Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

高輪の高層マンションプロジェクト-2

高輪P邸

昨日紹介した事例の相方(?)、同じ高輪エリアですぐ横に立つ高層マンションのリフォーム事例です。昨日のプロジェクトはリフォーム後に賃貸に出す予定ですが、こちらは販売することになっているそうです。

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こちらは不思議な間取りで、玄関から斜めの廊下があって、そこから3方向に部屋が展開する構成となっていました。間取り図を見ながらお宅に入っても、自分がどこにいるのか迷子になってしまいそうな空間でした。130平米の広さが活かされていない間取りでした。

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そこで第一に手を付けたのが、その玄関からつながる廊下ホールでした。他の廊下と、この空間の違いを明確にするために、壁と天井、さらには造作家具の扉材あでダークトーンのグレーに張り替えました。暗めのトンネルから、明るい各部屋へと抜けてゆくイメージです。

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眺望という大きな魅力があるリビングにはあまり手を加えていません。ただ、写真の窓際は、以前はテレビ置き場だったようですが、こちらに腰を掛けると斜めに富士山が見えたので、窓際の眺望ベンチ仕立てとしてみました。ウィンドウトリートメントも他の窓のブラインドと種類を変えて、窓枠内に収まるハンターダグラスのシルエットシェードとして、シャープに演出しています。

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眺望のバックグランドとなる背面壁は、従前が壁のガタガタが目立っていたので、濃いベージュ色の壁紙とダイノックシートを使って、一枚の大きな面として見せてみました。
こちらは完成と同時に、不動産仲介会社主催の販売用オープンハウスを開催したところ、購入希望者が見つかり審査もすでに始まっているそうです。ほぼ同じ間取りの部屋が違う階でもは販売されているようで、購入希望者の方は、二つを見比べてこちらを選んでくださったそうです!

高輪の高層マンションプロジェクト-1

高輪A邸

港区高輪の高層マンションで、ほぼ同時に2つのリフォームプロジェクトをお手伝いいたしました。2つのプロジェクトは別々の会社がオーナーですが、ともに社長同士が知り合いで、それぞれが投資用のプロジェクトなのです。ちょうど同じタイミングでリフォームをなさりたいとのことでしたので、僕らがデザインをして、同じリフォーム会社に工事をしてもらうことになったという、不思議なご縁のプロジェクト2題なのです。

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一つ目は約75平米の2LDKの住宅です。元は無難な白で纏められた空間で、癖はありませんが、どこにもフォーカルポイントとなるところがなく、家具のレイアウトも考えにくい空間でした。こちらはリフォーム後に賃貸に出す予定とのことでしたので、借りてくださる方として若い共働きのご夫婦を想定して、イメージを作ってゆきました。

高輪ザレジデンス_窓廻り_B&A

窓際の逆梁があることで部屋が狭く感じられ、かつ窓も小さく見えるので、窓廻りを木目調で仕上げ直してみました。少し暗めのフレームを通して、外の景色が却って明るく見えるようになりました。

高輪ザレジデンス_玄関_B&A

玄関も白く特徴がなかったので、既存扉にダイノックシートを張り、扉一枚分を姿見を兼ねた鏡貼りとして、右側の壁面はアクセントクロスを張ることで、シックに仕上がりました。

高輪ザレジデンス_キッチン_B&A

やはりすべては白で、とらえどころのなかったキッチンは、天井と吊戸棚の一部を灰色にすることで、コンパクトながら機能的なキッチンに見えるようにお化粧直しいたしました。

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壁付け型の手洗いボールがあるだけだったトイレには、お化粧直し用の鏡とストック類を収納できるキャビネットに変更しています。これから賃貸マーケットに出されるとのことでしたが、どのような反応があるか楽しみです。

 

下地造作工事@六本木N邸

六本木N邸

高級マンションリノベーション工事の現場、六本木N邸の様子です。

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リビングダイニングは、フローリングはまだ未施工ですが、壁と天井の下地が出来上がりつつあります。リビングのソファー直上部分には大きな折り上げ天井が作られています。従来は天井に冷暖房の吹き出し口がありましたが、今回のリノベーションで、折り上げ部分の横立ち上がりに吹き出し口を変えています。正面の凹んだ部分に大型テレビが設置される予定です。

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こちらは廊下からリビングへの入り口横にあるスイッチ類を纏めたニッチの下地造作です。先回のお施主さま立ち合いでの中間検査時に、このニッチ上下にも追加で収納を作ることになったので、デザインも変更を加えています。

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下地工事と並行して、スプリンクラーの移設工事も進んでいました。フレキシブルホースでの配管ですが、折り上げ天井や照明などの位置とスプリンクラーヘッドの位置が連動してくるので、施工請負元のリフォームキューに墨を出してもらった位置に、マンション側の指定業者に設置して貰っています。

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廊下と書庫部分の壁・天井下地もできてきました。正面壁に一部白い壁が見えますが、これは引き込み扉のポケット部分の袖壁です。袖壁の厚みを抑えるためにサンドイッチ状にしたメラミン張りの薄ベニヤ板で立ててもらっています。

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引き込み扉のポケットの作り方を逆サイドから見た詳細写真です。上枠には扉を吊るためのレールを仕込むガイドがとられています。手前壁にはコンセントやスイッチが入るので壁厚がありますが、奥側に見えている壁は最少の厚みで作るために上記のサンドイッチ状の板となっています。

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こちらは床に仕込まれたアッパーライト(上向き照明)用の箱です。壁と離れて箱が設置されているように見えますが、壁には大理石を張るので、ちょうどその寸法分だけ壁から離して貰っています。

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こちらは違う部分の天井を見た様子です。折り上げ天井を既存のコンクリート梁とゾロ(揃った面のこと)で納めてもらっています。壁から少し離れた位置に細いピクチャーレールが仕込まれていますが、これも壁に大理石を張るので、その分離して貰っています。

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こちらは廊下突き当りのホール上部の折り上げ天井下地です。すでにボードが張られ、ダウンライト照明のための穴もあけられています。天井は全面AEP塗装仕上げで、ヒビ割れが発生しないように基本的には石膏ボード二重張りで指定しているのですが、作り方や細かい造作ディテールの関係で、一部ベニヤ板で下地がつくられていますね。

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洗面所の壁を立てている様子です。奥で脚立に立って大工さんが立てているのが、サンドイッチ状の薄ベニヤ板の壁ですね。手前側の壁は一部が欠けて、裏面にベニヤ板が見えていますが、これはここに厚みのある大理石を張るので、その大理石が出っ張らないように下地位置を下げて貰っているのです。

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こちらはスタッフの竹田さんが事前に現場に渡しているスケッチ図面です。仕上げの厚みと出来上がりがフラットになるように、現場の大工さんには面倒な下地作り作業です。間違いが無いようにスケッチが現場に張られ、さらにLGS下地にはどこからどこまでをベニヤ板で補強するかを現場監督の富田さんたちが書き込んでくれています。

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ほぼ週1ペースで現場に通っていますが、毎回現場監督の富田さん(左のしゃがんでいる男性)とその補助の宮脇さん(右の立っている女性)が、スタッフの竹田さんと細かい打合せをしてくれています。