Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

造作家具-1 リビングのロングカウーンター

白金台S邸

白金台のマンションリノベーション現場に、造作家具(作り付け家具)が据え付けら始めました。約50平米(30畳)の広さがある”リビングダイニング”ですが、その東側の壁に、ロングカウンターが据え付けられました。

作り付け家具の設置

このロングカウンター家具は、甲板(カウンター材)、”扉仕上げ材”ともに、床のフローリングと同材のナラ材を使っています。甲板には、約3ミリの厚さの無垢材を突いてもらった、特注の板を使っています。仕上げは、オイル仕上げかウレタン仕上げか随分迷いました。

オイル仕上げは、しっとりと仕上がり、無垢材の厚みと重みが引き立ちますが、仕上がり感が乏しいという問題があります。ウレタン仕上げは、きれいに仕上がりますが、無垢材の上に塗膜を作ってしまうので、折角の質感が表現できません。

色々調べたところ、両者の良さをイイトコ取りした、オイルフィニッシュ用ウレタンオイルというものが見付ったので、サンプルを作って確認したうえで、この仕上げ材を使って貰いました。

このカウンターは長さが約7mもあります。ダイニングに掛かった左から

  1. 漆器や壺などの収納棚
  2. 陶器の収納引出し×3
  3. 予備収納
  4. ステレオ、DVD等のAV機器
  5. DVDやCDのストック棚
  6. ゴミ箱や雑誌などを積んでおくオープン棚

として使う予定なので、各用途に合わせて、スライド丁番や三段引き出しレール、スゥィング金具などを使って、使い勝手をデザインいたしました。だっだ広い部屋のように感じていましたが、このロングカウンターが取り付いたことで、スケール感が生まれてきました。

どのように家具をレイアウトするかも、より具体的に考えられるようになりました。

壁の羽目板張り

伊豆OK別荘

伊東にある中古別荘の工事現場の報告です。本日も笠原君が一人で現場を確認してきてくれました。
この別荘リフォームでは、インテリアに羽目板を採用しています。羽目板(ハメイタと読みます)とは、壁面に木の板をつなげて張ったもの、あるいはその材料のことをいいます。縦に張るか、横に張るかで見栄えが異なり、材料の色見やフシのあるなしでも大きく違い、さらに接続部である実(サネ)の形状によっても、見た目がガラリと変わってくるので、張り方の仕様も重要なポイントです。

レッドシダーの羽目板

今回は、羽目板としてウェスタンレッドシダーを採用しています。これまでも、箱根C別荘リフォームでも使ったことがありますが、比較的フシが少なく、色のムラも少なく素直な材料なので気に入っています。今回は特注品で、羽目と羽目の接合部の溝の大きさが最小になるように、面取りの寸法を極小にしてもらっています。
張り方に関しても、普通であればはきちんと枠を廻してその中にレッドシダーを張ってもらうのですが、今回は周囲の枠をなくして、レッドシダーの小口を見せるデザインとしています。

羽目板の小口納まり

この写真をよく見てもらえると、右側表面に張ってあるレッドシダーの小口が見えてくると思います。枠なしなので、開口の上部をどう納めるかも、笠原君に、十分に検討してもらいました。大工さんたちにとっては、逃げのない、大変な納まりだと思いますが、その分シンプルできれいなディティールになってくれるハズです。

ショールーム見学-7 カーテン

白金台S邸

現在工事進行中の、マンションリノベーション、白金台S邸のカーテン・ファブリック類を検討中です。先回のコラムでも書きましたが、部屋のインテリアをしつらえとして捉えると、カーテンやケースメント(レースのカーテン)、それにラグ(床敷物)といったファブリック類は、建築工事の床・壁・天井と同等の重要なアイテムです。

特に寝室やサイズが”コンパクトな部屋”では、直接肌に触る可能性のあるファブリックの重要度は増してきます。色や光沢と言った見た目だけでなく、肌触りや耐久性を確認して、さらに大きな布地で部屋をイメージしてもらうには、ショールームに行くしか方法がありません。

部屋の建築的要素(床材や壁の色サンプル、造作家具の色見)を机に並べ、その上に候補となるカーテンをかざし、図面で部屋の大きさや使い勝手を説明して、お施主様にインテリアの様子をイメージして貰いながら、色々なお話をしました。

カーテンのショールームも沢山ありますが、カガミ建築計画好みで、これまでも幾度か採用したことがある、川島織物セルコンにお邪魔してきました。今回は、カーテン・ケースメントは川島織物で、ブラインド類はハンターダグラスでお願いしようと考えています。