Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

鋼製特注扉吊り込み@港区R邸

港区R邸

特注の造作家具が取り付けられている最中の港区R邸の現場に、特注でお願いしている鋼製サッシ(スチール製の扉)が吊り込まれるとの連絡があり、急いで現場に行って参りました。

廊下からリビングへの鋼製建具吊り込み@高級マンションリノベーション

ちょうどよいタイミングで、鋼製建具の吊り込みが始まったところでした。鏡板(隙間の面材)やガラスが入っていない状態ですが、それでも十分に重たい扉なので、3人掛かりでゆっくりと吊り込んでゆきます。

廊下からリビングへの鋼製建具吊り込み@高級マンションリノベーション実は吊り込み作業自体は、それほど大変なものではないそうで、関根さんがねじ穴をドライバーでひねることで、ピンが飛び出てきて扉が引っかかる仕組みになっているのですが、如何に正確な寸法でこのスチール製の扉を作るかと、上下のヒンジ金物を正確に取り付けるかが勝負の作業とのことでした。

以前一度、金物工場で溶接組み立ての様子を見学させて貰いましたが、金物は溶接するたびに歪みが生じるので、それを反対側から熱を掛けたり、独特の方法で調整してゆくのですが、今回も複雑な形状の取っ手も含めて、きちんと組み立ててくれたようです。

因みに僕らオリジナルの特注取っ手は、以前にも増してバリエーションを増やしており、ますます作るのも大変になってきていると金物屋さんたちに言われました…。

超高級マンションリノベーションの工事現場

遠景ではありますが、2枚の鋼製建具が吊り込まれた全容が垣間見えます。

鋼製建具の特注取っ手

こちらは、先ほど塗装前の様子をお見せした二つの特注取っ手のディテール写真です。

照明組み込みハンガーレール設置@主寝室ウォークインクローゼット

こちらは主寝室のウォークイン・クローゼット(WIC)ですが、こちらにも金物屋さんに特注で作って貰ったLED照明埋込のハンガーパイプを組み込んで貰っています。

照明埋込ハンガーレールの詳細

アップで見ないと判らないのですが、上下2段に重なったハンガーパイプ、それぞれの段の洋服をきれいに照らすLED照明が角パイプの中に埋め込まれています。

アムスタイルの大型キッチン組み立て中@高級マンションリノベーション

金物取付工事と同時進行で、キッチンの取り付けも進んできました。

ペニンシュラカウンター組み立て中@高級マンションリノベーション

大理石やタイル張りの壁に取り付くので、先日の石張り工事が終わったタイミングで、アムスタイルの職人さんたちが入っ約1週間掛かりで取り付け工事を行ってくれています。こちらはダイニング側に向いたペニンシュラ型(半島型)カウンターでシンクと食洗器が入っています。

アムスタイルの大型キッチン組み立て中@高級マンションリノベーション

背面側は、このように途中で奥行を変えながら、総長さ4.5メートルのロングカウンターとなっています。その全ての収納が引き出しというのも凄い迫力ですね。

造作飾り棚の設置工事@港区高級マンションリノベーション

先ほど吊り込んだ鋼製建具の左右に来る、お揃いのデザインの(建具と同じ割り付けの)飾り棚の取り付けもすぐに始まりました。

飾り棚設置工事@高級マンションリノベーション

金物屋と造作家具屋と違った業種を跨いで、同じ寸法体系で作って貰ったものですが、ぴたりと合うか、ドキドキしながら組み立ての様子を見学してきました。

飾り棚設置工事@港区R邸リノベーション

造作飾り棚が設置された頃には、先に吊り込まれていた鋼製建具はしっかり養生されてしまっていました…。ただ、チラッと養生をめくって確認したところ、ほぼきちんと揃った状態となっていました!

大理石ポルトロ張りのTV壁@高級マンションリノベーション

先ほどの写真から、バックに見えてしまっていましたが、超高級大理石のポルトロを使ったテレビ壁もほぼ完成しております。中央の凹んだ箇所に壁掛けテレビが設置される予定ですが、すでにテレビがはめ込まれているかのような錯覚を受けてしまいます…。
その上の木製ルーバーもきれいに取り付けが進んでいました。

ポルトロと木製ルーバー壁の取り合い詳細

ちょっと浮かせたポルトロと、その木製ルーバー壁の間には間接照明が入ることになっており、その配線が繋がる箇所のディテール写真が、こちらです。

AV収納棚設置工事

そのテレビ壁の右横のコンクリートの柱型に沿ったAV収納棚の組み立ても進んでいます。出来上がると簡単な作りに見えてしまうのでしょうが、下にはお掃除ロボのルンバの基地があり、中段までは横面からAV機器を収納する棚があり、上段は正面からの飾り棚と見えない部分にクレストロン機器の配線が入り、手前に調光設備のルートロンが入り、それらは熱を出す機器類なので、熱がこもらないような空気の流れを考えた三次元的な複雑な作りとなっています。

キッチン横のオニキス設置棚

同じように背面にLED照明を入れ込んで、手前に光を透過する特別な大理石のオニキスを設置するための棚の準備も、キッチン横で始まっていました。

奥さま書斎の白いモールディングとレーリングの内装

こちらはリビングダイニングやキッチンとはうって変わった白くエレガントな様相の奥さまの書斎です。モールディングとレーリングを多用した白いお部屋も徐々に組み上がってきています。

奥さま書斎のウォークインクローゼット

奥さま専用のWICは、ご要望通りにハンガーパイプよりも棚板を優先した造りとなっています。ただ、後日に棚板とハンガーパイプを組み替えることができるように、ロイヤルの壁付け金物で組み立てています。

来客用トイレのモザイクタイル張り

こちらは大理石とガラスを層状に組み合わせたシチスのモザイクタイル(TOYOキッチン)張りの様子です。港区R邸は、二つのトイレがありますが、こちらは女性陣とお客さまが使う来客用トイレです。

来客用トイレ内装

まだ、完成していませんが、ジャクソンの大型便器ヴェローサが入った、ブラウンと白とステンレスを基調とした濃密な空間になる予定です。水栓とボウルもTOYOキッチンで選んだものです。

来客用トイレの扉詳細

カウンター下の収納扉は、このようにステンレス鏡面のフレームが廻り、その中にはレザ張りのパネルははめ込まれる予定となっています。

総大理石張りの男性用トイレ内装

もう一つの男性陣用のトイレは、黒くもっとシックでダークな空間となります。

洗面所と浴室のステンレスサッシ枠

洗面カウンターと背面のリネン収納が入る前の洗面所に、

洗面所の造作収納取り付け

まずは背面のリネンの造作収納が取り付けられました。コンパクトな様相ながら、着替えを置くカウンターと沢山のスイッチをレイアウトするスイッチパネル、洗い物収納とリネン収納、そしてご家族4人の下着類を仕舞う引き出しを組み込んでいます。

最後の写真は、玄関ホールです。加工大理石のサルバトーリは透かし目地で張ってゆくので、正面から見たときに目地底が見えないように、目地底に当たる部分に黒いテープを張ったうえで、素材を張って貰いました。

玄関ホールの木製枠とサルバトーリの加工大理石張り

黒い木製フレームで囲った中に、サルバトーリの加工大理石が張り込まれた様子です。最後の保護剤を塗布する前なので白っぽく見えていますが、こちらもかっこよく仕上がりそうです。

 

書庫に本が詰まった六本木N邸再訪

六本木N邸

約2年前に竣工お引渡しをした六本木N邸に、本当に2年ぶりにお邪魔して参りました。

一年点検の時期にあたる昨年にもご連絡をしておりましたが、Nさまとのご都合が合わずスルーすることになってしまい、昨年末にはホームオートメーションシステムの不具合や、寝室ヘッドボードの照明のことなどでご相談を頂いておりましたが、なかなかタイミングが合わずこの時期になってしまいました。

住宅内のプライベート書庫

弊社の担当スタッフの竹田さんと施工をお願いしたリフォームキューの岩波さん、そして家具でお世話になったYPOの廣瀬さん、バング&オルフセン六本木店の村瀬さんと一緒に伺いましたが、まず最初に感動したのがこちらの書庫でした!

住宅内のプライベート図書館

本が沢山あるとの奥さまからご要望でご提案した書庫ですが、当初はご主人さまはそこまで立派なものは必要ないし、ガラス張りにしても整理することができないとのお話でしたが、奥さまが本当に頑張ってここまで整理して下さったとのことで、今は使い勝手も良くお二人ともかっこよい書庫を作って本当に良かったと喜んでくださっていました。

住宅内のプライベート書庫

廊下側から見ると、スタイリッシュな書店のように表紙を見せる陳列棚を作ったのも良かったそうで、これがあることで全体が纏まって見えるとのお話でした。

感動してしばし撮影させて頂きましたが、その後はご自宅の不具合を確認しながら、必要か所を補修点検してゆきました。B&O六本木の村瀬さんには、ホームオートメーションシステムのクレストロンが勝手にアップデートしてしまったことで、使えなくなった機能があったとのことを修正してもらいました。

寝室枕元照明の補修工事

造作で作ったベッドのヘッドボードに取り付けていた照明の不具合は、YPOに調整して貰いました。ベッドの足元のベンチ状の家具も、その後に特注で作って貰っていたもので、ちょうどよいタイミングだったので本日搬入設置させて頂きました。

ミノッティソファのクッション空気入れ@六本木N邸

いつもご主人さまが座っているミノッティのソファの座面がヘタって来てしまっているとのことでしたので、各務がクッションカバーのファスナーを開けて、以前ミノッティの早坂さんに教わった空気を廻し込む叩き方を実践して、手入れさせて頂きました。

六本木N邸のダイニング周囲

こちらはお引渡し後に納品させて頂いたリミテッドエディション(マナトレーディング)のレザー製ラグとフレックスフォルムの大理石テーブルと、インテリアズのチェア・ガルダを組み合わせたダイニングの様子です。
お引渡しから2年の月日が経っていることを忘れてしまうほど、きれいにお住いのお宅の様子を拝見して、一同本当に感動してしまいました!当日、新たに幾つかの補修依頼を受けましたので、後日そちらの補修にも伺わせて頂くことになりました。

マンション壁への大理石張り@港区R邸

港区R邸

先日の工事で床の大理石張りがほぼ終わった港区R邸ですが、今度は壁や天井への大理石張りが始まりました。

大理石製三方フレーム

廊下からリビングへ入る左右の飾り棚と、テレビ置き場を囲むように大理石製の枠材を張回す予定で、そこには癖のないミストグレーを張るデザインとしています。

大理石製三方フレーム

天井に石材を張るのは、ちょっと変則的ではありますが、大理石のサイズを小さくして、下地となるベニヤ板をしっかりと組み、接着剤だけでなく金物とビスでも固定しています。この写真、左上の方に、L字型のアングル金物とビスが見えています。

大理石フレームの固定方工法

廊下からリビングダイニングに入る扉上部分は、扉の金物やダウンライトは入ってくるので、正確な位置を実測したうえで、工場加工で穴をあけて貰った石を張っております。右上に黄色い線が見えていますが、これは真っすぐなライン状に仕上げるための糸です。

大理石三方フレームのコーナー端部ディテール

フレームは折れ曲がりながら、壁から天井、そして壁へと枠状に曲がってゆきます。スラブ材の石の厚みでは、迫力が足りないので、このようにL状に石を組んで、事前に工場で接着してもらっていたものを取り付けています。特にコーナー部分は、トメ加工といって45度に切った石を張り合わせて貰っています。

大理石製フレームの施工

天井に張る石部分にちょうどダウンライト用の孔が空いているので、そこにクランプを差し込んで固定しながらの作業となっていました。

大理石製フレームのコーナー留め加工

このトメ加工は、現場側は嫌がる特に面倒な組み方なのですが、そうすることで、立体感がうまく表現できるので、少々の無理をお願いしてやって貰っています。

大理石ミストグレーの三方枠造作

ミストグレーの三方枠がほぼきれいに張り終わった状態です。

テレビ周囲のポルトロ大理石張り

ミストグレーの三方枠が終わったところで、一番の山場のテレビ周囲のポルトロ張りです。イタリアのリグーリア州ラ・スペッツィア近郊で採掘される超高級な大理石が、このポルトロです。

リビングのテレビボードのポルトロ大理石の端部ディテール

テレビ取り付けサイズを考慮しての開口を避けて、ブックマッチにして柄が繋がるようにして、張って貰っております。この張り方については、以前のブログで説明した通りです。また、小口に柄が繋がっているのも大理石の見せ場ですので、壁端部はきれいに磨いてもらっています。

玄関ホールの壁大判アラベスカート張り

もう一つの大物の壁大理石張りがこちらの玄関ホールのアラベスカートでした。まだできておりませんが、黒いカラーガラス張りのトンネル状の廊下と対比させるために、白い部分がきれいなアラベスカートを選び、柄が繋がった状態で壁に張って貰っています。

サルバトーリの大理石素材到着

まだ、張り始めるのには時間が掛かりそうですが、玄関ホールの反対側の壁に張るサルバトーリの加工大理石も現場に入ってきました。梱包を解いたところ、欠けなどがあったのでお願いしているインテリアズにも連絡してもらっています。

アリオステアのアラベスカート柄タイル張り

床の大理石張りのところでも説明しましたが、石屋のキダバーブルの職人さんに壁のタイル張りも張って貰っています。浴室壁や洗面所の床でも使っているイタリア・アリオステア社のアラベスカート柄タイルをキッチン壁に張って貰いました。

折り上げ天井のカラーガラス張り

目立つ大理石張りだけではなく、その他の工事も静かに(?)進行中です。リビングの折り上げ天井の高天井部分に小割の黒カラーガラスを貼りますが、両面テープと接着剤での貼り付け作業が進んでいました。