Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

雑誌「都心に住む」の取材・撮影@代官山T邸

代官山T邸

リクルート社の雑誌「都心に住む」の取材撮影で代官山T邸にほぼ一年ぶりにお邪魔して参りました。

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相変わらずとてもきれいにしていらっしゃるTさまのお宅です。昨年も一度取材&撮影を受けていましたが、今回は前回と特集の趣旨が違って、「閑静な街暮らす 欲しかったのは低層マンション」というタイトルで、低層ならではの魅力を伺いたいとのことで、再訪させて頂きました。
因みに先回の取材では「閑静に住む都心の住宅街」という特集でした。

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以前も取材に立ち会ってくれた都心に住む編集部の江原さんが、ライターの富山さんとカメラマンの柴田さんを案内して、どこの空間をどのように撮影するかを指示してくれました。

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その間に、照明器具で具合が悪いものが幾つかあるとのお話を事前に伺っていたので、施工を担当したリフォームキューの岩波さんとうちのスタッフの竹田さんにお施主さまがどの箇所がどう具合が悪いのかをご説明してくださいました。

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お施主さまも取材撮影が2度目で馴れていらっしゃるので、先に低層の魅力を語って頂いてから、すぐに撮影に取り掛かってもらいました。

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自分たちで設計しておいてナンですが、何度伺ってもカッコ良い空間で、ホレボレしてしまいます。特にこの黒檀の特注建具とバサルティーナの壁の相性はスタイリッシュです!

仕上げ材打合せ@青山I邸

青山I邸

現在解体工事がほぼ終わった進んでいる青山I邸プロジェクトでは、仕上げ材料の打ち合せが続いています(通常は解体前に仕上げ材を決めてしまうのが一般的な流れですが、今回はほかの部屋のリフォーム工事などとの兼ね合いで、解体工事が終わった後にしばらく間をおいてからリフォーム工事が始まる段取りとなっています)。

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基本的な仕様で工事見積りがすでにできている段階からのお手伝いなので、新しい素材をご提案する場合には、ベースとなる素材との差額がどのくらいになるかを確認しながら選択することになります。

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キッチンの背面カウンター上、洗面カウンター上、来客用トイレの手洗いカウンター上には、それぞれユニークなモザイクタイルを使いたいとのご希望があったので、リフォーム工事の設計施工を受けているM社と僕らで、幾つかのモザイクタイルのサンプルを持ち寄ってみました。ただ、小さいサンプルで、目地も詰まっていないと張った時の様子が判りにくいので、この日はどのサンプルの大判を用意するかの候補を決めて貰うところまでで打ち合わせは終わってしまいました。

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このショールームにあるキッチンとダイニングを空間的に繋ぐ扉が気に入っていらっしゃるので、どのようなデザインでどのようなサイズで仕上げるかについても、使い勝手を確認しながら打合せいたしました。

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先回の打ち合わせの1週間後に、今度は品川区のご自宅での仕上げ材打合せの様子です。

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建具や家具扉については、基本はオレフィンシート張りとなるので、その色味を決めてゆきました。所々ポイントとなる家具や建具は天然突板で仕上がるので、その突板サンプルも持ってきてもらっています。

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先回の打ち合せで選んで頂いたガラスの背面に金箔をはったモザイクタイルは、目地を詰めて大判のサンプルを作ってもらいました。こちらは来客用のトイレに採用することが決まりました。

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もう一つの大判サンプルは、写真のような玉虫色のガラスタイルです。光の状況によって色味が全く変わって見えるので、またその次の打ち合わせの際にショールームに持ち込ませてもらって、間接照明付きのメディスン・キャビネット下に置いて、色味を確認させて貰いました。
こちらもお施主さまがとても気に入ってくださったので、キッチンと洗面両方でこのタイルを採用することになりました。

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仕上げ材の打合せ4回目で、ほぼすべての素材が揃ったので、すべてをパネルに並べて最終確認をしているところです。確かに、全体として静かできれいな素材イメージですが、少々華やかさに欠けているので、先ほどの2種類のモザイクタイルが華を添えてくれそうです。

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この時点で、まだ決まっていなかったのが、リビングの窓際に作る予定のテレビ&AV用のボード収納の天板でした。幾つかの仕上げイメージ写真をIさんたちに送って貰ったものから、似た素材で日本に在庫がある御影石系のサンプルを集めて貰っています。こちらについては、当日ご出席頂けなかったのご主人さまの意見が特に重要な箇所なので、持ち帰っての宿題となりました。
価格的には、どれでも大きな違いはないので、この内容で最終的な見積りを纏めて貰うこととなりました。

 

 

 

レザー張り扉&パネルの作り方

六本木N邸

これまで使ったことのない素材、レザーを使った扉とパネルを六本木N邸の廊下に採用することになりました。最近の僕らがお手伝いするプロジェクトでは、木質系素材(突板、フローリング材、羽目板)と石系素材(大理石、御影石)とガラス系素材(鏡、カラーガラス、透明ガラス)に塗装仕上げを混ぜた4つの素材で空間を構成してきましたが、もう一つ新しい素材を使ってみたいと思っていて候補に挙がってきたのが、このレザー素材です。

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廊下に来客用トイレがあるのですが、その扉を如何に目立たせないか、周囲の壁と馴染ませるかを考えている過程で、横の壁と扉を合わせてレザーバリのパネルで作るアイデアが生まれました。扉を隠せるだけでなく、これまでにない新しい質感を空間に加えることができると思っています。展開図の中央に灰色で塗られた箇所が、レザーパネルとレザー扉です。

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平面的にみるとこのようなディテールとなっています。隣のパネルの目地と扉の隙間の寸法を合わせたいことと、扉のヒンジを隠したいことを両立させるために、扉の下地にアルミパネルを組み込むことになりました。

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実はここまでの道のりは、決して平坦ではありませんでした。レザー張り家具を得意とするトリシュナ・ジバーナの三浦さん、施工をお願いしているリフォームキューの岩波さんと坂本さんに事務所に来てもらって、幾度か打ち合わせをさせて貰いました。

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その時のディテールスケッチがこれです。扉部分の隠し丁番と戸当たりとさらに、トイレなので鍵も必要になっており、それを如何にパネルと目地を合わせて作るかは、なかなか難しく、皆で頭を悩ませながら、あーでもないこーでもないと検討を重ねてきました。

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ようやくできてきたレザー張りをする前の下地状態のパネルのディテールです。左は戸当たりと目隠しを兼ねたアルミのツバが付いた扉の端部詳細、右側はレザーをパイピングで留める扉小口部分と、特注の取っ手をはめ込むための欠き込み部分です。ここまで作った下地パネルを一度現場で仮に設置してみて、寸法的な調整をしたうえで、レザーを張ってもらう工場に持ってゆきます。

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こちらは特注の取っ手です。焼き付け塗装できれいに仕上げてもらっています。
いよいよこれからレザーを張ってゆくのですが、レザー張りの工場は色々と企業秘密(?)があるらしく、見学はさせて貰いましたが、写真を撮る許可は得ることができませんでした…。
どのように仕上がってくるかはしばしお待ちください。