Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

オーダーキッチン(アドヴァン)の組み立て@西麻布N邸

西麻布N邸

西麻布N邸では、打ち合わせ当初のキッチンショールーム巡りの時から、CP(コストパフォーマンス)を考慮して、オーダーキッチンを始めたアドヴァンでお願いしてみたいとの話がありました。原宿のショールームは展示も豊富で、キッチンだけでなくタイルや水栓といった建材や設備を一気に見ることができるので、確かにキッチンも採用できればお客さまのショールーム巡りも効率的にできると思っておりました(打ち合わせ時の様子はこちらです)。その後リノベーション工事が進み、いよいよキッチン家具の組み立てが始まりました。

こちらの写真ではすでに組み立てが始まっていますが、初日は現場に材料を搬入するところから始まりました。

100平米を超える大型LDがいっぱいになるほどキッチンキャビネットが積まれていたそうですが、僕らが現場に伺った2日目には、箱物は吊戸棚以外はほぼキッチンに収まっており、後はこちらのような多様なパネル材や棚板材や…、

長いシンクカウンターなどが並んでいるだけの状態になっていました。

キャビネットには、最初から引き出し金物や開き丁番金物が取り付いています。これらを建築工事で作った壁に合わせて、平行にかつ直角にお互いを固定してゆく作業へと入ります。すべてをピッタリサイズで作ってしまうと、少しでもズレがあるとそのズレ寸法を吸収できなくなってしまうので、数か所のバッファーを用意しておいて、そこに取り付けるフィラーで調整してゆきます。

一通りキャビネットの設置が終わったところで、カウンター材を載せてゆきます。引き出しや扉も、そのままで現場に置いておくと傷がつく原因になるので、仮の状態ではありますが、それぞれのキャビネットにはめてゆきます。

その後、以前のキッチンからの再利用のガゲナウの大型ビルトインオーブンのEB385410、新しくお客さまにご購入いただいたIHクッキングヒーター4つ口のVI260134ガスのハイカロリーバーナーのVG231234、そしてバーベキューグリルのVR230434を設置してもらいました。

同じタイミングで、アリアフィーナの1200ミリ幅の特注大型レンジフードと、イタリア輸入建材のアークテック社が扱っており、ちょうど国内在庫があったフィアンドレ社の大判タイルをキッチン背面パネルとして張って貰っています。
これで、ほぼキッチンは完成となりました。建築工事との取り合いも多く、工事のタイミングが何度もズレたりと大変な工事でしたが、アドヴァンの頑張りでここまで仕上がってまいりました。

 

 

コンクリートの角柱を丸柱にリフォーム

西麻布N邸

西麻布N邸では、どうしてもリビングダイニングの空間内にコンクリートの構造柱が表れてしまうレイアウトとないます。その横を通路として人が頻繁に通る場所なので、表情を柔らかくする為に丸い柱にリフォームすることになっています。

 

ある日現場に運び込まれた、この半分に切った葉っぱのような材料が、角柱を丸柱に変身させる重要な要素なのです。

このランバーコア材で作られた葉を重ねて、同じ位置に切り込みを入れてから、木製下地材を差し込み、ビスで固定してゆきます。

出来上がった薄型カマボコ状のものに、配線が通り抜ける穴を抜いた上で、角柱の4面に接着剤で取り付けてゆきます。

丸い葉が接する箇所は、角柱より少し大きめに作ってあり、ズレがあった個所は、カンナで削ってスムーズに繋がるようにして貰っています。

そこに繊維方向を揃えて作られた曲げベニヤ板を接着剤とビスで張ってゆきます。

どうしても端部が跳ねてしまうので、写真のオレンジ色のテープで絞めこんで固定してゆきます。ベニヤ板の縦の継ぎ目の箇所には、後でビス止めできるように下地材を入れておきます。

接着剤が固まってテープを外すと、このようにきれいな丸柱の下地が出来上がりました。

時系列が前後してしまっていますが、床付近の曲げベニヤ板は少し浮かせているので、タイルを差し込んで仕上げて貰ってゆきます。

曲げベニヤ板を下地として、裏がネット仕様になっているモザイクタイルを1シートずつ貼ってゆきます。

張り上がったモザイクタイルに目地材を詰めてゆきます。

因みに、モザイクタイルの目地材の色選定は、経験上結構難しいので、このように現場にて三種類の目地材でサンプルを作って貰ってから決めました。今回選んだのは真ん中の色の目地です。

完成後の様子は、また別のブログ記事でご紹介いたします。

 

 

三田M邸リフォームの経緯と顛末-3

三田M邸

色々な経緯があって工事着工から再スタートまで時間が掛かってしまった三田M邸ですが、造作家具の取り付けがひと段落したとのことで、担当の神崎さんと一緒に現場に行ってきました。

こちらが無事取り付け工事が終わったキッチンです。角度のある壁や梁の凹凸もうまく収めてくれたようで、ホッといたしました。

キッチン背面収納です。こちらも出っ張った張りに合わせて、パネルを張って貰ったのですが、ピッタリとはまっていました。

リビング奥の出っ張った変形コーナーの書斎家具も、うまく角度を調整して、無駄なスペースなく使えるようになっていました。

その4日後が竣工検査でした。

暗くなってからMさまご夫妻が現場に検査に来てくださった際の様子です。お二人とも、ここまでの道のりがあまりに長く、紆余曲折があったので、とにかくきちんとした形に仕上がったことを何より喜んでくださいました。

奥さまのこだわりのキッチンは、僕らがアドバイスに入った時点で、すでにキャビネットを作り終わっていたので、細かい点では不備もありましたが、全体としてはうまく使えそう打とのことで、奥さまもホッとしていらっしゃるようでした。

書斎コーナーでは、具体的にどこにファクスを置いて、プリンターをどうレイアウトするかの話へと進んでいました。

僕らもとても気に入ったデザインの玄関横ベンチもきれいに仕上がっており、これは大いに使えそうだと喜んでくださっていました。
以下は、補修工事が終わった段階で撮影させて頂いた家具なし状態での竣工写真です。

検査時には間に合っていなかった、ゼブラウッド扉が玄関ホールとLDKの間に入り、空間の質もグッと一段階上がりました。

完成したキッチンです。今回は別途工事になりましたが、クッチーナの施工陣の頑張りで、きれいに収まりました。

玄関ホール側から見返したゼブラウッド突板の建具です。建具横のガラスからタイル越しに自然光が入って、明るさもあるスタイリッシュな空間になりました。

最後は、大理石調ボーダータイルを張ったトイレです。こじんまりとした空間ですが、奥さまの好きなテイストが詰まった空間で、こちらもとても喜んで頂きました。

最後にMさまご夫妻を挟んで記念撮影させて頂きました。右からリフォームキューの営業&設計の森井さん、技術&現場監督の神成さん、Mさまご夫妻、弊社でプロジェクト担当させて貰った新人の神崎さんと僕、各務です。

僕らにとっては、8か月程度のお手伝いで通常のリフォームと同じような期間でしたが、Mさまご夫妻からすると、その前の不動産購入から残念なことになってしまった前リフォーム会社との半年以上のやり取りが、その前にあったので、一年以上の月日を掛けての大プロジェクトとなってしまいました。本当にお疲れさまでした…。