Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

大理石・レザーパネル・カラーガラス張りの濃密なアプローチ空間の作り方

六本木N邸

六本木N邸では、窓のない共用廊下から玄関、廊下からホール、2面開口のあるLDまでの暗くて、退屈になりがちなアプローチ空間をインテリアと照明の力で、スタイリッシュな空間にリフォームしようと企んでいます。

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そのアプローチ空間でのクライマックスになるのが、廊下突き当りのホール壁に張った白い大理石(アラベスカート)のボーダー張りです。

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玄関ホールは、正面には灰色系の大理石、グリジオビリミエを張り、横面(写真では正面)にはカラーガラスを張っています。このカラーガラスの左側には、奥のシューズイン・クローゼットの扉が隠されています。

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レザー張りのパネル壁から、ライブラリーコーナーとのガラス間仕切りと続き、その向こうに最初にご紹介したアラベスカート張りの壁が来るシークエンス(空間の順序)となっています。濃密な素材が続きますが、間にガラス類を挟んで、強い素材同志が隣合わないように工夫しています。

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スラブ材(大判の大理石)でお願いしたアラベスカートを、わざと均質化するために、高さ150ミリ、幅800ミリのボーダー形状(短冊形)にカットしてもらい、それを積み上げる形で張ってもらいました。

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アラベスカートはユニークな斑模様が入った大理石ですが、その白い部分の白さを強調するために、床にはLEDのアッパー照明を仕込んで、仕上げ材の印象をさらに強めています。

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ホールに隣接するライブラリーコーナーの壁にも大理石を張り伸ばしていますが、こちらには黒を基調とした本棚が並ぶので、それに合わせて天井もダークグレーで塗装してもらいました。

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玄関ホールを回ってリビングダイニングに入るとこのように開けた空間が広がっています。比較的狭くて、濃密なディテールが続くアプローチ空間と、広くて開放的な空間を対比させることで、お互いの特徴を活かす空間構成になればと考えています。

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一番窓際にくる丸柱は、あくまでも白く仕上げたいので、丁寧に塗装屋さんにパテしごきをしてもらっています。

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その天井もなるべくすっきりと納めたかったので、空調のブリーズライン(吹き出し口)を黒く塗装した照明ボックスの中に仕込んで、目立たないようにしています。

 

 

 

スケルトン解体工事@青山I邸

青山I邸

しばらく更新が滞っていた青山I邸の解体工事現場の様子です。

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こちらのプロジェクトでは、お施主さまのIさま側のアドバイザーとしてのお手伝いで、リフォーム計画の設計・施工は大手リフォーム会社のM社が担当しているので、工事監理ではなく施主代理としての現場見学として解体状況を確認させて貰っています。

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さすがに高級マンションリフォームの実績・施工力に定評のあるM社だけあって、解体工事中とはいえ、整然とした現場でした。

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廃棄する素材も、きちんと金属質のLGS、木質類、ボード類ときれいに分類されて置かれています。

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在来工法で作られていた浴室は解体に時間が掛かっているようでした。同じビルの低層階にクリニックやショールームが入っている関係で、音が出せる工事時間帯が限られており、構造に関係しない浴室の袖壁やシンダーコンクリートのハツリ工事が簡単には進められないそうです。

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しかし、その2週間後には、ここまで浴室周りがきれいに解体されていました。コンクリート雑壁の解体にはクラッシャーを使い、床シンダーコンクリートの解体には振動がほとんど発生しないパッカー工法を使って解体を進めたそうです。

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解体工事時のチェックは、各務一人でしたが、解体が全て完了して、現場清掃が入った後の検査時には、お施主さまに立ち会って貰って検査いたしました。

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天井廻りに配置されているエアコンの配管状況を確認した写真です。天井付近に、どうも現場でカットされたような鉄骨の不可解な跡が見つかりましたが、以前の持ち主経由で建設時のゼネコンに問い合わせて貰った結果、建て方時のクレーンを立てるための鉄骨で、コンクリート打設後に現場でカットしたものだったことが後程判りました。

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各エアコンの冷媒管が天井を沿って、北側の壁際に集まって、このスリーブ穴から外の室外機へと繋がっている個所の様子です。図面上はPSと記載される個所ですが、なぜそれだけの寸法分壁をフカさなければならないかは、このような現場の様子を見て貰うことで、お施主さまにもすぐに理解して貰えました。

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PS周りの解体状況です。正面ブロックに囲まれているのが排水管が上下階を貫通しているPS(パイプスペース)ですが、向かって左側は床スラブが下がっていますが、右側は下がっていません。当初は右側に洗濯機を置く予定でしたが、それだと洗濯機を設置する洗濯パンが床の上に出っ張ってしまうことになっていましたが、この状況を見て貰ったうえで、左側に移動して、床とフラットに仕上げて貰うことも理解して頂きました。

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すっきりしたスケルトン状態のお部屋です。さすがに160平米ある空間をスケルトンにすると、広さを実感するものですね…。
因みに床を這っているのがエアコンのドレイン管ですが、長い距離を勾配ゼロで排水されていることが判ったので、今回の工事で是正して貰うことになりました。

 

高級造作家具の取り付け設置

六本木N邸

先日のウォークイン・クローゼットの組み立てに続いて、その他の造作家具の組み立てが六本木N邸の現場で始まっています。

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こちらはウォークインクローゼットの手前にあるご主人さま用の洗面所のカウンター家具です。スモークトーンの茶色い塗装仕上げの渋いカウンターになる予定です。隣室の浴室内のテレビでDVDを見れるように、こちらのカウンター家具にDVD機器を入れる仕組みを作ってもらっています。

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奥のウォークインとの繋がりはこのようになっています。手前洗面所の左側の壁にも、クローゼットとお揃いのウォールナット突板仕上げの壁面収納が取り付けられることになっています。

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実は洗面所は二つあるのです。先ほどのがご主人さま用で、もう一つがこちらの奥さま用の洗面所です。こちらは寝室の隣にあって、奥さま専用のシャワーブースもあります。洗面所内に下着類も収納できるように、背面には収納量十分の引き出しが配置されています。こちらはやさしい色調のグレージュ色の仕上がりになります。

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来客用トイレのカウンターも設置されていました。レザー張りの扉の裏に隠された大人っぽく、シックなトイレなので、グリジオビリミエのカウンタートップにブラックオイルを二度掛けたウォールナット突板仕上げとなっています。

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レザー張りパネルの準備でもご紹介していたレザー巻きの扉も来客用トイレに設置されていました。取っ手があることで辛うじて扉であることが判りますが、両隣にあるレザーパネルと同化して、とてもスタイリッシュに仕上がっていました。

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キッチンとダイニングの扉横に来る食器収納家具も取り付けが始まっていました。下部が空いているのは、ロボット掃除機のルンバの基地として使う予定だからです。オープン部分と扉で閉じた部分を混ぜ合わせた、飾り棚にも使える食器棚になる予定です。
造作家具はすべての仕上げが違っており、色や仕上がりのツヤ具合まで細かく指定しているので、間違いが無いかのチェックも大変です…。

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造作家具とは少し違って、大工さんが現場で組んで、建具屋さんが扉を取り付けるスタイルの現場造作家具も入ってきました。こちらは廊下突き当りに設けた収納で、内部にはシュレッダーなどの機器類が入ることになっています。壁と扉が入れ違いになったような遊び心を入れたデザインとさせて貰っています。

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リビング入り口のスイッチパネルも準備ができていました。白いシールでカバーされていますが、鏡面磨きのステンレスパネルの上に、ルートロンやインターフォンなどのスイッチ類がきれいに並ぶのです。この上下の収納も現場で大工さんに作ってもらう収納です。