Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

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南平台N邸

二日間掛けて職人さんが丁寧に張ってくれたダイニングの突板張りが終わったとのことで、仕上がりを確認に行って参りました。

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まだ、左端の収納部分の扉とキッチンへの引き戸がついていないので完全とはいえませんが、ほぼ突板が出揃った状態です。

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横から舐めるように見たアングルです。最終的にはアイリスローズという、木目が比較的強い木種を選びましたが、途中は黒い天井に合せて、寝室床でも使っているヴェンゲにするかを迷ったりもしました。ただ、このように張られて、背面に控えるキッチンの色味やなどを改めて見ると、この材種で良かったことを再認識することができました。

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こちらはスイッチボックス側から見返した様子です。

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天井の下地も完璧にできており、後は黒いカラーガラスを張るばかりとなっています。

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玄関ホールへとダイニング側の天井が伸びていながら、スチールサッシで区切られるという、このお宅の空間的クライマックスとなる部分のディテールです。

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主寝室の壁には木製フレームを廻し、壁はパネル状にして、クロスを巻き込む仕様で考えています。

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ベッドが置かれる側の壁のウォールナットの腰壁も張り上がっておりました。

リビング&ダイニングの家具選び@南青山Y邸

南青山Y邸

リフォーム工事進行中の南青山Y邸プロジェクトでは、家具選びもより具体的になってきました。

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リフォームデザインを纏める際にヒアリングした内容に沿って、まずはこちらである程度の家具を仮に選んでみて、それをプレゼンシートに纏めたものを見てもらいながら、イメージを固めて行くことが第一段階です。

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その後は、お施主様が気に入ってくださった家具のショールームを中心に3か所ほどを回ってゆきます。この写真は、恵比寿のアルフレックスで、モルテーニの収納家具の色味やテクスチャーを確認している様子です。

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イメージだけでなく、実際の使い勝手や他の家具とのマッチング、コストパーフォーマンスまで考えながら、各ショールームを回りながら、家具を具体的に詰めて行きます。こちらは、エ・インテリアーズのショールームでテレビキャビネットを検討している様子です。

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当初は、こちらのテレビキャビネットが気に入ってくださっていたのですが、小さなお子様がいらっしゃるので、子どもがイタズラをする可能性があることなどから、キャビネットは諦めることとになりましたが、地階の床に敷かれていた、このアンティークラグが皆気に入ったので、採用することにいたしました。エクステンション式のダイニングテーブルも、こちらの製品にほぼ決まりそうです。

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ソファーやダイニングテーブルが費用が掛かるのは理解しやすいですが、ダイニングチェアーも個数が多いと費用が嵩む大きな要因となります。また、イタリア製のダイニング椅子は、シートハイトが43~45と高く、靴を履かない生活の日本では使いにくいことが多いので、タイム&スタイルのダイニングチェアを採用することになりました。ダイニングでは椅子の高さとテーブルの高さの相性もあるので、上記で決めたイタリア製ダイニング机は、特注で脚をカットしてもらい、高さを調整することといたしました。

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よく僕らが使っている家具屋5社のカタログから選んでも、唯一決めることができなかったのが、リビングのソファー前に置く、ローテーブルです。スタイリッシュでありながら、2歳のお子様が遊んだり、お絵描きを楽しむ際にも使えるものをとのことで、最終的には僕らがデザインして特注することとなりました。早速、こちらで描いたスケッチを基に、よくこのような家具作りでお願いしている特注家具のYPOにお願いして、製作図と概算を作ってもらい、打ち合わせを進めています。

突板張りのダイニング空間

南平台N邸

昨年末にお施主様と一緒に選ばせ頂いた、アイリスローズの突板が現場に届き、ダイニングの壁に張られ始めました。

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突板は高級な素材であるだけでなく、一度同じシリーズの板が無くなってしまうと、同じ木目の板を作るのは実際上不可能となってしまうので、現場には必要最低限の枚数しか届いておりません。

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従って、取付けの大工さんはとても慎重になります。何度も壁に立て掛け(仮置き)ながら、寸法を確認してから、取付け作業に入ります。

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板と板の間に目地を入れて収めるところもそれなりに難しいのですが、このスイッチボックス周りは、二枚の大判の板を目地なしで、継ぎ目が見えないように張りつける箇所なので、1時間以上掛けて、ちょっと削っては現場で合わせてを繰り返しながら取り付けてくれました。

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こちらが出来上がった様子です。かなり木目がはっきりした、力強い木目板を選んだので、しっかりと存在感のある壁になりそうです。まだ、隠し釘やボックス周囲には板の小口が見えている状態ですが、検査前には塗装屋さんと補修屋さんに入って貰い、それらを全て隠して貰うことになっています。

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その他の部分もどんどんハイペースで仕上がりつつあります。こちらはリビング側のテレビ収納ニッチです。下部に孔が空いている個所に、作り付けの家具を入れて、AV関係を背部で接続することになります。

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エントランス正面の廊下部分で、カラーガラスを張る箇所の天井下地も、一部問題個所があったのですが、きちんと補修してくれていました。

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こちらもカラーガラス用の見切りです。天井に張るのは黒色系、壁に張るのは灰色系と色味を微妙に違えているので、見切り材も焼き付け塗装色を変えてもらっています。

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こちらは洗面・脱衣室とウォーク・スルー・クローゼットの間仕切りとなるガラス壁を固定するための埋め込みのアルミのチャンネルです。天井と壁の見切り縁と絡んでいるので、不思議な目地に見えますが、出来上がりはすっきりきれいに纏まるハズです。

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こちらも細かい部分の造作ディテールです。大工の町永さんが苦労してくれた、リビングの斜め壁の幅木部分の収まりです。僕らも図面で書いていてもなかなか判らなかった箇所を、現地で当たりながら正確に作ってくれました。目地部分にスペーサーを入れているので、こちらも不思議な形に見えますが、すっきりきれいに収めてくれました。ありがとうございます。

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かたや、洗面では壁の大理石張りが始まっていました。ケベックカルニコという灰色の大理石を横長にカットしてもらい、ランダムに積むデザインとしています。

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目地なし(眠り目地)でレベルを取りながら、コンセントの穴加工を施しながら、丁寧に積んでいってくれています。こちらも地味な作業ですが、出来上がりが楽しみです。

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本日は、今までの一番多くの職人さんが入ってくれた一日で、大きな部屋のあちこちで手順の打ち合わせ、デザインの確認がされていました。全体を纏めてくれている岩波さん、福井君には感謝です!