Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

マンションリフォームの監理のコツ

白金台S邸

以前から何度か掲載していただいた、リフォーム業界唯一の新聞社、リフォーム産業新聞の取材を受けました。今回掲載していただく予定の記事は、新聞の名物コーナー「ザ・クラフトマン」になりそうだとのことです。

通常は、現場の管理をするプロの活躍ぶりや、現場管理のコツ・秘訣などを聞くコーナーだそうです。私、各務(カガミ)の場合、リフォームはあくまでも設計で、施工側ではありませんので、設計側の監理となります。

同じ読み方「カンリ」でも、管理(通称:クダカン)と監理(通称:サラカン)は違う作業を示します。

管理は、施工側が施工の品質や、現場の安全性を監督する作業を指すのに対し、
監理は、設計側が設計図通りの施工がなされているかを監督する作業を指します。

今回の取材では、これまでの幾多のマンションリフォームの設計・監理で培った経験を、お話しました。幾つかのポイントを紹介すると、

  • お施主さまを上手に工事にまきこむこと(お施主様に上手く関与して貰うこと)
  • マンションの管理会社、管理事務所と仲良くすること、
  • 廃材を少なくして、既存部品を上手く転用すること、

更に、近隣との関係のこと、職人と設計者の関係のこと、などなど、多岐にわたる内容をお話いたしました。8月18日に発売されるリフォーム産業新聞に掲載される予定だそうです。どうぞお楽しみに。
因みに二枚目の写真は、キッチンキャビネットの組み立て中です。

オーダーキッチンとシステムキッチンの違い?

白金台S邸

マンションリノベーションの工事進行状況ですが、現在オーダーキッチンの組み立て中です。オーダーキッチンとシステムキッチンは、よく混同されることがありますので、その違いを、設計者の視点でまとめて見ました。以下、オーダーキッチンの特徴です。

・扉材とカウンター材をあらゆる素材から選ぶことができる
(システムの場合、決まった選択肢の中から選びます)

・金物、金具、装置類を多様なカタログから探すことができる
(システムの場合、そのメーカーが指定したものから選びます)

・クライアントの好みで、ありとあらゆる組み合わせができる
(システムの場合、提示されたユニットの組み合わせとなります)

・ミリ単位で寸法の指定ができる
(システムの場合は3〜5センチ単位で決めることになります)

・照明器具の組み込みや、建具との連動など、デザインの自由性がある
(システムの場合、特注変更の自由度はあまりありません)

・選択肢の豊富さや、デザイン性のバラエティーがあるため、時間と費用がかかる
(システムの場合は、カタログから選ぶので、時間はそれほど掛かりません、但し、費用はメーカーによってマチマチです)

オーダーキッチンの組み立て

システムキッチンも、各メーカーが競ってユニークなデザインや独特の機能を開発しているので、最近はオーダーキッチンなみの自由なデザインを実現しているものもあります。また、オーダーの場合、金物類は選べると書きましたが、あるシステムメーカーが開発した金物や装置類は、使えないケースがほとんどです。
今回の白金台の高級マンションリノベーション計画では、オーダーキッチンを選択しました。その理由は以下の通りです。

  • 扉の面材をリビングダイニングのデザインに合わせたかったから
  • リフォームで平面の寸法や天井高さから、通常のシステムキッチンが使いにくかったから
  • 使い勝手と同様、デザイン性をきちんとコントロールしたかったから

特にキッチンの引き戸を開けた際、ダイニングと直に空間が繋がり、ダイニングやリビングの家具や建具で使っている面材と同時に見えてくるシーンが多いことが、一番の理由です。

既存の壁を解体した時点で、下地や配管をチェックしてもらい、更にリフォームの壁を立てた時点で、詳細な寸法確認をしてもらい、それらを基にした製作図面を設計側でチェックし、ようやく製作が開始され、現在の現場での組み立てに至るという長い道のりです。一昨日からキッチンの搬入が始まり、約四日のスケジュールで組み立ててゆくことになります。

キッチンリフォーム ビフォーアフター

キッチン完成後の様子はこちらをご覧ください。

家庭画報に掲載されました 箱根別荘リフォーム-13

箱根C別荘

世界文化社が発行する、高級女性月刊誌、「家庭画報」に箱根C別荘が掲載されました。掲載して貰った特集は、家づくりの新しい基準として、「スタイリッシュな「エコ」住宅に暮らす」というタイトルの特集です。ハイブリッドカーや太陽電池の隆盛、地球温暖化の問題を考えると、エコロジーに配慮しなければいけないことは判る。でも、エコな住宅はそれらしい雰囲気ばかりが漂い、美しさや、楽しさが感じられない。そんな人たち向けに、家庭画報が考えたのが、このスタイリッシュな「エコ」住宅という提案だそうです。

箱根C別荘@糧画法

この特集では、トップバッターとして紹介してもらいました。そもそもリフォームは、「今あるものを生かし長く使うことは、それだけでエコである」と考えられるので、この箱根C別荘が取り上げられたそうです。新しい設備機器で、化石燃料を使うのではなく、床・壁・天井の断熱をしっかりして、薪ストーブだけで暖房をするという考え方や、より長く使うために、飽きのこないデザインをし、段階的に手を入れてゆく余地を残すという考えが、「エコ」でありながら、美しく、心地よい暮らしを保証することになるのではと紹介してくれました。

リフォームのエキスパート、建築家の各務謙司と紹介されてしまい、少し面映い感じが致しますが、生活感がありながら、とても美しく仕上がった写真と、エコに関する情報が他にも満載されていますので、どうぞ本屋で手にとってご覧ください。