Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

フローリング・折り上げ天井・枠造作

白金N邸

白金N邸のフローリングは、僕らが一番よく使う、スカンジナビアン・リビングのフローリングを採用しています。

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オーク(ナラ材)のワイド巾のフローリングを白い塗装で拭き取り仕上げにしたオーク・ワイドプランク・ホワイトオイル仕上げですが、とにかく色々な色味や素材に対して包容力があり、かつ上品で癖がないので愛用しています。

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三層フローリングで、床暖にも対応し、形状も製品の安定度も高く、どの大工さんも張りやすいフローリングだと褒めてくれます。ある程度の広さがないと、その良さが伝わりにくい製品ですが、LDと前室、玄関ホールと廊下で120平米ほどある白金N邸なので、必ずその良さが判って貰えるハズです!

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リビングとダイニングの天井の折り上げ造作、そして読書コーナーも枠組みが作られ始めています。

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折り上げ部分は、以前より縮めて、リビング空間の中央に折り上げ部分が来るように調整しています。平らな折り上げ部分には、木製の格子が入る予定です。

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リビングから前室を抜けてダイニングを見たアングルです。全長で18mもある長い空間は、日本の住宅ではなかなか見られないスケール感になるのではないでしょうか。

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ダイニング側から同じ部分を見返した写真です。ダイニング・前室・リビング、廊下+玄関ホールは全て壁の塗装色を変えるので、それぞれの空間を分節化するための枠が造作されています。ニューヨークでの修業時代の設計事務所では、良くVestibule(ベスティビュール)という部屋名(空間名?)を使いましたが、その時は意味も使い勝手もよく判っていませんでしたが、この空間がそれに当るのではないかと今更ながら思っています。

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こちらはダイニングの丸形の折り上げ天井の下地組みです。エアコンの吹き出し口があるので、その部分だけは直線となりますが、他は全て円形に周って、アゴ部分にLEDの間接照明を組み込みます。

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丸形に組むのは相当大変だそうです、ベテラン大工の町永さんが工夫してくれています。

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玄関ホールとプライベート廊下は引き違い扉で仕切られることになっており、その枠を壁のパネルと合せるために、大工さんと建具屋さんには細かいディテールに対応して貰っています。

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天井部分はボードと面になるように埋め込んでもらい、パネルと横となりに並ぶ部分は八掛のような仕様で、竪框とコーナーに仕上げ、壁パネルと建具をゾロで見せるようなデザインとなっています(言葉で説明しても、全く伝わないと思われますが…)。
フローリングが張られ、折り上げ天井の姿が見えてきて、枠造作で空間が分節化され、ようやく空間の素形が感じられるようになってきました。

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因みに、温水床暖房が入っている床下地にフローリングを張る場合は、床暖房部分には釘が打てません。大工の町永さんたちは、この左右の写真のように、下地ベニヤにどの位置に床暖房の配管が通っているかを鉛筆で描きながら、釘打ち箇所を決めていました。床暖法の新設時の場合は、ガイドがついているので、それに従えば簡単なのですが、本当にお疲れ様です!

 

竣工パーティー&取材@世田谷区N邸リノベーション

世田谷区N邸

今年の2月に竣工お引渡しをした世田谷N邸 お施主さまから、家具がようやく揃ってきたとのことで、竣工記念パーティーのお誘いを頂きました。

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ちょうど良いタイミングでしたので、以前からインタ ビュー依頼のあった建築家リノベーション本の取材と撮影も兼ねて、出版社の太田さんにも同席して頂きました。

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家具はN夫妻が以前から気にいっていたというTRUCKの家具で、わざわざ日帰りで大阪まで行って、実物を確認してからご購入なさったそうです。ポーターズペイントでしっとりと仕上げったお宅にちょうど良い具合にフィットしていました。

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打ち合わせをしていた頃は、まだ赤ちゃんだったAちゃんも2歳で、取材最中も賑やかに歌を歌ってくれて、とても可愛らしく育っていました。インタビューでは、マンションリノベーションにおける建築家の役割について、ほめ殺し(?)と思えるほど、僕らの存在を肯定的にお話しくださり、建築家冥利のひと時でした。

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設計の僕らが一番気に入っている通り抜け型の洗面所は、N夫妻も使いやすいとのことで、秘密の収納も少しだけ開いてくださいました。

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夫婦共働きでお忙しいNさま夫妻が、竣工祝いの為に作って下さった美味しい料理の数々です!キャンプ料理で手慣れたローストビーフはもちろん、秋刀魚のカナッペや、アツアツのポテトグラタン、キノコのマリネも本当に美味しかったです。

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食後に皆での記念撮影です。このプロジェクトの設計担当をしてくれた、元スタッフの渡辺さんも来てくれて、賑やかで楽しく、そしてとても嬉しい竣工記念パーティーでした。美味しく豪勢な食事でご歓待して下さったNさま、奥さま、そしてすっかり成長したAちゃん、どうもありがとうございました!
以下、今回撮影した家具入りの竣工写真を幾つかご紹介しておきます。
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コーナーからリビングとダイニングをワンショットで撮影した写真です。ダイニングセットとリビングセットを置いても手前にオープンスペースがある、余裕の広さが魅力です。

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ダイニングのペンダント照明はルイスポールセンのPH50のグリーン仕様でした。Nさまのお兄様からのプレゼントだそうです。

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珍しい紫色に塗装した主寝室です。ベッドの濃い木目のフレームと、茶色のベッドカバーに紫が調和して、思っていた以上に落ち着く空間となっていました。

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リビングダイニングの一角に作ったベンチコーナーも、下部にはAちゃんのおもちゃがしまわれていました。小さな椅子に座れば机となってお絵かきに役立ち、上に登ったり座ったりと遊びにも使えて便利だと褒めて頂きました。

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ウォールナット張りのニッチもしっとりと落ち着いた雰囲気になっていました。プランタを吊るし、アマダナのスタイリッシュなウォーターサーバーが置かれて、お洒落なカフェのコーナーのようでした。

新築マンションリノベーションプロジェクト六本木N邸

六本木N邸

新しいプロジェクトがスタートします。六本木の新築マンションリノベーションN邸です。183平米の大型新築マンションを洋服と本を沢山お持ちのお二人の為に全面リノベーションする計画を練ってゆくことになりました。

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ウェブマガジン家の時間の連載コラム「建築家リフォーム」 を奥さまが目に留めてくださったそうで、新築マンションでもリノベーションが可能かのご連絡を頂きました。

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新築マンションの難しさは、「まだ新しい設備や建材を、(自分のわがままの為に)一度も使っていないのに壊せるか」という心理的なバリアにどう対処するかだと思っていますが、Nさまご夫妻は、これまで自分たちが住みたくなるようなマンション物件をずっと探してきた結果、この新築マンションにたどり着いたとのことで、中古でなかったのは仕方がないが、壊さないと希望の間取りにできないことは判って購入しているので、その問題はないとのことでした。
写真の大型キッチンは、完全にリビングダイニングからオープンで、閉じたクローズド・キッチンがお好きな奥さまが、このままでは困ってしまう事は良く判りました。

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高級マンションらしくツインシンクがついた洗面所ですが、実測してみると、カウンターの奥行きが狭く、メディスン・キャビネットの収納量も少なく、何よりお二人がそれぞれ別の洗面所と浴室(奥さま用)とシャワー(ご主人用)を使いたとのご要望には、全く則していませんでした。

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最初に掲載したリフォーム平面図案は、実はお施主さまのご要望を伺っていない段階で、自分の妄想(?)で作ってみた間取り図です。最初にご要望を聞いてからプランを練り出すより、スムーズにリフォーム設計案が作れるので、この頃よく使っている変則的な手法です。現地を調査させて頂きながら、まずこのプランをお見せして、リフォームにどのような可能性があるマンションなのかをご説明させて頂きました。
結果、お二人が想像していた以上の可能性がありそうだとのことで、これから先打合 せを重ねて、プランも練ってゆくことになりました。

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貰っていた間取り図では判らない個所も多かったので、打合せのあとに鍵をお借りして、スタッフの竹田さんと居残って、実測調査をさせて頂きました。
予算もこちらがご提示し程度の費用は確保してくださるそうで、またスケジュール的には余裕を持って考えてくださるとのこと、とても楽しく、ワクワクするプロジェクトになりそうです。Nさまご夫妻、どうぞこれからもよろしくお願いいたします!(家の時間の連載記事、ここまで44回頑張ってきたかいがありました…)

完成後の六本木N邸リノベーションの様子もどうぞご覧ください。