Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

リノベーション後の家具搬入-2@港区R邸

港区R邸

港区R邸の家具搬入設置の第二弾ブログです。

ダイニングテーブル、屋外家具、ラグ、ソファとダイニングチェアと来た次は、主寝室のベッドでした。

その直前には、ベッド両袖の特注サイドテーブル上のテーブルランプ2台も届きました。こちらはスタジオノイが扱っているアトーロ(オルーチェ)です。

イルデザインにお願いしたイタリア製ベッドのFlou(フルー)の搬入組み立てです。Alicudiというタイプのベッドで、牛皮レザーの仕上げのものを選んでおります。

アルミ製のガッシリしたフレームを、このように牛レザーで包み込むようにカバーしたフレームです。

 

ベッドマットは、フルーではなく、今まで使っていたマットレスが好きだったということで、米国のキングスダウン社と大塚家具が共同で開発したレガリアのマットを使っています。枕やデュベ(羽毛フトン(別名:コンフォーター)はシモンズ製で、フルーのデュベカバーとのサイズ違いを、特別に縫製して調整してもらっています。スローはまた別途マナ・トレーディングでお願いしたものです。お客さまのご要望に合うように、色々なブランドを寄せ集めて作り上げたベッドセットです!

奥さまの書斎にもベッドが入りました。

こちらは大塚家具のベッドセットにスローはマナトレーディングでお願いしたものです。カーテンとシェードはナショナルインテリアにお願いしたものです。

息子さんの寝室の書斎コーナーの椅子は主寝室と同じもので、ボーコンセプトアデレードです。アーム付きで回転式で軽いものをとのご要望で見つけたものですが、イタリアのハイブランドでは良いものがなかなか見つかりませんでした。

キッチンのハイカウンターのスツールも、大げさなものではなく、質感があって嫌みがないものをとのことで探して見つけたのが、遠藤照明の家具部門のAbitaStyleが扱っている本革のハイスツールをご提案致しました。高さもピッタリで、きれいに収まりました。

キッチンハイカウンター用のハイスツール候補一覧

家具選びやインテリア備品選びについては、当初から全てについて考えられる選択肢を挙げて、費用や納期を比較検討する資料を作ったうえで選びたいというお客さまからのご要望で、このような資料を作って検討してもらってきております。

大物家具等の搬入の横では、補修工事も進んでいます。玄関扉の突板張りとその現場磨きですが、当初は揮発性塗料を使って塗膜を作っていたのですが、その匂いの問題でマンション管理事務所から注文が来てしまったので、より時間が掛かけど、臭いがしない水性塗料を使って再チャレンジすることになりました。

塗って塗膜を作ってはこのように手作業でバフを掛けて磨き込み、また塗料を塗り重ねるという大変な作業となっています。

補修とは別の話ですが、こちらはB&O六本木店(オーラス社)にお願いしているホームオートメーションシステムの設定の様子です。今回は、クレストロンをホストコンピューターとして、テレビ、オーディオ、ルートロンを介しての照明コントロール、窓際のシルエットシェード(ハンターダグラス)、そしてエアコンのオンオフまでをコントロールするシステムです。

オーラスの担当の阿南さんがのんびり現場でテレビを見ているように見えますが、右側の棚に中に入った幾つもの機器との接続をひとつづつ確認してゆく作業で、丸々3日ほど掛かっての作業となりました。実は、今回はリビング以外にも、主寝室やキッチン、二つのトイレと洗面、浴室にもスピーカーを組み込み、NAS(ナス:ネットワーク型のハードディスク)を3つ入れて、それらも連動するシステムなので、大変な設定作業になっているようでした。

収納の中のクレストロン、マランツのAVアンプ等の機器類が並んだ様子です。クレストロンやアンプは使っていると高温になるので、収納棚の上下に通気口を設け、各棚板にも隙間を作って通気を確保しています。

こちらは先ほどのAV機器類とは別の弱電関係のボックスです。玄関すぐ近くの収納の裏に作った弱電ボックスです。こちらは熱は発生しませんが、機器類の調整は必要になるので、隠すための板を張って、その手前には棚板を設けて、普段は収納として使い、イザというときには幕板を外して、いじれるように作って貰っています。

ほぼ一通りの家具や備品が入って、弱電関係の調整も終わってきたので、最後のひと踏ん張りで照明のシューティング(照明の向きを調整する作業)、そしてルートロンを使ってのシーン調整に入りました。以前は、自分でシューティング作業もやっていたのですが、今回の港区R邸はユニバーサル(角度を振れる)タイプのダウンライドだけでも100灯以上あるので、電気屋の望月さんに今回はお願い致しました。

そしてもう一つの大変な作業が、リビングダイニングキッチンの照明器具の調光度合いを全てセットして、シーン設定するルートロンの調整作業です。

上下2段で、計12回路分の照明器具類を調光してゆきます。夜になっての光の具合を一つずつ確かめながら、どのように設定すると素敵なシーンが展開するかを想像しながら、微調整してゆきます。

このように各照明の調光度合いをメモしながらの地道な作業です。

調整中の港区R邸の夜景です。

折り上げ天井の間接照明や、オニキスの照明が明るすぎると、他がボヤケてしまうので、それらをどこまで落として、各シーンを構成してゆくかがなかなか難しかったです。

 

 

リノベーション後の家具搬入-1@港区R邸

港区R邸

リノベーション工事のお客さま検査(施主検査)が終わった港区R邸に、大型家具の搬入が始まりました。

大型ダイニングテーブルのクレーン搬入

まず最初の大物が、こちらの大型ダイニングテーブルです。マクサルトでこの搬入の6カ月前にご購入頂いたPATHOS(パトス)という3メートルの長さの大理石天板のテーブルです。ご購入検討時からマンションの立地状況やエレベーターサイズをB&Bイタリアの営業担当の栄田さんに見て貰っておりましたので、当初からクレーンでの搬入でお見積りをお願いしておりました。

都心のマンションの場合、クレーン車を停める場所、電線を如何にクリアするか、そして吊った荷物をどうやって上階で受け取って室内に入れるかという3つの問題をクリアしなければなりません。今回は、電線と建物の間に余裕があったので、電線の内側にクレーン車を停めて、広いバルコニーで受け取ることで、問題を解決することができました。

こちらはマンション前の道路にトラックで搬入されてきた天板です。ガッチリと木製フレームで養生された状態でした。男性6人でようやく抱え上げることができる重量(250キロ!)でした。

30分ほど掛けて室内に無事搬入ができた大理石ネロマルキーナ一枚物の天板です。床もキルト布地でしっかりと養生されています。

右手前が養生が外された黒い大理石の天板です。奥では、こちらはエレベーターで搬入された金属製の脚を組み立てています。

一度組み立てると、そこから動かすのも一苦労なので、設計図で決めていた位置に脚を設置して、その上に天板を載せて固定してゆきます。逆さ状態で脚を天板に固定するのではと想像していましたが、組み上げてからひっくり返す方が難しいとのことで、この状態で脚元に職人さんが潜り込んで留めてゆきました。
雨天の場合は手許や足元が滑る可能性があり実行できない可能性もありましたが、ギリギリのタイミングで吊り上げることができました。2か月以上前から工事竣工を見据えてスケジュールを立てて、マンション管理事務所との折衝等、大変なプロセスでしたが、何とか無事搬入設置を終えることができました。因みに、今回のクレーン吊り上げの費用は約20万円でした。

翌日に届いたのが、ベランダ用の屋外家具です。今回のアウトドア家具は全てニチエスでお願いしています。この丸い形のものが…、

この丸形で回転式のラブシートのORBITです。ベランダの植栽に合わせた鮮やかなグリーンのクッションが映えて、とても気持ちが良さそうです。

室内のダイニングセットの正面に当たるベランダ部分には、屋外用ダイニングテーブルと椅子を搬入設置してもらいました。屋外用といっても、2.1メートル×0.7メートルの本格サイズです。まずは仮の位置にすべてを設置して、しばらく使った後に正式な置き場所を決めるという算段になっています。ただ、仮の位置でも強風や突風で屋外家具が吹き飛ばされてしまう可能性があるので、ワイヤーでしっかりと固定してもらいます。

次に現場に届いたのがカーペットとラグ類です。

こちらは主寝室のベッド下に敷く、ベルギー製のリミテッド・エディションの革製ラグです。日本ではマナ・トレーディングが代理店となっています。

リビングの大判カーペットはカッシーナが扱っているKYMO(キィモ)のビスコース製のものです。4メートル×3メートルの大判を特注で織って貰ったもので、納期も3か月掛ったものです。これもカーペットといってもサイズが大きいので、一度敷いて、その上にソファを置いてしまうと動かせなくなってしまうので、ソファ搬入前の設置が順番的に大事になるのです。

そしてその次がミノッティの大型ソファの搬入組み立て設置です。ソファも大型となると搬入が難しいのですが、今回選んだヤングのシリーズは分解できるので、エレベーターにギリギリ載せることができました。

細かく分解されて運ばれた部品を、全て裏返しにして金物で固定してから、ひっくり返してゆきます。

一通りの設置が終わったソファセットです。

二つのソファの間に挟まれたサハラ・ノワール大理石の柄もとてもきれいで、一安心しました。イタリアのハイブランドの家具は、張地である布やレザーは色味を選べますが、先ほどのダイニングテーブルやこういった大理石の柄は事前に選ぶことができないので、運を天に任せるしかないのです…。
フロスのテーブルランプの真鍮色の脚と大理石の色味もバッチリでした。

ミノッティとは別にマナ・トレーディングで別途お願いしていたクッション類が整った状態のソファセットです。この先もまだ家具や小物類の搬入設置が続きますが、長くなるので今回はまずはここまでとします。ソファの後ろには、やはりミノッティでお願いしたダイニングチェアが写っています。

大工造作工事進行中@白金台E邸

白金台E邸

解体が無事終わった白金台E邸の現場に、大工さんが2人入っての造作工事が始まっています。

白金台E邸_大工の壁工事

広々とした現場に、木製の壁下地材やベニヤ板、Mクロス(ベニヤ板の表面に紙を貼った特殊なボード材)や石膏ボードなどが、きれいに整理されて置いてあります。

白金台E邸_大工の壁工事

 

リビングからダイニング越しにキッチンと玄関ホールを見返した写真です。ちょうど中央にセントラルエアコンの本体がありますが、それを新たに囲い直す壁ができてきていました。

白金台E邸_大工の壁工事

キッチン壁も、壁埋め込みの配管が設置され、フカし壁の下地もきれいに立ち上がっていました。

白金台E邸_大工の壁工事

先ほどのエアコン本体を隠す壁を別のアングルから見た写真です。キッチンへは廊下側から通用口がありますが、その横にはウォーターサーバーと冷蔵庫の奥行の違いを使った、廊下側から使える収納を作る予定です。ちょうどそこにウォーターサーバーの予備のパックが収納できるサイズになります。

白金台E邸_大工の壁工事

玄関ホールから、プライベート部分へと続く廊下部分の大工造作状況です。左側箱の中央に開口が空いているのがゲスト用トイレの入り口となります。扉が隠れて見えるように、扉と同じサイズのパネルを壁に並べるデザインを検討しています。

白金台E邸_大工の壁工事

廊下の左側は、SICと納戸の扉が続きます。扉のサイズに合わせて、壁を目地割して、壁の中に扉が埋め込まれているように考えています。

白金台E邸_大工の壁工事

廊下反対側の壁は、キッチンへの勝手口と収納の扉も含めて、アクセントクロスのパネル張りで考えています。

白金台E邸_大工の壁工事

プライベート空間の奥にある書斎と奥さまのクローゼットを分ける壁の造作は、天井ダクトの隙間を狙って、梁から木製下地を張り出したところから固定されていました。