先週に造作家具が入った高輪I邸に、建具が吊り込まれました。全部で9本ある室内建具の内、来客用トイレを除く8本が吊戸になっており、そのうち6本が引き込み戸になっています。
ギチギチの寸法の扉を建具屋さんが軽快の調整しながら吊り込んでくれている様子です。左から順番に、まず引き込まれる側の吊金物に扉を吊り、ゆっくり戸袋に扉を押し込んでゆきます。戸先側の金物に吊り込んで、仮吊り込みが完了です。この後、戸当たりや引き込んだ際の壁との面調整を行って、金物を締めこんで完成となります。
引き込み戸は、戸袋に引き込まれた所から、引っ張り出す必要があるので、自分でデザインした特注金物を差し込んでもらっています。扉の小口部分が細くなっているので、指で引きだすことができるのがアイデアです。以前、白金台S邸リノベーションで考えたデザインですが、それ以来、青の片岡社長の協力と細かい工夫をこらし、少しずつバージョンアップしてきたオリジナルディテールです。
玄関の網戸も取付けられました。南側の間口が広いマンションですが、北側に窓がないが問題点でした。玄関に網戸を付けることで、ロックを掛けながら一部玄関扉を開けて、この網戸を閉めると、とても良い風が室内をサァーと通り抜けてくれます。ちょっと北欧風に、十字の桟をデザインしてみました。
一段上がった寝室とリビングを仕切る障子も付けて貰いました。障子というとどうしても日本風になってしまいがちですが、太い横桟と細い桟を交互に配することで、洋風にもモダンにも見えるデザインとしています。和紙の代わりに破れないワーロン紙を貼り、一部が引き手になるように掘り込みを作っています。
木製建具だけでなく、ベランダの機械室のステンレス扉も、新しい給湯器用に下部にスリット、上部に排熱用の孔を加工をして、吊り込んでもらっています。この扉は外部に面した鋼製建具なので、一応マンション管理組合に加工申請をして許可して貰っています。
建具が吊り込まれたことで、一気に室内空間が完成に向けて仕上がってきた感があります。後は器具取付けと動作確認、そして設計・施主検査を残すのみとなりました。