Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

突板張りのダイニング空間

南平台N邸

昨年末にお施主様と一緒に選ばせ頂いた、アイリスローズの突板が現場に届き、ダイニングの壁に張られ始めました。

140215nanpeidai_tukiita-01

突板は高級な素材であるだけでなく、一度同じシリーズの板が無くなってしまうと、同じ木目の板を作るのは実際上不可能となってしまうので、現場には必要最低限の枚数しか届いておりません。

140215nanpeidai_tukiita-02

従って、取付けの大工さんはとても慎重になります。何度も壁に立て掛け(仮置き)ながら、寸法を確認してから、取付け作業に入ります。

140215nanpeidai_tukiita-03

板と板の間に目地を入れて収めるところもそれなりに難しいのですが、このスイッチボックス周りは、二枚の大判の板を目地なしで、継ぎ目が見えないように張りつける箇所なので、1時間以上掛けて、ちょっと削っては現場で合わせてを繰り返しながら取り付けてくれました。

140215nanpeidai_tukiita-04

こちらが出来上がった様子です。かなり木目がはっきりした、力強い木目板を選んだので、しっかりと存在感のある壁になりそうです。まだ、隠し釘やボックス周囲には板の小口が見えている状態ですが、検査前には塗装屋さんと補修屋さんに入って貰い、それらを全て隠して貰うことになっています。

140215nanpeidai_tukiita-06

その他の部分もどんどんハイペースで仕上がりつつあります。こちらはリビング側のテレビ収納ニッチです。下部に孔が空いている個所に、作り付けの家具を入れて、AV関係を背部で接続することになります。

140215nanpeidai_tukiita-07

エントランス正面の廊下部分で、カラーガラスを張る箇所の天井下地も、一部問題個所があったのですが、きちんと補修してくれていました。

140215nanpeidai_tukiita-08

こちらもカラーガラス用の見切りです。天井に張るのは黒色系、壁に張るのは灰色系と色味を微妙に違えているので、見切り材も焼き付け塗装色を変えてもらっています。

140215nanpeidai_tukiita-09

こちらは洗面・脱衣室とウォーク・スルー・クローゼットの間仕切りとなるガラス壁を固定するための埋め込みのアルミのチャンネルです。天井と壁の見切り縁と絡んでいるので、不思議な目地に見えますが、出来上がりはすっきりきれいに纏まるハズです。

140215nanpeidai_tukiita-10

こちらも細かい部分の造作ディテールです。大工の町永さんが苦労してくれた、リビングの斜め壁の幅木部分の収まりです。僕らも図面で書いていてもなかなか判らなかった箇所を、現地で当たりながら正確に作ってくれました。目地部分にスペーサーを入れているので、こちらも不思議な形に見えますが、すっきりきれいに収めてくれました。ありがとうございます。

140215nanpeidai_tukiita-11

かたや、洗面では壁の大理石張りが始まっていました。ケベックカルニコという灰色の大理石を横長にカットしてもらい、ランダムに積むデザインとしています。

140215nanpeidai_tukiita-12

目地なし(眠り目地)でレベルを取りながら、コンセントの穴加工を施しながら、丁寧に積んでいってくれています。こちらも地味な作業ですが、出来上がりが楽しみです。

140215nanpeidai_tukiita-05

本日は、今までの一番多くの職人さんが入ってくれた一日で、大きな部屋のあちこちで手順の打ち合わせ、デザインの確認がされていました。全体を纏めてくれている岩波さん、福井君には感謝です!

コの字型のオーダーキッチンの設置

南青山Y邸

南青山Y邸の一番のコダワリでもあるキッチンの設置工事が始まっていました。

140215minamiaoyama_kitchen-03

と言っても、前日から組立が始まっていたので、カウンターから下のキャビネットはほぼ組み上がっておりました。僕らのデザインでは珍しいコの字型のキッチンです。

140215minamiaoyama_kitchen-02

なぜコの字型が少ないかと言うと、カウンター下のコーナー部分の収納に無駄な部分を出易いので、あまりご提案してこなかったからなのです。

140215minamiaoyama_kitchen-04

ただ、今回はコの字にしても、キャビネット寸法やダイニングとのレイアウト上の絡みで、無駄になる部分を極小まで少なくすることが出来そうだったので、お勧めすることになりました。この写真の中央左奥が無駄になりやすい部分なのですが、ドイツの金物メーカー、ハーフェレ社のコーナー金物を使うことで有効に使えそうです。

140215minamiaoyama_kitchen-01

もう一つのコーナー部分は、ダイニング側から使える引き出しとすることになっています。ほぼ全容が見えてきたキッチンです。コの字型に巡らされたクオーツエンジニアドストーンが硬質感を醸し出していますね。

140215minamiaoyama_kitchen-06

こちらは組み上がったキッチンで、食器拭きを掛ける金物の高さを検討している様子です。キッチンだけでなく、リフォーム全体の工事を請け負ってもらったリブコンテンツの担当の石井さんとお施主さまと一緒に使い勝手をあれこれ検討しながら決めて行きました。

140215minamiaoyama_kitchen-05

こちらはキッチン奥のパントリーです。職人さんが働いている部分に冷蔵庫が入り、その奥にはやはりハーフェレ社の金物を使った大容量のパントリー引き出しが設置されています。

140215minamiaoyama_kitchen-08

こちらはリビングの窓側の壁です。壁背面にある部屋をしばらく子ども部屋として活用することになっているので、窓際に引き戸を設けてもらっています。

140215minamiaoyama_kitchen-09

フローリング床もきれいに繋がって、ようやく歩き始めたばかりの息子さんが行き来する姿が想像できます。

140215minamiaoyama_kitchen-07

最後に、空間の仕上げの色の最終確認をいたしました。フローリングとキッチンの色に合わせて、ウォールナット貼りの腰板、アクセントとなる壁の色、その他の壁と天井の色を決定することができました。

140215minamiaoyama_kitchen-10

こちらは翌日に石井さんに送って貰ったキッチン写真です。ウォールナットの突板扉、吊り戸棚、灰色の塗装パネルもきれいに設置できたようで、ホッといたしました。

建築家が願いを叶えるマンションリノベーション本

世田谷区N邸

今月出版になった「新築を超える‐建築家が願いを叶えるマンション・リノベーション」(マガジンランド社)に僕らの事務所の2つのプロジェクトが掲載されました。

140207kenchikuka_renovation-1

表紙の右下の写真にも載っているのも神戸M邸です。

140207kenchikuka_renovation-2

こちらが神戸M邸の紹介ページです。今回は他の建築家のリノベーションプロジェクトを含めて、全部で17事例が掲載されていますが、このプロジェクトが最多のページ数の6ページを割いて紹介して貰っています!

140207kenchikuka_renovation-3

こちらは世田谷区N邸で、「洗面面下のある家」として紹介されています。全て写真は、こちらで撮影したものを提供しておりますが、ホームページでは使っていない未公開(?)の写真もあります。

140207kenchikuka_renovation-4

また、世田谷のお施主さまの貴重なインタビューも掲載して貰っています。NENGOプロデュースで、どのように僕らを見付けてくださったかからの興味深いエピソードも紹介されております。
当初からこの企画をご相談して下さったマガジンランドの太田さん、そして何より掲載にご協力くださったMさま、Nさま、どうもありがとうございました!