Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

高齢者向けサービスアパートメントのリフォームプロジェクト

新規プロジェクト

高級な高齢者向けサービスアパートメント・Mレジデンスの住居部分のリフォームのお手伝いをすることになりました。

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お施主さまが借りることになった住居を現調させて頂きました。100平米弱の中間規模のお部屋ですが、川に面して日当たりも良い気持ちが良さそうな空間でした。

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こちらがリビングの天井を見上げた様子です。

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上階には居住者が利用できる共用の食堂がありますが、個々の住宅でも料理ができる、きちんとしたサイズのキッチンがあります。ただ、お施主さまのSさまは、ここまで大きなキッチンは必要ないとのことでした。

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介護が必要になってからも使える浴室です。介護には適しているそうですが、このピンクのタイルのインテリアはお施主さまも変えたいとのことでした。

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リフォームのご要望としては、以下の通りでした。

  • 夫婦別々の寝室で適度な距離を保ちたい
  • 夫婦が違う時間にお風呂やトイレを使えるようにしたい
  • デザイン性の高い空間で気持ち良く過ごしたい
  • キッチンはコンパクトでOK
  • 浴室はピンクのタイルを何とかして欲しい
  • お孫さんが来て楽しめるような空間にしたい
  • 使いやすくてリラックスできる家具を選んでレイアウトして貰いたい

といった内容でしたので、それを落し込んだラフなリフォーム案を作ってみたところ、とても気に入って下さいました。

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より具体的にリフォームプランを練ってゆくことになったので、再度現地を訪問して、再調査させて頂きました。こちらの写真は壁裏のPS内の様子です。給水や排水管がどのように接続されているのかをチェック致しました。

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こちらは天井裏を点検口から覗いた様子です。空調のダクトのルートや、スプリンクラーの配管状況、また梁の位置も同時に確認することができました。

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寸法の入った間取り図は貰っていましたが、実測することで間違いがないかをチェックしました。大きなずれはありませんでしたが、天井の折り上げ位置や細かい枠の取り合いなども調べさせてもらいました。

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これから調査した内容を図面に落とし込んで、お施主さまの意見を反映させながらデザインを完成させてゆきます。管理会社とも綿密な連絡を取りながら、見積りを取って調整してから工事開始と、先が長いプロジェクトですが、頑張ってお施主さまが喜んでくださるような空間に仕上げてゆきたいと思っております。

雑工事いろいろ@南平台N邸

南平台N邸

よくリフォームの見積りに雑工事という項目がありますが、ちょうどそのような工事が南平台N邸でも行われていました。

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先日から組み立てていたウォークスルータイプのクローゼットの調整とシール打ちの様子です。ガラスや鏡部分には、ぶつからないように養生テープでバッテンが記されています。

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中央に置かれた特注の小物棚は、両側から引き出せるようなシステムを考えましたが、ちょっと引っ掛かりあり、動作がスムーズでなかったため、アルフレックス社の担当の中山さんに来て貰い、調整方法を考えて貰うことになりました。

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洗面所からウォークスルークローゼットを通して寝室までの見通しです。洗面カウンターではやはりシール打ちが行われていました。

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主寝室のベッドサイドに設けた小物置きと枕元照明の微調整も行わせて頂きました。小物棚の奥の塗装部分は艶なしで塗装されていたので、使い勝手を考えて3分艶に塗り直してもらうことになりました。

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浴室には、新しい水栓とシャワーの取付けが無事終わっていました。奥に見えるサウナブースのシール打ちも終わっているようでした。

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リビングの床は既存の石張りを活かしていますが、傷やカケている個所があったので、目立った箇所については補修して貰いました。

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こちらがその補修道具です。欠けている箇所には、穴埋め材を詰めて十分に乾燥させてから、3種類のバフで荒い目から細かい目まで順を追って丁寧に磨いてゆきます。

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造作家具でも、家具のラインが床の石目地とずれている個所が見つかったので、事前に訂正して貰いました。家具にも細かい傷やヒビが入っていたので、補修屋さんに入って貰い、それらの個所を直して貰いました。

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良く見積りで雑工事とは何かとお施主さまに確認されるのですが、このようにリフォーム工事の大項目(造作家具や大工工事といった大きな項目)に分類しきれない細かいけれど重要な工事のことだとご説明しています。具体的には以下のような項目が入れられることが多いようです。

  • 補修(手直し)工事
  • シール打ち工事
  • 鏡取付け
  • 金物取付け
  • クリーニング
  • アート取付け工事

雑多な種類の工事という意味で、決して雑な工事というわけではありませんので、念のため…。

千代田区番町のヴィンテージマンションリフォームH邸がスタート

番町H邸

高級マンションが集まっている千代田区番町エリアで、ホーマットシリーズの大型ヴィンテージマンションリフォームプロジェクトがスタートします。

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当初は、まだマンションの購入が決まる前のご相談で、「どこまでリフォームをすればどのような住宅にすることができるのか?」、「そもそも、リフォームをする価値のあるマンションなのか?」、「目に見えない部分で不安な要素はどんな箇所で、どのような可能性があるのか?」という質問・疑問に対して、有料での現地調査をさせて頂きました。

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まずは、Hさまから不動産仲介業者さん経由で管理組合にコンタクトを取って貰い、管理事務所に保管してある竣工時の青焼き図面を一通りチェックさせて頂きました。この図面は給排水配管図ですが、排水管を始めすべての設備配管が床スラブ下(下の階の天井裏)を通っていることが判りました。

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こちらの住戸の天井裏を覗いた状況です。上階住戸の給水・給湯・排水の設備管が通っていることが確認できたので、先ほどの図面の記載情報がほぼ正しいことが判りました。赤字コメントは、後日お施主さまに提出したレポート用に写真に書き込んだものです。

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こちらはトイレ横の掃除口から覗きこんだ床下のトラップの様子です。この写真ではトラップが鋳鉄製で錆が進行している様子が伺えましたが、トラップ以降の排水管がVP管でその状況は問題がなさそうなことも判りました。

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ガス給湯器の下の状況です。ガス管は白ガス管で、給水と給湯管のスラブ上配管はPV管である事が判りました。

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建設当時には100平米毎の防火区画が要求されていた住宅ですが、その後防火区画は200平米に緩和されているので、区画壁を撤去できるかが大きな問題の一つでしたが、天井裏を覗いたところ、写真のように区画壁を貫通する配線孔から壁が乾式の耐火二重壁で作られており、撤去することが可能なことも判りました。因みに、区画の撤去については、事前に管理組合に問い合わせをして、他の住居でも撤去していることは判っていました。
以上を纏めたレポートを提出して、価格についてもコメントさせて貰ったところ、その1週間後にご購入を決めたとの連絡を頂いたので、正式にリフォーム計画がスタートすることになりました。

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改めて現地を拝見した際の既存の様子です。こちらはキッチンですが、小さなお子さまが3人いらっしゃるので、この閉じたキッチンからではリビングダイニングの様子が見えないので、上手くオープンキッチンにしたいとのご要望がありました。

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メインの浴室ですが、洋風スタイルで洗い場もなく、トイレも隣接しているので、それぞれを別々に使えるように再レイアウトして欲しいとのご依頼も頂きました。

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広すぎる玄関ホールには、もっと収納を作って、沓脱ラインをきちんと設定して欲しいとのリクエストも頂きました。

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こちらは後日、排水管の位置や排気ダクトの位置まで考えた上で、キッチンをオープンにするプランを作って、そのイメージをスケッチしたものです。このスケッチをご覧になったHさまご夫妻は、是非これを基本とした内容でリフォーム計画を進めてほしいと仰ってくださいました。