Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ボード張り&照明位置の確定@渋谷S邸

渋谷区タワーマンションS邸

渋谷区のタワーマンション全面リノベーションのS邸の計画ですが、一時中断していた工事が再開されました。

DSC_3722_pt

とにかく大きなLDKの空間です。キッチンや家具が入っていない状態で見ると、小型の体育館のような大きさに感じてしまいます。

DSC_3725_pt

LDKはほぼ全面、TES(東京ガス)の床暖房が敷かれています。写真で、3枚のパネルが少しずれて、下地のベニヤ板に孔が空いている個所がありまますが、これはわざとパネルをずらして、床付コンセントを設置することになっています。事前にソファーをレイアウトする場所を設定して、ソファーの下に床付コンセントがくるように調整しておいたものです。

DSC_3731_pt

玄関ホールからの大きな開口や、キッチンを設置するための袖壁も徐々に組み上がってきています。

DSC_3728_pt

広い天井には、2本の照明器具を収めるボックスが埋められており、左側には下がり天井に間接照明を埋め込むためのアゴも作られています。

DSC_3733_pt

玄関ホールは、正面の収納は既存を再利用する靴収納ボックスで、向かって左側には一列に靴収納とコート用のクローゼット収納が並ぶことになっています。

DSC_3741_pt

玄関扉入って直上は、上がり天井になっており、やはり間接照明を仕込むことになっています。玄関の天井部分には、ボード裏にダクト類やロスナイ(全熱交換機)などが詰まっているので、ダウンライトの位置調整なども大変なようです。

DSC_3734_pt

個室では、造り付けのクローゼット収納が組み立てられていました。
一通り、こちらで現場をチェックした頃に、お施主さまご夫妻が現場に寄ってくださいました。

DSC_3762_pt

当日は、リビングの天井埋め込みのダウンライトの位置を決定する打合せをさせて頂きました。天井に青いテープが張られている個所が、当初図面で設計していたダウンライト位置です。

DSC_3765_pt

玄関ホールでは、天井裏の設備類との関係で、当初の計画通りにダウンライトが設置できなさそうだとのことで、設計施工をお願いしているN社営業のIさんが天井裏を確認してくれている様子です。

DSC_3780_pt

しばらく現場でお打ち合わせをしているうちに外が暗くなってきましたが、却って暗い方が照明の打ち合せには良いだろうと、皆で想像力を働かせながら家具のレイアウトと照明、使い勝手などの話をさせて頂きました。

DSC_3931_pt

こちらは、その数日後の現場の様子です。きれいに天井に埋め込まれていた照明ボックスですが、ボックス裏の熱気を抜くための穴加工がされていなかったとのことで、外されていました。

DSC_3921_pt

こちらが外されていた照明ボックスです。通常は裏板に有孔ボードを使っていたのですが、ボックスの裏面がすぐコンクリートスラブになってしまっているので、横面に熱気抜きの穴をあけなければならいため、そのデザインを現場で検討いたしました。

DSC_3924_pt

床は床暖房パネルの上にフローリングも張られ養生シートが被されていました。再度、照明ボックスを埋め込んで天井を閉じれば、空間の骨格はほぼ仕上がりになります。

DSC_3928_pt

細かい個所では、窓際に設ける予定の飾り棚の設置用の下地が作られていました。

DSC_3939_pt

個室で組らてられていたクローゼット収納も、壁にピタリと埋め込まれていました。個室からリビング前を抜けて、ご主人の書斎スペースを通って主寝室まで繋がる長い廊下も迫力がありました。

R0052531_pt

この日が最終期限だった、主寝室のアクセントクロスもお施主さま立ち会いのもと、無事決定することができました。

 

多様なタイル張りと建具吊り込み@タワーマンションリノベーション

お台場K邸

工事進行中のお台場の高層マンションの現場では、色々なタイル張りと建具の吊り込み工事が同時に進んでいました。

DSC_4776_pt

まずはリビングに面した大きな壁のタイルです。平田タイルの大理石柄のボーダータイルを採用しています。担当スタッフの前田君のコダワリで、タイルの割り付けと建具(手前で作業しているの白っぽいものが建具です)の高さと幅を合わせて貰っています。

DSC_4792_pt

タイル張り工事は、下地の平滑度の確認や墨出し(どこを基準にどう張ってゆくかを考えること)や、タイルの切り出しなどの下準備には時間が掛かりますが、イザ張り出すと本当に早いのです。1~2分で一枚ずつ張ってゆかれるイメージです。

DSC_4774_pt

横のキッチンの床には、朝からの作業で同じ平田タイルですが、別柄のタイルが張られていました。まだ目地を詰めたばかりで、人が乗ると動いてしまうので、手前にテープが張られて入場制限(?)が掛かっていました。

DSC_4779_pt

こちらは玄関入って正面の壁です。アドヴァンのタイルで、独特の凹凸があるシャープで彫の深いタイルです。左側に張り残しが見えますが、ここにはスリッパなどを収納する扉付きの棚が設置される予定です。

R0052861_pt

リビングの窓際には、インナーコート(植栽などを置く場所で、室内だけで屋外的に使える場所)を作ることになったので、その部分の床と壁にはアドヴァンのライムストーン調のタイルを張って貰っています。タイルより薄いベージュ色の目地を詰めてくれている様子です。他にも、トイレや洗面のモザイクタイルも同じ日に張られていました。

R0052841_pt

こちらはリビングの壁のタイル張りと建具の枠の取り合いディテールです。建具にはカラーガラスを貼る予定ですが、全体が一体と見えるようにしたかったので、タイルの見切りは焼き付け塗装したスチールアングルを特別に用意して貰いました。建具も枠が見えないようにピボット蝶番を選んでいます。

R0052849_pt

建具も細かい調整が必要なので、幾度も仮に吊りこんでは外してを繰り返しながら調整を重ねてくれていました。

DSC_4777_pt

こちらが吊り込みを待っている建具たちです。取っ手がオリジナルな設計で、吊り込み方法もまちまちなので、調整には相当な時間が掛かっているようでした。

R0052854_pt

廊下からリビングに入る引き戸の特注取っ手のディテールです。引き込んだ時に引き出せるディテールとガラスを入れる枠を一体にスチール焼き付け塗装で作ってもらっています。

R0052844_pt

塗装仕上げがほとんどの建具ですが、子ども部屋への建具だけは優しい雰囲気になるようにナラ突板仕上げとしています。引き込み仕様にできなかったので、枠をクロス巻きとして、隠し蝶番で納めて貰っています。

DSC_4793_pt

引き込み扉やスチールサッシ等が複雑に絡み合うので、枠形状も結構変則的な作りになっています。仕上がりがどのようになるかの楽しみです…。

DSC_4800_pt-2

ちょうどこのタイミングでご帰国なさっていたKさまの奥さまが現場の様子を見学に来てくださいました。工事が始まってからは初めての現場訪問だったので、当初からの変り様には本当に驚いていらっしゃいました。

DSC_4787_pt

現場には、取付前の造作家具も置かれていました。洗面カウンター下の収納がこちらです。

R0052848_pt

トイレの手洗い正面壁に取り付ける、ウォールナット突板で作ってもらった特注の鏡フレームも届いていました。工事完了、お引渡しまであと少しです!

 

マンションリフォームの壁下地&天井下地

千代田区一番町Y邸

千代田区一番町のホーマットシリーズマンションのリフォームプロジェクトでは、工事が順調に進んでいます。

Exif_JPEG_PICTURE

解体が終わったところで、まずはこのブログの読者の方であればお馴染み(?)の墨出しです。むき出しにになった床のコンクリートに、図面の指示に従った位置に墨(実際はマーカーや鉛筆)で壁や扉などの位置を原寸大で書き込む作業で、これの確認を行いました。

Exif_JPEG_PICTURE

事前に工事会社の方から報告を受けており、問題がない箇所については壁下地のLGS(軽量鉄骨)を立ち上げ始めて貰っています。

Exif_JPEG_PICTURE

一部問題があったのが、この床面から立ち上がって言う排水管とガス管のデザイン的な処理方法でした。以前、同じマンションの違う階でリフォームのお手伝いをしていたので、ある程度予想はしておりましたが、今回はガス管の立ち上がり位置がその時と違っており、キッチンの壁位置を変更することで対処することになりました。

今回はスピードで仕上げることが重要なプロジェクトでしたので、既製品のハーフユニットバス(浴槽などの腰から下がFRPで作られているセミオーダースタイルのユニットバス)を採用しています。ただし、腰から上の壁やタイルで仕上げ、扉や開口部分は特注でステンレス枠を作ってグレード感を出すように工夫しています。

Exif_JPEG_PICTURE

めったに見ることのない、ハーフユニットバスの裏面です。表面と打って変わって、FRP樹脂で何度も塗り重ねられることで防水処理していることが判ります。

DSC_4300_pt

ここからは、先ほどまでの工事の10日ほど後の現場の様子です。
床には遮音下地材ベニヤ板が張られ、天井のLGS下地も完成し、左上の照明ボックスが埋め込まれ、中央部分にはリビングダイニングを空間的に仕切るための天井パネルの下地が作られていました。

DSC_4272_pt

こちらが、その天井パネル板の下地です。大きなリビングとダイニングを仕切り線としての役割と、キッチンのレンジフードが唐突に見えることを防ぐように、パネルサイズと合せてデザインしていること、さらにはその背面に来る冷蔵庫置き場を纏めるためのデザイン的要素として考えている物です。

R0052630_pt

こちらは僕らが良く使っている天井埋め込み型の照明ボックスの詳細です。今回は天井の仕上げ材がクロスなので、そのクロスを見切るためのスリットを入れています。

DSC_4277_pt

南面したサイズの違う窓二つを纏め上げる新規の木製枠も取り付けられていました。小さい窓の縦サイズに合わせて、大きな窓側まで枠を伸ばしていますが、この枠の間にはフローリング材を貼って木製パネルとして見せるデザインを予定しています。

DSC_4294_pt

こちらはキッチンの裏動線側にあるユーティリティーとパントリー、さらには家族の寝室を繋ぐ廊下へと続く箇所です。ダクト類が天井裏を通っているので、その分天井の高さを低くして処理しています。

DSC_4287_pt

玄関回りの下地工事も進んでいます。左手が玄関からリビングへ続く開口で、右側のLGSの裏側が洗面所になります。

R0052629_pt

玄関ホールとリビングの間仕切りは、大きな塗装扉とその横に光を通すガラス袖壁を予定しています。こちらは壁と天井に埋め込まれたガラス保持用の下地です。

DSC_4288_pt

洗面所はトイレの移設があるので、一段(約15センチ)床レベルを上げています。右手にダブルボウルのシンクが来て、正面奥に見えているのが先ほどのハーフユニットバス、その左側に新しいトイレがレイアウトされることになっています。