Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

見積り予算調整@世田谷N邸リノベーション

世田谷区N邸

先回の打合せから、幾度か現調・打合せを重ねてきた世田谷のマンションリノベーションプロジェクトN邸では、お施主様のNさまご夫妻、施工と全体の取り纏めをお願いしているオリエンタル産業と、僕らカガミ建築計画の三者で、最終的な予算を決定するための打ち合わせを行いました。

世田谷N邸 クライアントと一緒に現地視察

現在賃貸でお住まいのマンションの違う部屋をご購入してのリノベーション計画なので、Nさまのご自宅と現場を行ったり来たりしながらの打ち合わせになりました。左からAちゃんを抱っこした奥さま、オリエンタル産業の中村専務、Nさま、カガミ建築計画のスタッフの渡辺です。

予算調整打合せ@世田谷N邸

その後ご自宅に移って、見積りを僕らが一度目を通して増減案を作ったものを再確認しながら、さらに削れる部分がないか、それらを本当に削っても良いのかを何度も問いながらの作業となりました。右側中央がオリエンタルの現場を見てくれることになった、監督の佐藤さんです。

予算調整資料

こちらが一度出してもらった見積りをどのようなバランスで削るべきか、またその方法をどうするかを、こちらで整理した資料です。これをオリエンタル産業に戻して、きちんと積算し直してもらったものを使いながら、具体的な予算を決めてゆきました。

残す物壊す物最終確認@世田谷N邸リノベーション計画

どうしても予算が落ちない個所については、もう一度現場に戻って、本当に壊して作り直す必要があるのかを再確認しました。結果として、写真右手に写っている収納は扉を塗り直すことで再利用することが決まりました。壊して、残材を処理する金額、さらには新しく収納を作る費用も削れるので、相当大きな減額要素になりました。

造作家具から大工造作へ変更図面

他にも、家具屋さんに作って貰う予定だった家具を、現場で大工さんが作れるように設計し直すことで、費用を削減した項目もあります。後日、大工さんと建具屋さんが作れるように、デザインを変更した図面を書き直して、再見積りをお願いしました。

 

 

 

 

 

 

解体状況確認@赤坂M邸

赤坂M邸

赤坂M邸マンションリフォームの現場では解体工事が無事終わり、設備配管のルート変更が行われていました。

赤坂M邸 マンションリフォーム解体現場

ご覧の通り、陽がサンサンと降り注ぐ素晴らしい環境なので、冬でも暖房が全く必要ないそうです(夏は暑いかも?)。現場に常駐の斉藤監督さんと、今回のリフォーム工事の仕切り役のライフデザイン社の山碕さんが打合せしています。

玄関ホール解体下地

玄関からリビングへと曲がってゆくL字型の壁には、全体にライムストーンを張る予定なので、壁のボードは全て剥がし、下地のLGSを補強してゆきます。また、玄関ホール部分の床も張り替えるので、下地ごと撤去されています。

洗面トイレの床下配管

浴室奥の水周りに新たに洗濯機をレイアウトするので、こちらも床下地から撤去して配管ルートを更新しています。灰色の管が雑排水管で、水色のさや管の中に給水が、赤いさや管の中に給湯が通っています。築3年と比較的新しいマンションなので、床下及び天井裏のスペースにも余裕があり、配管ルートも図面通りに施工されていて、リフォーム工事もとてもやりやすいようです。

天井裏配管

元々は賃貸用として作られたマンションなので、各寝室のエアコンが壁掛け型だったので、今夏のリフォームで天井埋め込みにします。天井を開口した個所に、浴室の追い炊き用の配管を通しています。

解体工事 取り置き部材

全部スケルトンにしての工事ではなく、なるべく既存でも使えるものを再利用してゆく、CP(コストパーフォーマンス)を重視した計画を立てているので、このように再利用する可能性のある材料は、きれいに室内に保管して貰っています。

家具図のチェック

玄関ホールの家具も使える部分は残しながら、部分改修してゆくことになっています。白いメラミンの扉は、チークの突板扉に変更し、壁面一杯に作られていたものを、一部オープンにして、抜けを作る計画となっています。

玄関ホールの石サンプル

現場監理の後で、石材の確認にアドヴァンのショールームに伺ってきました。ケベックカルニコという濃灰色の石を特別に水磨きにして貰うことになり、そのサンプルを見せて貰いました。黒い石は磨きが効きすぎると、オールドファッションのデザインに見えてしまうので、ここでは水磨きでシックに決めたいと思っています。

壁張りのライムストーン

玄関とリビングの壁に張るライムストーンの確認です。こちらも水磨きと本磨きを混ぜて、光の具合によって深みが感じられるようにデザインしています。

神戸M邸 照明実験中

神戸M邸

神戸のマンションリノベーションM邸の照明計画の実験(調整)に伺って参りました。

天井間接照明 調整中

今回は、限られた電気容量の中で、LEDを多用しながら、どこまで豊かな、深みのある空間を照明で演出できるかにチャレンジするために、いつもお世話になっている照明デザイナーの三橋倫子さんに照明計画を全面委任して、新しい製品や特注の製品も含めて提案して貰いました。こちらの写真では、天井の片側からLEDで投光して、反対側の天井カーブ部分を照らす照明の位置を調整している所です。

天井間接照明調整中

天井の丸い部分にどのような光が落ちるのかを、微妙に調整しながら確認してゆきました。この作業を照明用語ではシューティングというそうです。

森川製作所の特注LED照明

天井にアゴを作って、その中にこのようにアームがついて、角度や高さを調整できるLEDを仕込んでいます。森川製作所に、照明のピッチから可動部分まで特別に設計をお願いして作って頂いた照明です。これにアゴ手前の板を上下に上げ下げすることで、最終的な光環境を設定して参りました。

床埋め込みのアップライト

こちらも同じ森川製作所にお願いした、床埋め込みスタイルのLEDアップライトです。元々、現地で取付けた後で、まぶしさをチェックしてからフィルターで調整しようと計画していたので、幾つかのフィルターを重ねてみて、最終的な判断をしてきました。

子供室の照明

こちらの不思議な形は、子供室に採用した可愛らしい照明のベースとなる部分です。壁紙にピンクの色を使う予定なので、カバーを付けても見えてくる部分には、先にピンク色で焼き付け塗装して貰っています。

LED間接照明

コーナーの棚下にもLEDの間接照明を入れています。こちらのLEDはDNライティングさんのものです。

カーテン間接照明

南側窓面にもカーテンボックスの裏に間接照明を入れています。窓側に遮光のロールスクリーンを入れて、その手前にレースのカーテンを入れるのですが、それらが間接照明でどのように見えるかを確認しました。右側のガラス面に光の粒が写っていますが、レースのカーテンを入れることで、この粒も消える予定です。こちらはトキスター社の製品を使っています。

玄関の大谷石を照らす照明

玄関入って正面には、写真のような大谷石を張っています。ワザと少しずつずらして貼っているのですが、それはこのような照明で上から照らした際に生じる陰影を演出したいと思っていたものです。さすがにこのような照明は、LEDでは演色性がまだ十分ではないので、ここはハロゲンを使っています。

インタフォン下地

電気やさんと時間を掛けて打合せをするのは、今回が最後になりそうなので、他の電気に関連する部分もチェックして回りました。こちらはインターフォンを設置するためのニッチです。

スイッチ、コンセント類の確認もしています。基本は神保電気のNKPシリーズですが、調光が掛かる部分で、一般の調光器では対応できない個所には、ルートロンのディーヴァを使わせて貰います。

特注照明打合せ

こちらは、夏の終わり頃に、森川製作所に照明デザインの三橋さんと一緒に伺って、特注照明について打合せをさせてもらった時の様子です。

LED照明実験中

幾つかLED照明メーカーから借りた機器を、夜中の事務所で点灯して、光の指向性や色温度などを実験したうえで機器を決定しています。一番左側が子供部屋に使ったピンポン型のLED器具です。

照明器具の据え付けスケッチ

また、こちらは照明デザイナーの三橋さんが書いてくれた照明据え付けのスケッチ図です。まだ、この時は具体的な寸法までは決まっていませんでしたが、どのような光を設計したのかのイメージを共有することができたので、とても助かりました。