Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ロフト床下地と先行配管

伊豆OK別荘

伊豆半島の別荘リフォームの現場情況です。遠隔地での工事なので、工事をお願いしている現地の工務店に、隔日で工事情況写真を送ってもらっています。当初の設計では、ロフトはお孫さんたちの寝室としていましたが、お施主様との打合せや、工事金額調整の中で、サイズをコンパクトにして、子どもたちの隠れ場所、遊び場としての性格を強くすることとなりました。構造的にも無理のかからない範囲に縮小されたので、ロフト下地の作成も随分楽になったようです。

ロフトの床下地

新しく建てた柱間に大引きを差し込んで、そこに掘り込みの根太を通した上に、構造用合板を留めています。小さなロフトですが、吹き抜けが覗ける小窓やのぼり棒などの細かい工夫も考えているので、きっとお孫さんたちも喜んでくれるでしょう。壁の位置が決まった時点で、大工工事と同時進行で、電気工事の配線や、水道屋さんの配管工事が進んできました。コンクリートのピロティー形式の別荘なので、床下には、比較的大きな空間があり、その部分を使って、配線・配管を廻しています。

こちらのの写真は、キッチン周りの床の情況です。赤いジャバラ管が何本も床から顔を出していますが、これらは電気の配線を通すCD管です。CD管とはCombined Duct(コンバインド・ダクト)の略称で、合成樹脂製の比較的自由に曲がるパイプです。この中に電線等を通すことで、電線をカバーすることができ、更に後日交換することがあっても、容易に取替え工事が可能となるスグレモノです。
これらの工事中写真を見ながら、毎日現場と電話で話をして、情況の確認や指示を行っています。

箱根C別荘のロケハン 箱根別荘リフォーム-11

箱根C別荘

家庭画報に箱根C別荘が掲載されることが(ほぼ?)決まり、そのロケハンで箱根に出掛けて参りました。今回の取材の紹介をしてくださった編集者の浦田さんと、二人で箱根への日帰り旅行です。ロケハン(ロケーションハンティングの略)とは、映画やテレビの撮影の下調べで、脚本や絵コンテに合うイメージのロケ地を探すことを指します。
今回のような雑誌のインテイリア記事のロケハンという場合は、

  • 竣工後どのように使われているのか
  • 家具・インテリアの様子の下見
  • どのようなアングルで撮影するか

の調査等となります。

箱根別荘のロケハン

お施主様から事前に鍵を借りて、撮影予定の時間とほぼ同じタイミングを見計らって、現地に行ってきました。完成・お引渡し後約半年経ったC別荘ですが、とてもきれいに使ってくださっていました。家具やインテリアの備品を揃える時間がなかったそうですが、未完成だったパントリーは、お施主様DIYの棚が出来上がっており、豊富な食材が飾られて、とても美味しそうな雰囲気になっていました。また、キッチン周りにも、新しい調味料入れや、可愛らしい小道具が揃ってきており、いかにも料理をしたくなる空間演出がなされていました。

パントリー

建築家としての設計意図を浦田さんに説明しながら、現場で一時間ほどロケハンを行い、多少のレイアウト変更や、インテリア家具・小物の追加で、撮影が出来そうだとの、浦田さんのOKサインをもらえました。

昨日の雷雨がウソのようで、快晴に恵まれた箱根は、新緑が美しく、爽やかな空気も美味しく、思わず深呼吸してしまいました。快く鍵を貸してくださったCさま、そしてわざわざ遠くまでロケハンに来てくれた浦田さん、どうもありがとうございました。そして数日後の取材・撮影、どうぞ宜しくお願いいたします。 左の写真の人物が浦田さんです。ロケハンお手上げのポーズではありません(笑)

マンションリノベーション 墨出し

白金台S邸

港区白金台のマンションリノベーション・プロジェクトでは解体工事も無事終了し、墨出しの確認のため、現場に行って参りました。墨出しとは、建築工事の用語で、「壁及び床下地工事(木工事またはLGS工事)を始める前に、柱の中心線や床・壁の仕上げ面の位置など、工事の基準となる線を現場に記す作業」のことです。

マンションリフォーム 墨出し

リフォーム工事の場合は解体後に、躯体の寸法やカネ(直角かどうか)、レベル(水平の具合)を確認しながら、床下地の上に、新しい壁や造作家具、建具の位置を墨で直接描いてゆく作業となります。

さすが築5年で大手スーパーゼネコンが施工した高級マンション、カネ(コーナーの直角)もレベルもきっちりと出ており、管理組合で見させてもらった竣工時の図面や事前測量から推定していた寸法にも、大きな違いがありませんでした。

施工側が事前に記してくれた墨の位置を確認し、図面と比較しながら、微調整してゆきます。いくらカネが出ているとはいえ、細かい箇所では、何を基準にして寸法を調節してもらうかは、設計者の判断となります。建具の大きさから、搬入される家具のサイズまで勘案して、墨の位置を確定してゆきました。
リフォーム墨だし
左側写真の手前に、黒で床に書かれている線が墨です。

  • ○が付いている線が確定した墨で、×がついている線が、訂正された墨です。
  • これで、壁や柱の位置が確定されたので、

次のステップは、家具屋やキッチン屋と一緒に寸法の確認と、建築工事との取り合いを相談することになります。