Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

こだわりキッチンの原宿K邸リノベーション計画がスタートしました

原宿K邸

ブログでのご紹介が遅くなっていましたが、昨年の12月から相談が始まっていた原宿K邸リノベーションのプロジェクトを紹介いたします。新宿のオゾンからのご紹介で始まったプロジェクトで、オーナーご夫妻は原宿駅近くオーナーマンションに居住中で、そちらのオーナー住戸の全面リノベーションを計画しています。

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こちらが現在お住まいの様子です。築年数は37年ですが、27年ほど前に一度全面リフォームをなさっているそうです。お料理が大好きな奥さまのチョイスで、当時の最高級キッチンだったブルトハウプのオーダーで作ってもらったものだそうです。

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主寝室のクローゼットは特注の引出式だったり、漆喰をLD全面に使っていたりとこだわりの空間でしたが、2人いらっしゃったお嬢さまたちもお嫁に行ってしまい、キッチンをはじめとした設備類も老朽化してきたので、もっとスペースを有効活用できるように全面リフォームしたいとのご相談でした。写真はレーザー測量器を使って梁下の寸法を測っているスタッフの竹田さんです。

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幾度かお施主さま宅に伺って、リフォーム案をご提示しながら、仕上げ材の雰囲気や費用&スケジュールについてお話をさせて頂きました。ご自宅居住中で、引っ越しの時期さえ早めに教えて貰えれば、いつからスタートしても構わないとのお話だったので、この初期提案に随分時間を掛けさせて頂きました。

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既存では大きな面積を占めていた廊下をほぼなくし、その分をLDKに割り当てたプランへと纏まってきました。それまでの打ち合せで、奥さまが気に入って頂けそうな素材類をプランの横に並べて打合せをしている様子です。
当初から、奥さまの新しくなるキッチンに対する期待が大きかったので、そこからは僕らが良くお願いしているオーダーキッチンのショールーム廻りに同行させて頂きました。

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まず最初に伺ったのは、南麻布K邸で初めてキッチンをお願いした代官山のアムスタイルさんです。先回も担当して貰った宮本さんに、アムスタイルならどのようなキッチンを提案できるかを説明して貰っている様子です。

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アムスタイルならではのデザイン的な特徴や、色々とある新素材のカウンター材の特徴なども説明して貰いました。

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次には、ちょうど道路のハス向かいにあるクチーナさんを訪問しました。お台場K邸でもお願いした担当の米重さんにクッチーナの特徴を説明して貰いました。

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日を改めて伺ったのは、恵比須のリブコンテンツさんです。こちらでも良くお世話になっている担当の石井さんにリブさんならではの特徴と提案を説明して貰いました。他にもオーダーキッチン屋さんを幾つか紹介いたしましたが、ここまでの3つのショールームで色々と違ったアングルからのお話を伺ったり、提案を貰うことができたのでお施主さまとしても満足なので、まずはそれぞれの会社からの概算を待ったうえで、どこにお願いするかを決めることになりました。

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各社の概算を待っている間に、以前より気になっていたミーレのスチームオーブンを体験してみたいとのことで、目黒にあるミーレ・センターにお肉や野菜を持って実習に伺ってきました。

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ちょうど機種変更が間近にあるとのことで、残念ながら最新式のスチームオーブンは体験できませんでした。ただ、これからは後継機種へと移って行ってしまう古いタイプのスチームオーブンを使わせてもらうことができました。

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奥さまのMさまが切ってくださっているのが、青山の紀伊国屋の牛肉で作ったローストビーフです。いつもは予備の炊飯器を使って低温調理で中までレアで火を通してから、外側をカリッと焼いて作っているそうです。こちらのスチームクッカーであれば、一発で調理できると大いに期待していたのですが、少し火を通し過ぎてしまったようで、ジューシーさには欠けてしまいました…。
ただ、新しく発売される機種で、きちんとマニュアルに従って作れば、もっと美味しくできるとのことでしたので、採用するかどうかの判断は先延ばしすることになりました。
そうこうしているうちに、キッチンの3社から概算見積りが届き、それぞれの良い点悪い点を挙げて、総合的に判断してアムスタイルさんにお願いすることに決まり、他社さんにはお断りの連絡を入れさせて頂きました。

各種ディテールの組み立て方@一番町Y邸

千代田区一番町Y邸

千代田区一番町のY邸では、造作家具の取付が始まっています。

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リフォームキューの岩波さんと坂本さん、工事現場担当の富田さんに、うちの事務所スタッフの前田君が造作家具の前で打ち合わせをしている様子です。天井に白い帯状のパネルが取り付けられています。

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その造作家具はこんなデザインとなっています。左側の袖壁を見て頂くと、斜めにエッジが切られた壁となっていることが判るでしょうか?
ちょうどダイニングとリビングエリアを分ける位置にくる袖壁なのですが、エッジをシャープにすることで、空間に緊張感を与えようと考えてのデザインです。甲板は人工大理石で、扉と棚板は塗装仕上げ、棚の背面板はキッチンパネルで仕上げて貰っています。

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こちらが、デザインを決定する際に描いた展開スケッチ図です。コンピューターできちんと描いた図面ではありませんが、制作する上で必要となる寸法や細かいディテールの作り方も指示してある図面です。

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玄関側からLDを見たアングルの写真です。入り口左側には照明スイッチ類を纏めたニッチを作っています。僕が立っている背面にはやはり端部を斜めにデザインした造作家具が入っています。窓横のウォールナットフローリング材を張った壁がシックな雰囲気を演出してくれそうです。

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こちらがそのダイニング背面にくる造作家具です。まだ柱型との間が埋まっていませんが、唐突に現れる柱型を隠すことと、寸法的に広すぎるダイニング空間を引き締める意味を持たせています。黒く見える箇所はオープン棚となっています。

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こちらの図面は、ダイニング背面の造作家具の作り方と寸法を指示ています。今回は、リフォームアドバイス業務でのお手伝いで、こちらで描く図面を最小限にして、デザインのエッセンスだけをお施主さまに提供する形でお手伝いしています。

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床に並んでいるのは、事前に作業場で下地塗装をして貰った幅木です。壁色に合わせて白い幅木と灰色の幅木の2種類があり、さらに高さも2種類あるので、このような複雑な構成に見えるのです。

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こちらは、キッチンから冷蔵庫置き場、そしてパントリーへと繋がる空間の壁下地の様子です。いつも冷蔵庫を置いた際に、その側面を壁で仕上げるか、そのままにして置くかを悩んでいましたが、今回はちょうど天井に冷蔵庫とレンジフードのサイズに合わせた、塗装仕上げのアクセントパネルを張ることにしたので、それに合わせて袖壁を作ることができました。この写真だけでは、何の意味かが分からないと思いますが、出来上がりを楽しみにしていてください。

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最後がキッチン設置前の床にレイアウトされた給水給湯+排水管+ガス管です。元にキッチンがあった場所から位置が随分ずれたので、横方向に排水を流す必要があるので、キッチンキャビネットの台輪部分を使って流す計画としています。

ここまで紹介してきた各種ディテール(斜めの袖壁、色や高さが変った幅木、天井の白い塗装パネル、斜めにカットされた造作家具等)は、それぞれ単独ではあまり重要な意味を持っていませんが、全体が仕上がった際には空間を引き締める役目を込めて考えたものです。出来上がりがどうなるかを楽しみにしていてください。

 

 

書斎の特注スチールサッシ取付@お台場K邸

お台場K邸

高層マンションリノベ―ションのお台場K邸の現場に、書斎とリビングダイニングを区切る特注のスチールサッシが入りました。

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天井に不燃の突板パネルが張られ、右側壁には大理石模様のタイルが張られた空間に、シャープな鉄製のサッシが入ったことで、空気感がキリッと引き締まったことが判ると思います。

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組み立ての様子を写真に撮りたかったのですが、僕らが現場に到着した午後には、すでに床から天井まで、壁際もピシッと納まっていました。

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エレベーターのサイズを考慮して、中央で二つに分けて現場に運び込んでから組み立てています。後ほどサンダーを掛けて、継ぎ目を滑らかにしてから塗装で仕上げて貰うことになっています。

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書斎内側からリビングダイニング側を覗いた様子です。これまでは一つに溶け合っていた空間が、境界としてのサッシ枠が入ったことで、明確に区分されたことが判りました。

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そのほかの工事も着々と進んでいます。先回のブログで書いたタイル張りの壁はさらにキッチンのペニンシュラ(半島型)カウンターの下部まで伸びています。建具とキッチン吊り戸の横面にあカラーガラスが張られ、同じ硬質感を持って並んでいました。

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カラーガラス張りの建具の取っ手部分のディテールです。横張りのタイルの目地に合わせてガラスを3枚に分けて、中央部分に特注取っ手をはめ込んで貰いました。事前に工場で作った建具と、現場張りのタイルの目地を合わせるのは、相当な苦労だったと思いますが、工事をお願いしているSOUの現場監督の中川さんは、さも簡単そうに説明してくれました。

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建具のつり込みもほぼ終わっていました。小口だけが見えている廊下とリビングダイニングを仕切る建具、洗面へのダークグレー色の建具、その奥には洗濯機を隠した白い建具と並んでいます。

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洗面所の内部には特注で作ってもらった洗面カウンター家具が入り、扉を取り付けるのを待っているのみの状態まで仕上がっていました。

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トイレで、天板が据え付けられるのを待っている手洗いカウンターと、中央部に鏡が張られるのを待っているウォールナットのフレームです。小ぶりな手洗いですが、きれいに仕上がってくれそうです。

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玄関ホール正面壁にはスリット入りの特徴的なタイルが張られ、その左側には、正面から使う扉と、横面から使う扉が互い違いになった家具が取り付けられていました。横面をクロス張りにする予定ですが、そのままクロス張りのパネルが書斎の入り口まで伸びているデザインとなってゆきます。