Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

設備配管チェック@西麻布T邸リフォーム

西麻布T邸

先回墨出しをチェックした西麻布のマンションリフォームT邸の現場では、木製の下地が立ち上がると同時に、設備配管も設置されてきました。

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左手のPSから床を這って伸びてきているのが排水管です。

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黒く縦に伸びているのが、マンション全体を通して流れている共用排水管です。もとはこの排水管に向かって左側にキッチンがあったのですが、今回のリフォームで右側に移設することになったので、写真のように取出し口からぐるりと排水管を曲げています。その上で、PSを最小にできるように木製下地を組んでもらっています。

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こちらはキッチン上部、レンジフードのダクト配管状況です。ピンクのテープが張られいてるのが、レンジフードを吊るためのアンカーボルトで、天井から吊られている木片は、天井裏の木軸を組むための下地です。

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当日はお施主様の奥さまにも立ち会って頂き、将来的に鏡や絵画を固定する際の下地やスイッチの位置も確認して頂きました。

 

新築マンションをなぜリフォームするのか? 六本木M邸

六本木M邸

六本木の新築マンションのリフォームプロジェクトがスタートします。

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ちょうど工事が終盤に差し掛かりつつある赤坂M邸から歩いて数分の所にある、竣工したばかりの新築出来立ての高級マンションです。築浅マンションのリフォームはこれまでも経験がありますが、新築マンションのリフォームは僕らも初体験で、結構ドキドキしています。
新築なのに、なぜリフォームするのかはお施主さまの考え方次第なのですが、僕らは以下のように考えています。以前は、2億円以上の価格の高級マンションを購入すれば、建設時からデベロッパーにフローリングの材質や色味、壁の仕上がり感、キッチンや浴室もフルオーダーで変更することが可能でした。ところが2005年の耐震偽装事件以降、建築確認申請がより厳密化することで、マンションデベロッパーやゼネコン側ではオプション提案に対応することがほぼできなくなってしまいました。ところが、億単位の費用で購入するお施主様は、そこまで高額な費用を払うのであれば、自分の好みの仕様にしたい気持ちは変わりがありません。
そうなると、マンションが出来上がるのを待ってから新築状態のままリフォームせざるを得ない状況になってきたという流れではないでしょうか…。

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まだ購入が決まったばかりでお引渡し前ですが、リフォームを前提に現地を拝見させて頂きました。

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リフォーム前のキッチンです。新築ですから、当然仕上がり上は手を加えなくても使える状態ですが、写真のように高級マンションの割には通路が狭く、カウンターの位置と冷蔵庫の位置関係が良くないと思われたので、こちらについても提案をして行くことになっています。

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プランだけは事前に頂いていたので、お施主様のMさまご一家が暮らしてゆくうえで、どこに問題がありそうか、またそれらをどのようにリフォームすれば解決するのかを、勝手にプランに書き込んでおいたもの(僕らは「妄想プラン」と呼んでいます…)をご説明している様子です。
デザイン的にはモール ディングや装飾を入れてクラシカルでコロニアルな雰囲気にしてゆく方針です。どんなに高級と言われているマンションでも、新築時は万人受けを狙うので、シンプルモダンテイストの無難なデザインとなっているので、今回のMさまのようなお客様が満足することはできないようです。

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こちらはMさまと僕らの打合せ風景に刺激された5才のK君が説明しながら書いてくれた秘密基地のスケッチです。立体的なスケッチの描き方だけでなく、ストーリーを組み立てながら考えてゆく様子には、将来の建築家像が見えてくるかのようでした。

全体のマネジメントと施工はLD社で、営業担当の山碕さんとチームを組んで進めてゆくことになります。Mさま、どうぞ宜しくお願いいたします!

(こちらのプロジェクトは既に完成済みです。リフォーム後の様子をご覧ください。)

ライムストーン張りの壁@赤坂M邸

赤坂M邸

赤坂M邸の見せ場ともいえる、ライムストーン張りの壁ができてきたとのことで、打合せ予定もなかったのですが、お施主様のMさまと一緒に現場に伺って参りました。

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石の高さを3種類に変えて、磨き方も光を反射する本磨きとマットな質感の本磨きを混ぜて、壁自体の厚みを表現しようとデザインしてきた壁です。とてもきれいに張られており、Mさまと一緒にしばらく眺めさせていただきました。

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こちらは玄関ホールからリビングへのガラス扉です。重厚感のある石壁と透明感のあるガラス扉が上手くマッチしており、不思議な浮遊感が演出できました。

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ライムストーン壁に掘り込みを作り、そこにガラス扉用のヒンジを埋め込み、ガラス扉を吊っているディテール写真です。ライムストーンは、リビングの壁だけでなく、玄関ホールで直角に曲がり、寝室への扉まで張り込まれています。コーナーも互い違いに張っていることで、重量感が感じられます。

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玄関ホールの既存収納の形状を一部変えて、扉も交換したものができつつあります。以前はノッペリとした白い壁収納でしたが、チークの突板張りに変えたことで、シックな高級感が出てきました。

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ダイニングの壁もアクセントクロスが張られ、ニッチ収納の内部もチークの突板に交換しています。この赤坂M邸のリフォームでは、築浅のマンションであることも考えて、とにかくコストパーフォーマンスの良いデザインを心掛けてきました。施工・プロデュースのライフデザイン社は、本来はスケルトンリフォームを得意としている会社なので、却って大変かもしれませんが、本当にきれいで間違いのない工事をしてくれています。