Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

工事契約&近隣挨拶

田園調布F邸

田園調布F邸の工事契約で、参創ハウテックの清水社長、小園さん、共同設計者の中西ヒロツグさんと一緒にF邸の現地に伺って参りました。

リフォーム工事契約締結

まずは、机やイスがないリビングで、皆車座になって無事契約を結ばせて頂きました。この後に行う近隣挨拶のやり方や、リフォーム工事着工式の打ち合わせを行いました。

近隣挨拶

契約後は、近隣挨拶でした。敷地が隣接している6軒、そして道を挟んではす向かいの3軒にご挨拶に伺って参りました。さすが田園調布、豪邸ばかりで、ベルを押してからまずお手伝いさんに挨拶を通し、その後5分ほどしてやっとお住まいの家主の方にご挨拶ができるといった具合でした。皆さま、お互い様だと快く了解してくださいました。

近隣挨拶後に、皆で記念写真です。左から中西さん、お施主様のFさまとS君と奥さま、各務と参創の小園さんです。いよいよ来週から解体工事開始となります。皆さま、どうぞ宜しくお願いいたします。

木造軸組模型

法政大学 構法スタジオ

今週の法政大学デザイン工学部建築学科の授業では、学生に自分たちが考えた建物の軸組模型を作って貰いました。

木造軸組模型とは、外壁や内部の仕上を始める前の木造の構造材だけで作った模型です。屋根の形にバリエーションがあり、更に構造も登り梁や束立ての伝統工法まであり、学生が色々な構造・作り方にチャレンジしてくれて、とても活気がある授業になっています。

軸組模型の発表と批評を終えた後には、4号建築物の4分割法の壁量計算に実際にチャレンジして貰いました。皆、電卓片手に、奮闘中の様子です。

木造軸組み模型

上は、一味変わったプランと屋根構造にチャレンジしてくれているS君の模型、下はオーソドックスな和小屋をきちんと作り込んでくれたSさんの模型です。

引き戸建具の吊り込み@高輪I邸

高輪I邸

先週に造作家具が入った高輪I邸に、建具が吊り込まれました。全部で9本ある室内建具の内、来客用トイレを除く8本が吊戸になっており、そのうち6本が引き込み戸になっています。

引き込み戸の吊り込み

ギチギチの寸法の扉を建具屋さんが軽快の調整しながら吊り込んでくれている様子です。左から順番に、まず引き込まれる側の吊金物に扉を吊り、ゆっくり戸袋に扉を押し込んでゆきます。戸先側の金物に吊り込んで、仮吊り込みが完了です。この後、戸当たりや引き込んだ際の壁との面調整を行って、金物を締めこんで完成となります。

引手用特注金物

引き込み戸は、戸袋に引き込まれた所から、引っ張り出す必要があるので、自分でデザインした特注金物を差し込んでもらっています。扉の小口部分が細くなっているので、指で引きだすことができるのがアイデアです。以前、白金台S邸リノベーションで考えたデザインですが、それ以来、青の片岡社長の協力と細かい工夫をこらし、少しずつバージョンアップしてきたオリジナルディテールです。

玄関の網戸も取付けられました。南側の間口が広いマンションですが、北側に窓がないが問題点でした。玄関に網戸を付けることで、ロックを掛けながら一部玄関扉を開けて、この網戸を閉めると、とても良い風が室内をサァーと通り抜けてくれます。ちょっと北欧風に、十字の桟をデザインしてみました。

室内障子

一段上がった寝室とリビングを仕切る障子も付けて貰いました。障子というとどうしても日本風になってしまいがちですが、太い横桟と細い桟を交互に配することで、洋風にもモダンにも見えるデザインとしています。和紙の代わりに破れないワーロン紙を貼り、一部が引き手になるように掘り込みを作っています。

木製建具だけでなく、ベランダの機械室のステンレス扉も、新しい給湯器用に下部にスリット、上部に排熱用の孔を加工をして、吊り込んでもらっています。この扉は外部に面した鋼製建具なので、一応マンション管理組合に加工申請をして許可して貰っています。
建具が吊り込まれたことで、一気に室内空間が完成に向けて仕上がってきた感があります。後は器具取付けと動作確認、そして設計・施主検査を残すのみとなりました。