Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

パネル壁の塗装下地作り@白金N邸

白金N邸

マンションのほとんどの壁をパネル仕様にして、塗装で仕上げる予定の白金N邸で塗装用の下地作りが佳境を迎えています。

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リビング壁は写真のような状態です。パネル壁は細かい凹凸があるので、塗装屋さんにどこはフラットに仕上げて、どこは段差を付けるかを指示いたしました。

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折り上げ天上も複雑な作りなので、パテ処理にも時間が掛かっているようです。

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造作家具については、内部の箱は事前に工場で同色を吹いて仕上げて貰っていますが、周りはやはり現場での塗装仕上げになるので、こちらにも下地作りが必要になっています。

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カラフルなパテを使っているようですが、幾度パテをしごいたかを間違えないために、パテに塗料を混ぜているのです。一度目は白いパテで、主に石膏ボードを留めたビス孔塞ぎと継ぎ目をしごいています。二度目のパテがピンクのパテで、ボードの継ぎ目を大きく処理しています。3度目のパテが緑色部分で、最終的にはほぼ全てをパテ処理することになります。一度パテ処理し乾燥した後に紙やすりを掛けて、パテを重ねてゆく作業、とても地味ですが、この丁寧さで塗装の仕上がりが変わってくるので、とても重要な作業なのです。

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パテをしごいている塗装屋さんの仕事風景です。3人の職人さんたちが一週間掛りで下地を丁寧に作ってくれています。

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ダイニングの丸形天井の内部も、態勢的に作業しにくい部分ですが、きれいに平滑面が作られています。

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翌日にお施主さまが現場に来てくださることになったので、急遽塗装サンプルをダイニングに作って貰い、確認して貰うことになりました。

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写真では判りづらいのですが、左右のパネルで塗装下地の作り方が変わっているのです。右側が最後のパテ処理をしたままで塗装した面で、左側はパテ処理後にサンドペーパーでさらに平滑に仕上げた下地に塗装したものとなっています。アメリカ暮らしが長かったお施主さまご夫妻には、日本のきれいすぎる塗装面がプラスチックみたいで気持ちが悪い感覚があるようでしたので、わざとラフに仕上げたものも作って、現地で比較して頂きました。結論としては、両者の中間帯のような仕上げで、ローラーを使った後に刷毛でちょっとラフ目に仕上げることになりました。

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こちらはまたその翌日の様子です。昨日のサンプルも上からパテ処理されてしまっています…。

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こちらがほぼパテ下地が完成した様子です。ほぼ全面パテ処理で、ここから塗装工事が始まります。

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パネル壁のコーナー部分も、細かいコーナー目地を消さないで、上手く立体感が表現されています。本当に大変な職人さんたちの作業に頭が下がるばかりです。

建築家とのおいしいキッチンリフォームセミナー@オゾン

ニュース

新宿のデザインセンター・オゾンにて、「コンロを囲んで体験する 建築家とのおいしいリフォーム」という題目で、キッチンリフォームについてセミナーをさせて頂きました。

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会場は東京ガスが作った「暖炉とコンロ」という展示スペースで、写真のようなとてもリラックスした雰囲気の中、少人数の来客の方々に話しかけるようなスタイルでのセミナーとなりました。

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キッチンリフォームというと構えてしまう方が多いのではと思ったので、お料理を作るプロセスと、キッチンリフォームのプロセスの似ている点を比べて、もっと気軽にキッチンリフォームを考えても良いのではというご提案となりました。

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写真ではちょっと判りにくいのですが、僕が座っている部分が少し高くなっているので、そこに胡坐を組んでお話しするスタイルで、こちらもすっかりリラックスしてしまいました。来てくださった方々は、キッチンリフォームを真剣にご検討中とのことで、熱心にメモを取りながら、話を聞いてくださいました。

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キッチンリフォームでは、具体的に3つの事例を挙げて、

  • 同じレイアウトで広くするリフォーム、
  • 壁に沿っていたキッチンを対面型にするリフォーム
  • 閉じていた台所をアイランドカウンターにするリフォーム

のご説明を致しました。

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最後には、これまでのキッチンリフォームの体験を踏まえて、キッチンリフォームのポイントを三か条に纏めてみました。オレンジの部分に各項目の説明があるのですが、ここでは内緒にさせて頂きます。ご興味がある方は、どうぞお問い合わせください…。

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セミナーは2部構成になっており、僕のお話のあとは、実際にアイランドキッチンに車座に座ってのお料理体験となっています。お料理の専門家、小早川先生の手際の良いお料理を見ながら、最新ガスコンロの使い方やその特徴について学ぶことができました。使われていたコンロは、実際に使ったことがあるコンロだったので、その良い点や疑問に思う点も、座談会形式の中でお話しすることができました。

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お料理実習のあとは、試食会で、土鍋で炊いた炊き込みご飯や、ダッチオーブンで焼いたミートローフなどを参加して下った皆さま、そして今回の企画を作って下さったオゾンのスタッフの方々と一緒に楽しく頂きました。参加して下さった方々、そして企画して下さったオゾンの皆さま、どうもありがとうございました!とても楽しく美味しいセミナーでした。

 

 

 

インテリア素材 突き板(つきいた)決定のプロセス

南平台N邸

現在リフォーム工事進行中の南平台N邸インテリアの重要なポイントになる、ダ イニング壁に使う突き板(または単板(タンパン)ともいいます)を探しに埼玉県川口市の突板屋の山一商店に伺って参りました。

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山一商店は、二階建ての大きな倉庫で、1階部分には比較的よく使われる一般的な突板(ナラ、ラワン、ウォールナット等)が置かれ、この写真の2階にはより貴重で希少価値の高いいわゆる銘木突き板が置かれています。

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事前に色のイメージをお伝えし、イメージ写真も送っておいたので、到着してすぐに幾つかの見本パネルを見せ て貰い、どのような突板が候補になりそうかをレクチャーして貰いました。こちらはサペリ材の板目です。

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このようにベニヤ板に張って、クリアラッカ―で仕上げていないとなかなか仕上がりのイメージが掴めないのですが、これらの見本でイメージを掴みながら、幾つかの候補を見せて貰いました。

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こちらはオマケですが、本当に希少価値が高い(20年前にワシントン条約で輸入禁止になってしまったそうです。ということは、この材料は20年以上こちらの倉庫に眠っているということのようです…)ブラジリアンローズという木の突板だそうです。同じ木のでいながら、センター部分の赤身(芯材)がここまで濃い色で、周囲の白太(しらた・辺材)が白く、コントラストがあるような木は、めったにないとの事でした。

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いつもお世話になっている山一商店の方々との記念写真です。左からうちのスタッフの竹田さん、山一の部長さん、社長の山内さん、私・各務、そして専務の山内さん(弟さん)です。当初はサペリのイメージでしたが、新しくマコレとカリンとアイリスローズも候補に入れること となり、幾つかの候補のロールシートを預かり、工事現場にてお施主さまに見て頂くことになりました。

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数日後、工事現場に場所を作って貰って、候補の突板を並べてみた様子です。左からカリン、サペリ板目、サペリ柾目、マコレ(縮み柄)、アイリスローズです。

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他の仕上げ材も並べて、それらとの相性を確認しながら、最終的にはアイリスローズに決定させて頂きました。実はこちらも相当希少な材で、約30年程前にローズウッドの代替材として中米・南米北部から輸入されたマメ科の広葉樹だそうです。素直すぎず、ちょっと癖がある木目もこちらのインテリアにマッチしそうです。

因みに、以前突板屋さんを訪問した際の様子は、こちらです。
突板屋訪問&突板工場見学
黒檀の突板探し@山一商店