イタリアの建築家、カルロ・スカルパがデザインした高級家具を扱うブランドSimon(シモン)の日本の正規代理店であり、かつ高級素材を使ったイタリア仕込みの家具を始めたとしたインテリア提案ができるデザイン事務所であるシモンガヴィーナ・ジャパンのショールーム兼事務所を訪問して参りました。
JR代々木駅から徒歩5分の事務所には、シモン社からの輸入家具や照明器具に混じって、シモンガヴィーナ・ジャパンのオリジナル家具やディテール素材が沢山飾られていました。
こちらはスカルパ好みの無垢の真鍮材を削り出した金物類です。無垢材ならではの重量感と、使い勝手の良さを両立させるための工夫も随分重ねてきているようです。右側の黒い器具は、いわゆる六角レンチですが、シモンガヴィーナ側がお施主様に扉の開閉用にプレゼントするためにデザインした特製レンチだそうです。
木材と皮革という違う性格を持った材料を上手く接合させて難しい家具のディテールも説明して貰いました。皮は本革を使っているそうですが、木材は無垢を使うと価格が高くなるだけでなく、歪みなどの精度の問題もあるそうなので、突板を張っているそうですが、見事に継ぎ目が隠されており、手に取って見ても判らないくらいの貼り合わせ精度の高さでした。
記念撮影させてもらった代表の津川恕之さんは20代の時にイタリアの家具屋に飛び込みで修業に入り、日本に戻ってからは高級家具店を経営するという伝説上の人物です。パッと見た目は怖そうな方(?)ですが、実はとても真摯で丁寧な方で、スカルパをはじめとする有名デザイナーの人たちのことや、イタリアでの苦労話を色々と伺わせて貰いました。
因みに、これまでは銀座和光本館や銀座交詢社の家具類やフィリピンやナイジェリアなどの大使館関係建物の内装、ホテルニューオータニなどの高級ホテルのレセプションルームなどの施工・納入実績があるそうです。大学・大学院の恩師である池原義郎先生との仕事も多数手伝っているとのことでした。
凝った金物と木材や皮革を上手く合わせた、キラリとディテールが光る家具は、置き家具でも造り付けの造作家具でもOKとのこと、是非僕らの設計でも、ここぞといポイントで取り入れさせて貰いたいと考えています。