広尾の築39年、153平米(46坪)のヴィンテージマンションのリフォーム計画が始まっています。
実は、初めてお話を伺った際には、既にリフォーム工事の工務店が決まっており、プランも当然決まっていたプロジェクトなのです。お施主様が海外に在住中で、デザイン的な助言や留守中の工事チェックで手伝ってくれないかとのご依頼があって、「デザインアドバイス」&「施主代行としての工事チェック」という形でお手伝いすることになりました。
共通のお知り合いが居たという事情はありますが、メールのやり取りだけで仕事の範疇をほぼ決めて、来日した際に初めて打合せをしたのが、工事着工当日という超変則でのアドバイスは、当然ながら初めての経験です。
3時間ほどの集中したお打合せをしただけでしたが、その直前にした僕らの現調の結果をお伝えして、予定していなかった浴室周りの排水管の交換も実施することになりました。その打合せの2日後には、写真のような状態で、天井も解体されていました。
キッチンが外された状態での打合せで、かつてはキッチン内にあった洗濯機を洗面に移設し、その場所に冷蔵庫を移設することが決まりました。
こちらはキッチンキャビネット内に隠されていた謎の配管類です。竣工時の図面の読込みと、管理会社へのヒアリングで、大きく出っ張っている配管は、既に使われなくなった床暖房の給湯管で、更に竣工当初のシンダーコン埋設のキッチン排水管はコロして、5年ほど前にスラブを貫通して新たなる排水管を設置していることが判りました。
こちらは玄関裏の点検口から入ることができたPS内部の配管状況です。手前左の竪管が雑排水と汚水を合流させて排水竪管で、そこから3本の管が横引きされているのですが、なぜか銅管と亜鉛メッキ鋼管が併用されていました。シンダーコンクリート内部のどこかで何らかの方法で異種金属が接続されている可能性もあるので、その危険性をお施主様にお伝えしたうえで、この部分の排水管は全て交換することになりました。
実は、その後の管理組合・管理会社との折衝でも、色々なやり取りがありました。当初はPS内は共有部分なので交換できないと言われましたが、状況を現地にて示して粘り強く交渉した結果、却って横管は今回の工事で交換して欲しいと依頼されることなりました…。
こちらはかつての浴室があった個所の解体状況です。竣工当初は在来工法での浴室だったものを、一度パンユニットの浴室にリフォームされていました。排水管から交換することになったので、オーダーユニット浴室の東京バススタイルの眞柄さんと和久田さんに現地に来て貰い、浴室リフォームの方法を検討致しました。
さすがこの道のプロのお二人で、現場でどんどんマーカーで工務店さんへの指示を書きこんでゆき、床段差のレベルや、天井高さの設定、給水・給湯管の位置、排水管のルートなどを決めていってくれました。
そうこうしている間にリビングの天井もほぼ解体され、メールでのやり取りで、新しい天井の形と照明のレイアウト計画も決めることができました。工事の流れを落さない形で、何とか上手くアドバイスして行ければと思っています。Hさまご夫妻、そして工務店の武田さん、どうぞこれからも宜しくお願いいたします!