Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

雑誌「都心に住む」に2プロジェクトが同時掲載中

代官山T邸

現在発売中のリクルート社の雑誌「都心に住む」に2つのプロジェクトが掲載されています。

131003toshinisumu-1

1つ目は「閑静に住む都心の邸宅街」という特集に代官山T邸が取り上げられました。閑静な住宅街の定義としては、ウェブマガジン「家の時間」でもお世話になっている坂根康裕さんが以下のように説明してくれています。

  1. 高台の上にあること
  2. 用途地域が「第一種低層住居専用地域」であること
  3. 近隣に長い歴史を持つ学校、大使館、公園、神社等の施設があること

だそうで、具体的には港区の麻布台や白金台、千代田区の番町や渋谷区の南平台などが挙げられるそうです。

131003toshinisumu-2

低層住宅地ならではの窓前に緑があふれる景色が広がるリビングの写真を大きく載せて貰っています。

130829daikanyamaT_shuzai-2

こちらが取材時の様子です。

もう一つは「新築をカスタマイズ」という特集で、こちらには六本木M邸が掲載されました。

131003toshinisumu-3

近年2~3億円位の超高級マンションでも、建物竣工前にデベロッパーにカスタマイズをお願いするのが難しくなってきているので、新築お引渡しのタイミングでリフォームしてしまうという離れ業(?)が富裕層の方々に注目を浴びているようです。そんな事例の一つとして六本木のアークヒルズ仙石山レジデンスの新築マンションリフォーム事例として取り上げて貰いました。

130724shuzai_rush@sengokuyama-6

因みに、こちらがM邸の取材時の記念写真です。
全く違うテイストのデザインで、紙面には小さく「撮影協力:カガミデザインリフォーム」と出ているだけなので、一般に見ている方は同じ設計者がデザインしたものだとは思えないのではないでしょうか…。

解体でマンション本来の魅力を取り戻した白金N邸

白金N邸

先月後半に第二期工事が始まった白金N邸プロジェクトでは、順調に解体工事が進んでいます。

131001shirokaneN_kaitai-1

剥がされた個所の壁には、キチンと断熱材も吹き付けられていました。仮設の作業台では、お馴染みのリフォームキュー現場監督の岩波さんに、ベテラン大工の町永さん、そしてうちのスタッフの竹田さんが打合せをしています。

131001shirokaneN_kaitai-2

カーペットが剥がされ、間取りを変更する個所の壁が壊され、不自然に曲がりくねった廊下がなくなり、かつ風通しも良くなり、マンションが元々持っていたポテンシャルを現しつつあるような気が致します。こちらは、以前不思議な空間だったリビングとダイニングを繋ぐ廊下部分ですが、収納を撤去したことで、広々とした空間に変わっています。

131001shirokaneN_kaitai-3

床下の給水と給湯管で、こちらは架橋ポリ管できちんと施工されていました。水廻り部分の床スラブが一段下がっているのも、竣工時の図面通りの施工です。

131001shirokaneN_kaitai-7

こちらは現場監督の岩波さんが書いていた、部材発注表です。壁をパネル状に見せるために、ランバーやベニア板を割いたものを、スケッチの通りの本数、事前に作って貰います。後ろに見えているのが、建具枠の寸法を書きこんだ詳細図です。

131001shirokaneN_kaitai-4

打ち合わせの後半の時間に合わせて、お施主さまにも現場に寄って頂き、大型のサンプルを取り寄せた壁色の候補を見て頂きました。

131001shirokaneN_kaitai-5

既に決まっているのは、玄関のオフホワイト色、ラウンジのピスタチオ・グリーン色で、まだ決まっていないのがダイニングとリビングです。

131001shirokaneN_kaitai-6

ピスタチオぐ・グリーン色のパネルを壁にかざして、カラーの確認をして頂いている様子です。最後に、今回ご出席して頂けなかったご主人さまも交えて、もう一度確認したうえで、色味を発注して貰う予定です。

パドック材の赤が印象的な中央区Y邸の竣工!

中央区Y邸

リフォームコンサルタントとしてお手伝いしてきた中央区月島のヴィンテージマンションリフォームY邸が、検査そしてその後の補修、お施主さまの最終チェックを経て、無事お引渡しとなりました。

130919Ytei_shunkou-01

まずは、設計と施工をお願いしたリフォーム会社ライフデザインの山碕さん(営業)、鶴崎さん(設計)、長尾さん(現場)の三人の立会いのもと、カガミ建築計画の竹田さんと私、各務で施主検査を行いました。通常は僕らの検査は設計検査となるのですが、今回は施主側のアドバイザーとして立ち位置でしたので、ちょうど立ち会うことができなかったお施主さまの代理人としての検査となりました。

130919Ytei_shunkou-02

洗面所のビルトイン型のドラム式洗濯機と造作家具の取り合いをチェックしている様子です。施主検査では、通常このような細かい所までは検査しないと思いますが、やはり設計者魂に火がついて、ついつい細かい個所までチェックしてしまいました。

130919Ytei_shunkou-03

僕らがチェックした項目を、営業の山碕さんが後日纏めてくれたシートです。設計検査の10日後に補修工事が終わったとの連絡を受けて、お施主さまのYさまとこのリストに沿って、補修内容をチェックしてゆきました。

130919Ytei_shunkou-04

竣工お引渡し当日は、チェックしながら、各設備業者さんが来るタイミングに合わせて、取扱い説明も行いました。キッチンをお願いしたオーダーキッチン屋のクッチーナの篠崎さんがキッチンの使い方を説明してくれている様子です。

130919Ytei_shunkou-05

全ての取り扱い説明と補修箇所のチェックが終わった段階で、ライフデザインが用意した引渡し関係の書類に目を通して頂き、記名捺印をお願いいたしました。

130919Ytei_shunkou-06

お引渡しまで無事終わった所で、お施主さまのYさまと一緒の記念写真です。右から篠崎さん、うちの竹田さん、お施主さまのYさま、各務、そしてライフデザインの山碕さんです。一年以上を掛けて、色々な紆余曲折を経ての完成お引渡しでしたので、とても感慨深いものがありました。

130919Ytei_shunkou-12

因みにこちらがリフォーム前に関係者で撮った記念撮影です。ガラリと変わっていることがよく判るのではないでしょうか…、

130919Ytei_shunkou-07

ここから先は、お引渡し後にお願いして、竣工時の様子を取らせて頂いた写真です。キッチン横から細長い廊下を見返した様子です。入り口横のインターフォンとスイッチを纏めたアクセントボードが可愛らしいです。

130919Ytei_shunkou-08

お施主さまがこだわって選んだ、クッチーナのオーダーキッチンです。ただ、価格を抑えるために、レンジフードは別途発注したり、扉材は安価な扉材を選んだうえで、リフォーム会社にダイノックシートを張って貰うなどの工夫をしています。奥の窓先はすぐ川で、建物が建つ可能性がないので、開放的な空間がほぼ未来永劫確保されている贅沢な条件のマンションです。

130919Ytei_shunkou-09

今回のリフォームでも、特に僕らが気に入っている玄関ホールのフローリング張りのアクセントウォールです。玄関のタタキ部分のボーダー張りは、東南アジアのホテルを幾つも見て回ってきたお施主さまから見せて頂いたイメージ写真を参考にしたものです。

130919Ytei_shunkou-10

ドラム式ビルトイン型の洗濯乾燥機を組み込んだ洗面・脱衣室です。L字型に繋がった人工大理石のカウンターで、広々と感じられます。

130919Ytei_shunkou-11

色々なデザインにチャレンジしてみましたが、一番の存在感を見せた主役である、パドックのフローリングです。赤味が特徴で、東南アジアのカリンと同じマメ科に属しており、アフリカで採れるのがパドックと呼ばれる材だそうです。カリンよりも赤味が強くて、かつ色ムラがないと聞いていましたが、適度な色ムラがあって、とても高級な質感になりました。最後になりましたが、打合せから工事、お引渡しまで粘り強く頑張ってくれたライフデザインの皆さん、ありがとうございました。そして僕らのデザインセンス、リフォームに対する知識と想いを買って、リフォームアドバイザーとして活用してくださったYさま、竣工おめでとうございます!そして長い間ありがとうございました。