Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

オーダーキッチンショールーム巡りの結果、今回はエクレアに

二番町I邸

リフォームの設計が始まった千代田区二番町のI邸ですが、使いやすいキッチンへのこだわりがあるIさまと一緒に二日間掛けてオーダーキッチンのショールーム巡りをいたしました。

初日は、二つのショールームが徒歩で2分の近くにある、代官山のアムスタイルとクッチーナのショールーム巡りでしたが、油断したのか高熱で出社することができなかったので、担当の神崎さんだけでは経験不足だったので、ベテラン(?)岸本さんに代わりに参加してもらいました。こちらがアムスタイルのショールームです。

こちらが道路挟んでお向かいにあるクッチーナのショールームです。Iさまは、スタイリッシュなアムスタイルよりも、色々なテイストが選べて、実用本位に感じられるクッチーナの方が良さそうだとの感想でした。

別日に伺ったのは、文京区小石川にあるエクレアのショールームです。この日は体調も戻っていたので、各務も参加致しました。

僕らが主戦場としている港区&渋谷区からは少し距離が離れているので、最近はあまりこちらに伺っておりませんでしたが、千代田区にお住いで車で良く動いていらっしゃるIさまからすると、文京区小石川は代官山より利便性が良く、また以前よりエクレアのホームページで細かい使い勝手の工夫を研究していたので、本命だったそうです。

ご一緒させて頂いて、例えばこの写真のシンク上の吊り戸収納の内部をワイヤー製の棚にしておいて、食器の水切りに使うアイデアや、

米櫃(コメビツ)や根菜類などを保管する引き出しの前板をメッシュにして通気性を確保する考えなどは、まさにこういった使い勝手を考えていたと納得ができたそうです。

コーナーの収納や調味料入れなども、採用したいと思っていた実物を体験することができて、とても満足度が高かったとのことでした。

背面収納には、調理家電をあまり露出せずになるべく隠して収納したいとのことで、ショールームの実例だけでなく、パンフレットに乗っていた事例写真も見ながら、どうしたらよいかを具体的にエクレアの僕らの担当者の塩田さんに相談してゆきました。

食洗器については、一般的なミーレよりもより実用的なボッシュや、安価なASKO(アスコ)にご興味を持っていらっしゃり、それらのメリット&デメリットを塩田さんに確認させて貰いました。こちらのディッシュ・ウォッシャーは最近、コストパフォーマンスに優れており、評価が高まっているボッシュ社のものでした。

ここまで見比べた結果で、もう他社からの提案や見積りは不要とのことで、こちらエクレアに絞って、仕上げ材を見ながら、具体的なキッチンプランを検討してもらうことになりました。

こちらが2週間後に得くれたから届いたイメージパースです。通常は平面図と展開図といったプロが見れば良く内容が理解できますが、一般の方では仕上がりイメージが分かりにくい図面での説明が多い中、エクレアでは素人目線のイメージパースを出してくれたことも、Iさまがとても気に入ってくださいました。

 

暖炉リフォームの完成と着火式@西麻布N邸

西麻布N邸

リノベーション工事の検査を待たずに、取り扱い説明を受けてお引越しの始まった変則スケジュールの西麻布N邸で、暖炉リフォーム部分が完成したので、その取扱い説明で着火式を執り行いました。

マンションでは珍しい本物の暖炉で、お客さまのNさまも暖炉は使ったことがないということで、マンション建設時に暖炉を設置した業者であり、今回のリフォームでも耐火レンガ積みなどを施工してもらったメトスの辻さんに来てもらいました。

まずは、基本的なことですが、給気がないと火が付かないことや、暖炉の中にある蓋を開けないといけないことを教えて貰いました。Nさまが蓋を開けたことで、空気の流れができたことを、暖炉内部を覗いて確認してくださっている様子です。

暖炉は一度着火してしまうと、火が消える最後まできちんと見ていないといけないことになってしまうので、軽く火をつける為のセットを辻さんが用意してくれました。木の端クズを組んで、その上に着火剤をのせるセットです。

このセットを組んでおけば、マッチ一本で簡単に着火ができます。

すぐに下の木っ端(コッパ)に火が移ってゆきます。

火が無事付いたところで、Nさまが事前に購入して下さっていた、除虫してある薪を暖炉横の薪置き場にレイアウトしながら詰めてゆきました。お子さまのN君は、留守でしたが、火が着く様子を見たら、きっと大喜びしてくれそうです。ただ、火の粉が散ったり危ないこともあるので、以前からあったガードを火の前に立てておくことを辻さんが説明してくれています。

火が消えるまで、Nさまご夫妻とメトスの辻さん、現場監督の石山さん、前田君と僕の6人で、しばらくおしゃべりをさせて頂きました。素敵な大理石製のマントルピースと暖炉の火があることで、とても落ち着いた雰囲気のひと時を過ごさせて頂きました。
まだ、残工事や未成工事が残っている西麻布N邸リノベーションの現場ですが、無事着火式(?)を済ませることができたことで、ひと段落がついた気になってしまいました…。

 

リマデシオ、サルバトーリ、リストネジョルダーノのイタリアン三役揃い踏み

港区R邸

解体工事に着工した港区R邸は、まだ内装仕上げ材で未定部分があるので、それらを急ピッチで打ち合わせ中です。

主寝室のウォークイン・クローゼットの扉は、イタリアのRimadesio(リマデシオ)社で既に発注を掛けておりましたが、ガラスの種類だけはまだ未定でしたので、用賀のリネアタラーラのショールームで、実物を見ながら、どのガラスが良いかを確認して頂きました。

リマデジオ社のガラスには、合わせガラスの間に何を挟むかによって多様な透明度を選ぶことができますが、主寝室の他の素材の色味と合わせて、ブラウン色の金属メッシュを入れたガラスを使うことに決まりました。

玄関ホールは、床がシチスのモザイクタイル、正面壁がマット仕様カラーガラスのマテラック、左側壁は大理石まで決まっていましたが、右側壁が未定のままでした。レザー張りや特殊加工も木等もご提案してきましたが、お客さまの感性と合わず、ペンディング状態でしたが、インテリアズが扱っている加工大理石のサルバトーリをご案内したところ、気に入って頂くことができました。

実は、奥さまには家具ショールーム訪問時にチラッと見て頂いたことがありましたが、ご主人にはお見せしたことがありませんでした。色々な石種で、その加工方法で9通りものバリエーションがあるので、それらの特徴を簡単にご説明させて頂きました。

このピエトラ・ダヴォーラの石種をChevron加工したものを、木製フレームの間に嵌めてゆくデザインでお見積りとCGイメージを作って、それらを確認の上、最終決定とすることになりました。

キッチンのサービスカウンターに使う素材も、中国福建省で候補としてコスモスブラックを選んでおりましたが、実物サンプルを貰うことができなかったので、このインテリアズ・ショールームにある似た素材を見て頂きました。

こちらが用意していたCGと先ほどのキッチンカウンターを見比べて頂いた上で、コスモスブラックで進めることのご承認を頂くことができました。

また、主寝室の床フローリングについては、イタリア製フローリングブランドのリストネジョルダーノのスライドという種類のフローリングをご提案しておりました。

こちらが芝園橋にあるADワールドのショールームにあるリストネ・ジョルダーノのスライドを実際に張った実例です。

この鋭角の交点に当たる部分が、どこまで正確に出来ているのかを、実物で確認させて貰いましたが、本当に正確に作られていました。

フローリング同志は、普通のオスメスのある実(サネ)加工ではなく、両方ともメス加工で間に雇い実(ヤトイサネ)を挟んでの張り方になるとのことでした。特殊な張り方なので、ADワールドの責任施工(材料を提供してくれる会社がフローリング張りまで責任をもって施工してくれる方式)となるとのことでした。

タイミング的に、お客さまと一緒にショールームに伺うことができませんでしたが、これらの写真をお見せしながらご説明した上で、リフォームキューの営業の坂本さんとRさまに一緒にショールームに行って頂き、色味とディテールを実物で確認して頂い上で、決定となりました。
日本では、まだ知名度がそれほど高くない、イタリア初のインテリア素材ブランド三役を一度に使わせて頂くという贅沢を楽しみたいと思っております。