Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

特注書斎机の組み立て

六本木T邸

六本木T邸の書斎に特注でオーダーした机が組み立てられました。幾つもの部材に分かれているので、その組み立ての様子を紹介します。

逆さまになっていますが、こちらが机の天板です。二台のコンピューターが使いながら三人程度の打合せをしたいとの、お施主様のご要望を叶えるために考えた形状です。組み立て用の穴が処々に空いています。

机の強度を保つには、天板にある程度の厚みが必要ですが、それだと見た目のシャープさが失われてしまうので、写真のように端部に向かってテーパーを切って、リビング側から見たときには薄く見えるようにディテールを考えています。 因みに右上に空いている四角い穴は、コンピューター用電源コード等を通す孔です。

 

組み立て手順は、まず裏返しのまま側板を立てるところから始まります。三角に見える部材は、角度の折れ目を調整する材料です。

 

三枚の側板が立ち上がったところで、それらを繋ぐ鉄製のプレートを取り付けます。二枚のプレートは、それぞれ側板に対して斜めに振れているので、ビスを使って固定する作業も大変そうでした。

二枚の鉄プレートが固定された真ん中の側板の詳細です。ここら辺りのディテールは、2か月前の打合せで決めた通りに作られています。床の不陸に対応するように、可動ねじを埋め込んであります。


組み立て後に逆転させて、正しい向きに設置された机を低いアングルから眺めた写真です。テーパーを取った天板端部のシャープさや、斜めに立てられたスチール板の美しさが見えるのではないでしょうか?

こちらが組み立て後の様子です。背部に造作家具と同じウォールナット材を基調とし、補強を兼ねた鉄材とテーブル面のメラミンを組み合わせた複雑な形状の机の完成です。以前の記事で紹介した模型と同じものになっています。オーダー家具屋YPOの廣瀬さんたちが組み立ててくれました。 搬入で30分、組み立てで2時間半、合計3時間の労作でした。どうもお疲れ様でした!

川崎K邸 震災破損部分のチェック

川崎K邸

先月の大震災でリフォームした幾つかの個所が破損したとのご連絡を頂いていた川崎K邸に伺って参りました。

大震災でのリフォーム破損

写真は、一番被害が大きかった給湯器を隠していた縦型ブラインドの破損部分です。

こちらが壊れた部分を見上げた写真です。地震でどのような力が働いたのか判りませんが、開口枠が割れて、ブラインド枠のレールもねじれていました。

他は、珪藻土と突板張りの天井とのコーナーにヒビが周っていました。当時リフォーム工事をお願いしていた鎌倉の工務店アライフの新井社長、事務所で担当してくれたスタッフの岸本さんと一緒に伺ったので、早速補修方法を一緒に考えたうえで、見積りをお願いしてきました。久しぶりの川崎K邸は、家具のレイアウトが変わっていましたが、とてもきれいにお住まいで嬉しかったです。Kさま、美味しいお茶とお菓子、どうも御馳走様でした!

フィルム張り、テレビセッティングのち設計検査

六本木T邸

2月初頭からリノベーション工事が始まった六本木T邸もほぼ工事が終わり、設計検査に行って参りました。工事最終段階は、ほぼ毎日現場を見ているので、機能的なことはほとんど問題なく、塗装抜けやヨゴレ・キズを中心に見てきました。

設計検査メモ

こちらは検査内容をチェックしたメモです。メモの中で「なみだ」とあるのは、造作家具の扉を開けた際に、何かぶつかってしまう個所に貼る、クリアバンパー(戸当たりクッション:略称ナミダ目)の事です。チェック内容を現場監督の寺井さんと照合して、お引渡しまでに直してもらうことになります。

ガス検知器チェック

同時にガス感知器やインターホンのテストも行っています。ポケット型のガス噴霧器で検知器の感度をチェックしている様子です。

フィルム張り工事

外壁に面した窓には、隣棟からの視線が気になる箇所は視界制御フィルムを、関係ない個所には紫外線防御フィルムを貼って貰っています。視界制御フィルムは非常に高価な物なので、二人掛りでとても慎重な作業でした。右の職人さんの足元にあるポンプには、界面活性剤(石鹸)入りの水が入っており、それを窓ガラスとフィルムに吹掛けながらの作業です。

壁掛けテレビのセッティング

こちらは、本日お施主様のお宅に伺って受け取ってきた液晶テレビをセッティングしている様子です。引っ掛ける仕掛けを理解したうえで、マスキングテープでテレビ設置位置を確認の上、まず取付け金具をビスで固定します。

壁掛けテレビ設置

取付け後の様子です。ケーブルを背面の穴から通しながらの作業で、大人4人掛りで2時間ほどの大作業でした。辰の畠中さん、電気屋の金沢さん、設備屋の大駅さん、造作家具屋の森村さん、どうもお疲れ様でした。

帰る際の六本木ヒルズレジデンス裏の桜坂では、終わりかけの桜がここぞとばかりに咲き乱れていました。