Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

LD中央のセンターテーブル上のペンダント照明吊り込み

平河町T邸

リビングダイニングだけで56平米(34坪)の広さがある平河町T邸は、玄関ホールからの直線状に丸テーブルを置いて、リビングとダイニングを仕切る家具レイアウトとしてきました。

リビングダイニング中央のペンダント照明

ちょうど玄関扉からの軸線上の延長が、リビングの大窓となっており、視線が通り抜けていってしまうので、そのセンターテーブルの上にペンダント照明をとのことで、キッチンでも採用したルミナベッラ社のAplomb(アプロム) を吊るすことになりました。

ペンダント照明の個数と高さをどうやって決めるのが良いかとの話になり、まずはこちらで合成写真を作ってみました。

個数については3つが良さそうだとすぐに決めて頂くことができましたが、位置関係や高さをどうするのかとの話になったところ、施工をお願いしているリフォームキューが原寸大のペンダントライト模型を作ってくれました。
それらをバランスを取りながら天井から吊るした様子をお客さまが撮影して下さったのがこちらの写真です。

リビングダイニング中央のペンダント照明
リビングダイニング中央のペンダント照明

模型で導き出した位置関係に墨をつけて、電気屋の望月親子に電線を通して貰いました。

模型の位置と高さに合わせて、通線して灯った状態で最終テストををしたうえで位置決めをさせて頂きました。

リビングダイニング中央のペンダント照明

吊るされたペンダント照明を、お客さまとリフォームキューの岩波さん、望月親子と一緒に確認して頂きました。

リビングダイニング中央のペンダント照明

今回は「とにかくこの模型が大ヒットだった!」とお客さまのTさまと息子さんが喜んで実物と模型を比べて下さっている様子です。

リビングダイニング中央のペンダント照明

リビング側からセンターテーブル越しにダイニング側を見た様子です。

ダイニングの壁面に掛かっているこちらの鏡は、場所とサイズを合わせて特注で作って貰った鏡です。ちょうどこのタイミングで出来上がったので、取り付けて貰いました。

最後の写真は、これでお役目ごめんで、捨てることになったペンダント照明の模型を息子さんのK君が持って、もう1灯吊るしてもよいのではとふざけてくれた様子です。

特注ユニットバスにおける床レベルと浴槽跨ぎ高さについて

二番町I邸

デザインプロセスが進んできた二番町I邸プロジェクトのお客さまと、特注ユニットバスの東京バススタイルショールームに伺ってまいりました。

Iさまの奥さまと息子さんと一緒のショールーム訪問で、お二人で浴槽に何度も入ったり出たりで、サイズを実感して頂きました。ちょうどショールームにあるJAXSON(ジャクソン)のネオヴェンティというスタイルの浴槽で考えていたので、お子さまと一緒にお風呂に入るシーンも体験して頂くことができて良かったです。

このタイプの浴槽には、ヘッドレストをつけることができるのですが、頭を持たれかけたうえで、壁までどのくらいの距離があると頭が壁につかないかもご説明させて頂きました。

浴槽の跨ぎ高さも小さなお子さまには大変なので、体験してもらいました。

僕らと一緒にショールームに来る前に、すでに二度程お客さまだけでもこちらに来てくださっていたので、そこまでに仮決定していた仕上げ材やシャワー水栓などをご一緒に確認をさせて頂きました。内容を確定したところで、特注ユニットバスを発注したいのですが…。

実はオーダーユニットバスでは毎回同じ問題が発生するのですが、現場が解体された状態ではないと、正確なサイズを確定することができないのです。どうしても急ぎの場合は、解体前に安全側を見込んで小さめに作り始めるという方法もあるのですが、今回は浴槽の背面壁をなるべく下げて、大きい浴室をとのご要望がありました。そこで、全体工事をお願いしているリフォームキューに無理を言って、早めにリフォーム工事申請を出して、既存浴室部分だけを解体してもらいました。

手前の洗面脱衣室は残したままで、きれいに既存ユニットバスが解体された現場の様子です。右奥に切断されて立てかけられているのが、既存のユニット防水パンです。

解体した天井を見上げた写真です。既存の浴室暖房乾燥機は取り外されておりますが、天井高さも梁型もなく、平面&高さ方向の寸法を確定することができました。

一つだけ問題があったのが、横引き排水管の高さでした。写真正面壁の中央に向かって水色と赤い管(それぞれ給水管と給湯管)が走っていますが、壁に打ち付けられた板の少し下に壁の裏から白いものが貫通してきています。実はこれは排水管の接続部なのですが、子の高さが当初の想定より高かった(床コンクリートスラブからの高さ)ことで、床を洗面脱衣とフラットにして、浴槽の跨ぎ高さを高くするか、浴室床を少し上げて、その代わりに跨ぎ高さを通常の高さにするかの、どちらかを選ばなくてならないことになってしまいました。

東京バススタイルの和久田さんと眞柄さんにおねがいして、浴室の床レベル(厳密にはステンレスサッシ枠の立ち上がり高さ)と浴槽の跨ぎ寸法の説明図を作って貰いました。跨ぎ寸法は50センチを大きく超えると、子どもだけでなく大人でも一苦労になることをお客さまにご説明の上、上の説明図の下、つまり床レベルを30ミリ上げて、跨ぎ高さを507ミリにする方針でご納得いただきました。

リフォーム前後の洋服&靴収納量の調査と比較

港区R邸

港区R邸のリノベーションプロジェクトでは、当初より洋服と靴の収納量は十分に確保して欲しいとのご要望がありました。実は今お住まいのお宅の方が広く、今回新しくご購入なさったお部屋の方が狭く、ただでさえ苦労してきた服と靴の収納でこれ以上苦しみたくないとのお話でした。
そこで、今のお住まいにお邪魔して、洋服と靴の収納方法やキッチン・洗面などの使い勝手について調査させて頂くことになりました。

こちらが港区R邸のお客さまご家族が暮らしていらっしゃる都内の高層マンションのお部屋です。マンション新築時にオプションで床を白タイル張りにして間取りも大きく変更してご購入なさったお部屋だそうです。奥さまがお好きな白と黒に、ご主人さまがお好きな赤をアクセントにした素敵なインテリアでした。

最初に調査させて頂いたのが、クローゼットの洋服です。幾つかの収納に分かれており、ダブルでハンガーパイプが入っているものや、

棚板や引き出しがはいっている収納もありました。リフォームキューの営業&設計担当の坂本さんとうちの前田君と3人で伺って、撮影しながら綿密に実測させて頂きました。

男性クローゼットは忘れがちな、ネクタイやベルトの収納方法も現状を拝見させて頂きました。

時計やカフス等の小物、クリーニング屋から戻ってきたシャツ類などの仕舞い方についても、現状で何が不便で、どうしたら良さそうかをお客さまにヒアリングさせて頂きました。

片付ける場所がないことで、棚板に押し込んでしまっていた沢山のカバン類も全て床に並べて、総量を実測させて頂きました。奥さまのクローゼットについては、調査の際に男性陣だけだったので、実地調査はご遠慮して、ハンガーの長さと棚板の枚数を調べて頂きました。

次に調べたのが玄関横にあった靴収納です。

男性用の大きな靴は横並びに、女性用の細いパンプスやハイヒールは、上下に重ねる器具を使って収納しているとのお話でした。靴収納の内部に置かれている傘たても一緒に実測させて頂きました。

以上の徹底実測調査をもとに後日纏め上げてお見せした、今のご自宅とリノベーション後の新居のクローゼット収納量を比較したプレゼン資料がこちらです(上段中央の2つの展開図が今のご自宅のクローゼットです)。今のご自宅はハンガーバーが交差した箇所がないので、全ての長さが有効なのに対し、リノベーション後のウォーク・イン・クローゼットは2か所交差してしまうので、そのクロスした部分を除いて計算をいたしました。
結果としては、今のご自宅ハンガーバーの長さ3.3mに対し、新しいWICは4.1mとなり約25%増量、ピンクとブルーで色分けしたセーターや下着類の引き出し量も増え、重ねておいていたクリーニング済みのワイシャツも細かく分かれた棚を設けることで、収納しやすくすることができそうです。

こちらは靴収納の比較資料です。上段中央の二つの展開図が既存の靴収納で、下段の4つの展開図がリノベーション後のシューズ・イン・クローゼットです。交差した箇所を除いての計算で、20.5mが27.9mと約35%増える予定となっています。天井が高くなることで、上の方に棚板を作ることで増えている面もありますが、今のご自宅でも奥まってしまっていて使いにくい場所もあるので、収納量は確実に増えることをご説明することができました。

その他、今のキッチンで不満に感じていらっしゃることや、便利だと思っていることを伺い、

洗面所でも同じようなヒアリングをさせて頂き、収納内部も一通り拝見させて頂きました。リノベーション後の新居では、なるべくカウンターの上に物を置かずに引き出し内部に収納しておきたいとのことで、ドライヤーも引き出し収納の中にしまうことにしています。

ご先祖様のご位牌を収納する場所も新居には考えて欲しいとのことで、こちらも一緒に調査させて頂きました。

今は既製品のご仏壇を使っていらっしゃいますが、ご位牌とお線香をあげる場所と、おしきみ(樒)を置く場所を寝室のどこかに作って欲しいとのお話でした。

当初は最低限のスペースをと考えて、廊下からの扉の横にスペースを考えたりしてみましたが、毎日欠かさずお樒は交換して、お参りもなさっているとのことでしたので、それなりの幅と高さがある収納を考え、正面に立ってお祈りできる場所にとのことで、書斎机横の飾り棚内部にご仏壇入れを設ける考えて進めています。