Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

田園調布F邸 設備調査

田園調布F邸

現在、工務店に見積り依頼中の田園調布F邸の現場に、工務店の現場担当者と水道屋さんと一緒に行って参りました。キッチンやスロップシンクの水を流しても、汚水雑排水のマスに水が流れてこないので、配管ルートがどのようになっているかを確認して貰う為でした。

道路脇の駐車場の汚水・雑排水マスと雨水マスまで調べて貰った結果、お施主様が購入する以前にリフォームされた段階で、何らかの理由で雑排水が雨水マスに流し込まれていたようです。

また、白ありで床が腐っていた個所から、床下を覗きこみ、浴室周りの給排水ルートも確認して貰っています。右がイン・ハウス建築計画の河野君、左が参創ハウテックの小園さんです。
本来は別系統にしなければいけないもの汚水・雑排水と雨水が混ざっていることが判ったので、今回のリフォーム工事で新たに雑排水のルートを作って、別に流すことに致しました。

最後の写真は、当初は撤去する予定だった壁面収納棚です。左右の凹んだカ所に窓を設け、棚自体は再利用することになったので、作りがどうなっているか、再調査致しました。

お施主様の現場視察@高輪I邸

高輪I邸

工事進行中の高輪I邸の現場に、お施主様ご夫妻が差し入れを持って訪問してくださいました。工事お願している工務店のはとても現場をきれいにしてくれていますが、それでも工事中は床に端材や金物が転がっていたり、仮止めだったりするか所もあるので、現場を訪問してくださる場合には、僕らが立ち会うようにさせて貰っています。

ご夫妻が立っているのがリビングの辺りで、向かって左側の寝室側を見ている様子です。壁が立上り、ボードもほぼ張られ、床下地もできた段階での訪問だったので、空間のイメージを掴むことができたそうです。室内の障子や欄間を通して光が奥の空間へと伝わる感じも判って頂けたようです。

一番左がWIC(ウォークイン・クローゼット)へ光を入れる欄間窓、正面の長方形の開口が一段床が上がった寝室の障子です。そのすぐ右が寝室への扉、ちょっと奥まった部分が玄関から伸びてくる廊下で、一番右側の開口がキッチンへの入り口です。寝室の奥の壁上部には、洗面への欄間窓も見えています。

こちらは、寝室からリビング側を見返したアングルです。暗い寝室になってしまうのではと不安がっていらしたお施主様も、これだけ光が入ってい来るのであれば安心だとおっしゃて下さったのが嬉しかったです。

玄関から、来客用トイレを見たアングルです。廊下正面には分電盤を入れる収納を設けます。天井裏には、新たに引き直した水道管とガス管が通っているので、トイレと廊下の一部は天井を150ミリ落しています。完成まであと一月半、どうぞ宜しくお願いいたします。

東洋大学秋山研究室来訪

高輪I邸

マンションリフォームで良く問題になる専有部と共用部の取り合い問題についてインタビューしたいとのことで、以前お世話になった東洋大学の秋山哲一先生、元助手の宇治康直さん、そして秋山研究室の学生四人が事務所に来てくれました。

宇治さんの正式な研究名称は「マンション専有部の大規模改修工事に関する調査-専有部分と共用部分の関係性-」とのことで、取り合い部分でどのような問題があったかを聞きたいとのことでした。

このブログでも紹介した高輪I邸でのコンクリート壁のスリーブ開けの事例や、これまでの経験で難しかったり、判断に悩んだケースを色々とお話ししました。20年前であれば、マンションで隣戸を購入して、本来は共用部の境界壁を切って、二つの部屋を一つに纏めてしまうことは普通でしたし、10年前でもエアコン用のスリーブ孔は管理組合に申請しないで自由に開けていたのが実態です。

その他、マンション共用部の養生や躯体に割れやヒビがあった際の対応、全面解体してスケルトンにしてから工事をすることと、部分解体で既存を残した工事をすることの違い等、今回工事をお願いしている工務店青の片岡社長にも立ち会ってもらい、説明いたしました。

宇治さんの学会用研究、そして学生さんたちの卒論・修論、どうぞ頑張ってください!