Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

新規プロジェクト 元麻布ヒルズA邸がスタートします

元麻布ヒルズA邸

新しいプロジェクトがスタートしました。お客さまがご購入なさった、元麻布ヒルズ・フォレストタワーの約150平米(45坪)のお宅を、間取りは大きく変更せずに、内装を一新させるというプロジェクトです。

弊社は、高級マンションのリフォーム&リノベーションはこれまで幾度か経験がありますが、実は高層マンションでの実績はそれほどありません。この元麻布ヒルズは建物の特徴や住民の方々のコミュニティーのあり方が独特とのことで、内見に付き合ってくださった森ビルの方々に色々とヒアリングをさせて頂きました。

建築家に別荘の設計を依頼したり、マンションも幾度かご購入した経験があるお客さまなので、リフォームで実現したいことがはっきりしていらして、最初のお打合せから、具体的な内容をお話することができました。リビングダイニングには、お手持ちのB&O(バング・アンド・オルフセン)のテレビ&ステレオセットをスタイリッシュに組み込みたいとのお話もありました。

主寝室は広さの割には収納、特にクローゼット収納が足りないので、この部屋は間仕切りを作って、大きなウォークイン・クローゼットを作ろうとのお話になりました。

寝室隣の広い洗面脱衣スペースです。右側の洗面カウンターを左側に移設して、そこに洗濯乾燥機コーナーを作ることになりました。

洗面脱衣から見た浴室の開口部です。ステンレス枠+強化ガラスの開口部で、浴室内部を少しお化粧直しをすれば十分きれいな浴室に改装できそうでした。

浴室内はこれまでに使われてきた痕跡が残っておりましたが、内側に新たな仕上げ材を張って、浴槽塗装を施して、水栓金物を付け替えれば良いのではとのお話をしましたが、奥さまの清潔感からすると本当はユニットバスは交換したいとのことでした。浴室とキッチンについては、お化粧補修する金額と全面的に交換する費用の両方を比べたうえでご判断して頂くことになりそうです

玄関周りの様子です。右の収納は、いかにもちょっと築古マンションの玄関収納に見えるので、デザインを変更して作りなおすことになりました。左側の壁にはシューズイン・クローゼットへの扉がありますが、これも目立っているので、壁と一体の扉としてデザインし直すことになりました。

森ビル担当者からの紹介で、同じ元麻布ヒルズ内にて全面リノベーションしたショールームを、お客さまと一緒に案内して貰いました。

ショールームの浴室は、新しいユニットバスに交換していたのですが、お客さまはこちらを拝見して、やはり新しうUBに交換したほうが良さそうだとの感覚を新たになさったようでした。

LD中央のセンターテーブル上のペンダント照明吊り込み

平河町T邸

リビングダイニングだけで56平米(34坪)の広さがある平河町T邸は、玄関ホールからの直線状に丸テーブルを置いて、リビングとダイニングを仕切る家具レイアウトとしてきました。

リビングダイニング中央のペンダント照明

ちょうど玄関扉からの軸線上の延長が、リビングの大窓となっており、視線が通り抜けていってしまうので、そのセンターテーブルの上にペンダント照明をとのことで、キッチンでも採用したルミナベッラ社のAplomb(アプロム) を吊るすことになりました。

ペンダント照明の個数と高さをどうやって決めるのが良いかとの話になり、まずはこちらで合成写真を作ってみました。

個数については3つが良さそうだとすぐに決めて頂くことができましたが、位置関係や高さをどうするのかとの話になったところ、施工をお願いしているリフォームキューが原寸大のペンダントライト模型を作ってくれました。
それらをバランスを取りながら天井から吊るした様子をお客さまが撮影して下さったのがこちらの写真です。

リビングダイニング中央のペンダント照明
リビングダイニング中央のペンダント照明

模型で導き出した位置関係に墨をつけて、電気屋の望月親子に電線を通して貰いました。

模型の位置と高さに合わせて、通線して灯った状態で最終テストををしたうえで位置決めをさせて頂きました。

リビングダイニング中央のペンダント照明

吊るされたペンダント照明を、お客さまとリフォームキューの岩波さん、望月親子と一緒に確認して頂きました。

リビングダイニング中央のペンダント照明

今回は「とにかくこの模型が大ヒットだった!」とお客さまのTさまと息子さんが喜んで実物と模型を比べて下さっている様子です。

リビングダイニング中央のペンダント照明

リビング側からセンターテーブル越しにダイニング側を見た様子です。

ダイニングの壁面に掛かっているこちらの鏡は、場所とサイズを合わせて特注で作って貰った鏡です。ちょうどこのタイミングで出来上がったので、取り付けて貰いました。

最後の写真は、これでお役目ごめんで、捨てることになったペンダント照明の模型を息子さんのK君が持って、もう1灯吊るしてもよいのではとふざけてくれた様子です。

特注ユニットバスにおける床レベルと浴槽跨ぎ高さについて

二番町I邸

デザインプロセスが進んできた二番町I邸プロジェクトのお客さまと、特注ユニットバスの東京バススタイルショールームに伺ってまいりました。

Iさまの奥さまと息子さんと一緒のショールーム訪問で、お二人で浴槽に何度も入ったり出たりで、サイズを実感して頂きました。ちょうどショールームにあるJAXSON(ジャクソン)のネオヴェンティというスタイルの浴槽で考えていたので、お子さまと一緒にお風呂に入るシーンも体験して頂くことができて良かったです。

このタイプの浴槽には、ヘッドレストをつけることができるのですが、頭を持たれかけたうえで、壁までどのくらいの距離があると頭が壁につかないかもご説明させて頂きました。

浴槽の跨ぎ高さも小さなお子さまには大変なので、体験してもらいました。

僕らと一緒にショールームに来る前に、すでに二度程お客さまだけでもこちらに来てくださっていたので、そこまでに仮決定していた仕上げ材やシャワー水栓などをご一緒に確認をさせて頂きました。内容を確定したところで、特注ユニットバスを発注したいのですが…。

実はオーダーユニットバスでは毎回同じ問題が発生するのですが、現場が解体された状態ではないと、正確なサイズを確定することができないのです。どうしても急ぎの場合は、解体前に安全側を見込んで小さめに作り始めるという方法もあるのですが、今回は浴槽の背面壁をなるべく下げて、大きい浴室をとのご要望がありました。そこで、全体工事をお願いしているリフォームキューに無理を言って、早めにリフォーム工事申請を出して、既存浴室部分だけを解体してもらいました。

手前の洗面脱衣室は残したままで、きれいに既存ユニットバスが解体された現場の様子です。右奥に切断されて立てかけられているのが、既存のユニット防水パンです。

解体した天井を見上げた写真です。既存の浴室暖房乾燥機は取り外されておりますが、天井高さも梁型もなく、平面&高さ方向の寸法を確定することができました。

一つだけ問題があったのが、横引き排水管の高さでした。写真正面壁の中央に向かって水色と赤い管(それぞれ給水管と給湯管)が走っていますが、壁に打ち付けられた板の少し下に壁の裏から白いものが貫通してきています。実はこれは排水管の接続部なのですが、子の高さが当初の想定より高かった(床コンクリートスラブからの高さ)ことで、床を洗面脱衣とフラットにして、浴槽の跨ぎ高さを高くするか、浴室床を少し上げて、その代わりに跨ぎ高さを通常の高さにするかの、どちらかを選ばなくてならないことになってしまいました。

東京バススタイルの和久田さんと眞柄さんにおねがいして、浴室の床レベル(厳密にはステンレスサッシ枠の立ち上がり高さ)と浴槽の跨ぎ寸法の説明図を作って貰いました。跨ぎ寸法は50センチを大きく超えると、子どもだけでなく大人でも一苦労になることをお客さまにご説明の上、上の説明図の下、つまり床レベルを30ミリ上げて、跨ぎ高さを507ミリにする方針でご納得いただきました。