Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

リノベーション・ジャーナルの取材・撮影-2

六本木M邸

先回のブログでご紹介したリノベーション・ジャーナルの取材撮影の第2弾です。

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こちらはちょうど1年前にお引き渡しをした新築マンションリフォームの六本木M邸です。新築の高級マンションにモールディングやケーシングの装飾材、壁や床に使ったトラバーチンなどの大理石の素材感が、雑誌の特集に合うとのことで、撮影をお願いさせて頂きました。

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まず何よりも目を引く、この框扉の由来を編集長にお伝えいたしました。堀商会で仕入れた扉の握り玉やヒンジ、そして特注の幅木やケーシングまで細かく撮影していただきました。
めったに閉めることがない扉だそうですが、このような状態で見るのもとても新鮮でかっこよいとMさまの奥さまが喜んでくださいました。

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トラバーチンとスティングレーの2色の大理石を使って床を仕上げた玄関ホールを撮影中の大菅さんと広瀬さんです。

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窓際のトラバーチンの式台と長めに作ったカーテンの取り合いなどの細かいディテールまで撮影してくれて、設計者冥利に尽きる取材となりました。取材・撮影にご協力くださったMさまご夫妻、どうもありがとうございました。

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こちらはオマケの写真です。設計当時幼稚園の年中だったK君はリフォームに際して、ベランダから外へと通じる素敵な滑り台を提案してくれました。小学校2年生になったK君はその時のことをよく覚えてくれているそうで、「カガミさん」が来るなら昨年作ったこの「秘密基地の模型」を見せてあげてほしいと奥さまに言ってくれたそうで、大事にダイニングの上に置いて行ってくれました。今後の設計の参考にさせて貰います!

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最後の撮影は白金台S邸です。こちらは、色彩や素材といった面では、それほど作りこんでおりませんが、建具や造作家具のディテールがよくできているとのことで、今回の取材の対象になりました。

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玄関の収納とベンチとプライベートゾーンへの入り口を兼ねた造作家具です。その奥に見える建具を撮影中です。

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窓際のアルミサッシを隠す、木製の方立のティテールも撮影してもらいました。

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キッチン入り口に設けたワインセラー内臓のミニバーコーナーと引き戸の取り合といった玄人好みの詳細にも興味を持ってもらいました。

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折角のタイミングでしたので、これまできちんと撮影をしていなかったキッチン部分も撮影させて頂きました。こちらも撮影にご協力くださったSさまご夫妻、どうもありがとうございました!

 

 

 

 

リノベーション・ジャーナルの取材・撮影-1

リフォーム

リノベーションの専門雑誌「リノベーション・ジャーナル(新建新聞社)」の取材撮影で、久しぶりに以前リフォーム・リノベーションのお手伝いをした幾つかのお宅に伺って参りました。

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まず最初に伺ったのは世田谷区の千歳船橋にあるN邸です。以前からお付き合いのあったNENGOのご紹介で、ちょうど一年半前にリノベーション工事の竣工お引き渡しをさせて頂いたお宅です。

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リノベーションジャーナルの大菅編集長とカメラマンの広瀬さん、後ろで携帯を構えているのはNENGOの中村専務、そしてNさまの奥様です。

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次回のリノベーション・ジャーナルは、建築の色使いや装飾についての特集とのことで、こちらN邸はDIYセルフ塗装でポーターズ・ペイントを使って仕上げているので、塗装の色使いやこの通り抜け型の洗面などの素材感がユニークなので推薦させて頂きました。

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結局2時間以上掛けての撮影になってしまいました。Nさまの奥さまがご覧のような夏野菜を中心とした素敵なランチをご用意してくださったので、取材側の三人でお食事を頂きながらリノベーション設計時の苦労話をさせて頂きました。

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こちらはオマケです。3歳になるお嬢さまが無垢材のセンターテーブルに書いてしまったという落書きです。奥さまは、恥ずかしいので、今度削り取る予定だとことでしたが、アートのセンスあふれる素敵な落書きだったのでパチリと一枚記念に撮影させて頂きました。Nさま、取材・撮影へのご協力、さらにはおいしいお食事までご用意くださり、どうもありがとうございました!

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次に伺ったのは神戸M邸です。こちらは別荘的な使い方をしていらっしゃるので、Mさまがご不在のタイミングでしたが、お施主様のご了解を得て、さらには管理をしてくださっている北野坂商会の玉邑さんにも手伝っていただき、撮影に入らせていただきました。

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こちらにも大菅編集長と広瀬カメラマンがわざわざ神戸まで来てくださいました。こちらからは担当スタッフの竹田さんに加え、まだこちらを見たことのなかった前田君も一緒に三人で伺わせていただきました。

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凝ったディテール満載のお宅なことと、素材も多様な種類のものを使っているので、3時間近くの時間を掛けて、丁寧に撮影していただきました。

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実はこちらも竣工後1年半経っていたので、タイミングを逸していた一年点検も兼てのご訪問とさせて頂きました。撮影後の午後にはリフォーム工事でお世話になった越智工務店の金平さんに、立ち会ってもらっての点検をさせて頂きました。快くご協力くださったMさまご夫妻と玉邑さん、どうもありがとうございました!

香港で特注の建具+ケーシング発注

広尾N邸

広尾Nプロジェクトのお施主さまは、現在外国に在住中です。壁や建具等、全ての建材(建築そのもの?)が、日本のものはプラスチックっぽく、軽いことを嘆いていらっしゃいました。そこで、重厚で頑丈な作りの当地の建具を、向こうで発注して個人輸入で日本に入れることになりました。

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ちょうど友達の結婚式で当地に行く予定だったスタッフの竹田さんに、Nさまとタイミングを合せて建材ストリートにある建具屋さんに行って貰いました。

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無垢材(パイン材・アッシュ材・ウォールナット材など)を框(かまち)に使った框扉や、

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塗装された建具、突板でデザインされたもの等、色々な種類の扉が所狭しと並んでいたそうです。

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扉内部の作りは、このようになっているそうです。日本では、軽さを追求することで、紙でできたペーパーハニカムを芯材として建具を作っているので、あちらの作りの半分以下の重量となっています。因みに価格は、同じグレードで比較し、郵送費を別にすれば、3分の1程度でしょうか。

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お施主さまのNさまは、以前より建具を含めたインテリアが大好きで、現地でのお友達のお宅の簡単なリフォームもお手伝いしたことがあり、こちらの建具屋のオーナー、ベンさんとも以前からの知り合いだったそうです。

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竹田さんが日本で用意しておいた建具とケーシング(枠)の詳細図を元に、開き扉、両開き扉、引き込み扉など合計10本を特注のデザインとサイズでオーダーして頂きました。オーダーしてから作り上がるまで2週間ほどで、それからすぐに飛行機便で発送すれば、3週間後には日本に届いてしまうそうです。

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併せて、建材ストリートのすぐ近くにある金物屋さんに寄って、建具のドアノブや造作家具の取手なども選んで頂きました。

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日本であれば、メーカーのカタログから選ぶのが一般的ですが、世界の工場である中国をバックに持つこちらの国では、特注オーダーをしても何でも安く手に入るので、このようなお店で形を選んでオーダーしても、日本と比較すれば超格安で製品が手に入るのだそうです。

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バッタもののような製品から、きちんとしたモノまで、ありとあらゆる金物がこのお店には並んでいたそうです…。

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やはりこのお店でも馴染のNさまは、的確にご自分のイメージにあった金物類をピックアップしていってくれたそうです。竹田さんは、横に秘書のように立って、必要な材料とその個数だけを確認していればよかったとのことでした。

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こちらが竹田さんが泊めて貰ったNさまの現地のご自宅です。高い天井高に、塗装仕上げの壁と天井、サイザル麻の床というシンプルな空間に、お好きな家具や調度品、アートや照明を本当に上手にレイアウトしてあったそうです。

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Nさまも本当にインテリアが大好きで、家具レイアウトを変えて、しっくりくるまで何度も繰り返して、ようやくこの空間が出来上がってきたそうです。

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写真では幾度も見せて貰った住宅でしたが、とにかくどこを見ても、本当に素敵な空間だったと竹田さんが心から感心していました。僕、各務も近いうちにタイミングを見計らって訪問したいと願っております。