに、ここからは費用なしで現場を見学させて頂くことになりました。

 

 

 

ヴィンテージマンションのスラブ下配管について@一番町Y邸

千代田区一番町Y邸

先月、設計契約をお施主さまと結んだ、千代田区一番町のホーマットシリーズのマンションリノベーションプロジェクト、いよいよ設計も煮詰まって、現地でお施主さまたちに最終のプランと仕上げ材のイメージをご説明いたしました。

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ホーマットらしいヴィンテージな雰囲気とするか、白と黒を基調としたメリハリの効いたデザインとするか、そこにベージュやグレーを混ぜて、ホテルライクな空間とするかについて悩んでいらっしゃいましたが、最後は思い切りよく、ホテルライクな仕上げとすることに決定されました。

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それぞれのテイストにあった大量の仕上げ材のサンプルを持って行っていたので、デザイン方針が決まったところで、具体的な素材も見て頂いて決めてゆく作業を行いました。今回工事をお願いすることになった、リフォームキューの岩波さんと坂本さんも同席して貰っての、密度の濃い打ち合わせができました。

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打合せ後に、すぐに内容に沿った見積りを作って契約をして貰いました。通常は契約後ひと月ほどの準備期間を置いてから着工するのですが、今回はリノベーション後に賃貸にするか販売するというビジネス物件でスピードが命なところがあるので、準備期間を待たずに先行して解体を行って貰いました。

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リビングダイニングとキッチンは、ほぼ全ての間取りを変えるので、天井の下地材を除いて、フルスケルトンの解体となっています。

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リフォームキューの現場監督の富田さんと設計・営業担当の坂本さんと細かい解体部分の取り合いについて打ち合わせをしている様子です。

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玄関ホールから洗面所と浴室辺りを望んだアングルです。以前一度同じマンションでリフォームのお手伝いをしたことがありますが、給水・給湯・排水・ガス管すべてが、スラブ下配管(コンクリート製の床の下、つまり下の階の天井裏を配管が通っているシステム)なので、水回りを移設する場合には、家具内を配管しなければ床段差が生じる仕組みになっています。脚立で仕事をしている職人さんの左側床面に何かが転がっているように見えますが、それらはかつてその場所にあった洗面の給水給湯排水管の床立ち上がり部分です。

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床を見下ろした写真と天井を見上げた写真を組み合わせています。このマンションでは、上下階がほぼ同じ間取りになっているので、床に転がって見える配管が、下階の天井裏でどのように配管されているかを、見上げた写真でほぼ判断することができるのです。床上では、シンプルに見えても、床下に入ると、それぞれ管の種類や径が違って、それらが網の目のように入り組んで配管されていることが判ります。

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その他、細かい工事の内容もチェックさせて貰いました。こちらは右側のコンクリート壁の下と、左側クロス張りの壁の中央に孔が空いています。これまでスラブ下を走っていた給水・給湯管を専有部分住戸内に移設するために、管理組合の許可を貰って、コンクリート躯体にスリーブを開ける工事を行った箇所です。今回の工事では排水管とガス管は変更することができませんでしたが、給水と給湯管は全体の90%程度を専有部分内で通すことができることになりました。

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こちらは、システム空調の吹き出し口のグリルです。幾つかは場所を変更して、塗装もして貰う予定なので、リフォーム工事を行わない部屋に番号を振って、保管して貰っています。

 

雑誌「I’m home」に高級マンションリフォーム事例掲載

代官山T邸

これまで長い間片思いで、憧れ続けてきたインテリア雑誌「I’m home」(商店建築社)に代官山T邸が掲載されました。

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実はこれまでも幾つかのプロジェクトの写真を送って、掲載して貰えないかを打診してきましたが、尽く討死(?)してきた経緯があります。今年の3月頃に、I’m homeの角田編集長から直々に電話があって、マンションリノベーション特集に掲載できそうな事例がないかと問い合わせがあった際は、夢かと大喜びいたしました。

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今年の5月にお施主さまの予定を確認して、ほぼ丸一日(朝9時から夕方4時まで)掛けて、撮影と取材が行われました。ミノッティ、モルテーニ、フロス、ベッキオ・エ・ヌーボなどのハイエンド家具・設備の細かいディテールの表情まできれいに撮影して貰いました。

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この写真は、ナカサ&パートナーズのカメラマンが撮影している合間に、似たようなアングルで撮影させて貰った自分の写真です。いつもは照明をほぼ全開にして撮影していましたが、プロのカメラマンがほとんど照明を付けずに自然光で撮影している様子には驚かされました…。

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僕が撮った写真と如何に違うかが、如実に判ってしまいますね。室内をこれだけしっかり映しながら、屋外の緑も撮れているのは、露光を変えて2枚撮影して、後で合成しているのかもしれません…。

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全部で9ページに渡る取り上げ方で、全ての写真が美しく、そして十数年前に幾度か取材をしてもらった建築ライターの井上雅義さんに取材・執筆して貰った文章も読み応えがあり、とても充実した掲載となっています。

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雑誌「I’m home」のファンだったお施主さまからも、発売当日にご連絡があり、カッコ良い掲載にとても喜んでくださいました。

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こちらが今月発売になった最新号の表紙です。「既存空間を活かしたリノベーション」の特集とのことで、他には僕らが目標としている建築家の横堀建築設計事務所の横堀さんとコマタトモコさん、インテリア界の巨匠(?)グエナエル・ニコラさん、いつも研究しているUTIDEの斉藤さん、端正なデザインが美しい関デザインスタジオの作品と並べて掲載されています。
まずは今回取り上げてくださった角田編集長、素晴らしい文章を書いてくださった井上さん、ありがとうございます。そして、取材撮影に全面的に協力してくださったNさまご夫妻、本当にありがとうございました!
是非、本屋で見かけた際には手に取ってご覧ください。